2011年12月03日



In Deep のトップページは http://indeep.jp に移転しました。よろしくお願いいたします。




人間には「脳の中で自主的に視覚を変更できる能力がある」という英国ハル大学の論文



(訳者注) ニュースの見出しで知った記事で、イギリスのハル大学という大学の研究発表です。

翻訳したものを読み直すと、どうもわかりにくいですので、先に要約しますと、

・「存在しない色」を脳の中で自由に想定した人たちについて

の実験結果の話のようです。

実験は、白と黒のモノクロのパターンを用いて、そこに色が見えるかどうかというのを調査したというものでした。


最近(あるいは小さな頃から)、個人的に「人間の目からの視覚の実態は確実なものではないかもしれない」と思っていたのですが、今回の研究が示すところは、人間は「頭の中で視覚を再構成している可能性がある」ということなのかもしれません。

そして、それだけではなく、研究者は、

経験そのものを脳の中で変える力もあるかもしれない

ということを言っています。

視覚だけにとどまらず、痛みや怒りや感情などの「経験を頭の中で変えてしまえる能力」を人間は持っているかもしれないと。

今回の実験では「一部の人々」となっていますが、能力に差はあれど、多くの人間にはそのような力はあるのかもしれません。

ちなみに、私は知らなかったですが、英国ハル大学というのは比較的新しい大学ながら、科学分野などについて非常に優れた業績を残しているのだそう。漢字で書くと「春大学」ですかね(やわらかい)。





Hull research proves colour is not a black and white issue
ハル大学(英国) 2011.11.30

白と黒だけの問題ではない: 人間の脳での色彩認知能力をハル大学が証明

psychologybrain1.jpg


人々の中には、自由に「色の幻覚」を見る能力がある人がいるということが、ハル大学の科学者たちの研究によりわかった。それには、「催眠」の援助も必要ない。


今週、科学専門誌『コンシャス・アンド・コグニション』 Consciousness and Cognition / 意識と認識ジャーナル)で発表される研究は、ハル大学の心理学部でおこなわれた実験によるものだ。

いくつかにわけた人々のグループのうち、「とても催眠にかかりやすい」ことを示したグループの一団の人々にその現象は集中した。

実験は、白と黒だけで描かれているモノクロのパターンを見て、「そこに色が認められるか」どいうかということをテーマとして行われた。

被験者のグループの人たちは、「催眠状態」と「催眠にかかっていない状態」のそれぞれで検査を受けた。

そして、このグループの一部の人々は「催眠状態」でも「催眠ではない状態」でも、どちらでも、色のない白と黒のモノクロパターンの中に「色が見える」ということを報告したのだった。

パターンに対しての個人個人の反応は、 MRI スキャナによって脳の状態をとらえることによって、影響を受けやすいパターンと受けにくいパターンの違いをモニターすることにも成功した。

この研究の結果、脳活動の中で、視覚に対しての関わりがあるという脳の領域では、影響を受けやすいテーマでだけ変動を示した。




(訳者注) 上の部分の表現は、ちょっとわかりにくいのですが、多分、こういうことだと思います。

白と黒のモノクロのパターンの中でも、色を見いだいやすいパターンと、見いだしにくいパターンが存在して、その違いは、MRI でわかるほど脳のその領域が反応する」と。




今回の研究の主任であるジュリアーナ・マッツォーニ教授は以下のように語る。


「これらの人々はとても優れた能力を持っていると思います。彼らは、他のグループの人たちにはできない方法で、世界の認識と経験を変えてしまう能力を持っているのかもしれません」。

教授が言う「自由に経験を変える能力」は、様々なことに役立つ可能性がある。

たとえば、催眠の暗示によって痛みをブロックするというような、精神的な治療法の効果の増大に用いることのできる可能性があることを研究は示した。

当初はこれらの効果を得るためには催眠が絶対に必要だと考えられていたのだが、実験が進むにつれ、「催眠の援助なし」で、脳活動を変えることができるということがわかった。






(訳者注) この教授の言っていることは、つまり、

「痛くない」と思えば、「痛くない」ということを脳の中だけで行える可能性

を言っています。

有効に働けば、まことに有効。
もちろん、悪用されれば悪夢ですが(存在しない苦痛を感じる方向のこと)。


唐突ですが、上の記事を読んで、30年くらい前の、日本の P- Model というバンドの平沢進という人の朗読の詩を思い出しました。
私が東京に来た頃にリリースされたものです。

ずいぶん昔に、その部分をおこしてアップしたことがあるので、貼っておきます。動画の下に内容を全文載せておきます。
基本的には朗読ですが、朗読のあと曲になります。

多分、当時の平沢進が言っていたことは、上の研究でいう自主的な脳活動を「平和のために有効に利用する」という話だったのだと今気づきます。




P-Model - ANOTHER GAME Step1 (1984年)






アナザーゲーム step1
楽な姿勢で座り 目を閉じて下さい
今から私が3つ数えると あなたはリラックスします

1 あなたはリラックスしていきます
2 深くリラックスしていきます
3 あなたはリラックスしています

そのままでできるだけリアルにあなたの環境を思い浮かべてください
イメージでその空間を広げていき
何千キロも離れたところにいるであろう
一人の男を思い浮かべてください

彼は平和な家庭を持ち
家族を愛しています
仮にその愛が世界を救えるのだとしても
世界は彼から職を奪うことは出来ません
兵器工場の働き口をです

意識を集中して世界と彼に関するこの礼儀正しいループを
あなたの脳活動の中から探し出し
いついかなる場合にもそれを思い出せるように
あなた自身のキーワードを作ってください

もう一度、男を思い浮かべて下さい
今度は別な男です
彼は有能な科学者であり
しかるべき理由によって
しかるべき事態にそなえて
人類を宇宙空間に移住させるためのプロジェクトを持っています

しかし、あなたはこの人類地球脱出計画の理由と人類地球脱出計画の技術がイコールであることを知ることができます

意識を集中して、このイコールをあなたの脳活動の中から探し出し
いついかなる場合にもそれを思い出せるよう
あなた自身のキーワードを作ってください

以上のことがらはほんの一例に過ぎません
あなたは今やイメージを広げ
あなたの日常の中から多くの類似した例を見つけることができます

現実の中で起こるそれらの脳活動に共通した条件を感じとることができ
もしもそれが奇妙なものに見えるならば
その感覚とその感覚を得ている現在のあなたの肉体的、精神的な状態を
いついかなる場合にも思い出せるよう
あなた自身のキーワードを作ってください

その状態から見る世界観と
その状態から得られるあらゆるアイディアに期待します

さあ、もっとリラックスして下さい
もっと深くリラックスして下さい





1年前の In Deep

2010年12月03日の記事

カオス UK :欧州各地から過酷な冬便り

イランで何かが起きている?: 各地で「汚染」という名目で公共機関が閉鎖されている

地球上で見つかった「炭素ベースではない」まったく新しい生命: NASA による発表が行われる予定