(訳者注) 先日の記事、
・突然出現して太陽に飛び込んでいった巨大な彗星。その名は「ラブ&ジョイ」
(2011年12月14日)
をご紹介したあと、スペースウェザーには次々とラブジョイ彗星の記事がアップされ、12月16日現在、トップページは全部、ラブジョイ関係の記事になっています。
どうしてこんなに突然注目を浴びたかというと、
・とにかくデカイ
というのがあるようです。
12月15日付けの記事「BIG COMET PLUNGES TOWARD THE SUN (巨大な彗星が太陽に突っ込む)」には、下のような太陽に突っ込むラブジョイ彗星の写真が掲載されました。

▲ GIF 動画はこちらのページにあります。
見るだけでもその壮絶な大きさが伺えるのですが、記事の中では、この突撃を「カミカゼ・アタック」と表現していました。そして、米国海軍研究所の彗星調査官カール・バタムズさんという人は下のように言っています。
「これは間違いなく、これまで NASA の SOHO が観測した中で最も明るいサングレーザー彗星(太陽の極めて近くを通る彗星)だ」
そして、今日また新しい記事がアップされていたのですが、太陽に神風攻撃を仕掛けたラブジョイ彗星は何と、太陽にやられず「生きのびた」のです。
そのことが記事になっていますので、ご紹介します。
最近ではエレニン彗星が太陽に近づいて壮絶な最期を遂げましたが(関連記事:エレニン彗星は 9月11日に太陽フレアの中でほぼ完全に消滅)、ラブジョイ彗星は生きのびたのです。
ちなみに、その動画はこれです。2秒ほどのものですが、太陽から「ビュン」と去って行くラブジョイ彗星の姿がおわかりかと思います。
まるで、「逃げていく精子」のようなラブジョイ彗星を見て、なんだか非常に親しみを感じてしまいました。
こんなに彗星に本当の意味で親しみを感じたのはこれが初めてかもしれません。
ここからスペースウェザーの記事をご紹介しておきます。
オリジナルの文章もやや興奮気味です。
COMET LOVEJOY SURVIVES
Spaceweather 2011.12.16
ラヴジョイ彗星は死んではいない
信じられないことに、サングレーズ(太陽に非常に近づく彗星)のラヴジョイ彗星は太陽と接近したその衝撃を乗り切ったようだ。
12月16日、ラヴジョイ彗星(Comet Lovejoy)は太陽表面からわずか 140,000キロメートルのところを飛行していた。
NASA の太陽観測機ソーラー・ダイナミクス・オブザーバトリー(SDO)は、彗星がその軌道で太陽に最も近い(近日点)ところから出てくる姿をとらえたのだ。
その驚くべき動画が下のものだ(上に貼った動画です)。

ラヴジョイ彗星は直径約 200メートルの彗星だ。
現在のラヴジョイのコアがどの程度の損傷を受けているのかはわからない。しかし、SOHO の映像は、現在のところ、ラヴジョイ彗星が太陽の荒っぽい仕打ちを耐えて生きのびたことを示している。
(訳者注) この彗星の名前を眺めていて、ふと思い出すフレーズがあります。
松島や ああ松島や 松島や
という江戸時代の当時の狂歌師が作った詩みたいなのがありますが、これをお借りすると、
ラブジョイや ああラブジョイや ラブジョイや
というような感じがスペースウェザーの記事から感じられます。
私もそう感じています。
太陽にこれだけ接近して死ななかったラブジョイ。
地球にくればいいのに。
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[彗星]の関連記事:
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2010年12月16日の記事
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