(訳者注) 2012年の新年の1月2日。北欧ノルウェーのメディアの一面は「魚の大量死」報道で始まりました。
▲ ノルウェーの報道メディア Dagblabet より。
ノルウェーでのこの魚の大量死は、最初、ノルウェー語だけの報道だったのですが、今日になり、英国のデイリーメールで「米国での別の大量死報道」と共に紹介されていました。
米国での大量死は「鳥」です。
しかも、昨年のこの In Deep でも取り上げた「大晦日の大量死」が発生した場所と同じ米国アーカンソーでの出来事でした。
▲ 2010年12月31日に鳥5000羽と魚10万匹という謎の大量死が発生した米国アーカンソー州。
関連の In Deep の過去記事は「米国アーカンソーの鳥と魚の大量死をめぐるブログより」というタイトルで下の3つの記事を連続して書きました。
--
・(1)ニューマドリッド断層地震帯(2011年01月04日)
・(2)聖書の記述より(2011年01月05日)
・(3)世界に拡大する大量死と磁場変動説。そしてコレキシットの幻影(2011年01月06日)
--
です。
同じ場所で、ほぼ1年後の大晦日である2011年の12月31日から2012年の新年にかけて、「空から鳥が落ちてきた」という報道が、米国などのあちこちでなされています。
デイリーメールでは、そのふたつの事件をまとめて紹介していましたので、今回ご紹介します。
ちなみに、あまり関係ないことですが、上の In Deep の過去記事の「(2)聖書の記述より 」で紹介している記事の中で、「聖書の中で鳥の死が描かれているもの」が抜粋されており、このようなものが紹介されています。
エゼキエル書 / 38章 20節
海の魚、空の鳥、野の獣、
地の上を這うすべてのもの、
および地上のすべての人間は、
わたしの前に震える。
山々は裂け、崖は崩れ、
すべての城壁は地に倒れる。
--
ゼファニヤ書 / 1章 3節
わたしは、人も獣も取り去り
空の鳥も海の魚も取り去る。
神に逆らう者をつまずかせ
人を地の面から絶つ、と主は言われる。
海の魚、空の鳥、野の獣、
地の上を這うすべてのもの、
および地上のすべての人間は、
わたしの前に震える。
山々は裂け、崖は崩れ、
すべての城壁は地に倒れる。
--
ゼファニヤ書 / 1章 3節
わたしは、人も獣も取り去り
空の鳥も海の魚も取り去る。
神に逆らう者をつまずかせ
人を地の面から絶つ、と主は言われる。
などがあるとのことでした。
何だか、最近は「新年の代名詞は大量死」という感じも定着してきています。
ところで、今回の「ノルウェーの海域」は、一昨年の BP の原油流出のことを思いださせます。ノルウェー沖は、米国のメキシコ湾から続いている「メキシコ湾流」の終点なのです。
そのことに少しだけふれておきます。
まあ、もちろんノルウェーの魚の大量死と関係がある話ではなく、そういうことを考えていた時が昔あったということです。
世界をめぐる海流
2010年の BP の原油流出の後、しばらくいろいろと調べていたことがありましたが、結局、個人的に「この原油流出の影響は数百年以上続くのでは」と感じて、それ以降は「なるようにしかならない」と考えるようになりました。
というか、世界各地で常に原油は流出していて、原油の流出そのものは日常のことのようなのです。
ただ、 BP の場合は、そこに「多量の原油分解剤(コレキシット)」を使用しており、やや事情は違う部分はありました。
当時の(私個人としての)懸念のポイントは、
・原油を分解するバクテリアの異常大量発生による生態系の劇的な変化
・原油分解剤コレキシットの全世界の海への拡散
でした。
コレキシットは曖昧ではない「劇薬」です。
そして、世界の海(海流)というものは「基本的にひとつ」です。
下の図は海流の流れを簡単に示したものです。
▲ 赤の星が2010年の BP の原油流出現場。黒の星は、今回ノルウェーで20トンのニシンが打ち上げられたあたりの大体の場所です。米国のメキシコ湾からノルウェー北部まではメキシコ湾の海流で繋がっています。このメキシコ湾の海流があるお陰で、英国や北欧は「人間が住める程度の気温と暖かさ」で収まっています。
世界中に様々に存在する小さな海流もこの大きな海流のベルトに乗り、全世界の海を回ります。そして、海から蒸気として海中にあるものが大気へと昇華していきます。
相転移という難しい言葉がありますが、気化して別のものになることを含めて、最終的には、すべての地表にはある程度同じ「ような」ものが拡散していくというのが実際のところのように思います。
海の水に注目する時代となりそうな 2012年
なお、「生態系の劇的な変化」に関してですが、年末は慌ただしくて、ご紹介する時間がなかったのですが、昨年末の12月19日に、米国のテキサスA&M大学のニュースリリースに、「新種の魚とエビがメキシコ湾を侵略していることが調査で判明」というものがありました。
このあたりはまた、おいおいふれていくと思いますが、深海で起きていることは地表に住む私たちにはわからないことばかりで、何も知らないままに進行して変化していくという部分は多いと思います。
そして、大事なことは「地球の気温差を形成しているのは海流による」ということもあります。
海が変化すると、世界の天候が大きく変化します。
まあ、もう変化しているような気もしますが、昨日の記事の「龍の年」の中に書かれている水の変化には海が含まれていて、また、2009年のウェブボットにはこのような下りがあります。
その部分の抜粋です。
非対称型言語傾向分析報告書「来るべき未来の形」0 巻 0 号より
2009年6月17日配信
・「生物による熱の放射」というキーワードが存在するが、これは海流や気流との関連で出てくるキーワードである。このキーワードは、海流の文脈では新しい活火山や深海の開口部と深い関係がある。
・ さらに、「深海の開口部」というキーワードは太平洋に関係している。「深海の開口部」は海流の流れ全体に影響を及ぼし、その結果異常な海流が発生することになる。
・ これは、深海の開口部によって変化した海流が人間が居住する沿岸部のさまざまな異常現象を引き起こすということでもある。
・このパラダイムシフトは全世界の民衆の間で起こるが、それは特に「水」、それも特に「海」に関する意識の変化を呼び起こす。これは海の大切さに対する意識となって現れる。よい海洋環境なしには生物は生存し得ないからである。
・ 2009年の夏から数年間は海でびっくりするような異常現象が相次いで起こる。世界の民衆は海に注目するようになる。
などです。
「水」に関しての変化、災害などは豪雨、洪水、海洋の異常を含めて、すべて、すでに最近数年で顕著に出ているものですが、今年いきなりそれが収まるというような感じもしないわけで、水や海に注目して生きることにも意味はありそうです。
なんだか前置きが異常に長くなりましたが、ここから、ノルウェーの魚の大量死に関してのデイリーメールの記事です。
Mystery of the DEAD herring: What made 20 TONNES of fish wash up on Norwegian beach?
Daily Mail 2012.01.02
ニシンの大量死の謎: 20トンもの大量の魚がノルウェーの海岸に打ち上げられた理由は何か?
おびただしい数の死んだニシンが、ノルウェーの海岸に打ち上げられていることが発見された。「終末の年」と囁かれる2012年の徴候では、というような憶測も飛び交っている。
ノルウェー北部のノルドレイサ( Nordreisa )に打ち上げられた魚の総数は、20トンに達し、どうしてこれらの魚がここに打ち上げられたかについて、専門家の意見は異なっている。
この光景を最初に発見したうちのひとりであるジャン・ピーター・ヨーゲンセンさんは、愛犬のモリーと散歩していて、モリーが匂いに気づいたことでこの光景を目撃した。
「同じようなことが 1980年代にも起きたと人びとは噂している。多分、酸欠によってか、あるいは淡水状態によって魚たちは死んだのだろう」
と、ヨーゲンセンさんは言う。
ある専門家は、ニシンを捕獲する魚、たとえば、タラに海岸線まで追われた後に、海流の流れにかかってしまったのだろうと言う。また、最近起きた嵐によって、陸に打ち上げられたか、浅瀬で川からの淡水の海域に入り込み死んでしまったのではないかという意見もある。
海洋研究所のジェンス・クリスチャン・ホルスト氏は、いくつかの要因がすぐに思い浮かぶが、この魚たちが病気で死んだのかどうかを調べるための調査をができることを望んでいると語る。
また、この事件は、「 2012年終末の日」を信じる人びとにも新しい材料を投下したようで、そのことについての関連した投稿などもインターネット上では多い。
なお、今回起きたノルウェーの魚の大量死は、「2012年の新年に起きたミステリー」の最大のものというわけではない。
1月1日に、米国のアーカンソー州の小さな町で、上空から約 200羽のクロツグミが「落ちてきた」のだ。専門家たちは、誰かが花火で鳥の群れを狙ったのだろうと考えている。
また、先月、ニューイングランドのグレン・イネスで、25頭の馬が、崖の底で集団で死んでいるのが発見された。
ちょうど1年前にも、米国では、魚の大量死とクロツグミが上空から落ちてくるという謎の奇怪な現象が起きている。