2012年02月03日



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米国メディアで相次ぐ「近く地球は小氷河期入りする」という記事



(訳者注) 私個人は気温が低いほうが実は調子がいいということがあるんですが、しかし、やはり世界的にみれば、現在の寒さは深刻かと思います。

欧州での大寒波は、今朝の NHK のサイトの報道では、死者が 120人を越えたようです


cold-uk-2012.jpg

▲ ウクライナでは氷点下30度まで下がり、1週間で 63人が死亡。フランスでも北部はマイナス 25度にまで下がったそうです。


下は NHK の報道からの抜粋です。


ヨーロッパでは、強い寒波の影響で、先週から東欧を中心に、所によっては氷点下30度を下回る厳しい寒さや大雪に見舞われています。このうち、ウクライナとポーランドでは2日、路上で生活する人たちなど合わせて29人が新たに死亡し、寒さで死亡した人は、この2か国だけで92人に上っています。

ヨーロッパでは比較的気候が温暖なイタリアやギリシャなどでも、記録的な寒さや積雪に見舞われており、寒波による死者はヨーロッパ全体で120人以上に上っています。

さらに、旧ユーゴスラビアのセルビアでは、南西部の山あいにある道路が大雪のため寸断され、住民ら1万1000人が孤立しているということです。




そして、寒波ではなく大雪ですが、日本でも死者は 50人を越えています。

今冬の死者、56人に=日本海側、大雪続く (時事通信 2012.02.02)


大雪に関しては、以前の記事の「岩見沢の大雪。そして、サハラ砂漠の雪」に書きましたが、以前に降り積もった雪の「下の層の部分が氷と化して」、その上にさらに新しい雪が積もっていく、これからが特に危険な時だと思います。

私も子どもの頃、落雪で何度か重傷を負いましたが、毎年雪には慣れていても、そういう事故は起きていましたので、近年、雪の少なかった地方ではご注意されてください。特に、子どもたちは危険が(どこにあって、何が起きるのかが)わからないかもしれませんので、親の方々はご注意なさって下さい。



Yahoo! に出現した「富士山を取り囲む 999」

ところで、毎日、Yahoo! 天気情報などで、明日の気温と天気をチェックするのですが、3日ほど前、関東の気温を見ましたらこんな表示でした。

weather-2012-01-31.jpg


へえ・・・明日は東京から前橋まで 999度かあ・・・」(笑)。

何かのエラーでしょうが、こういう表示エラーを見たのは初めてだったので、スクリーンショットに撮った次第です。しかし・・・ただ、上の感じって、「富士山をグルッと囲むように 999度になっている・・・」ような気もしたりしまして、私なんか、自分の子どもがその時、横にいたので、つい聴いてしまいました。


私 「ここから富士山見えるじゃん」
子 「うんうん」
私 「噴火するかな」
子 「ずっとしないんじゃない? (自分が)小学校にあがってからくらいだよ」
私 「あんたはこの4月から小学生だぞ」
子 「ああそうか」



というわけで、彼は自分が小学生になることにも気づいていないようでしたが、いずれにしましても、「 999度の表示」のことを書いてみたりいたしました。結構長い時間 Yahoo! 天気に表示されていましたので、ご覧になった方も多いのではないかと思います。


さて、無駄なことを書いてしまいましたが、いろいろと寒さや大雪がニュースとなり続けている中、米国などでは毎日のように、メディアで「地球が寒冷化に入るのではないか」という見出しが躍り続けています。

そして、これはいろいろな大学や研究機関、NASA や米国気象庁などから出されている発表見であるということから、「寒冷化の原因はさまざま」だということが挙げられます。

たとえば、 In Deep で昨年、シリーズとして書きました、

あらかじめ予測されていた小氷河期の到来

では、NASA の太陽物理学者のインタビューを軸として記事にしたのですが、その学者や NASA の一部の人々は、


「今の太陽活動(サイクル24)と、次の太陽活動(サイクル25)はここ百年で最も弱い太陽活動となると推測される」


という説をもとに予測を展開していて、すなわち、「過去の例から見ると、太陽活動の低下によって、地球の咽喉や気温も影響を受けるかもしれない」ということを言っています。

そして、もうひとつ懸念としては、上の「小氷河期」のシリーズで書いた「 「鎖国」と「富士山大噴火」を生み出した前回マウンダー極小期」という記事にある通り、「小氷河期には世界中で火山の噴火が頻発する」という歴史的なサイクルがあるようです。

その理由はわかっていませんが、ただ、私は個人はこの数年、「それは太陽活動と宇宙線の相互関係の何かなんだろうなあ」とは思い続けています。



太陽と宇宙線と火山活動と寒冷化の関係

東工大の地球惑星科学専攻の教授の丸山茂徳という人が、何年か前にテレビの深夜番組で語っていたという動画を持っていて、この丸山教授は「地震も火山も宇宙線が関係している」と言っています。

その中の、火山の部分だけを抜粋します。



上の丸山教授の話には、実は専門的な用語がたくさん出ていて、意外とわかりにくいですので、文字として簡単におこしておきます。



「火山の噴火も、地震も、そして雷も、そういうのはすべて宇宙線がトリガー(引き金)になっている。それはどういうことかというと、高エネルギーの宇宙線というのは、ものすごくエネルギーが高いんです。

質量の大きいものは別にして、ミュー粒子(宇宙線の一種)のような、ほとんど質量のないような小さなものは我々の体を通り抜けていきます。地球も通り抜けていきます。

しかし、ニュートリノ(宇宙線の一種)もそうですが、小さくても、それが何のイタズラもしないかというと、そうではない。サイズの大きな宇宙線の粒子がどういうイタズラをするかというと、たとえば、火山の噴火にしてみますと、(コップのコーラを例えて)、触れずに宇宙線がマグマの中からガスを作ることが可能であるらしいんですね。」





ということで、今まで宇宙線のことにはずいぶんと気にかけて、また多く書いていましたが、昨日の「太陽嵐がヴァン・アレン帯から電子を消し去っていることが判明」という記事などを見ても思いますが、「太陽と宇宙の作用のハーモニー」が、ほぼすべての「地球の環境」というものを作り出しているのではないかと思わざるをえません。


さて、そんな感じで、前振りが長くなってしまいましたが、今回は今朝のニューヨーク・タイムズにあった「火山の噴火と小氷河期の関係について」の記事をご紹介します。

ちなみに、私個人はたとえば、今年ものすごく寒くなるとか、そういうようなことを思っているわけではありません。過去の小氷河期にしても、極端に気温が下がったというわけではないからです。

しかし、過去の小氷河期に「極端な気候」が多かったのはある程度事実で、飢饉などを含めて、厄介ごとは多かったようです。


それではここから記事です。

なお、ここでの小氷河期とは、14世紀から19世紀頃まで続いた寒冷な期間のことを言い、いわゆる「マウンダー極小期」という太陽活動が弱かった 1645年から1715年までの期間とは違います。




In the Little Ice Age, Lessons for Today
ニューヨーク・タイムズ(米国) 2012.01.31

過去の小氷河期に学ぶ


1780年の冬、当時のニューヨーカーたちはマンハッタンからステタン島までの約 8キロの道のりを氷の上を歩いて行き来することができた。

その時はちょうど小氷河期と呼ばれる時代で、 13世紀の終わり頃から 19世紀まで続いた寒冷な期間の間に起きたことだった。


現在、米国コロラド大学の地質学者であるギフォード・ミラー教授が率いる研究チームは、その「小氷河期」についての新しい調査と洞察を勧めている

チームは、カナダの北極地方にあるバフィン島の氷の中から凍った植物のサンプルを集めることから調査を始めた。そのサンプルを放射性炭素年代測定法を使用して、それらが 1275年から 1300年の間に急激に水を浸してきた氷によって滅んでいったと断定した。


この北極の氷の突然ともいえる拡大は、1250年から 1300年の間に起きた4つの大きな火山の噴火から生じたと考えられている。そして、チームは、この時の火山噴火での火山灰と硫酸塩が大気中に拡散していく様子をコンピュータでモデリングした。

それは大西洋の海流の循環を順次弱めていき、そして、北極への暖かい海流の流入を減少させ、その結果として、北極の氷量が急速に拡大した。


ミラー教授は今回の調査結果については以下のことを強調する。

「これは、いつ小氷河期が始まるかという正確な時期を予測するためのものではなく、それよりも重要なことは、過去の小氷河期での寒冷化の速度が急速であったということを示したものです」。


この研究には、現代の気候変動に関しての議論への重要な含みがあると、気候学者のベティ・オットー氏は下のように言う。

「私たちの時代に小氷河期に入る可能性があると私は思っています。たとえば、世界の気温が1度下がった。そして近い将来、平均気温が6度、7度と下がっていく予測が現実として現在あるのです」。


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タグ:氷河期