2012年02月04日



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寒波 2012 と欧州のエネルギー懸念



(訳者注) 昨日、「小氷河期」の関係の記事をご紹介して、その後、「寒さといえばロシア」と気づき、プラウダなどのロシアのメディアを見ていたんですが、まあ、ロシアも非常に過酷な寒波におそわれていて、その他にも多くの地域で結構大変なことになっていることを知りましたので、今回はそのことをご紹介します。

ちなみに、昨日のプラウダの記事に「シベリアで発見された「不死」のバクテリア」というものがあり(元記事)、これも興味深いですので、後日ご紹介いたします。年齢 300万歳と見られる細菌がシベリアの凍土の中から発見されたというニュースですが、今回は寒波のニュースだけを取り上げます。


まずは下の写真。

kash-02.jpg


湖がかなり凍結していますが、これはどこか?

これはインドなんです。

カシミール地方にあるカルギルという町の湖で、記録的な寒波に襲われて、この湖のある場所では、マイナス 25度を記録したそうです。

ニュースは、インドのRediff News より。

そのニュースによると、インドの北部が記録的な寒波に見舞われていて、多くの地域でここ数十年での最低気温の記録を更新しているようです。パハルマムというリゾート地で、氷点下 14.2度を記録したのをはじめ、カシミールでは、軒並みマイナス 10度以下を記録しているのだそう。

それにしても、上のボートに乗っている女性たちの格好は、氷点下25度に対応できるもののようには思えないです。やや今後に不安が残る感じですね。


下の写真も同じカシミール地方。

kash-01.jpg


もともと冬はある程度は寒くなる地方とはいえ、北極圏内並の寒気に襲われているようです。上の除雪している男性の服装も、どう見ても寒さや雪に慣れているという感じはしません。


それと、「ローマの雪」というのもありました。

rome.jpg

Today Zamen というメディアのニュースによりますと、ローマで最後にまとまった雪が降ったのは 26年前の 1986年だそうで、珍しいことなのだそう。

また、上記ニュースによると、セルビアではここ数十年来で最低の気温を更新しているそうで、夜はマイナス 30度(これはすごい)まで下がっているのだそう。

また、大雪でセルビアでは、山間部に住む人たち 11,000人が身動きがとれなくなっている他、ほとんどの交通、空港、学校は閉鎖されているそうです。


ロシアをめぐる様々な状況

もともと、今回はロシアの寒波を調べていて、他のニュースに行き着いたものですので、そのロシア関係のニュースはきちんと翻訳してご紹介します。

ロシアでは1月だけで、寒波で 64人の方が亡くなっています。




Cold wave kills 64 in Russia
THE TIMES OF INDIA 2012.02.03

ロシアの寒波で 64名が死亡


厳しい寒波によりロシア全域では1月に 64名が死亡した。

現在、ロシアでは 約 1,400人が医療機関での治療を必要としており、779人が入院している。ロシア政府の副厚生大臣によると、これはロシアにある 83の地区の中の 50地区だけのデータで、まだ数字は増える可能性を示唆した。

この冬のロシアの気温は平年より 7度から 12度も低い。

また、寒波の到来した場合にはマイナス 20度以下にまで気温が急激に下がる。今回の寒波は比較的暖かいカラカス地方にも到達した。

シベリアはもともとが気温の低い地方だが、それでもマイナス 40度という極端な寒さとなっている。

また、ロシアの首都モスクワでも急激な気温の低下により5名の市民が死亡したと、当局者は語る。モスクワでも地域によりマイナス 23度からマイナス 27度まで気温が下がった。

このあまりにも過酷な寒さは、ロシア国民に過度な暖房、あるいは暖炉などの暖房装置を使用を増加させることになっている。暖炉などの暖房は火災の原因となりやすいため、当局では注意を呼びかけている。

ロシア非常事態省の長官セルゲイ・ショイグ氏によると、すでにロシアのこの冬の住宅火災の数は、例年より 30パーセント増加しているという。

ロシアからヨーロッパにかけての現在のこの厳しい寒波は少なくともあと1週間は続くという。






(訳者注) 上に「過度な暖房」という言葉が出てきますが、これと関係して、これがロシアの天然ガスの他の国への供給にも影響を与えているようです。

同じように過酷な寒波にさらされているブルガリアなどを含めた「ロシアから天然ガスを輸入している国」でエネルギー問題が発生しています。暖房消費の上昇により、天然ガスの備蓄が尽きてきており、また、ロシアの寒波のため、ロシアからの供給量も下げられ、厳しい状況のようです。

これは要するに、エネルギー不足の発生の可能性です。
これ以上寒波が続くといろいろと大変なようです。

簡単にご紹介しておきます。
ブルガリアの英字紙 novniite からです。




Bulgartransgaz Reports 1/3 Drop in Russian Gas Supplies
novniite 2012.02.03


ブルガリアへのロシアからの天然ガス供給量が3分の1に激減


bulgaria-2012.jpg


ブルガリア国営のガス会社ブルガルトランスガスの CEO によると、ロシアによる天然ガスの供給量が激減している。ブルガリア、ギリシャ、トルコ、そして、マケドニアへの天然ガス供給量が 30パーセント以上削減されたのだ。

ブルガルトランスガスの CEO は、今回の寒波により天然ガスの消費が通常より 10 パーセントから 15パーセント上がっており、現在はブルガリアのもつ備蓄を使っている状況だと述べた。

ブルガリアは自国での天然ガスの生産が非常に少なく、今後、寒波が続けば、さらに備蓄を使用せざるを得ないとして、消費者に節約を求めた。ガスの備蓄量は 90日分あるが、消費が増え続けると対応できない可能性があるという。

すでに現時点で、ロシアの天然ガス供給削減の影響は、イタリア、オーストリア、スロバキア、ポーランド、チェコ共和国、ブルガリア、ギリシャ、ハンガリー、そしてルーマニアの9カ国に広がっている点に注意したい。

最初に天然ガス供給削減の影響を受けたのは寒波の渦中にあるイタリアだった。





(訳者注) ということで、多くの国で寒波による問題が発生しているようです。一般的には、通常でも2月いっぱいは寒波は続くものですので、今後もまだいろいろと問題は出てきそうです。

日本もブルガリアと同じく、自国生産のエネルギー(主に石油)は「ないも同然」ですので、今年みたいな気候が何年も何十年も長く続くようなことが、もしあれば、それなりに生活上でも考えていかなければならないこともあるかもしれないですね。


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完全な雪のカオスに突入した英国: 寒波と大雪により歴史的な食糧不足と燃料不足が発生
2010年12月19日


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[1年前の In Deep ]

2011年02月04日の記事

昨年夏から続いているニュージーランドでのクジラの大量死(半年で百数十頭)

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