(訳者注) 少し前に、「地球の変貌: 「原因がわかることに何の意味が?」という反省の中で」という記事の最初に、ポーランドで「地下水道から血が溢れ出て道路を血で埋めた」という報道があったことを書いたことがあります(写真下)。
言い方は変かもしれないですが、これは何というか「序章」的な感じだったかもしれません。
2日ほど前に、ベイルート市内の川が「真っ赤に染まった」という出来事があり、レバノンのメディアで大きく報道されています。
今回はその記事のご紹介ですが、まず、その写真です。
現地のテレビでも報道されています。下の写真はその様子です。
下の翻訳記事のほうに、現地の人が携帯で撮影した動画も貼っておきます。
現地ではその川にレバノンの政府関係者も駆けつけるという大騒動になっているようで、さらに記事では、ベイルート国内治安部隊が調査に乗り出しているという「オオゴト中のオオゴト」になっているようです。
この「国をあげてのオオゴト化」の背景としては、このレバノンだとかの土地柄上、「聖書」との対比は関係していそうな感じで、レバノンのニュースで頻繁に報道されるのもそういう理由もありそうです。なので、「川が赤く染まる」というのは何か聖書的に意味があるのかなと調べてみると、多少あるようです。
今年に入ってから、In Deep では、旧約聖書の話題が多いですが、聖書の中の「出エジプト記」というものには、下のような感じの内容の記述があるのだそう。簡単旧約聖書入門というページから抜粋させていただきました。
モーセとアロンは、十の災いを示した。
杖でナイルの川の水を打つと川は、血の色に染まり飲めなくなった。
次に蛙の大群が押し寄せ エジプト人の体と家を覆い しらみとアブが大発生して 家畜や人を襲い疫病が蔓延した。
人と獣に膿をもつ腫れ物ができ 空からは雷鳴と供に激しく雹が降り 畑の作物と木々を打ち砕いた。
イナゴの猛威は、全てを食いつくし 最後は、伝染病により ファラオから奴隷、家畜に至るまでその初子は全て死に絶えたのであった。
こういうようなものを常日頃から読んでいる人たちにとっては、「本当に川が赤くなった」というニュースに恐怖を感じても不思議ではありません。私らはふだんそういうのを読んでいないですので、特に怖ろしく感じるということはないですが、やはり「色」というものがクローズアップされる時代だなあとは思います。
ちなみに、このレバノンという国の宗教構成ですが、 Wikipedia によると、
宗教
国民の約40%がキリスト教、約55.7%がドゥルーズ教徒以外のイスラム教の信者。キリスト教の内訳はマロン派(東方典礼カトリック教会の一つ)が多数派だが、正教会、プロテスタント、ラテン典礼のカトリックなども存在する。
ということのようです。
実は、この「川が赤くなる」という現象は、昨年の12月にも起きていました。
場所は中国です。
中国でも川が真っ赤に
下の写真は、サーチナの「まるで「血の池」、汚染で川の水が真っ赤に―中国・洛陽 」という2011年12月15日の報道からです。
中国河南省洛陽市で13日、市内を流れる川の水が赤く染まっているのが発見され、環境保護当局が汚染源の調査に乗り出した。中国新聞社が報じた。
現地時間13日午前11時ごろ、同市の市街地を流れる川で「まるで血に染められたような」赤い水が流れているとの通報があった。赤い水は川の北側にある暗渠(あんきょ)から流れてきたもので、150メートルほどの階段状の水路を経て川に合流していた。付近の住民によると、前日までは特に異変が見られなかったという。
とのこと。
この中国の原因は、詳細は不明ながら、推定では工場による染料の不法投棄が原因であるらしいとのこと。
ちなみに、上の中国の写真は、血の池というより、「新鮮なレバ刺しがたくさん並んでいるみたいだなあ」とつくづく思い、レバ刺しが大好きだった私は、最近の食の現況を嘆くのでありました。
レバーの川といえば、まさしく「レバーのリバー」・・・とかダジャレを言っている場合でもないですかね。というか、今回の事件の現場はまさに・・・レバ・ノン(連射はやめとけ)。
では、ベイルートの「血の川」の報道を現地メディアより。
それにしても、いろんなことが起きます。
Beirut River mysteriously runs blood red
Daily Star (レバノン) 2012.02.16
ベイルートの川が不可解な変色により「血の色」に
2月15日の午後から、原因不明の赤い液体がベイルートのフルン・アル・シュバク地区の川を赤く染め始めた。それにより、川は真っ赤な色へと変色している。
このようなことが起きた原因については現在、調査が進められているが、現時点ではまだ理由はわかっていない。
▲ 地元の住民が撮影した映像。
この川の「赤い変色」がわかった 15日には、レバノン政府とベイルートの地元当局が現地に駆けつけた。ただちにその原因の調査が始まったが、原因も発生源もわからなかったという。
しかし、この付近で働いている人々によれば、この川が変色したのはこれが初めてのことではないという。あるビジネスマンによると、この川では2ヶ月おきくらいに変色した水が川に注がれるというが、普段は誰も気にしないと語る。
レバノンの環境大臣メザム・コーリー氏は、環境調査チームを現地に派遣した。
調査チームは水をサンプリングし、危険な物質が含まれていないかを含めて、この赤く染まった水質の構成物質を特定するための試験を続けている。
調査チームのサバフ氏によると、この赤い色の原因については、いくつかの理由が推察されるという。染料、食肉加工場、あるいは他のいくつかの化学物質だ。
昨年12月に中国で起きた類似した「川が赤く染まった」事件では、工場による赤い染料の不法投棄によるものだったとされる。
世界中でのいくつかの祭りや行事などのイベントでは、染料によって川を染めるということが存在する。米国のシカゴでは、聖パトリック祭の時に、川を緑に染めるというイベントがある。
サバフ氏は、最初、その色は「血」であると思い、近くのト殺場から流れ出た可能性も考えているという。また、この地域にはペンキ工場があり、その工場の調査もおこなう予定だ。
いずれにしても、水質検査の試験の結果が出るには1週間はかかる。
レバノン当局は、ベイルート国内治安部隊( ISF )にも調査を命じた。
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2012年01月04日
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[1年前の In Deep ]
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