▲ 2011年4月に真っ赤に染まった米国オハイオ州ノーウォークの川。原因は、地元の当局発表では「染料」。
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(訳者注) 昨日、ご紹介いたしましたレバノンの報道、「血の川の出現:原因不明の理由で真っ赤に染まったベイルートの川」ですが、すぐ続報が出ました。
・Dye dumped by factory colored Beirut River red
(ベイルートの川は工場の染料によって染まった)
レバノンの環境省による予備検査によれば、多分、染料工場からの染料が川に落ちた結果だろうということで、今後その染料が何かを確定するために、ベイルート大学の研究所で分析されるそうです。
さて、原因はともかく、「赤く変色する川」という概念。
少し気になって、1年くらいの過去ニュースを見てみると、次から次へと「赤い川」が出てきます。
最も最近では、今年の1月に米国で自家用の飛行機で上空から森を撮影していた人が、「血の川」が流れているのを発見したというニュースがあります。
米国テキサスの血の川
こちらは、近くの精肉工場から流れた「本当の血」だったのですが、人の来ないところに「血を放流」し続けてて、それが血の川となっているのが発見されたというものです。 AFP で日本語のニュースにもなっています。
▲ 撮影された航空写真。撮影した人の写真ファイルはこちらにあります。
AFP の報道から抜粋します。
精肉工場から流れ出る「血の川」、空撮で偶然発覚 米テキサス州
AFP 2012.01.30
米テキサス州ダラスで、ラジコン飛行機マニアの男性が飛行機に搭載したカメラのテスト撮影を行っていたところ、精肉工場の裏から「血の川」が流れ出ているのを発見し、地元当局が調査に乗り出した。
問題の汚水排出があったのは、ハムやベーコンなどを製造している「コロンビア・パッキング」の工場。
(工場側は)ブタの血が流れ出たのは下水管が詰まったためで、排出は故意ではなかったと強調した。しかし、連邦当局と州当局が合同で家宅捜査を行ったところ、工場側が意図的に作ったとみられるバイパス管が見つかった。このバイパス管からブタの血や、化学物質を含んだ汚水などが直接、工場の裏手にあるシダー・クリークに排出されていた。
ということです。
なお、このシダー・クリークという川のあたり一帯は、人気のカヤック・ポイントなのだそうで、多くの人がカヤックを楽しんでいるそうです。
▲ シダークリークでのカヤック。普通はとてもきれいなところのようです。
では、他の様々な「赤い川」の報道をいくつかご紹介しておきます。
「血のような川」の写真ばかりでゲンナリされる方もいらっしゃるかと思いますが、すみません。
ここからです。
米国テキサス(2011年8月)
これもテキサスですが、別の場所です。
・Texas Reservoir Turns Blood Red
(テキサスの貯留池が血の色に)
ABC ニュース(米国) 2011.08.03
このニュースの時も、ネット上でのいろいろな反応が紹介されていて、そこには「ヨハネの黙示録」の第二天使の登場などが引用されたりしていました。一応、抜粋しておきます。こちらより抜粋させていただきました。
聖書「ヨハネの黙示録」より
第一の御使が、ラッパを吹き鳴らした。すると、血のまじった雹と火とがあらわれて、地上に降ってきた。そして、地の三分の一が焼け、木の三分の一が焼け、また、すべての青草も焼けてしまった。
第二の御使が、ラッパを吹き鳴らした。すると、火の燃えさかっている大きな山のようなものが、海に投げ込まれた。そして、海の三分の一は血となり、海の中の造られた生き物の三分の一は死に、船の三分の一はこわされてしまった。
第三の御使が、ラッパを吹き鳴らした。すると、たいまつのように燃えている大きな星が、空から落ちてきてた。そしてそれは、川の三分の一とその水源との上に落ちた。
どうでもいいですが、私なんかは一昨年、メキシコ湾で原油流出を起こしたディープウォーター・ホライズンを見た時に、この「火の燃えさかっている大きな山のようなものが海に投げ込まれ」というフレーズを思い出してしまいました。
▲ 炎を噴き上げながら沈んでゆく BP社の石油掘削基地ディープウォーター・ホライズン(2010年4月22日)。
それはともかく、上のテキサスの貯水池で水が赤くなった正確な原因は、最も可能性のある原因としては、「ヨハクロマチウム目」というものに属する一種の細菌 ( Chromatiaceae細菌 )のせいだという意見が最も合理的なものだったと思います。この微生物は非常に屈強なもので、「酸素がほとんどないところで繁殖する」タイプの細菌のようです。
▲ こちらは同じテキサスの現場の別の報道での写真です。
去年の夏のテキサスは干ばつがひどく、貯水池はどこも水が少ない状態だったため、汚染等で水中酸素が低くなり魚類などは死んでしまったのですが、通常では繁殖しない細菌が増えるということがあったようです。
これは、裏返していうと、「このような気候(主に干ばつ)や環境(汚染も含めて)が増えると、世界中で血の池が出現しやすくなる」ということでもありそうです。
いろいろな原因が「赤い水の方向」へと傾くという感じでしょうか。
例として、昨日、中国で起きた例をご紹介します。
中国江西省(2012年2月17日)
昨日の中国の新聞サイトに出ていた写真です。
こちらは原因が汚染だとハッキリしたものですが、やはり「赤い川」です。
搜狐 2012.02.17
このニュースの主題は、色が赤くなった、というほうではなく、「ここは飲料水の供給地だ」ということのほうのようです。緑の看板に、「この川の水は飲料として使用されている」ということが示されています。
そういう意味ではいろいろな意味でキツいニュースですが、原因は、川の上流にある粉砕工場の汚染水だそう。
まだ「血の川」の話は続きます。
次はカナダの報道です。
カナダ・ロッキー水脈(2010年9月)
Canadian Rockies Waterfall Turns Blood Red
(血の色になるカナダのロッキー水脈が)
Aol Travel 2010.09.01
「血の色になるカナダのロッキー山脈の川」というものが 2010年にありました。上のスクリーンショットは Aol のトラベル情報より。原因は、大雨によって、岩の中に堆積している赤色の物質が水に溶け出したことにによって起きたと、上の記事では解説されています。
この際、カメラマンが同じ場所での「赤くなる前」と「赤くなった後」の写真を撮影しています。
本当かどうかはわからないですが、上記の記事では「大雨の後にはこのような現象は珍しくない」とのこと。
英国オールドバラ(2011年5月)
Public Pond Turns Blood Red
(公共のプールが血の色に)
Yahoo! (オーストラリア) 2011.05.11
記事によると、雑草を制御するための除草剤が太陽光線で化学反応を起こしたとか。
しかし、他の事例でもそうなんですが、原因はいろいろでも、それらの多くが実に本当の「血の色」のように収束していくということが興味深いです。
米国オハイオ州(2011年4月)
Mysterious Red Water Concerns Ohio Residents
(不可解な赤い水に不安を感じるオハイオの住民たち)
nbc (米国) 2011.04.29
オハイオ州にあるノーウォークという町にあるラットスネーク・クリークという川が「突然真っ赤になった」という報道。
これも原因は「染料」だとのこと。
雨で工場から染料が流れ込んだという説明です。
ただ、写真を見ると本当に真っ赤で、不安になる気持ちもわかります。
最後に昨年の米国 Epoch Times の記事をご紹介して終わりにいたします。短いものですので、全文翻訳します。記事のタイトルは、「日本の大地震の後、真っ赤に変色した中国の滝」。
そういうことがあったんですね。
Chinese Waterfall Turned Red After Japan Earthquake
The Epoch Times 2011.05.06
日本の大地震の後、赤く変色した中国の滝
最近、複数の中国メディアが、四川省のオールドドラゴン洞窟(漢字不明)にある滝の水が、2011年3月11日の日本での大地震の後、真っ赤に変色していることを報じた。
この滝は、アジアで大きな地震があるたびに水が赤くなり、地元の住民によれば、1976年の唐山地震、1999年の台湾地震、2008年の四川地震の時にもこの滝の水は赤くなったと中国放送網に語った。
地質学者によると、成分中のミネラルによって色の変化が起こると考えられるという。
この「地震の後に赤くなる滝」の写真は掲載されていませんでした。
というわけで、ずいぶんと長い記事となってしまいましたが、「原因は何であっても、結果的に「血の色になっている」ということにとても興味があります。
「川は地球の血管」というような言い方もありますが、そこに流れるものが人間と同じ赤になっていくという概念ですかね。
2011年02月18日の記事
・666 も 777 も 911 も刻めなかった太陽黒点 1158