2012年02月19日



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20世紀からだけでも 1600万回以上の地震を経験している地球



地震に関しての補足資料

先日、スイスでの地震に関して、

耐震設計環境のないスイスでの地震から思う「世界全体は環境の変化にどこまで耐えられるのか」という懸念
(2012年02月15日)

という記事を書かせていただいたのですが、その中で、「1963年から1998年の全世界で起きた震源の記録」の資料を載せました。

こちらです。

1963-1998-quake.jpg


これに関して補足しておきたいことがありますので書いておきたいと思います。

ちなみに、上の地図のオリジナルソースは、 NASA のデータベースにあります。

現在では一般的には、日本でも米国でもマグニチュード 2.5以上の地震を「発生した地震」として発表するようなことになっているようですので、2.5以上だと思うのですが、今日、気象庁のデータを見ていて、「もしかすると、この NASA のデータ数は少ないかもしれない」ということに気づきましたので、そのことを簡単に書いておきますね。

上の NASA のデータは、1963年から1998年までのデータですので、年数としては、「35年間のデータ」ということになると思います。

ということは、

・35年間の世界の地震の発生件数が 35万8,214件

ということを示していると私は思いこんでいたのですが、これを冷静に年平均で割ってみますと、「少ないかな」と感じたのです。


それで、日本の気象庁のデータを見てみましたら、気象庁サイトに、アメリカ地質調査所( USGS )のデータがありました。

多分、1900年から2011年までの111年間の平均データだと思いますが、下の表のような数となっていました。

numbers-111.png


マグニチュード4以下の地震は年間平均で 13万件も発生しており、すべてを合わせると、大ざっぱにいえば、「マグニチュード3以上の地震だけで、毎年 14万件から 15万件発生している」ことになりそうです。

ということは、単純にそこから35年分の地震を計算すると、大体、500万件近くの地震の発生ということになり、上記 NASA のデータの「35年間で35万件の地震」というのはどうも少ない。

どうしてだろうと考えてみたところ、私は「地震の発生回数」と勘違いしていたのですが、NASA の地図は「震源の地図」であり、「緯度や経度が完全に同じ位置の震源は同じものとしている」という可能性がありそうです。なので、地震マップではなく、「震源マップである」ということの訂正をしたかったことがひとつめの補足です。


しかし、それにしても・・・。

USGS のデータが 1900年から 2011年までの 111年分のデータだとすると、その間に発生した地震は、約 1600万回。数字で表すと、約 16,000,000回。「たった100年間のあいだ」にそれだけの地震が地球では起きています。


なお、上の USGS のデータの「年間の平均で 14〜15万件程度の地震」の中で、「日本で発生する地震はどの程度なのか」ということもデータにあります。

japan-quake-2011.png


日本だけで、マグニチュード3以上の地震は、「年間 5,000件」程度も起きています。世界で発生する地震のうちの十数分の1は「小さな国土面積の日本」で起きているわけです。


しかも、これはマグニチュード3以上という、深さによって違いますが、つまり、「地上で揺れを感じることが多い」規模の地震だけで、これです。実際にはそれよりも小さな「揺れない地震」はその何倍も起きています。

それら「地震全部」というと、どのくらい発生しているか想像されたことがありますか?

こちらも補足として資料を載せておきます。

そのデータを見てみましょう。


日本列島では常に無数といえる地震が発生し続けている

下の図は、関東のものですが、この24時間で発生した地震です。
もう一度書きますが、24時間。つまり、昨日から今日の「1日」で関東で発生した地震の回数です。

harvest-01.png


左側に書かれてある数字がマグニチュードで、縦線の数がそのまま地震が発生した回数を表します。ほとんどがマグニチュード3以下のものですが、これも地震であり、その数は数えられるものではありません。

こちらが発生場所です。

harvest-02.jpg


四角の大きさがマグニチュード、色は震源の深さを表します。
マグニチュード3以下の地震が多いですが、少なくとも「一日にこれだけの地震が発生している」という事実はあります。

私は数年前、毎日これらのデータを見ていた時期がありますが、毎日毎日この調子で、正確な数はともかく、毎日、何百何千という地震が日本列島のほぼすべての地域で発生しているという事実を知りました。

比率だけでいえば、上のほうにあげた USGS のデータの「世界での年間平均での地震の発生回数」に 100とか1000を掛けた回数が「全マグニチュード」の実際の世界の地震発生回数となるわけですが、こういうデータをずっと見ていると、「地震の予測って何だろう?」と思うこともあります。


常に常に常に常に常に、日本では地震は起き続けている。

大きいとか小さいを別にすればそれは事実です。


まあ、だからどうしたという話ではなく、「日本というのはこういう土地だ」ということを再確認したいということかもしれません。地震と共に生きることが日本列島に住む日本人の宿命でもあり、そして、「誇り」だとも感じます。他には「国土全体が地震帯であるというような国家」は、ほぼ存在しないからです。

文字の記録以前の日本の歴史も長かったはずですが、同じように常に地震や火山の噴火と対峙しながら日本人は生きてきたはずです。

中には想像を絶する大災害もあったと思われます。

でも、日本人は今ここにこのようにいます。

日本も残っています。
全滅したことなどありません。
「日本人が今存在している」という、この「事実」の重要性。


いずれにしても、日本人は、今後何年、何十年、何百年とこの日本列島に住み続けると私は考えていて、それはともすると、何万年、何億年、何兆年と住み続けることになるのかもしれません。


余談ですが、私は基本的に「大陸移動」とか、パンゲア大陸とか、そういう地球の成り立ちを今はすでに信じていません。多少の変動はあっても、日本列島は今までも、そしてこれからも基本的に「今の形で続く」と考えています。

何兆年でも。


ま、実際にはそんなことわかるわけはないですけれど(苦笑)。
理想程度に考えていただれば幸いです。





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タグ:地震の実相