2012年02月21日



In Deep のトップページは http://indeep.jp に移転しました。よろしくお願いいたします。




世界中で響き渡る音から「ヨハネの黙示録」の天使のラッパを考える(1)



関連記事:
世界中で響き渡る音から「ヨハネの黙示録」の天使のラッパを考える(1)
世界中で響き渡る音から「ヨハネの黙示録」の天使のラッパを考える(2)
世界中で響き渡る音から「ヨハネの黙示録」の天使のラッパを考える(3)

--

kiev.jpg

▲ 過去記事「世界中で響き渡る「謎の轟音」で動画をご紹介したウクライナのキエフ市の紋章。空色の背景の中で炎を上げる剣を持つ大天使ミカエル( Archangel Michael )。今回調べている中で初めて知りました。今回記事の前振りでふれています。


昨年 11月にシリーズで書きました「あらかじめ予測されていた小氷河期の到来」は、 今後の太陽活動の低下についての考えを持つ NASA の太陽物理学者デイビッド・ハザウェイ博士のインタビュー記事を翻訳したものがメインの内容でした。

昨日、米国のミステリー系サイト Earthfiles を見ていましたら、その ハザウェイ博士の「最近、世界中で響きわたる謎の音」についての短いコメントを見つけました。博士はこの音の原因について太陽のプラズマと地球の磁場の関係に触れています。

次のようなものです。


「太陽からの激しいプラズマと地球の重力の相互作用によって発生する重力波によって、これらの音を説明することもできる可能性もある。この作用によって発生する音は人間に音として聞こえる範囲の周波数のものだ」。


しかし、この理論でいくと、過去の太陽活動最大期で、太陽の表面活動が活発な時(11年前とか22年前など)には今と同じように「世界中で謎の轟音」が聞こえていたということになりそうですので、その時に音が聞こえていたのかどうかというのがわかれば、関係性もわかるのかもしれないです。ちなみに、こちらの過去記事では、アゼルバイジャンの科学者であるエルチン・カリロフ博士の見解を翻訳したものがありますが、博士も、太陽活動との関係について言及していました。

さて、今回はその「世界中から報告される奇妙な音」シリーズの何回か目となります。

ちょっと前記事などがわかりにくくなっているので、記事下に「謎の音」関連に関しての記事をまとめてリンクしておきます。

まず、最初は訂正というか、自分で調べ直してみたことがありますので、ご報告いたします。



見つからなかった「疑似した効果音」

先月この「謎の音」のことについてふれた「世界中で響き渡る「謎の轟音」の正体は?」で、 YouTube で話題となっているうちのひとつの動画の一部分を載せました。

下のもので、ウクライナのキエフ市というところで撮影・録音されたものです。

この音は今回の「天使のラッパ云々」というタイトルとも多少関連しそうですので、聴いたことのない方は、よろしければ聴いてみて下さい。元動画は長いので、そこから音の部分だけを 20秒くらい抜粋しています。




さて、私は上記の記事で、この音をスティーブン・スピルバーグの映画「宇宙戦争」のトライポッドの効果音を加えた可能性と書いたのですが、結論からいうと違いました。

映画「宇宙戦争」を DVD で見直して、そこで鳴っているサウンドを自分でチェックしてみたのです。

適当にやったので、チェック漏れはあるかもしれないですが、「根本的な思い違い」だったようで、映画の中には、キエフでのタイプの音は出てきません。

たとえば、「宇宙戦争」のトライポッドの効果音は大体、下のようなものです。
音だけを抜き出してみました。




ロシアの音が本物かフェイクという話ではなく、少なくとも「宇宙戦争のものではなかった」ということの訂正をまずしておきます。


さて、そこでロシアでの「音」を改めて聴いてみますと、いくつかの経験上の音の要素が浮かびます。その中のひとつとして「ホーン・セクション」があります。映画「宇宙戦争」の音もそうですが、「金管楽器」系の音が基本にある感じがします。

私は、中学の時に小さなオーケストラにいたことがあり、担当楽器はあまり馴染みのない名前かもしれないですが、「ユーフォニューム」(ユーフォニアム)というものでした。

Eupho.jpg

▲ ユーフォニュームはこちらの楽器です。チューバより一回り小さい楽器です。主に「裏旋律」を担当します。合唱での男性テノールの低音部門のような感じでしょうか。


地味な存在ですが、オーケストラには欠かせないもので、吹奏楽の曲ならほぼすべての曲にこの楽器は使用されます。私は、基本的に音楽では地味なセクションが好きですので、この楽器が好きでした。

ちなみに、ホーンセクションで使われる楽器、すなわち「口で吹く楽器」はどんなものでも「ちゃんと演奏しないと単なるノイズになる」ということがあって、私は他にクラリネットを個人的にやっていましたが、これも

・きれいに吹く
・ノイズとして吹く

というどちらもできます。

どうしてこんな音楽のことなんかを書いたかというと、この「ホーンでのノイズの方向性がキエフの音と似ている」と実は私は最初に「音」を聞いた時に思ったんです。

ここで「タイトル」の「天使のラッパ」の「ラッパ」の部分に結びつくんです。


今回のタイトルの「世界中で響き渡る音はヨハネの黙示録の天使のラッパのような音だという人々が続出している」というのが今回翻訳してご紹介する記事なのですが、上記のように、私も聞いた最初にそれを感じており、以前から薄々と、「ラッパの音だと感じる人がきっと出てくるだろうなあ」と思っていたのですが、世界中でたくさんいるようです。


ちなみに、ロックやクラッシックの実験音楽のフィールドでは、実際にホーンセクションや電子音で上のロシアと「同じ種類のタイプ音」だけで作られた音楽が過去にはわりとあります。たとえば、英国の COIL という先鋭的な音楽家集団が 1984年にリリースしたアルバムの中の「The S.W.B.P.」という曲などは、上のロシアの音のタイプだけで作られたものです。




キエフでの音がいろいろなところで聞こえている

ところで、一番上に画像を載せましたが、ロシアで音が鳴り響いたとされるキエフ市の「紋章」のことを Earthfiles では取り上げていました。音が響いた市の紋章は上のものだそうで、これは「大天使ミカエル」像なのだそうです。

まあ、「ヨハネの黙示録」云々というのはその人たちが米国や英国などのクリスチャンだからでしょうけれど、黙示録はどうでもいいとしても、私にもラッパに多少聞こえていたということがありましたので、ご紹介いたします。

ヨハネの黙示録全文については、こちらのページにあります。

また、その「天使の7つのラッパ」の内容については、第8章から第11章まで連綿と描かれるもので、Wikiedia にまとめられていますので、抜粋しておきます。


第一のラッパ:地上の三分の一、木々の三分の一、すべての青草が焼ける

第二のラッパ:海の三分の一が血になり、海の生物の三分の一が死ぬ

第三のラッパ:ニガヨモギという星が落ちて、川の三分の一が苦くなり、人が死ぬ

第四のラッパ:太陽、月、星の三分の一が暗くなる

第五のラッパ:いなごが額に神の刻印がない人を5ヶ月苦しめる

第六のラッパ:四人の天使が人間の三分の一を殺した。生き残った人間は相変わらず悪霊、金、銀、銅、石の偶像を拝んだ

第七のラッパ:この世の国はわれらの主、メシアのものとなった。天の神殿が開かれ、契約の箱が見える。



という下りです。

それでは、ここから本記事です。

Earthfiles の特集記事からの一部です。
オリジナルはわりと長いですので、二度ほどにわけると思います。

それにしても、あの過去記事で取り上げたキエフの「音」の部分は、 10分近い長さのある YouTube の元の動画(世界のいろいろな音がたくさん収められているもの)から適当に取り上げたひとつだったのですが、その音がまさしく、テネシー州で聞こえた音と同じだったようです。




“Chorus of Trumpets,” January 18, 2012, 12:30 PM Central, Gallatin, Tennessee
Earthfiels 2012.02.09

2012年1月18日の「ラッパの重奏」
米国テネシー州ギャラティン


gallatin.jpg


テネシー州のギャラティン(上の地図の「A」)は、ナッシュビルの中心から 56キロ北東の位置にある町で、現在の人口は 25,000人。サムナー郡の議席として、1802年に設立された歴史を持つ。
町の名前は、トーマス・ジェファーソン大統領の時代の財務長官アルバート・ギャラティンに由来してつけられた。
このギャラティンの町は、2017年8月21日午後1時30分に皆既月食を観測できる地点でもある。

その町で、「音」が鳴り響いたのは 1月18日のことだった。

「音」はトータルで 2分39秒のあいだ鳴り響き続けた。


地元のシンディー・スミスさん(63)はこう語る。

「このようなことを言うのは奇妙だと思われることを承知で言うのですが、私はあの音を聴いた時に、ヨハネの黙示録の天使のラッパの下りを思い出したのです。あの音は私にとっては怖ろしいものでした。私の人生で、あのような音はまったくはじめて耳にするものでした。しかも、その音はとても大きかったのです」。


シンディさんが口にする「ヨハネの黙示録」は、著者自らをヨハネと名乗り、終末において起こるであろう出来事を語るもので、そこに天使のラッパの下りがある。

angel.jpg


「ヨハネの黙示録」の第8章から9章までに5人の天使が登場する。そして、各々の天使たちが「7つの封印」を開けた後に、それぞれラッパを鳴らす。

(訳者注)オリジナル記事では聖書のその部分をそのまま全文載せているのですが、ここでは上で載せた Wikipedia の要約を載せます。


第一のラッパ:地上の三分の一、木々の三分の一、すべての青草が焼ける

第二のラッパ:海の三分の一が血になり、海の生物の三分の一が死ぬ

第三のラッパ:ニガヨモギという星が落ちて、川の三分の一が苦くなり、人が死ぬ

第四のラッパ:太陽、月、星の三分の一が暗くなる

第五のラッパ:いなごが額に神の刻印がない人を5ヶ月苦しめる



そして、第9章で6人目の天使がラッパを吹き、第 11章では7人目の天使がラッパを吹く。


第六のラッパ:四人の天使が人間の三分の一を殺した。生き残った人間は相変わらず悪霊、金、銀、銅、石の偶像を拝んだ

第七のラッパ:この世の国はわれらの主、メシアのものとなった。天の神殿が開かれ、契約の箱が見える。



シンディーさんはさらにこう語った。

「私はすぐに、違う違う! これはヨハネの黙示録なんかじゃない! と自分の考えを否定しようとしました。そして、お隣さんの家のスピーカーから何か大きな音が鳴っているのかもしれないと考えました。私はそれを確かめに外に出ました。ところが、お隣には車がなく、まだ彼らは帰宅していませんでした。つまり、周囲には誰もいなかったんです。私はそれで困惑してしまいました。音は 30秒くらい鳴り響いた後に止まりました」。


シンディーさんはこの音を聞いた後に、音が何なのかに興味を抱き、インターネットで調べていると、 YouTube に突き当たった。そして、 YouTube 上にアップされている様々な地域での「音」を聞き、調べてみた。

シンディーさんは下のように言う。

「YouTube で私の聞いたものと同じようなものがあるかどうかを確かめたかったんです。そして、ほぼ同じだと思われたものは、ウクライナのキエフ市での奇妙な音(2011年08月11日)でした」。

(訳者注)繰り返しになりますが、シンディーさんの言っているのはこちらの動画の音です。




「あの音は、トランペットのようなたぐいの音にも聞こえたし、あるいは、とても金属的な感じがするものでした。うめくような音なのですが、それは吹奏楽でのホーンセクションのような響きにも聞こえたのです。私は自分が何らかのミステリーの渦中にいるということは理解していました」。

シンディーさんによると、その日は晴天で、美しい青空が広がっていた日だったという。風もなかったという。

「それだけに、ショックを受けました。何かの警告なんでしょうか。それとも何か大きな出来事でも起きようとしているのでしょうか」。






(訳者注) 今回はここまでです。次回は、この続きで、同じような音が米国ミシシッピー州で聞かれたことに関しての報道です。

さらに、カンサス州や、ロサンゼルスでもキエフ市と同じような「音」が聞かれていることが書かれています。

次回ご紹介いたします。
なお、「奇妙な音関係」の過去記事リンクを下に並べておきますね。

キーワード[世界中で鳴り響く音]関連の In Deep 過去記事

世界中で響き渡る「謎の轟音」の正体は?
2012年01月17日

カナダのテレビニュースでの謎の音についての報道
2012年01月29日

世界中での異常な音は「地球内部の新しいエネルギー活動の始まり」という学説
2012年02月08日