2012年03月04日



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分裂する宇宙論: ハッブル望遠鏡が撮影した光景が「現在の宇宙論と矛盾する」ことに揺れる天文学会



(訳者注) かなりタイムリーなんですけど、昨日、「ビッグバン宇宙論は人類に有害」というような意味の記事を書きました。そうしましたら、今朝、この「現在の宇宙論の崩壊」というテーマと関係しそうなニュースがありました。

もともとは、NASA のハッブル望遠鏡サイトのニュースリリースという「宇宙観測のお膝元」からのものです。
NASA のニュースリリースはこちらです。

Dark Matter Core Defies Explanation in Hubble Image
ハッブルが撮影した画像では暗黒物質のコアを説明することができない
2012.03.02 NASA ハッブルサイト ニュースリリース


ニュースの内容は、「銀河団の衝突から形成されて、合併したと考えられる巨大な銀河団アベル520の暗黒物質と暗黒物質の中心(暗黒コア)にある銀河と、その高温ガスの分布を示す合成画像を公開した」というものですが、その写真に写る様子は「現在の宇宙論では説明不能」なのだそう。

このアベル520は、2007年に発見されたもので、当時から「暗黒物質の分布が銀河と一致しない」ということが言われていたようです。しかし、今回、NASA が新たに提出した画像により、曖昧だったそれらの問題が「明確」に突きつけられたということのようです。


暗黒物質の存在は、現在の宇宙論の根幹のひとつ

暗黒物質理論とは「現在のビッグバン宇宙論を支える根幹のひとつ」であるのですが、これら暗黒物質は、存在を見ることも感じることももできなく、計算上だけで「あるもの」とされているものです。

なので、たとえば、「暗黒物質」が全否定されれば、宇宙理論を根本から考え直す必要さえ出てくるのかもしれません。

しかし、そんな難しい話は科学者たち当人の話であって、私たちとしては、昨日の記事にある「この世は無限であってほしい」という夢を持てればそれでいいのだと思いますが(とはいえ、その夢が実現されるためには「ビッグバン宇宙論」が崩壊する必要があるわけですが)。


ところで、その NASA が発表した「説明することができない」という星雲の写真そのものが、また異常に美しいのです。
こちらです。

hs-2012-10-a-large_web.jpg


まるでイラストのようですが、NASA の最先端宇宙望遠鏡のひとつが写しだした現在の宇宙の姿のひとつのようです。


今回の翻訳記事は、宇宙に関しての情報量と開示の速度でトップクラスのサイト「デイリーギャラクシー」のものをご紹介します。今回の NASA の発表でかなり混乱した様子の内容の文章になっていて、後半は何が説明されているのかよくわからない下りもあります。それでも、「どうしてそういうことにになりうるのか」という理由を、現代宇宙論で説明しようとしています。


どうでもいいですけど、最近「シンクロ」のペースが早い感じがします。今回も「昨日書いたことの関連が今朝のニュースに出ていた」ということになりましたが、こんな感じのことが多いです。


最近は料理に時間が多くとられているのですが、記事もなるべく書きたいと思います(止まったら止まっちゃうから)。

料理というか、ここ何十年か、すっかり塩分が少なくなってしまった日本の料理全般に次第に我慢できなくなってきていて、少なくとも(酒のつまみなどで)自分で食べるものだけは、昔ながらの日本の味にしたいと思って、自分でいろいろと作るようになりました。「昔ながらの日本の味」なんていうとえらそうですが、それはつまり「昔はなんでも、しょっぱかった」ということですね。

私たちの子どものころの日本の食卓はとにかく、煮物は醤油で真っ黒だったし、梅干しや塩からや塩鮭などは「塩よりしょっぱい」といわれたようなものばかりで、それでごはんをたくさん食べるのが食事というものでした。「減塩」という概念がどうしてこんなにこの世にはびこりだしたのかよくわからないですが(強制したりされたりする問題じゃないはず)、味の薄いブリのアラ煮とか、甘い梅干しとか食べているとしみじみとさびしいです。

話が逸れそうですので、本記事に入ります。






"Dark-Matter Mystery" --Core of One of the Largest Galaxy Clusters in the Universe Baffles Astronomers
Daily Galaxy 2012.03.02

「暗黒物質のミステリー」: 宇宙で最も大きな銀河団のひとつのコアが天文学者たちを困惑させている

NASA のハッブル宇宙望遠鏡のデータを使用している天文学者たちは、巨大な銀河の集まりの中でその残骸の中に、取り残された暗黒物質のかたまりだと思われるものを観測していた。

結果として、この観測結果は、現在の宇宙理論に反するものとなってしまった。

現在の宇宙理論は、銀河の衝突の衝撃を受ける「見えざる物質(暗黒物質)」の存在に根ざしている。ところが、今回の観測結果はこの理論に疑問を投げかけることになっており、天文学者たちは混乱している。


abel520.jpg


大銀河団「アベル520」は、 太陽系から 24億光年の距離にある銀河が集まった大きな銀河団だ。

暗黒物質は見えるものではないが、暗黒物質の存在と配布は周囲の視覚効果から間接的に発見することができる。暗黒物質は、拡大鏡のような役割を持っており、銀河団からの光を曲げて屈折させる。

銀河などが発する光が天体などの重力によって曲げられたり、複数の経路を通過する光が集まるために明るく見える現象を「重力レンズ現象」と呼ぶが、天文学者たちはこの重力レンズを利用して、巨大銀河団での暗黒物質の存在の状況を推測する。

この重力レンズの技術により、銀河団アベル 520の中の暗黒物質は、「暗黒の中心(暗黒コア)」に集まっていることが明らかとなった。そして、暗黒物質と銀河が共に存在しているのなら、この状況は予測されていたものとは違うものだった。アベル 520の大部分の銀河は、明らかに衝突から離れたところにあったのだ。


この観測結果にについて、米国カリフォルニア大学の天文学者ジェームス・ジー博士は、以下のように述べる。

「この結果は理解しがたいです。暗黒物質が、我々(現代の天文学者学者たち)の予測する動きをしていない。明らかに、何が起きているのかが理解できないということです。銀河の構造と暗黒物質に関しての現在の宇宙理論では、このハッブルの撮影した観測結果を説明することは難しいのです」。


アベル 520での暗黒物質の動きが銀河と一致していないことに関しては 2007年の観測によってわかっていた。しかし、今回のハッブルの新しい観測の結果は、アベル 520で「暗黒物資と銀河が分離した」ことを確認できるものとなってしまった。

「銀河団」は宇宙の中でも最大の構造を持つ。その中での銀河の衝突を観測することで、暗黒物質の全体的な特性というものを研究するのが、暗黒物質の理解のひとつの方法だった。

銀河団が粉砕される時、銀河が、まるで鎖につながれた犬のように暗黒物質についていくものだと天文学者たちは考えている。しかし、熱いX線を発する銀河系間のガスの雲は、お互いに干渉し、速度を落とし、その影響が出現するのは遅れる。

りゅうこつ座にある「弾丸銀河団」は、小さな銀河団と大きな銀河団が衝突し、強いX線を放っているが、2006年までの弾丸銀河団の観測により、暗黒物質がどのように動くかの例が示され、また、暗黒物質の存在に対する新しい証拠となった。


bullet-cluster.jpg

▲ 弾丸銀河団 ( the Bullet Cluster )。


しかし、今回のアベル 520の観測結果は、暗黒物質の動きがそれほど単純ではないことを示している。

独自の観測によって、アベル 520の銀河団のコアには暗黒物質と高温のガスが豊富に存在することがわかっているが、しかし、そこには明るい銀河がないということも判明している。通常は、それらの銀河は暗黒物質と同じ場所で見られるのだ。

天文学者たちは、より遠い銀河の背景から重力レンズでの光を計測することによって暗黒物質の位置を推定する試みをした。そのために天文学者たちは、ハワイのマウナケア天文台にある「カナダ・フランス・ハワイ望遠鏡」と、同じくハワイにある日本の国立天文台の「すばる望遠鏡」を使用した。

その観測結果に対して、天文学者たちは驚きを隠さなかった。


天文学者のジー博士は言う。

「私たちは現在、暗黒物質の配布がマッピングされた衝突銀河を、大体、6つ知っています。その中で、弾丸銀河団とアベル520銀河団が最も最近になってから衝突の証拠を提示したふたつの銀河団なのです。ところが、その2つの銀河団が矛盾したことを語っている。この『暗黒物質の性質が違う』ということを説明できる宇宙理論は存在しないのです」。

そして、

「私たちは他のさらに多くのサンプルを必要としています」。


研究チームは、今回の観測の理由について、多数の説明を試みた。
それでも、それらの説明にも天文学者たちは少なからず動揺している。

説明のひとつのシナリオとしては、暗黒物質の中には「粘着的な性質を持つ」ものがあるというもので、このシナリオはかなり暗示的だ。

矛盾を説明する2つめの可能性としては、アベル520は、弾丸銀河より複雑な相互作用を持つというものだ。弾丸銀河は2つの銀河団の衝突から成るものだが、アベル520は3つの銀河の衝突で構成されているのかもしれない。

研究チームは、今回のハッブルのデータをより強化するために、コンピュータ・シミュレーションを作成し、今回の暗黒物質の「怪しいふるまい」に対して、何らかの回答を得ようとしている。






(訳者注) こういう難しい翻訳に関しては、いつも私自身はあまり理解していません。翻訳している時は「頭を空っぽ」にして書いています。

ただ、今回のは重要なことですし、わりと長かったですので、読み直してみました。そして、自分なりに理解したことを簡単に「まとめ」として書いておきます。

間違っている部分が多いということを念頭に置かれて下さい。これだけ大きなニュースですと、すぐに科学系のちゃんとしたニュースで発表されると思いますので、正しい説明はそちらをご参照くださると幸いです。

料理のことや植物の育て方のことなら「私を信じてください」と言える私も、宇宙のことは「信じてくれ」とは言えません。


今回の観測結果の動揺の理由

・暗黒物質は目に見える物質ではない。だから、周囲の光や物質の屈折などの周囲の環境を観測することで、そこに(あるはずの)暗黒物質の存在を「推定」する。

・それには「重力レンズ」という光の見え方に関しての概念や手法が使われる。

・その方法で観測する時には暗黒物質理論から「(星や銀河の光の)見え方を推測」する。

・それによって、過去に暗黒物質の存在の可能性が示唆されたことがある(2004年から2006年に行われた「弾丸銀河団」という銀河団の観測)

・しかし、今回のアベル520の観測で、その弾丸銀河団の観測結果との「矛盾」が生じた。

・現在の宇宙論では、この矛盾を説明すことはできない。



というような感じだと思います。

あとはどこまで理論の綻びを繕えるかという手腕の問題になってくるのかもしれないですが、それでも、多分、「またその理論を覆す発見」があると思います。

2012年の宇宙は天文学者たちにはやさしいものではないと想像いたします。


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キーワード[暗黒物質]に関しての In Deep 過去記事

銀河系の中心で巨大なことが進行していることに天文学者たちが気づき始めた
(2010年11月11日)

「暗黒物質理論」を否定する2つの銀河の存在
(2011年10月18日)