(訳者注) なんだか今、いろいろなことを同時に調べているうちに次第に何が何だかわからなくなってきていたりしたり、あるいは、十年ぶりくらいにパニック障害が再発したことがハッキリしてきたり(パニック障害とは 30年ほどの付き合いですので何とかやり過ごせるとはいえ、多少厄介です)、とか、何だかいろいろとゴチャゴチャとしている感じですが、調べていることを後に回すとさらに混乱してきますので、できることから書いていきます。
今日はできれば2つの記事をアップしたいと思っています。
ひとつは、今回のオーストラリアのコウモリの話。
もうひとつは、今年最大の急減を見せた宇宙線の話です。これは3月7日あたりのXクラスの太陽フレアに起因しているとは思うのですが、一日で「10パーセント以上宇宙線の観測量が減った」というデータが出ていましたので、次の記事でご紹介できればと思います。
蜘蛛のこと
ところで、昨日のオーストラリアのクモのニュースはその光景が個人的にとても印象深いものでした。
・オーストラリアで繰り広げられる「クモ」による驚異の光景
(2012.03.08)

▲ まるで川や洪水そのもののように見えるほどのオーストラリアの蜘蛛の糸。
上の写真の光景を目にして、「クモってどんなものなのだろう」と改めて考えていました。 ちなみに、クモの最大の特徴は、「私たちはなんとなく虫のように思っているけれど、昆虫ではない」ということがあります。
クモは「クモ」という生き物としか言えないというもののようで、Wikipedia 的に書けば「節足動物門六脚亜門に属する昆虫とは全く別のグループに属する」もののよう。
でまあ、生態のほうはともかくとして、Wikipedia の「クモ - 神話・伝承」というセクションを見ると、
・アラクネーの物語(ギリシア神話)
・土蜘蛛
・絡新婦
とあります。
それぞれ初耳ですが、最初の「アラクネーの物語」のアラクネーというのは、ギリシア神話の予言者であるイドモーンという人の娘で、染織業をいとなんでいた人だそう。
アラクネーさんは織物が上手だったのですが、あまりにも自惚れていたため、アテーナーという女神の怒りにふれ、「蜘蛛に転生させられてしまった」というもののよう。
ダンテの神曲には、このアラクネーさんをモチーフにしたイラストが出ていて、下の人のようです。これは蜘蛛に転生させられてしまった後なのだと思われます。

▲ ダンテ『神曲』より。神曲ではアラーニェという名前。
この神曲のアラクネーさんの姿は何かと似ていると思ったんですが、40年前のテレビドラマシリーズ『仮面ライダー』の第1話(1971年)の「怪奇蜘蛛男」に出てくるクモ男が倒れたイメージと似ています。
下のはバンダイかどこかから出ているフィギュアですが、蜘蛛男が仮面ライダーに踏まれている様子。

ギリシャ神話のアラクネーさんはわりと似ている。
なぜ仮面ライダーのことなんかを出したかというと、この 1971年の最初の仮面ライダーシリーズは、第1回がこの「蜘蛛男」でした。そして、第2回目が・・・「恐怖蝙蝠男」。すなわち、コウモリ。
というわけで、オーストラリアではクモに続き、コウモリが大発生していることが、英国 BBC で報じられていたニュースのご紹介です。現在のオーストラリアは、「クモ → コウモリ」と、仮面ライダーの物語をそのまま踏襲している様相と化しているようです。仮面ライダーではその回以降のモンスターのイメージに、さそり、食虫植物、かまきり、カメレオン、スズメバチなどが登場します。
オーストラリアのクモの糸の光景は「第8領域」への誘いなのかも
ところで、実は昨日の「クモ」のニュースで最も私が思ったことは、以前書いたこともあるのですが、西洋神秘学の一部(薔薇十字など)の世界の考え方では、
・クモは次の世界に存在しない生き物
とされていることでした。
昨年の震災2週目くらいに書いた、
・歓喜する第8領域の生命たち (2011.03.24)
という記事の中でふれたことがありますが、神秘学には「第8領域」という世界の概念が存在していて、その領域にいるものたちは「数千年後から始まる次の宇宙からは消えてしまう」のだそうで、クモやハエといったものがそれに該当するのだそう。キノコなどの菌糸類もそのグループだそうです。
昨日のオーストラリアの光景が、そのクモによる示威行為だとすると、次に出てきたコウモリは何なのかなあと考えてしまいました。自然の光景はすべて何かを表していると最近考えています。
ちなみに、今回は大発生のニュースですが、コウモリ自体はむしろ全世界でその数を劇的に「減らして」います。アメリカで始まった白い鼻症候群という病気による大量死が米国でも、また他の国にも拡大しています。
[関連記事]白い鼻症候群によるコウモリの大量死が全米11州に拡大
それでは、ここから本記事です。
なお、記事中の「リッサウイルス」というのは、狂犬病と同じタイプのもののようで、国立感染症研究所の説明にはこうあります。
臨床症状からリッサウイルス感染症と狂犬病を鑑別することは不可能である。ヒトの標準的な潜伏期間は狂犬病と同様に20日から90日であり、咬傷部位や数によって期間は異なると考えられる。
このリッサウイルスも狂犬病ほどではないようですが、発症した場合の致死率はかなり高いものだと思われます。ただし、ヒトの臨床例は非常に少ないです。
Bats in northern Australian town prompt disease warning
BBC (英国) 2012.03.07
北オーストラリアの町に現れたコウモリによる病気の懸念の警告

オーストラリア北部の町が 25万匹以上にのぼると見られるコウモリの大群に襲われている。同地域では、狂犬病を含むいくつかの致命的な病気の可能性についての警告が発令された。
オーストラリア CDC (疾病管理センター)は、キャサリン地区の住民たちに、オオコウモリ(fruit bat)に近づかないように警告した。オオコウモリは、リッサウイルスを媒介する可能性があるためだ。
コウモリに引っかかれたり、噛まれた場合に感染する可能性がある。
地元当局は、ノーザンテリトリーのダーウィン南部 300キロ以内の運動場や屋外スポーツ施設を営業停止とした。
コウモリたちが町にやってきたのは先月の後半のことだった。この数日の間に数はずいぶんと減ったと思われるが、それでもまだかなりの数のオオコウモリたちが町の郊外に棲息していると見られている。
野生生物専門家ジョン・バーク氏は、「自生している植物にひきつけられて集まったか、あるいはもともとのコウモリの居住地が環境や気候の変化で破壊されたという可能性があります」と BBC に述べた。
疾病管理センターのヴィッキー・クラウス博士は、ウイルスはコウモリの唾液で運ばれるとオーストラリアのメディアに語った。
「過去、このリッサウイルスによって人が死亡した例は存在しますが、その数はとても少ないものです。いずれにしても、コウモリに噛まれた場合、すぐに傷口を洗い、ただちに専門機関で治療を受けることが必要です」とクラウス博士は付け加えた。
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[1年前の In Deep ]
2011年03月09日の記事
・「地球が各所で割れはじめている」

▲ コロンビアの町グラマロテで 2010年12月に突如始まった地殻変動による町の破壊を伝える地元テレビ。