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エメラルド・タブレット 完全版(1)
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上の記事でエメラルド・タブレットを訳すと書いていたのですが、なかなか始まりません。まあ、私は神秘学の前提知識がないこともあり、かなり基本的なことも調べないといけないのですが、途中でどんどん横道にそれていくということが多いです。
過去記事の「[地球の内なる太陽] Vol.1 - その意味」の中に出てくる米国ウィスコンシン大学が所蔵する 1785年に発行された Geheime Figuren der Rosenkreuzer (薔薇十字の秘密のシンボル)というラテン語の古書があり、それの絵を見ていました。
そして、「どうも何だか物足りない」と思っていろいろと探してみると、ウィスコンシン大学がネットで公開しているのは、どうやら「薔薇十字団の秘密のシンボル」の内容の一部だったようで、今日、完全版を入手しました。
そこには下のような図なんかもあり、かなり興味深いものです。
これがあるのは、ドイツ語のサイトですが、「Die geheimen Figuren der Rosenkreuzer (薔薇十字の秘密のシンボル)」というページの一番下の Weblink というところからダウンロードできます。
PDF 書類で 50MB あります。
全部で約 100ページほどのものです。
この古書はラテン語なので正確に読むのは無理ですし、あと、私は「どんな文字でも筆記体みたいな西洋文字」のが読めないのですよ。
なので、図を眺めるのとゴシック文字で推察する程度なんですが、今回、この古書をここで取り上げたことには意味があります。
それはこの「薔薇十字の秘密」の最初の図説ページが「4」のマークで始まっていたからです。
錬金術の最初の図説に出てくる「4」
この「薔薇十字の秘密のシンボル」は 1785年から 1788年にかけて配布されたもので、後に、ルドルフ・シュタイナーが「封印されてきた薔薇十字の秘密のシンボルを解き明かすものだ」と述べたと上のサイトにはあります。
さて、この古書。
最初の図説が出てくるのは6ページ目なのですが、それがこれです。
ELOHIM (エロヒム)
IEHOVAH (エホバ)
の文字で始まるこのページ、4のマークが4つの円を作っていて、そして、その「4同士が手を結んでいる」。私はこれを見て「4同士が手を・・・」と思わず絶句しました。そして、「4という数字」としての意味よりも「その形」としてのシンボルであるということがさらに興味を引いたのです。
何のことだかわからない方が多いかと思われるのですが、私は昨年、日記ブログの「クレアなひととき」で、かなり長い間に渡って、「数字の4」のことについて考えていました。最初に「この世の基本数は4に違いない」という結論があって、それはどうしてかということを考える旅だったのですが、途中でわからなくなり止まったままです。
「この世の基本数は4かもしれない」というのは、昨年の秋に交差点の信号でボーッと風景を見つめていた時に突如思い至ったのですが、まあ、そのあたりのことは長くなりますので、関係リンクを記させていただくにとどめておきます。
今回の「薔薇十字の秘密のシンボル」は、その中にエメラルド・タブレットのことが書かれてあるものですが、その書の最初に「4」があるということにとても興味が湧きました。それで、上の図説の部分でわかる部分だけを日本語にして作り直してみようと思いました。
ラテン語ということもあり、「いい加減である」ということをご承知の上でご覧いただきたいです。
それが下のものです。
最初に
エロヒム
エホバ
とあり、これは旧約聖書などでの、いわゆる「主」とか「神」とか、そういうものを表しているものの表記のように思いますが、ここでどういう意味で使われているのかはわかりません。
そして、円の中は、
天空の要素
父と母
小宇宙
動物
大地と野菜
鉱山と鉱物
硫黄、水銀、塩
などとあって、これは「天空」と書きましたが、要するに「宇宙の要素」ということだと思います。曖昧な部分もありますが、わりと意味のはっきりとした記述のように感じます。
そして、それを囲む4つ。
これの組み合わせはよくわかりません。
ただ、右側の
カオス
普遍的な聖霊
世界中の魂
精子
は、「カオスと聖霊と魂と精子が同列」として書かれてあるということで興味深いです。
精子の動きがカオスであることは以前から感じていました。下のは顕微鏡で見た人間の精子ですが、これと「魂や聖霊」を同じグループにみなしているということも言えるのかもしれません。
このカオスな精子たちの動きに「秩序が生まれる」のはどうしてかということを考えると、何となく感慨深いものがあります。太陽と卵子の形が似ている道理も少しわかります。
▲ 月の夢と白血球の役割 (クレアなひととき 2011年09月05日)より。
いずれにしても、この「4の図」が最初にあったということは、少なくとも薔薇十字での考え方としては、「この4つによる世界が根本」というものがあるのかもしれません。
薔薇十字といえば、以前、クレアでいつもとてもわかりやすく西洋神秘学についてのコメントを下さっていた方がいて、彼は薔薇十字とシュタイナーの研究を続けている人ですが、最近、久しぶりにメールをいただきまして、そこにはこのようにありました。
それによると、薔薇十字的な解釈では、現代の秘儀には三つの段階があるのだそうです。
それは、
1. 聖杯
2. エメラルドタブレット
3. 賢者の石
と呼ばれているもので、
それぞれが、
1. アストラル体の変容
2. エーテル体の変容
3. 物質体の変容
を意味するのだそう。
さらに、彼は下のように記してくれていました。
このあたりは私には解説が無理ですので、そのまま転載させていただきます。
宇宙の思考を受け入れる杯としてアストラル体を新たな認識器官にする必要があります。またそれを自分のエーテル体(記憶)に書き込む必要があります。
そして最後に二酸化炭素を排除して自らの体をダイヤモンドにする必要があります。
いずれも鍵は、呼吸&血、です。
心臓はそのための脳に代わる新しい器官です。
とありました。
今回は、「4」という数字にふたたび衝撃を受けたということで記事にしましたが、エメラルドタブレットの実際の翻訳にはもう少し時間がかかるかもしれません。