欧州天文台が新たに観測した「 20万個の銀河」をみて
(訳者注) 今回の翻訳記事は、ヨーロッパ14カ国とブラジルが共同で運営する天文観測施設のヨーロッパ南天天文台(ESO)のニュースリリースなんですが、それを読んでいて、ふと思ったことを書いておきたいと思いました。
今の天文学の中での「最も誤った考え」・・・いや、誤ったという書き方は変ですが、「根本的な考え違い」のひとつとして「宇宙の様々なものは徐々にできていくという概念」があるのではないかという気がしたのです。
つまり、地球も含めた星とか、あるいは銀河とかが「何億年もかけて作られていく」というのが現在の天文学の一般的な考え方ですが、しかし、この世の中に「徐々にものができていく」という反応なんてあるのかなと。そう見える物理的反応でも、実際には「瞬間の反応が積もり積もっているもの」ということがあって、そういう中で、星などのように巨大なものが似たような形で作られていることに「徐々の反応」を考えるのは難しいのではないかという気がしたのです。
以前、地震のトリガーの記事で書いたことがありますが、地球上での「化学(ばけがく)的反応」というのは瞬間的なものなわけですから、宇宙の様々も実は「一瞬にできるものなのでは」という気がとてもします。
水は0度以下とかになると凍るものと考えがちですが、実は物理的な刺激がないとなかなか凍らないもので、これを過冷却水(凍る温度より冷たい温度なのに凍っていない水)とか呼び、そこに小さな刺激を与えると「一気に」氷となります。
YouTube で「過冷却」で検索するといくらでも出てきますが、下のように、すでに水の温度はマイナスになっていても凍っていない水に、ほんの少しの刺激を与えると一瞬で氷になります。
こういうような反応は、実は地球上での物質の崩壊や、あるいは「作られる」ことのあらゆることに言えることで、万力で石を締め付けても割れない場合、そこに水を一滴垂らすと一気に砕けるというのも「化学(ばけがく)的反応」です。
現象としての崩壊は「創造と同義」でもあります。
過冷却の水の場合は、「水(の形)が崩壊して」、「氷(の形)が作られる」。
しかも一瞬で。
これは小さなものだから起きる現象だと思われるかもしないですが、しかし、多分ですが、たとえば、条件が同じなら、地球の海くらいの量の海でも同じことだと思います。
実際には地球の海くらいの大きな水は風や揺れなどの物理的現象を常に受け続けているので、同じような実験はできないですが、原理としては、「物質はあるけど、ふだんは風や振動などの物理的な刺激が何もない膨大なもの(場所)」に刺激を加えると「膨大な化学的反応が起きる」ということはあり得るわけです。
そして、その「ふだんは風や振動のなどの物理的な刺激が何もない膨大な場所」の代表的なところは「宇宙」です。
宇宙は、基本的に、磁力と宇宙線などの動き以外の物理的な動きはあまりない空間がえんえんと広がっているように思います。でも、一方で、宇宙空間は、宇宙塵や各種の有機物などをはじめとした物質(あるいは放射線や宇宙線自体も物質)で満たされていることもまた事実で、それらが何かの物理的刺激によって、化学的反応を起こすと、「瞬時にして」何かができるかもしれないと。
つまり、たとえば、地球なんかも「瞬間的にできる」。
もっといえば、銀河なんかも瞬時にできる。
今回ご紹介する「新たに観測された20万個の銀河」というニュースを読んで、観測技術の向上だけでは表せないすさまじさも感じ、あるいは、宇宙はどんどんと瞬時にできているのかもしれないと思ったりした次第です。
ちなみに、物理的な刺激を与えているものは宇宙線だと思います。
それは、過去記事でも書きましたが、宇宙線が地球の雲や雷などの組成に関係しているることがほぼ明らかとなっていて、つまり、宇宙線にはそれだけ「物理的な刺激」を与えられる能力があると考えられるからです。
関係過去記事:
・「宇宙線が雲を作るメカニズム」の一部を欧州原子核研究機構 CERN が解明
(2011年08月26日)
・宇宙線が雲を生成に関係していることを証明しようとするデンマークでの実験
(2011年05月14日)
・「宇宙線が雲を作るメカニズム」の一部を欧州原子核研究機構 CERN が解明
(2011年08月26日)
・宇宙線が雲を生成に関係していることを証明しようとするデンマークでの実験
(2011年05月14日)
なんとなく私たちは「大きなものは一瞬にはできない」というように思いこんでいる感じがするのですが、冷静に考えれば、小さなものに起きることが大きなもので起きないと考えるほうが不自然な感じがしたりもします。
このことを強く確信することには、やはりエメラルドタブレットなどにある「すべてのものはひとつに通じる」とという概念です。ひとつの物理法則(化学的反応)の原則は、すべてに繋がる原則のはずで、宇宙だけがゆっくりとした生成の過程を経て作られるというのは変だなあと。
ここまで書いたことは今朝ふと思っただけのことですが、しかし、この「宇宙にあるものはいきなりできる」ということはかなり実際に近いことにも思います。
そして、そう考えると、天地創造とかの神話も理解しやすいです。
過冷却などの凍っていく拡がりのスピードと、地球の大きさなどを比較すると、地球くらいの大きさの星なら「何もない宇宙空間から1週間くらいで作られちゃう」という感じがします。物理の法則には「伝播のスピード」があるので、それ以上早いのは無理そうですが、それでも1週間くらいで地球が作られるのなら、まあ「一瞬」の範疇に入るのかなと。
宇宙のどこかで毎日「ポンポンと」地球や銀河ができているのだとするとおもしろいです。
今回の記事はここまで書いたこととは関係ないんですけど、最近、新たに20万個の銀河が見つかったというニュースです。
あと、最近、オーストラリアのスウィンバーン工科大学というところから「四角い銀河が発見された」という論文が発表されていました。下の写真の銀河です。

▲ 正式名は LEDA 074886 。真ん中のコアが丸い宝石みたいにも見えるので「宝石箱銀河」と言う人もいました。
これはスウィンバーン工科大学のニュースリリースで見たのですが、その後、ナショナルジオグラフィックの日本語版でも紹介されていましたので、そちらをリンクしておきます。
・長方形の銀河を発見 (ナショナルジオグラフィック 2012.03.20)
それでは、ここから「20万個」の銀河の報道です。
ヨーロッパ南天天文台(ESO)のニュースリリースからです。ESO は最新式の赤外線望遠鏡の「 VISTA 望遠鏡」によって、次々と新しい星や銀河を見つけています。
VISTA Stares Deep into the Cosmos
ESO ニュースリリース 2012.03.21
宇宙の深淵を見つめ続ける VISTA 望遠鏡

ヨーロッパ南天天文台(ESO)の VISTA 望遠鏡は、赤外線を用いて、これまでで最も広い範囲の宇宙の光景像を造り出している。VISTA が撮影した上の写真は、今まで知られなかった 200,000以上の新しい銀河の存在を明かした。この遠い銀河の観測は科学プロジェクトのためだけではなく、宇宙初期の状態を調査するためにも貴重なものとなり得る。
最も遠い銀河の非常に薄暗い光を捕らえるために、ESO の望遠鏡 VISTA は、繰り返し宇宙の同じ方向の観測を続けた。そして、全体で 55時間の効果的な露光による 6000枚以上のコマを結合して上の写真ができた。
この写真は今までに撮影された中でもっとも遠い銀河を撮影した赤外線映像だ。 VISTA はチリのパラナル天文台にある世界最大級の望遠鏡で、最も強力な赤外線調査力を持つ望遠鏡だ。
VISTA は、これまでより遠い銀河を映し出すことができ、これは宇宙初期の状態をも私たちに知らせてくれる。宇宙が10億歳未満だった時に存在した数多くの銀河の存在をこの写真に数多く見ることができるのだ。
この写真の観測の最終的な調査結果が出るには数年かかると思われる。
(訳者注) それにしても、「時期が近い」ことを感じます。何が近いかというと、上の記事にある「宇宙初期」という状態が存在しなかったことがわかるのが近いということです。
すなわち、さらに観測技術が進むと、ビッグバン以前の巨大な銀河が次々と見つかる可能性が高いです。というより、実は上の VISTA の写真にはすでにビッグバン以前の銀河が写っていると思います。それは「ビッグバンの存在」を明確に否定する何よりも大きな証となります。
VISTA 望遠鏡以前にすでに、古い銀河は数多く発見されているわけで、VISTA ほど強力な望遠鏡で撮影した写真で、しかも、「20万個も新しい銀河」が写っている写真の中に 以前観測されたものより古い銀河が写っていないと考えることのほうに無理があります。上の写真の中にもあるいは 200億年前とか300億年前の銀河が写っているかもしれません。
観測精度が進めば、1兆年前とかの銀河もたくさん見られるようになるかもしれないないですね。
そして、圧巻は「昨日できた銀河」とか(笑)。でも、これは冗談でもないです。一番上に書いたように、今朝思った、「宇宙のすべてのものは突然できる」と考えると、太陽系の中に突然、別の惑星が生まれても別にいいのかなあと。
あるいは、天の川銀河の横に突然、別の銀河ができあがるとか。
突然といっても、それなりに時間はかかるでしょうけれど、「地球は1週間くらいで作られた」という旧約聖書あたりのスピードを基準に考えればいいのかもしれません。
確認のため、Wikipedia にある旧約聖書の「天地創造」を見直してみましたら、こうありました。
1日目 暗闇がある中、神は光を作り、昼と夜が出来た。
2日目 神は空(天)を作った。
3日目 神は大地を作り、海が生まれ、植物が出来た。
4日目 神は太陽と月と星を作った。
5日目 神は魚と鳥を作った。
6日目 神は獣と家畜と、神に似せた人を作った。
7日目 神は休んだ。
3日目で大地ができているので、「地球は3日で完成した」のようです。
どうでもいいですけど、ここでも中心の「4」の日に太陽とかができています。
銀河の関係の過去記事を下にリンクしておきます。
--
[銀河]に関係する過去記事:
・NASA:観測史上最古の銀河撮影に成功 ビッグバンから6億年後
(2009年12月09日)
・ビッグバン理論では説明できない古い巨大な銀河が多数発見される
(2010年11月26日)
--
[1年前の In Deep ]
2011年03月23日の記事
・歓喜する第8領域の生命たち