2012年03月24日



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水星の真実: 探査機メッセンジャーの撮影で水星の「何か」がわかるかもしれない(1)



水星は他の太陽系の惑星とは構造が根本的に違う可能性を示すデータ。そして、水星は地理的活動が継続している「生きている惑星」であることをも示唆。


次記事:
水星の真実: 探査機メッセンジャーの撮影で水星の「何か」がわかるかもしれない(2)


mercurysurprise-02.jpg

▲ NASA の水星探査機メッセンジャーが送信してきた水星の最新の写真。右のカラー写真は11種類の波長の違うフィルターから NASA が構築した「真実に近い色」の水星の疑似カラー写真。天文家たちは「今まで想定していた水星とは違った」ということにかなり戸惑いを見せているようです。
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(訳者注) 昨日、米国をはじめとした西洋のメディアでは、一般大手メディアから科学専門サイトをまで、いっせいに「水星 (Mercury)」の文字が紙面やサイト面に躍りました。

それは NASA の水星探査機メッセンジャーが送信してきた水星の写真に多くの謎や驚きが示されているというものでした。


これまで水星について何度かふれたことがあります。
代表的な記事としては、

突如スポットを浴び始めた「水星」(西洋神秘学では最重要惑星)
(2011年10月01日)

というものを書いたことがありました。
このことについて改めて書いてから、翻訳記事をご紹介したいと思います。


「この世」を支える水星

上の過去記事のタイトルにある「水星が最重要惑星」という意味なのですが、西洋の神秘学、例えば、薔薇十字に関係した記述では、下のようにあります(エメラルド・タブレッド)より。


聖杯は、両性具有を意味する水星で支えられている。
水星は男性と女性の両方の性質を持つ。

これは「逆にあるもの同士を結びつける」ことをあらわす。

太陽と月が水星を用いて偉大な仕事を成し遂げるシステムだ。





上の図はエメラルドタブレットですが、赤で囲んだ部分が「水星」です。

そして、その上に「聖杯」が描かれています。
太陽と月が聖杯の中に何か注いでいる。

ごく普通に考えて、注がれている聖杯の意味するところは何か・・・と考えると、それは、「地球」か、あるいは「人間」か、あるいは、それらを含めた「この世」というようなものを表していると思います。

つまり、中世の神秘学では、「この世(地球)」を下から支えているのは「水星」のようなのです。

水星が太陽系の中で最も重要な意味を持つ惑星だと書いたことにはそのような理由があります。


ここで、過去記事「 1785年の「薔薇十字の秘密のシンボル」の冒頭に出てくる数字」でご紹介しました 1785年の古書を再度見てみようと思います。

そうすとる「水星のシンボル」がもう至るところに出てくるのです。

たとえば、下のような1枚すべてがイラストのページがあります。書かれているラテン語はわからなくても、この絵の中で最も数多く描かれているのが水星です。この絵だけは縮尺したため見づらいですので、イラスト内に注釈を入れさせていただきました。

mercury-001.jpg


上のイラストからは、太陽も月も、そして、男も女も、すべて水星に支えられていることが何となくイメージとして伝わってきます。さらに、中央の絵の真ん中にいる立派そうな男性の頭上に輝いているのも、「太陽ではなく水星」です。

その男性は6個の「7」の数に囲まれた六芒星の中にいます。
太陽や月はその下に並んでいるのがおわかりでしょうか。

あらゆる存在を水星が支えている。
少なくとも薔薇十字の古書では、そうなっているということになりそうです。


以下、他の「薔薇十字の秘密のシンボル」の中にある他のイラストをいくつかご紹介します。イラストの中に注釈は入れません。キャプションだけで説明します。

120px-Mercury_symbol.png

水星のシンボルは上のマークですので、それを参考に見てみて下さい。



「薔薇十字の秘密のシンボル」(1785年)に出てくる、さまざまな水星のシンボル

・5つの本質

mercury-002.jpg

▲ 1の数字のところにあるのが水星。そして、頂点に並ぶマークの左側が水星。他のマークの意味するところはわからないです。下に書いてあるラテン語は「5つの本質」というような意味だと思います。太陽のマークはここにはないです。



・中央の水星

mercury-003.jpg

▲ 周囲のラテン語が読めなくて、この図の意味しているところは不明です。六芒星の中央に水星。それを囲んでいるのは、上から右回りで、「土星」、「火星」、「金星」、「月」、「太陽」、「木星」



・水星と水銀

Mercury-004.jpg

▲ タイトルは「水星と水銀」。頭上に水星。両手には鳩と蛇。

ちなみに、上の図に書かれているラテン語を大ざっぱに訳しますと(適当ですので、参考程度にされて下さい)、下のような感じです。

・左側の部分が「双子と母性。本質。 6。世界の農場。信じることはそれ以上の幸せを意味する」。

・右側の部分が「鳩。もし人がアエネーイスの記述の深遠さを持てば鳥が勝利をもたらす」。

上のアエネーイスとは Wikipedia によると、古代ローマの詩人ウェルギリウス(前70年–前19年)の叙事詩のことのようです。

関係ないですが、上の図の男の人の手の蛇のマークは 世界保健機構 WHO のマークを彷彿とさせます。WHO は一匹の蛇ですが。

who.jpeg

▲ 世界保健機構 WHO のマーク。



あと1枚。

・女性と水星

mercury-005.jpg

▲ 体のイメージと、お腹に赤ちゃんを彷彿させる人物が描かれていますので、これは妊娠した女性のイメージだと思うのですが、しかし、「体の上の顔は太陽」になっています。その太陽の頭上に、「太陽のシンボルと水星のシンボル」が縦に並んでいます。一番上が水星です。

イメージとしては、「子どもを授かることで最も重要な意味は水星にある」というニュアンスが伝わってきます。ちなみに、胎児の上の、ちょうどお腹の真ん中あたりにあるマークは、錬金術のシンボルそのもので、つまり、これが「この世のシンボル」だと思います。

なので、人間の体で「世界の中心」というのは、このお腹の真ん中周辺にあるというような意味かもしれません。胃の上部あたりですかね。





そんなわけで、曖昧ながらも、水星が大変に重要な惑星であるということはわかってきたような気がします。

少し長くなったので、メッセンジャーの記事の翻訳に関しては、次回の記事でアップします。




[エメラルドタブレットと惑星]に関係する過去記事:

ロシア科学アカデミーの科学者が「金星の写真の分析で生命を発見した」とする研究発表 (2012年01月23日)

リアル「ムンクの叫び」の日常の中で方丈記とか薔薇十字の秘密とかを眺めて (2012年03月13日)


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[1年前の In Deep ]

2011年03月24日の記事

歓喜する第8領域の生命たち