数字の「4」を調べているうちに、ちょっと面白い考えに発展しそうなことを見つけました。
サラッと書けば、1、2行で済みそうなことなのですが、せっかく発見したんだから、じっくり書きたい・・・。ということで、そのことを書いておきます。
「4」関係の前記事はこちらです。
最近、こちらでは数字の「4」のことなどを書き続けているわけですが、この「4」という表記が含まれている、
1 2 3 4 5 6 7 8 9 0
を、わたしたちは一般的に「アラビア数字」と呼んでいます。
アラビア数字について、調べてみると、
> ヨーロッパのアラビア数字は直接にはアラビアのインド数字に由来する。
とあり、さらに、
> インド最古の数字はブラーフミー数字
とあります。
「ブラーフミー数字」なんて言葉は初めて知るわけで、明日にも忘れていそうな名称ですが、 Wikipedia で、その「ブラーフミー数字」という項目を見てみると、このような表がありました。
「ほお、4が十字架だ」
と思い、説明を読むと、
姉妹の文字体系であるカローシュティー文字が4をX字型の記号で表していたことを連想させる。
という記述があり、また「カローシュティー文字」などという新しく知る数字がでてきます。
いずれにしても、これらが私たちが使っている数字の源であるわけなので、そのカローシュティー文字というものも見てみると、
となっています。
こちらは、4が「バツ」、あるいは「エックス」になっている。
さて、ここで「4」を並べてみますと、
私はパソコンの OS では Windows OS と共に、 Mac OS というのを、もう17年くらい(漢字 TALK 7.1 から)使っているのですが、10年ほど前からの現行バージョンの総称を Mac OS X と表記するのですが、この「X」は「エックス」ではなく「テン」と読みます。つまり「10」 のことをさします。
▲ 現行の Mac OS X (マック・オーエス・テン)は LION (ライオン)というネーミング。賛否両論ありそうですが、私は大変気に入っています。十数年前に「夢に見た OS 」というようなものが目の前に実際にある感じがします。右脳による視覚的判断だけで多くのことができます。検索以外は文字もキーボードもあまり必要ありません。子どもの砂遊びみたいな操作が多く、テキトーな感覚。私に合ってます。
どうして、「X をテン」と読むのか一瞬わからないのですが、これはふだん忘れているローマ数字なんですね。
・ローマ数字
つまり、「ローマ数字では 10をXで表記する」ということになるんですが、さて、ここで上のそれぞれをミックスさせると、実にややこしい「数字ワールド」が展開されるのです。
日本や中国で使われる漢字では、十字架の十の表記は「十」で、これが「10」を記す。ところが、アラビア数字の源であるインド最古の文字であるブラーフミー数字では、この「十」みたいな形は「4」を指し示す。
そして、この「十」を少し斜めにすると英語の「X」(エックス)みたいな形になりますが、これはインドのカローシュティー数字では「4」を意味するのだけれど、ローマ数字ではこの「X」は「10」を指し示す。
という・・・つまり、「4と10の行ったり来たり」が、古代文字と漢字とローマ数字の間で交わされている。
だからどうしたというわけではないですが、漢字の「十」という文字が明らかに十字架を描いている点を考えますと、これはもう少し考えてみたいとことだとも思いまして、とりあえず思いついた部分をメモとして書いておきました。
なお、ローマ数字においては「4」の表記方で大もめした歴史があるようです。
ローマ数字の「4」を巡る混乱
ローマ数字の時計には、表記が本来のローマ数字と違うものが多いそうで、
時計の文字盤は伝統的に 4 時を「IIII」、9 時を「IX」で示すものが多い。その由来には下記のように様々な説が唱えられているが、定説はない。
と、Wikipedia にありますが、そこからの抜粋です。
時計の文字盤で「4と9」の表記が違う理由として考えられていること
・ローマ神話の最高神・ユピテル(IVPITER)の最初の 2 文字と重なるのを避けるため。
・4 を「IV」と書くと「VI」と見分けにくいため。
・「IIII」ならば「I」という刻印を 4 回押せば文字盤の文字が作れるが、「IV」だと専用の型が必要になる。
・特定の有力なローマの時計製造者が「IIII」と書いた時計を作ったため、他の製造者もそれに倣った。
・ルイ14世が、文字盤に「IV」を用いることを禁じた。
いずれにしても、「4と9」が別格として扱われている事実。
「4と9」が日本で最も忌み嫌われる数字だということを含めて、大変に興味深く感じます。