2012年03月28日



2015年10月7日に In Deep は http://indeep.jp に移転しました。よろしくお願いいたします。




アメリカの夜空で繰り広げられた奇妙な「天体ショー」



(訳者注) 今朝のスペースウェザーのトップに奇妙な写真が掲載されていました。

それはこの写真です。

rocket_plumes.jpg


内容を読んでみると、「NASA の ATREX 実験によるもの」と書かれています。

「ATREX実験?」

聞いたことのない言葉なので調べてみましたら、「ATREX」という言葉やプロジェクトは、いくつか存在するようで、ひとつはこちらにある説明のもので、

ATREXエンジンとは、旧宇宙科学研究所(および旧航空宇宙技術研究所が共同で研究開発を始めたターボ・ラムジェットエンジンである。

というもの。「エアー・ターボ・ラムジェット・エクスパンダー・サイクル」( Air Turbo Ramjet EXpander cycle )の略の ATREX のようです。

しかし、今回の NASA のものはそのほうではなく、日本語の説明ページが見当たらないので、正確な日本語名はわからないですが、「特別移送ロケット実験」( Anomalous Transport Rocket Experiment )とでもいうようなもので、大気や気流の観測のためのロケットの発射実験のようです。

記事によると、「熱圏の調査」を目的としたもののようです。熱圏とは上空 80キロ以上の大気圏で最も高層にある部分です。

upper.png

▲いちばん上が熱圏。


そういえば、一昨年、「熱圏が崩壊した」というような報道もありました。

いずれにしても、この ATREX ロケットの試験がアメリカで行われ、上の煙はそれによって生じたトレイルの一種のようです。本文によると、ATREX は、「トリメチル・アルミニウム」という化学物質を噴出するそうで、その物質が上のような形で空中に展開するのだそう。

ちなみ、このトリメチルアルミニウムというものは、を見ますと、


トリメチルアルミニウムとは有機アルミニウム化合物の一種である。水や空気に対して不安定であり、自然界には存在しない。



「へえ、自然界に存在しないものを使ってロケットを飛ばしているわけかあ」と思いましたが、しかし実際にあるということは、「すでに自然界に存在」しているのでは? と思ったり。
科学の定義は難しいですね。


ちなみに、私は上の写真を見た瞬間、これらが「精子」に見えて仕方なかったです(笑)。

これは米国東海岸のわりと広い範囲で見られたもののようで、スペースウェザーにも各地からの写真がたくさん掲載されていたので、本文と共にそれらをご紹介します。

なお、「特別移送ロケット実験」というのは便宜上の訳です。




ATREX EXPERIMENT LIGHTS UP THE NIGHT SKY
スペースウェザー (米国) 2012.03.27

夜空をライトアップした ATREX 実験

3月27日の夜明け前、アメリカ合衆国の東部の海岸沿いに住む人々の多くが、夜空に奇妙な光景を目撃した。夜空に白い煙のようなプルームがクルクルとねじれながら夜空に漂っていたのだ。

目撃者であり、写真(上の写真)をスペースウェザーに送ってくれたニュージャージー州のジャック・フスコさんはこう言う。

「なんというか、こう、現実の光景とは思えなかったですね。非現実な感じ。とてもエキサイティングな経験でした」。



Mark-A-Brown.jpg

▲ ペンシルベニア州カーリズルのマーク・ブラウン氏による撮影。


この白いプルームの正体は、ヴァージニア州にあるウォロップス飛行施設( Wallops Flight Facility )から次々と大気上空に発射された五機のロケットから出たトリメチル・アルミニウムという化学物質の跡だ。


Ray-Maher.jpg

▲ ニュージャージー州モーリー・リバーのレイ・マヘール氏撮影。


これは ATREX(特別移送ロケット実験)というプロジェクトの実験で、ATREX の最終的な目標は、高層の熱圏での乱気流の3Dモデルを調査することだ。昨晩の「白いプルーム」はそのロケットによる天体ショーだった。

その光景を見たひとりのブライアン・ラウバーさんは、「あれは驚くべき光景だった」と語った。






(訳者注) 上で「精子っぽい」と書いたのですが、同じ日のスペースウェザーのトップの下段記事は、「太陽からの CME 」の話題で、その CME の形もちょっとそれ系で・・・。

cme_c2.jpg


「精子の時代」ということでしょうか(どんな時代だ)。

そういえば、先日、「人間は最初 宇宙線だった:埴谷雄高さんの1994年の言葉」というような記事を書いたのですが、埴谷さんは番組でこんなようなことも言っていたような記憶があります。


「精子の3億のうち、実際には一つしか役立たない。私たちはこの2億9999万9999を殺した上に成り立っているわけです。なので、私たちはその「出現しなかったほうの生命と宇宙の夢」を考えなければいけないのですよ」


というような感じのことを言ったいたと思います。記憶で書いているんで、今度ちゃんと調べます。

埴谷さんの考え方は、人類もその他のすべての生命も夢を見ていて、そして無機物や素粒子などといった「存在すべて」が夢を見ているというものでした。





[空の現象]に関係する過去記事:

アメリカで大騒動の謎の巨大ミサイル発射を巡る米軍の困惑
2010年11月10日




空の赤い妖精「スプライト」
2011年08月29日



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[1年前の In Deep ]

2011年03月28日の記事

古い文明と新しい文明の堺で生きている

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