2012年04月03日



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世界で習得することが最も難しいのはどの言葉?



(訳者注) ロシアのプラウダの英語版に、に上のタイトル通りの「学ぶのが最も難しい外国語は?」というタイトルの記事がありました。

記事にもありますが、学習する人のネイティブ言語によって、難しい言葉というものは違うわけで、そのランキングそのものにはそれほど興味がないのですが、記事の中に、イスラエルのハイファ大学の科学者たちが行った「左脳と右脳」と「言語」の関係の実験がとても興味深かったので、この記事全部をご紹介しようと思いました。

ただ、どうも上手に訳せなかったので、先に書いておきますと、

・文字そのものに象徴的な意味のある言語は「右脳」と「左脳」の両方とも脳の活動として機能していた。

ということがわかったということなんです。

「文字そのものに象徴的な意味のある言語」はいろいろとあるでしょうが、代表的なものとしては、アラビア語、中国語、日本語などです。


逆に、文字そのものに象徴的な意味のない文字、つまり英語とか、まあ、そういう多くの言語では、

・左脳だけで理解する。

ことがわかったと。

ちなみに、米国の「防衛言語研究所」という研究所では、英語を話す人にとっての「世界の言語の難易度ランキング」をつけていて、それは大きく4つのグループにわけられていますが、その「学習するのに最も難しい超難関グループ」の言語が、

アラビア語、中国語、日本語、韓国語


でした。

ただ、この中で、中国語は文法自体は英語などと似ているようで、英語を話す人にとって中国語は「書き文字だけが難関」のようです。

一方、日本語と韓国語は特殊な文法を持っていますが、韓国語は今では表記はほぼハングル文字です。ハングル文字には象徴的な意味はなく、英語のアルファベットなどと同じ記号としての文字ですので、漢字や日本語などともまた違うはずで、そう考えていくと、「アラビア語と日本語の異常な特殊性」というのは突出します。

まあ、ただ、日本語は、アラビア語とは文字の数が比較にならないほど多いですが。

ちなみに、このプラウダの記事では、日本について、


日本では、12年間の間、日本人の子どもたちは日本語を学ぶ。この12年間のうちに日本人学生たちは、約 1,850個にものぼる漢字についての知識を何度もテストされ、それを習得しないと学校を卒業することができないのだ。


のようになっていて(笑)、なんだか日本人が勉学の鬼のようですが、しかし実際の場合、ほとんどの文字、少なくとも、ひらがなは「目で覚えてきた」はずです。

日本人と日本語と右脳の関係というのもまた、面白いものだと思います。






Which foreign language most difficult to learn?
プラウダ (ロシア) 2012.03.27

学ぶのが最も難しい外国語は?

arabic.jpeg


外国語を学んでいる人々は、ときに、「世界で最も習得するのが難しい言語は何なのだろうか」と考えることがあると思う。

とはいえ、この問いに対しての正確な答えはないと言語学者は言う。その人がどんな言葉を母国語にしているかで、その人にとっての難しい外国語は変わるものだからだ。

しかし、言語学者ではなく、神経生理学の学者たちによると、この世界で最も難しい言語は、中国語かアラビア語のどちらかになると考えているという。

言語学の観点からは、その基準はなく、その人にとって難しい言語というのは本人のネイティブの言語との比較となるという。たとえば、私たち(ロシア人)が話しているロシア語も世界では最も難しい言語のひとつだと言われる。しかし、ロシア語は、ウクライナ人やチェコの人たちにとっては容易に学べる言語だ。

しかし、たとえば、トルコ人の学生や日本人の学生たちにとってはロシア語の習得は大変にハードルが高いものなのだ。彼らにとっては、ロシア語は信じられないほど難しく感じられるかもしれない。

「類縁性」という観点から見ると、スペインとフランスにまたがるバスク地方で話されるバスク語が、学習するには最も難しい言語のひとつと考えられている。

その理由は、バスク語は現存するどの言語とも系統関係が立証されていない孤立した言語であり、いかなる言語グループにも属していない言葉だからだ。


ギネスブックに掲載されている難解な言語の例としては、カナダとアメリカ先住民であるオジブワ族の話す言語がある。また、 北米とカナダで暮らしていた先住民族のハイダ族の言語も同じタイプのものだ。

ロシアの南ダゲスタンの民族タバサラン( Tabasaran )の言語も、エスキモーや中国語と同じほど難しい。


中国語と日本語、そして韓国語は、書き言葉の観点からは、世界で最も難しい言語群だと考えられている。

たとえば、日本では、子どもたちは12年間、学習を続ける。

この12年間の間、日本人の子どもたちの学習の主軸となるのは、主に「数学と日本語」だ。

この12年間のうちに日本人学生たちは、約 1,850個にものぼるヒエログリフ(ここでは、「漢字」という意味だと思います)についての知識を何度もテストされ、それを習得しないと学校を卒業することができないのだ。

日本語の新聞を正確に読むためには、さらに 3,000個のヒエログリフを覚える必要がある。


米国の「防衛言語研究所」( Defense Language Institute )の研究者たちは、「英語をネイティブとする人にとって」学習することが難しい言語のランキングをつけた。



第1グループ

英語を話す人にとって習得が簡単な言語群

アフリカーンス語、デンマーク語、オランダ語、フランス語、ハイチのクレオール語、イタリア語、ノルウェー語、ポルトガル語、ルーマニア語、スペイン語、スワヒリ語、スウェーデン語。




第2グループ

第1グループより、やや学習が難しい言語群

ブルガリア語、ダリ語(アフガニスタンの公用語) 、ペルシア語、ドイツ語、ギリシャ語、ヒンディー語、ウルドゥー語(インド)、インドネシア語、マレー語。





第3グループ

第2グループよりも、さらに学習が難しい言語群

アムハラ語(エチオピアの公用語)、ベンガル語(主にバングラデシュ)、ビルマ語、チェコ語、フィンランド語、現代ヘブライ語、ハンガリー語、クメール語(カンボジア)、ラオ語(ラオスの公用語)、ネパール語、タガログ語(フィリピン)、ポーランド語、ロシア語、クロアチア語、シンハラ語(スリランカ)、タミル語(インド)、トルコ語、ベトナム語。




第4グループ

世界で最も学習が難しい言語群

アラビア語、中国語、日本語、韓国語。



イスラエルのハイファ大学では「右脳と左脳と言語の意味の認識」の働きに関して興味深い研究をしている。


人間の脳が「右」と「左」にわかれていて、右脳と左脳のそれぞれの役割が異なることは今では一般的に知られている。脳では、右脳と左脳の連携によって、抽象的な認識分担と、情報処理等の計算処理を脳の中で同時に行っている。

左脳は、言語とスピーチに関係し、右脳は、直感力を受け持ち、「比喩」や「その抽象的な意味」を理解することができる。左脳は文字の情報通りの意味しかとらえることはできない。


イスラエルの科学者たちは、次のような実験をおこなった。

ネイティブで英語を話す被験者と、ネイティブでアラビア語を話す被験者、そして、ネイティブでヘブライ語を話す被験者に、それぞれの言語テキストを読んで、その内容を認識してもらった。

その後、それぞれの被験者たちは、「意味のつながりのない自国語の単語の組み合わせ」を提示された。

その後、次の実験として、「スクリーンの左と右に、同時に単語を表示」して、その意味を認識するまでの時間などを計測し、また、脳活動の状態を観測した。

その結果、非常に面白い結果がわかった。

ネイティブで英語を話す被験者と、ネイティブでヘブライ語を話す被験者は、どちらかの「半分」だけで言葉を読むことができた。

しかし、ネイティブでアラビア語を話す被験者の結果は違った。
アラビア語を読むときには、右脳は左脳の補助なくして機能することができなかったのだ(文字を読んで意味をつかむためには左脳と右脳の連携が必要ということ)。

アラビア語の書き言葉の象徴の意味を読むことは、脳の認知機能を起動させると科学者たちは結論した。従って、あなたがマインド(心)を進化させたいのなら、アラビア語の学習をすることはよいオプションになるかもしれない。

同じような実験が、英語のネイティブ・スピーカーと、中国語のネイティブ・スピーカーの間でも行われた。

この場合も、英語のネイティブ・スピーカーの被験者は、彼らの左脳の一部だけを活動させたが、中国語のネイティブ・スピーカーは右脳と左脳の両方が機能した。

しかし、不思議なことに、これだけ難解な分類をされている中国語だが、その文法は、世界で最も簡単なもののひとつだ。中国語の文法は、英語などとほとんど変わらない。

「英語が世界標準の言語となったのは、偶然に過ぎない」と言語学者たちは言う。

実は、世界全体から見れば、英文法というものは理解するのが非常に難しい。





[人間と言語]に関係する過去記事:

さまざまな言語での「太陽」(日本語で「タイヨー」)の発音
2012年03月30日

マヤ語の研究でわかった人間の感情の認識
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