そして、「月と太陽は同じもの」だと再認識した夜と朝
(訳者注) それにしても、どうして、ほんの2年くらい前まで「地球の年齢は46億年」とかと信じこんでいたのか・・・。そう信じていた自分がいたことが、むしろ信じられない感じですが、いつ頃からの思いこみだったのかも思い出せないほど「完ぺきに刷り込まれた記憶」でした。
そういえば、来週、うちの子どもが小学校へ入学するんですよ。
小学校1年生ではまだ太陽系の組成とか歴史とか、そんなことやらないかもしれないけど、いつかは「宇宙はビッグバンで作られ、地球は46億年前に太陽と共に・・・」というようなことを教えられていくのかと思うと、どうしても多少は暗澹とした気分にはなります。
奥さんとか祖母とかは「入学おめでとうモード」ですが、私は、彼(子ども)には「まあ・・・いろいろ大変だと思うけど、適度にがんばってね」と言うしかなかったです。あとはもう子ども本人が乗り切れるかどうかというサバイバルの部分だけかもしれません。
私は「人間は7歳から大人」と真面目に思っていますので、彼が子どもでいるのもあと数ヶ月(そういえば、今年の7月7日が彼の7歳の誕生日。777)。少ない子ども時代を精一杯楽しく生きてほしいです。
私の6歳の頃は楽しかったです。
崩れつつある地球の歴史と太陽との関係性
話がそれましたが、今日の記事は、オーストラリア国立大学で地球内部の研究をしている科学者たちが「地球と太陽と隕石の組成はすべて違うようだ」というようなことを発表したという記事のご紹介です。実際には、訳している内容はわりと難解で、理解できない部分も多いですが、その前に、「現在の科学での一般的な地球と太陽の関係はどのように説明されているものなのか」ということをご紹介しておきます。
下は、「太陽探査機「ジェネシス」による太陽と地球型惑星の酸素・窒素の同位体組成の差観測」という記事からの抜粋です。
一般に今からおよそ46億年前、星雲(星間物質の密度が周囲より高い領域)の中心部から原始太陽が形成され、その原始太陽系星雲が回転を始めて原始太陽系円盤となり、その領域で地球などの惑星が形成されたと考えられています。
従って太陽と地球などの惑星は、同じ太陽系星雲物質から構成されていると思われていました。
というもので、つまり、上の「太陽と地球などの惑星は、同じ物質から構成されている」という、この何十年もの宇宙科学の「常識」だったことが崩れてきているという話でもあります。
今回ご紹介する記事もそうですし、上の抜粋した記事の内容もそれと関係したものです。上の記事では、NASA の太陽探査機が採取した太陽風の粒子を分析した結果、地球と太陽の生成過程が違う可能性が示された(酸素と窒素の同位体比が太陽と地球などでは異なる)ということが 2011年6月に NASA から発表された時のものでした。
こういうことがどうして重要なことなのかというと、またも引用させていただく「ひとつのことは万物に通じる」というエメラルド・タブレットの概念の通り、
「ひとつの基本的な転換は、すべての転換につながる」
と私は思っています。
ところで、上の記事に唐突に「旧約聖書の創世記」の一節がピックアップされていましたので、その部分をここでもご紹介します。
旧約聖書 創世記 第1章 16-18節
神は二つの大きな光る物を造られた。大きいほうの光る物には昼をつかさどらせ、小さいほうの光る物には夜をつかさどらせた。また星を造られた。
神はそれらを天の大空に置き、地上を照らさせ、また昼と夜とをつかさどり、光とやみとを区別するようにされた。神は見て、それをよしとされた。
これを読んで「昨晩と今朝のこと」を思い出しました。
それは、上の旧約聖書には「大きいものを太陽として、小さいものを月とした」というようなニュアンスで書かれていますが、「それは違うかもしれない」という話です。
つまり、「月も太陽も同じ大きさだ」と酔っ払いながら思った時の話です。
夜の太陽と昼の太陽
昨晩、家でお酒(ワイン)を飲んでいたら、全部飲んじゃって、他のお酒はいろいろとあったんですが、「ワインまだ飲みたい」と、夜の10時頃にフラフラと外に買いに出ていったんですね。
ふと、歩いている真上やや前方に「月」がある。
「ほー、月だ。月っていつもあるな(当たり前だ)」
と見上げてしばらく眺めていました。
下のはネットからもってきたものですが、薄曇りの中のこのような普通の月です。
その時はそれだけだったんですけれど、今朝。
自分の部屋の机に向かっていた時、開けていた窓から太陽が見えたんです。
今朝は薄曇りで、「雲の向こうに太陽の輪郭が映っている状態」の、下のような太陽でした。
それを見て、昨晩の「月」のことを思い出しました。
そして、
「月と太陽って、おんなじ大きさやんけ」
と気づいたのです。
同じ大きさというのは、「目に見える大きさが」という意味です。
そして、最近の私のブログでは、「見える状態」ということがどれだけ大きな意味を持つのかということを考えたりすることが多かったです。
いやまあ、そりゃ日食とかもあるんだし、そんなこと当たり前じゃん、と言われればそれまでなのですが、なんとなく、「太陽のほうが大きく見える」ようなイメージというものを私は持っていました。それは太陽が光っているので、光の放出の部分を考えるからでしょうが、大きさ的には明らかに「太陽 > 月」と思いこんでいたのです。
でも、「月と太陽のふたつは同じ大きさ」だったんです。
少なくとも、地球から見るそのふたつは。
そして、同時にこのことで気づいたのが、先日、
・さまざまな言語での「太陽」の発音
2012年03月30日
という記事を書いたのですが、その最後に「アイヌ語」のことをちょっと書きました。
アイヌ語には文字がありませんので、発音だけですが、
太陽は「トーカム・チュッ・カムイ」
月は「クンネ・チュッ・カムイ」
といい、「チュッ・カムイ」の部分が同じことに気づきます。
本当かどうかはわからないですが、その記事で私は、
この「トーカム」と「クンネ」は、今でいう太陽と月という違いではなく、
・昼の太陽
・夜の太陽
という違いだったようです。
アイヌは、太陽も月も「どちらも太陽」と見なしていたと考えられます。
と書いたのですが、まさにその通りだと昨日の「月」と、今日の「太陽」で気づいたのです。
なんか興奮ついでに下のようなものもアップしました。
発音は、アイヌ語を覚えようというところから拝借した音声ですので正しいと思います。
話がそれ続けてしまいましたが、いずれにしましても、今後、加速度的に「宇宙の歴史」に関しての記述は変化していくと思います。つまり、Wikipedia の「地球史年表」の最初の部分にある、
・137億年前 - ビッグバン。
・46億年前 - 地球誕生。
・46億年前 - 38億年前 地殻と海ができ、最初の生命が誕生したと考えられている。
が完全に書き換えられる日も遠くないということだと思います。
ここから翻訳記事です。
なお、下の翻訳記事の冒頭にある
「現在の私たちは、太陽が M67 に起源を持たないことを知ってしまった」
という下りに関しては、今年はじめに報道されたナショナルジオグラフィック・ニュースの「太陽の生まれ故郷、有力候補が消える?」などをご参照下さい。
そのナショナルジオグラフィック・ニュースの記事は、
太陽の生まれ故郷として最も有力視されていたメシエ67(M67)。しかし、新たなコンピューター・シミュレーションによれば、その可能性は低いという。
で始まるもので、「太陽の起源」に関しての可能性のひとつの理論が消えたというニュースです。
New Shocking Discovery Challenges The Origin Of Earth
Message To Eagle 2012.03.29
衝撃的な発見が「地球の起源の解明」に新たな挑戦を投げかける
現在の私たちは、太陽が M67 に起源を持たないことを知ってしまった。
そして、今度の新しい驚くべき発見は、現在の科学で考えられている地球の起源についての再検討を求めている。
何世紀ものあいだ、科学者たちは、地球と太陽は同じような科学的形成過程を持つとしてきた。しかし、この考え方は、オーストラリア国立大学の科学者たちによって疑問視され始めている。
オーストラリア国立大学の地球科学調査校の教授であるイアン・キャンベル博士と、ヒュー・オニール博士たちは、「今、私たちが行っている地球のコアの事実に関しての研究は、これまでの私たち自身の持つ地球科学に対して混乱を与えるものかもしれない」と言う。
オニール博士は下のように言う。
「何十年もの間、科学者たちは、基本的に地球と太陽は同じ構成要素を持っていると推測されていました。これは、太陽系の中のすべてのものが同じ組成を持つという理論に基づいています」。
これまで科学者たちは太陽の構成と地球の構成を計測するための方法として、球粒隕石(コンドライト)の化学構造を分析していた。これはその方法がもっとも容易だからだ。科学者たちは、これまで「地球はコンドライト隕石の組成を持つ」と結論づけてきていた。
しかし、キャンベル博士はこの現在の結論としての命題に疑問を感じ続けていた。
キャンベル博士は以下のように言う。
「地球の火山岩の中に含まれる2種類の希土類元素(レアメタルの一種)の比率が、コンドライト隕石の中で、より高いことを最近の発見は示唆しています。多くの科学者たちは、この理由については、地球のコア近くに多く隠された希土類元素の蓄積があり、それにより比率の帳尻が合うはずだと主張しています」。
キャンベル博士は、地球のマントルのプルーム(地球の内部の対流)の研究に 20年を費やしている科学者だ。
▲ 現在の地球科学で説明される地球内部。
マントルのプルームは、地球のコアの境界線から上り、地球の中央部分から熱を取り除くメカニズムである熱い岩盤と考えられているものだ。
キャンベル博士はこのように語る。
「地球の中央部分に希土類元素の蓄積する場所がある場合、そこには熱を生成する要素であるウラン、トリウム、カリウムなどが豊富に存在する必要があります。すなわち、地球のコアに蓄積場所があるという考えを支持するためには、蓄積されたそれらの要素が放つ『熱』を発見しなければならない。しかし、マントルプルームは、それに見合うだけの熱を放っていないのです」。
そして、こう続けた。
「結果として、地球は、コンドライト隕石と同じ構成要素を持たないし、そして、地球は太陽とも同じ構成要素でもないとしか言いようがないのです」。
地球は巨大に膨れあがった惑星の衝突によって作られたと考えられている。キャンベル博士の研究では、それらの惑星体がそのようなサイズに達する頃には、かなりの熱を生成する要素を含んだ地殻を形成していたと述べる。
博士はこう語る。
「地球形成の最後の段階の間に、この地殻は『衝突侵食』と呼ばれるプロセスまで失ったと思われます。これにより、地球はコンドライト隕石と比較すると熱を生成する要素のかなり少ない星として作られたと推定されます。これで地球がコンドライト隕石と同じ化学組成を持たない理由を説明できると考えます」。
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[地球内部]に関係する過去記事:
・地球からのニュートリノと地球内部からの膨大な熱の源は何か
2011年08月27日
・アメリカ化学会の数百名の科学者たちが挑む「地球内部の謎」
2011年09月21日
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[1年前の In Deep ]
2011年04月06日の記事
・日本人が歩んできたテクノロジーの意味