2012年04月19日



In Deep のトップページは http://indeep.jp に移転しました。よろしくお願いいたします。




ミサイル実験失敗後に「すぐ公表しろ」と指示した金正恩第一書記



(訳者注) 最近、北朝鮮絡みの記事が多いですが、この「金正日元国防委員長の息子さん」に最近興味が出てきていて、今回もその絡みです。

私は、先日の「EMP 攻撃シミュレーションだったとすると完全な成功を収めたように見える北朝鮮のミサイル実験」という記事に書きましたように、先日のミサイル実験は軍事訓練としては成功だったと思っているのですが、今日の日経新聞にこのような見出しの記事がありました。

ミサイル失敗、金正恩氏「公表しろ」指示 韓国報道
 日本経済新聞 2012年04月19日

「北朝鮮が長距離弾道ミサイル発射の失敗を認めたのは、金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の指示だった」という内容ですが、短い記事で、この記事の中に「韓国報道によれば」とありましたので、その韓国報道を探しましたところ、中央日報(韓国語版)にその記事がありましたので、ご紹介します。

これは、4月10日から18日まで北朝鮮の平壌(ピョンヤン)を訪問していた在米韓人政治学者で、米国ジョージア大学で教えるパク・ハンシク教授という人に中央日報の記者がインタビューしたものです。

pak-2012-04.jpg

▲ 米国ジョージア大学の在米韓国人政治学者のパク・ハンシク教授。ジョージア大学世界問題研究センターの所長。これまで、50回ピョンヤンを訪問しているそうです。


ところで、この「金日成誕生100周年記念行事」には、日本からアントニオ猪木さんも招待されて出席していました。アントニオ猪木さんは、北朝鮮訪問が今回で 23回目で、日本の著名人の中では最も多く北朝鮮を公式訪問している人物のひとりです。中央日報日本語版の記事で、猪木さんがこのように言ったことが記されていました。


「6カ月前に比べて車が非常に多くなり、交通停滞もあった。北朝鮮にタクシーがあるということに驚いた」


平壌にタクシーが走っている! (@_@) 

そういえば、In Deep の過去記事で、

変化する北朝鮮富裕層の価値観:携帯を持つ平壌住民の数が18万5000人に
 In Deep 2010年09月11日

というものがあり、これがすでに2年近く前のものですから、いろいろと変化しているのですね。

もちろん、これは玄関都市であるピョンヤンに限った話だとは思いますけれど。


では、ここから中央日報の記事です。

記事のトップにある勝ち誇ったかのように表情で、民衆に手を振るキム・ジョンウンさんの姿がいろいろと想像させてくれます。

ところで、パク・ハンシク教授の話によると、以前まで北朝鮮の中央広場(金日成広場)に掲げられていた「マルクスとレーニンの肖像画が撤去されていた」のだそうです。




김정은,
中央日報 (韓国) 2012.04.18

「金正恩はロケット実験失敗の発表が恥ずかしくはなかったのか」についての嫌疑


kim-jong_un-1.jpg


▲ 金日成生誕100年を記念して平壌の金日成広場で開かれた閲兵式の後、観衆に手を振る金正恩の姿。政治的にも軍事的にも名実共に最高権力の座に上った金正恩はこの日、20分ほどのスピーチをおこなった。


2月29日に北京で交わされた米朝関係の合意が無に帰される状態の中で、北朝鮮はなぜ、長距離ロケット(銀河3号) の打ち上げというカードを使ったのだろうか。

そして、結果的にロケット打ち上げは失敗したわけだが、その北朝鮮の立場というものはどういうものなのか。

さる 4月10日から一週間の間、北朝鮮の平壌を訪問して、 4月18日に韓国ソウルを訪れたパク・ハンシク氏(73) に本誌記者がインタビューをおこなった。パク・ハンシク氏はアメリカのジョージア大学で政治学を教えている。


記者: 平壌の雰囲気はどのようなものでしたか?

「金日成生誕 100年の記念行事(北朝鮮では「太陽節」と呼ぶ)に動員されたと思われる住民たちが延々と列をなして並んでいた。街中はネオンをつけ、建物も灯りをつけており、祭の雰囲気を作ろうとしているようだった。以前、金日成広場近くに掲げられていたマルクスとレーニンの肖像画がなくなっていた。その光景からは北朝鮮がマルクス ・ レーニン主義から派生した社会主義国ではなく 、まるで「金日成国になった」という感じを受けた」。



記者:訪北期間の 4月13日に、北朝鮮は長距離ロケットを打ちました。

「外国の記者たちを通じて打ち上げの事実が分かった。失敗の消息もすぐに外国の記者たちに入った。夕方の時点では、北朝鮮当局は公式には失敗ではないと言っていて、「軌道に進入することができなかった」と言っていたが、ところが、私席では彼らは「失敗だった」と言っていた」。



記者:周辺国の懸念にもかかわらず、ミサイル発射を強行した理由は何だと思われますか?

「発射後の国際社会の制裁は懸念していたが、しかし(銀河3号のミサイル実験は)昨年死亡した金正日が苦心の末に決定したものであり、「首領様に示さなければならない」という立場だったようだ。 北の人々の意識構造やシステムの特殊性を勘案すると、今でも金正日の決定は絶対だ。 誰も「だめだ」という話はできない。 なので、金正日が決めた今回のミサイル発射は既定事実化しているもので、絶対に行わなければならないものだった。そして、その善後策について悩んでいたようだ。 もし成功した場合は、ミサイルの輸入に関心のある国々などに対しての商業的側面もあったのだろうと思われる」。



記者:北朝鮮が異例とも思えるほど迅速に失敗したことを発表しました。

「北朝鮮当局者によると、金正恩が直接「発表しろ」と言ったそうだ。 周辺参謀たちは、金正恩に、「失敗したことを発表して恥ずかしくはないのか?」と尋ねたが、軍の司令官でもある金正恩は、「迅速に発表しろ」と言ったというのだ。 一部の記者たちは、金正恩はスイスで学んだ人物なので、情報に対しても開放的なのではないかと分析していた」。



記者: 閲兵式で金正恩を直接見ましたか?

「観客席から見た。観客席の警備はボールペンの一本を持ち込むこともできないほど厳重だったので、閲兵式に金正恩が出てくることは予想できた。司会の人物が 、「最高司令官が演説をされる」と述べた後、金正恩は演説をした。演説は 20分間で、演説文は本人が直接書いたものだとのことだ」。



記者: 金正恩はどんな感じの人物だと思われましたか?

「ジェスチャーや口調は金日成と同じだった。 容貌や行動の柔軟性も、本人が努力した結果ではあるだろうが、指導者として定着した印象が漂った。 しかし、熟慮するよりも、押し通すスタイルの人物だとも感じた。 もしかすると、突発的な決定が行われることがあり得るかもしれない。 その場合、南北間の小さな軍事的衝突が全面戦争につながる可能性が懸念される。 米国の食糧支援の撤回だけでも、北朝鮮は強硬な圧力だと考えており、追加制裁がある場合は3回目の核実験につながる可能性が大きい」。





(訳者注) これは韓国の新聞ですので、やはり韓国側とすれば、最後のほうのくだりの、パク・ハンシク教授の、


もしかすると、突発的な決定が行われることがあり得るかもしれない。 その場合、南北間の小さな軍事的衝突が全面戦争につながる可能性が懸念される。


という部分が気になるところなのかもしれません。

ところで、中央日報は、その後、「なぜ北ロケットの積載重量は1kt核弾頭と同じか」というコラム記事を掲載しています。

記したのは、ジョージタウン大学のビクター・チャ教授という人です。

ちなみに、戦争といえば、現在フィリピンと中国が戦争へ一触即発の状態です。
こちらも相当緊迫しています。


--
[金正恩]に関係する過去記事:

金正恩第一書記 初演説の全内容
2012年04月18日

『すべての党員と人民軍将兵に告ぐ』: 朝鮮中央通信の特別報道の全内容
2011年12月19日

--
[1年前の In Deep ]

2011年04月20日の記事

「夢」についての補足記事(夢の重要性について)

Sponsored link


・ In Deep も» 人気ブログランキングに登録しました。よろしければクリックして下さると幸いです。