2012年05月03日



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災害の噂だらけの世界で: 「この世の終わり」に関して米国の調査会社が21カ国で行った国際調査のデータ



昨日の記事、

寒冷化の予測と反して異常に上昇し続ける世界各国の気温

では、最初、タイの話から書いたのですね。

その中で、これまで地震が極めて希だったプーケットで地震が頻発していることにふれたのですが、疑問だったのが、様々な記事の中に、「住民たちが次々とプーケットから避難している」とか、「観光客たちのキャンセルが相次ぎ」などとあり、いくら何でも、M4 前後の地震が数回起きただけの中で少し大げさすぎではないの? とは思っていました。

多分、建物の被害も人的被害もほぼ起きていないはずです。

phuket2.jpg

▲ バイクでプーケットから避難する一家。4月17日。


その疑問があって、タイのメディアなどを少し見続けている中で、その「事態が大げさになっている理由」がわかったのです。それは、プーケットなどのメディアに登場する下のタイ語でした。

phuket.png


これは何と書いてあるかというと、

プーケット沈没

という意味の言葉でした。

そして、「そのウワサで持ちきり」と続きます。

プーケットでは地震発生の頃から、この「プーケット島が沈没する」という噂で、大勢の人が島から逃げようとしていたのだということがわかったのでした。


具体的には、「 4月27日にプーケットが海に沈む」という噂だったそうで、大勢の人が陸路や空路でプーケットから離れようとしたために、道路が渋滞し、空港も混雑し、また観光にも影響があったようです。

4月27日は過ぎましたので、今は落ち着いたと思うのですが、しかし、この「ウワサで逃げ出す人々」を私たちは笑えません。日本の昨年の震災の後から「次から次へと」湧いて出てくる「次の地震の噂」を見てもおわかりでしょうが、一度、噂が発生すると、形を変えて次々と出てくる様子を私たち日本人も 2011年から現在に至るまでそれを経験し続けています。


というより、全世界の誰もプーケットの人を笑えないかもしれません。

たとえば今日 5月3日のロイター日本語版の「世界のこぼれ話ランキング」を見てみましょう。

そこからいくつか見出しをピックアップしてみます。
下の見出しはすべてオリジナル記事にリンクされています。







上の5位にある「米国人の2割「世界の終末近い」、マヤ予言も影響=調査」は、昨日の報道です。その内容は、


調査会社イプソスが世界的規模で行った最新の調査で、「生きているうちに世界の終わりが来ると思う」と回答した人が、全体の約15%にのぼることが分かった。



というものでした。

今回は、このイプソス社のオリジナルのニュースリリースをご紹介します。

これは、「生きているうちに世界の終わりが来ると思うか?」という質問を、中国、トルコ、ロシア、メキシコ、韓国、日本、米国、アルゼンチン、ハンガリー、ポーランド、スウェーデン、フランス、スペイン、ベルギー、カナダ、オーストラリア、イタリア、南アフリカ、英国、インドネシア、ドイツの、全21カ国の1万6000人以上を対象にしておこなった大調査です。


しかし、現実には、世界のほぼ9割の人は「世界の終わりなど考えもしない」ということのようです。

それではここから記事です。




One in Seven (14%) Global Citizens Believe End of the World is Coming in Their Lifetime
調査会社イプソス社ニュースリリース (米国) 2012.05.01

全世界の7人に1人(14パーセント)は、自分たちが生きている間に世界の終わりが来ると考えている

マヤの予言を信じている人は全世界の 10パーセント。2012年に世界が終わることに不安を感じている人は 8パーセントであることが調査で判明した。


国際的な調査をおこなうイプソス社は、初のテーマとなる世界的な世論調査をおこなった。

この調査は、世界21カ国の 16,262人を対象にしておこなわれた。

調査対象の約 10パーセントの人が『マヤのカレンダーと、そこにあるといわれる2012年のこの世の終わり』を信じていることがわかり、また、全体の 8パーセントは、『2012年に終末がやってくることに対しての不安や恐れ』を抱いていた。


調査の結果、全体の7人に1人、率にして 14パーセントの人々が『自分が生きている間に世の終末が来る』と考えていることがわかったが、その内訳は、

・強くそう(世の終末が来ると)考えている → 4パーセント
・いくぶんそう(世の終末が来ると)考えている → 10パーセント


一方、その他の 86パーセントは、『自分が生きている間に世の終末は来ない』と考えており、その内訳は、

・強くそう(世の終末は来ないと)考えている → 66パーセント
・いくぶんそう(世の終末は来ないと)考えている → 19パーセント


となった。


「生きている間に世の終わりが来る」と考えている人の割合が最も多かったのは、トルコと米国で、ともに約5人に1人(22パーセント)がそう考えていた。

多い順としては、その後に、

南アフリカ (21パーセント)
アルゼンチン(19パーセント)
メキシコ  (19パーセント)
インドネシア(19パーセント)

と続く。

一方、「生きている間に世の終わりが来る」と考えてる人の割合が最も低かったのは、フランスの 6パーセントだった。

以下、下からの順位は、

ベルギー  (7パーセント)
イギリス  (8パーセント)
スウェーデン(11パーセント)

だった。


また、21カ国全体で『マヤのカレンダーが2012年の終末を示している』ことを信じているのは 10人に1人(10パーセント)だった。

マヤカレンダーの予言に関して、信じている人の割合が最も多かったのは、中国で、5人に1人(20パーセント)だった。

以下、トルコ、ロシア、メキシコ、そして日本の4カ国がそれぞれ信じている人の割合が 13パーセントで並んだ。一方、ドイツとインドネシアでは、4パーセントの人がマヤカレンダーを信じているに過ぎなかった。


2012.png


『終末に関して不安や恐れを抱いているか』という質問に対しては、全体の2パーセントが強く感じており、6パーセントはやや感じていた。

最も不安を強く感じているのはロシアで、14パーセントの人がそう考えていた。
以下、

ポーランド(13パーセント)
中国   (12パーセント)
トルコ  (11パーセント)
日本   (11パーセント)

と続いた。

一方、不安を感じる割合が最も少ないのは、イギリスの4パーセントで、以下、ドイツとオーストラリアが5パーセントと続いた。






(訳者注) ちなみに、ここ数年の確率的な意味だけでいえば、「噂は当たらない可能性が高い」のは事実ですので、むしろ噂が出たなら、「ああ、起こらないんだ」と安心してもいいと思います。

日本だけとってみても、少なくとも昨年の震災以来、小さな件はわからないですが、「壊滅的な災害の噂」で当たったものはひとつもないと記憶しています。

なので、「噂が出たなら(それは起こらないから)安心してOK」ということで(確率的には)いいと思います。


それより、問題は「噂にものぼらない現象や自然災害」です。

それが起きると困った災害になりやすい傾向にあります。

それは噂にもならないほど完全な想定外なので、心理的にも人々が対処できない。
歴史はいつもそうでした。

意地悪といえば意地悪かもしれないですが、それはまた同時に「私たち人間は何をどのように考えるべきなのか」ということを、地球や大地が私たちに教えてくれているというところも何かあるのかもしれないなあ、とは思ったりいたします。

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[1年前の In Deep ]

2011年05月03日の記事

テレパシーを捨てた人類