
▲ 米国マサチューセッツ州にある教会のステンドグラスに描かれているペリカン。これは「親ペリカンが自らの胸に穴を開けて子に血を与えている」という様子を描いたもので、同様のデザインは世界各地で見られるのだそうです。
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(訳者注) この1ヶ月くらいでしょうか、「唐突に異常に眠くなる」というような状態にしばしば見舞われます。最初は「春だからかなあ」程度に思っていたのですが、その睡眠への欲求というか誘いにやや暴力的な感じがあり、「春眠」というような情緒のある意味を越えている感じがして、「ナルコレプシーにでもなったのかなあ」と心配になる部分もあります。
余談となりますが、そのことを少し書いておきたいです。
かつてない睡魔に襲われる最近
ナルコレプシーは、『麻雀放浪記』(私が自分の人生で唯一全部読んだ長編小説)の作者である阿佐田哲也さんの生涯の持病だったことで、その存在を若い時に知りましたが、要するに「原因不明の居眠り病」で、Wikipedia には、
ナルコレプシー(narcolepsy)とは、日中において場所や状況を選ばず起きる強い眠気の発作を主な症状とする脳疾患(睡眠障害)である。
と書かれています。しかし、実際、脳疾患であるのかどうかもよくわからない原因不明の病気ではあります。希な病気ですが、「日本では600人に1人程度」という発生率ですので、ものすごく希とも言えないのかもしれません。
そういえば、少し以前ですが、遠くに住む知り合いの人が、やはり同じように「最近突然眠くなることがある」と言っていたことがあります。
その人は車で生活することの多い地域に住んでいる人なんですが、「運転中に眠くなると危ないから、最近は車を運転していない」と言ってました。最近の世の中のいろいろを見ていますと、それは賢明かもしれません。
私自身は車の運転とは無縁ですが、このナルコレプシー風の唐突な「睡魔」は、あれに襲われたら、どんな状況でも通常の判断はできないかもしれないことが想像つきます。私の場合など、歩いていても眠ってしまいそうなものですので。
そういえば、ずいぶん以前のウェブボットに「世界的な睡眠障害が発生する」というくだりがありました。2009年頃のものだと思います。
探してみましたらありましたので、その部分を抜粋してみます。
ALTA(非対称型言語傾向分析)レポート 1309 Part5
ウェブボット 2009年04月11日配信
・世界的な規模で睡眠障害が発生する。最初は個人的な問題として見過ごされるが、多くの人々が同時に同じ問題に苦しんでいることが次第に明らかとなる。
・ この現象は宇宙関連のカテゴリーに出てくる宇宙からの未知のエネルギーと関連の深い現象である。
・ 集団的な睡眠障害の現象は「病気」のキーワードとの関連でも現れているが、これはいわゆる病気ではなく、その原因は太陽系にある。
・ 睡眠障害に対する薬物療法はほとんど役に立たない。むしろ睡眠障害を悪化させてしまう。
・ こうした現象により事故が多発する。交通機関の事故がもっとも多いが、その他に職場や工場での事故も多発する。こうした事故は、事故が発生した地域の人々に大変な影響を与える場合も多い。
最近の自分の「異常な睡眠への衝動」を考えてしまいました。
ちなみに、私の場合、ほんの僅かな仮眠をとるだけで回復しますので、仮に同じように「睡魔」に関しての問題がある方がいらっしゃいましたら、20分くらいでも休める環境を作るといいような気もします。まあ、一般の会社などではそうもいかないでしょうけれど・・・。
ペリカンのこと
さて、今回のテーマは、タイトルにした「ペリカン」なんですが、何度かペルーでの大量死に関して、現地の記事などをご紹介しています。
・800頭以上の死亡したイルカが漂着したペルー北部で、今度は推計1,500羽以上のペリカンの大量死
2012年05月01日
・ペルー続報: 政府により立ち入り禁止となったペルーのイルカ大量死現場周辺の海岸
2012年05月09日
今度は、米国のフロリダでペリカンの大量死が発生しているニュースが報道されていましたので、その記事をご紹介したいと思います。
ところで、この「ペリカン」という生き物。
前回などのペルーの記事を書いていた時に、「ペリカンってどんな生き物だったっけ?」ということをわりと普段は気にしていなかったことがわかります。何となく「想像できない」のです。

▲ 実際のペリカン。
今回のフロリダの大量死の記事を書くにあたって、Wikipedia のペリカン属 のページを見てみると、意外な意味を与えられている鳥であることがわかりました。
以下は 上記 Wikipedia からの抜粋です。
ペリカンは、胸に穴を開けてその血を与えて子を育てるという伝説があり、あらゆる動物のなかで最も子孫への強い愛をもっているとされる。
この伝説を基礎として、ペリカンは、全ての人間への愛によって十字架に身を捧げたキリストの象徴であるとされる。このようなペリカンをキリストのシンボルとみなす記述は、古くは中世の著作にも見つけることができる。
ペルーのモチェ文化において陶製のペリカン像が発見された。カッショクペリカンかそれに近い種をモデルにしている可能性がある。
▲ ペルーのモチェ文化での陶製のペリカン。 ペルーのリマにあるラルコ博物館に収蔵されている。
なんと、ペリカンはキリストの象徴!
それが続々と死に初めているというのは何とも微妙な話にも感じます。
さて、他にもいろいろと思うところはありますが、上に出てくる「モチェ文化」という古代文明の元で作られたペリカンの像。その陶製の像は今は、ペルーのリマにあるのですが、このリマこそ、現在のペリカンの大量死の最前線なのです。
因果という言葉で表していいのかどうかわからないですが、何とも凄みがある話に思えます。このモチェ文化というものも私は知らなかったので、 同様に Wikipedia から抜粋いたします。
モチェ文化は、ペルー北海岸にそそぐモチェ川から名称をとられた紀元前後からA.D.700頃まで繁栄したインカに先行するプレ・インカと呼ばれる高度な文化のひとつである。
モチェは、美しく彩色され、写実的に人面、動物、作物などを象った鐙型注口土器と黄金やトゥンバガ(金と錫の合金)細工などのすばらしい副葬品で知られる。
この説明には、「太陽のワカ」「月のワカ」と呼ばれる神殿ピラミッドの建設というくだりも出ており、いろいろと最近の絡みとも思うところもありますが、前置きが長くなりましたので、ここから、本記事に入ります。
米国のフロリダのインディアン・リバーという川の周辺で数百羽のペリカンが死亡していることを報道した短い記事をご紹介しておきます。
Mystery surrounds dead pelicans found along Indian RiverNews13 2012.05.09
フロリダのインディアン・リバー沿いで見つかる大量のペリカンの死の謎

▲ インディアン・リバーのペリカン。ここで謎のペリカンの連続死が起きている。
フロリダ州プレバード群のインディアン・リバーの川沿いでは、この数週間、ペリカンの死体がいくつか発見されており、原因についての謎が高まっている。
フロリダ州の魚類野生生物局の生物学者たちは、少なくとも11羽のペリカンの死亡を確認しており、その中の2羽を持ち帰り検査している。
野生生物当局の現在までの調査では、この周辺での魚の大量死や藻などの大発生は確認されておらず、他にも、ペリカンの死亡の要因となる原因が見つけられておらず困惑しているという。
「原因がわからない」と関係者は言う。
また、公共の河川管理施設パームショアーによると、周辺住民から、他にいくつかペリカンの死体を見つけたことに関しての電話があったという。少なくとも、川沿いの複数の箇所で、それぞれ1ダース単位でのペリカンの死体が見つけられているという。
フロリダ魚類野生生物局は現在、ペリカンの死亡原因を突き止めようと調査を続けている。
一方、海外では、最近、ペルー北部で何百羽ものペリカンが死亡しており、ペルーの首都リマ市では、海外に近づかないように警告を発している。
ペルーでもペリカンの死亡原因についての調査が進められているという。
[大量死]に関係する過去記事:
・新年のノルウェーでの魚の大量死で思い出す「メキシコ湾の原油流出と海流の関係」
2012年01月04日
・イルカが伝えてくれること: 米国とペルーだけで 300頭以上の死亡したイルカが打ち上げられた 2012年2月
2012年02月17日
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[1年前の In Deep ]
2011年05月09日の記事
・ぼんやりと外を見ていて気付いた「宇宙の計画」