2012年05月18日



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日食の前に知っておきたい現在の太陽系の構図。そして神話のラーフとケトゥ。あるいは、ニビル



最近、ナショナルジオグラフィック他で、「太陽系の新しい惑星」についての報道がありました。


太陽系で新たな惑星を発見?
 ナショナルジオグラフィックニュース 2012.05.14

太陽系の暗い外縁部に、未知の惑星が存在している可能性が明らかになった。外縁天体の奇妙な軌道が、未知の惑星の存在を示唆しているという。



というようなニュースです。
全部は上のリンクでお読み下さい。


この「太陽系の新たな惑星」については、ずいぶんと以前から、報道や、あるいは話題として頻繁に現れてはいました。 In Deep でも過去取り上げたことがあります。

太陽系9番目の巨大惑星の存在についての公式アナウンスが近いという報道
 2011年02月15日

などがそうです。

ちなみに、「現在の太陽系」というものがどのようなものになっているかというのは、上の記事などにも載せた図がわりとわかりやすいかもしれません。

下の図です。

dark-objects.jpg

上のうちの、右端にある「巨大な暗い星」というのは確認されていないもので、その他はすべて確認されているものです。

つまり、現在の太陽系は、太陽から外に向かって、

水星
金星
地球
火星
ケレス
木星
土星
天王星
海王星
冥王星
エリス


ということになっていて、太陽系の11の星が確認されているのですが、このうち、ケレス、冥王星、エリスの3つは準惑星といって、惑星とは扱われていませんので、現在の太陽系には「地球を入れて9個の惑星」が確認されているということになります。

しかしまあ、他にも、太陽系にはマケマケという準惑星と、ハウメアという準惑星などもあり、それらは比較的最近見つかったものですので、さらに見つかる可能性もありそうです。


Ceres_optimized.jpg

▲ 小惑星として初めて発見された天体でもあり、「小惑星番号1番」を持つケレス(セレス)。名前の由来は、ローマ神話の女神であるケレース。ケレースは穀物の収穫の女神で、なんと「ビール」の語源でもあります。つまり、ビールの女神。


そして、上のナショナルジオグラフィック記事などを含めて、最近、話題となるのは「太陽系の10番目の惑星」についての報道だということが言えそうです。

そして、そういう未確認の惑星の中のひとつが「ニビル」と呼ばれているものです。



伝説上の天体にまつわるいろいろな神話

来週、日本でも金環日食が見られるということで、大きな話題となっていますが、私も「その時はどこに隠れようかな」と今から考えています(苦笑)。

まあ、なぜ隠れるのかというのは、過去記事の、

月食を司る不滅の魔神 ラーフ
 2011年12月13日

などでお察しいただきたいとしても、アジアなどの神話では、「日食と月食は非常に不吉なもの」とされてきた事実はあります。


raf.png

▲ 中国でのラーフの図。インドだけではなく、古代中国にもラーフの図があります。中国語では「羅睺」との表記だそう。


ちなみに、日食(月食)をつかさどる、その「ラーフ」という神族(アスラ=阿修羅)の神話では、ラーフは、最終的に殺されてしまって、しかし、ラーフは「不死」となり、



ラーフの首は不死になってしまった。そして天に昇り、告口したことを怨んで太陽と月を飲み込んで日蝕や月蝕を起こす悪星になったという。一方、ラーフの体も天に昇ってケートゥという凶兆の星になったとされる。


Wikipedia より)

となったそうで、要するに、クビを切断されたラーフは、

・首から上がラーフという星に
・体はケートゥという星に


と、それぞれの星になったということのようです。

インド神話では、そこに土星を加えて、ラーフ、ケートゥ、土星の3つが凶星とされています。


そういえば、ここまで書いていて、ふと気づいたのですが、娯楽映画の初期の時代に、ジョルジョ・メリエスという映画監督がいて、1902年の『月世界旅行』という映画がヒットして有名になりました。

映画を知らない方でも、月の目にロケットが突き刺さる光景をご覧になったことのある方は多いのではないでしょうか。


m-moon-1.jpg

▲ 『月世界旅行』(1902年)より。YoTubeにあります。


メリエスはその後年、「極地征服」(1912年)という映画を撮影するのですが、星や星座がほとんど「善として描かれている」その映画その中でなぜか「土星だけが悪い顔」をしている(笑)。これが疑問でした。


p2-dosei.jpg

▲ 『極地征服』(1912年)より。左で悪い顔をして笑っているのが土星。


若い頃、この映画を見たとき、「どうして土星は悪い顔をしているのかなあ」と思っていたのですが、あるいは、西洋の神話でも土星は悪者だったのかもしれません。ちなみに、ジョルジョ・メリエスはフランス人。


話がそれましたが、インド神話のラーフとケトゥが描かれる「インドの天文学」(九曜とかナヴァグラハとか呼ばれます)でも、「天体は9つ」なんです。

その一覧を書いておきます。
ちなみに、最初の星の名前はインド神話の神の名前そのものです。


インド神話の天文学での惑星

スーリヤ   (太陽)
チャンドラ  (月)
マンガラ   (火星)
ブダ     (水星)
ブリハスパティ(木星)
シュクラ   (金星)
シャニ    (土星)
ラーフ 
ケートゥ



上のほうで書いた現在の太陽系の惑星から、天王星と海王星がない状態で、そのかわりに、月食と日食をつかさどる「ラーフとケトゥ」が星としてカウントされているのが特徴です。

つまり、インド神話においては、そのくらい日食と月食の神というのは重要だったように思います。



天体ニビルの噂が高まる中で迎える「ラーフの日(大日食)」

そういう中でいろいろな伝説や仮説が生まれ、「ニビル」という存在も、そういう中のひとつだと思います。一番上にご紹介したナショナルジオグラフィックのニュースが出た時に、海外の BBS 等では、「ニビル発見か?」という見出しがずいぶんと踊っていました。

ところで、「ニビル」とはそもそも何なのか?

実は私もよく知らないのです。

Wikipedia を見ますと、ここには「反地球」という概念が必要なようです。


反地球

反地球仮説は、地球と同じ軌道上の、太陽をはさんだ反対側のラグランジュ点L3に惑星が存在するのではないかという説。10を聖なる数とするピュタゴラス学派により、10番目の天体として仮想された。

ニビル/氷惑星

第10番以降の惑星のうち、普段は冥王星の外にありながら、小惑星帯や地球にまで迫る極端な楕円型の軌道を持つもの。代表格はニビルと氷惑星である。ニビルの伝説は、考古学者ゼカリア・シッチンらがバビロニア神話の遺跡の文言を解読して提唱した説。



ということ。

やっぱり、このあたりも神話絡みなんですね。

以前、過去記事で、

ニビルは地球には近づけない
 2011年09月15日

というものを書いたことがありますが、まあ、近づけないかどうかはともかく、書きたかったことは、「浮遊惑星は宇宙に存在しないのでは」という私の個人的な考えによります。

すべての惑星が何らかの軌道などのサイクルを持っており、それがあまりにも遠い距離のものは(2億5000万年とかのものすごく長ーい周期のサイクル)、観測しようがないので、単に軌道がわからないだけではないのかなあと思っています。

宇宙の構造を見ていると、「無秩序はひとつもない」と感じるのです。

その中で唯一、無秩序であるのが「人間」なのだと思います。

これは悪い意味で書いているのではないです。

無秩序というのは最終的に「自由」という概念に結びつきます。

しかし、このあたりになりますと、話がどんどん逸れそうですので、今回はここまでにしておきます。


ちなみに、今度の日食は、この夏に他にも起きる様々な惑星のイベントと重ね合わせてみると、個人的にですが、「いろいろな意味で特別な日食デイ」だと考えていますので、悪い意味だけではないですが、興味深いです。

日食を見る時には、ちょっとだけラーフのことを思い出したりするのも悪いことではないかもしれません。

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