2012年05月21日



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朝鮮半島有事の際の米軍による在韓米国人の「日本への退避計画」が明らかに



(訳者注) 朝鮮日報の韓国語版に興味深いニュースが出ていたので、ご紹介します。タイトルにした通りの「有事の際の在韓アメリカ人の避難計画」についてなのですが、かなり具体的であることと、避難者の引き受け地が「日本のみ」であることにやや驚きましたのでご紹介します。

これは海外駐屯向けの「星条旗新聞」に掲載されていたものがニュースソースだそう。

それによると、「北朝鮮との戦争で戦況がまずくなった場合」、


・22万人の韓国のアメリカ人と同盟国の民間人を日本へ避難させる


という計画で、具体的な計画としては、


・龍山基地(ヨンサン基地)に「避難統制所」を作り、身分確認
・空軍基地から沖繩の嘉手納基地へと避難
・あるいは、韓国の釜山から船舶で日本へ避難


という手順となっているようで、すでに米軍は、避難統制所を設営し、龍山基地などに 18カ所の集合場所も作り終えているとのこと。

想像以上の「戦争前夜」の前線基地の様子が伺えます。

なお、今回はもうひとつ、同じ朝鮮日報に出ていた記事をご紹介します。それは、「韓国が生物テロ対応の研究開発計画に着手」という内容の記事なのですが、その中に、以下のフレーズがあり、あらためて、生物兵器の威力を思い出したからです。


炭疽菌の場合だと、炭疽菌 10キログラムをソウルの一地点に撒布した場合、 2万人から25万人の死者が発生すると推定される。

また、車両や風を利用して炭疽菌を半径5キロメートルまでまき散らせた場合、死者数は最大で 60万人を越える可能性がある。



「安価で簡単な戦争」を目指しているはずの北朝鮮にとっては、生物兵器の開発も EMP 同様に大切なものであることがわかります。銃を持った軍人がどれだけ突進していっても、民間人60万人を一気に死傷させるなど、夢のまた夢。しかし、生物兵器にはそれができる。

いろいろな国が生物兵器の開発をやめないのは、この手軽さにあります。ただし、使い方を誤ると、「壮大な自滅テロ」にもなり得るものですので、そのあたりが問題なのかもしれません。

今のところ、韓国では、天然痘の治療薬や、ペストのワクチンなどの開発も進んでいるようです。

ところで、日本にはテロ兵器への対策(治療薬やワクチンの開発など)というものは存在しているのですかね・・・。ま、いいか。

そういえば、以前、

「 EMP 攻撃シミュレーション」だったとすると完全な成功を収めたように見える北朝鮮のミサイル実験
In Deep 2012年04月17日

という記事を書いたことがありましたが、韓国の聯合ニュースで、「北朝鮮が意図的にミサイル墜落の可能性=米専門家」という報道があり、


北朝鮮が4月13日に発射した長距離弾道ミサイルについて、米国のミサイル専門家が、北朝鮮が意図的に墜落させた可能性があると指摘した。

デビット・ライト博士は北朝鮮情勢分析の米ウェブサイト「38ノース」上で、発射当時の韓米両政府と北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)の発表やメディアの報道内容などを分析して描いた飛行・落下過程のシナリオの一つとして、北朝鮮による意図的な墜落を挙げた。



とのことです。

このデビット・ライト博士という人は、軍事パレードの大陸間弾道ミサイルを「ハリボテ」と見破った人でもあります。

それではここから今回の記事です。




北남침 철수 주한미군, 누구 데리고 떠날까
朝鮮日報 (韓国) 2012.05.21

北の韓国への侵攻時、在韓米軍は誰を、どのように退避させるのか


北朝鮮軍が南侵(韓国への軍事侵攻)すると仮定してみよう。もし、韓国にとっての戦況が不利になり、在韓米軍が撤収する状況まで至った場合、米軍はどのように撤収するのだろうか? 
そして誰を連れて撤収するのだろうか?


これに関して米国は、「韓国駐在のアメリカ人と同盟国の一般民、そして韓国市民など 22万人を日本に避難させる」という具体的な計画を用意していることがわかった。

朝鮮半島での有事の際に、アメリカが何人の民間人を避難させるかについての具体的な規模が示されたのはこれが初めてのことだ。


5月21日の海外に駐留する米軍向けの新聞「スターズ・アンド・ストライプス(星条旗新聞)」によれば、在韓米軍(米8軍) の関係者は、 5月17日、米軍待避訓練「コレイジョス・チャンネル」( Courageous Channel )と関連して、 「戦争が起きれば、韓国から撤収させなければならない民間人は 22万人ほどになる」と明らかにした。

この関係者は、「韓国には 2万8500人の米軍と、その他にも 10万人ほどのアメリカ人の市民がいる。これらを全員退避させるためには毎年訓練をして、退避作戦に熟逹しなければならない」と述べた。

米軍側は韓国に居住するアメリカ民間人を約 14万人と推計している。

ここに米軍が想定した避難対象者である同盟国の市民 8万人を含めると、米軍の支援を受けて日本に避難する民間人の数は約 22万人になる。

同盟国の市民としては、日本、カナダ、ヨーロッパなどの国籍を持った人々と、一部の韓国人が含まれると推定される。

韓国軍関係者はこれと関連して、星条旗新聞に、「アメリカ人以外に、在韓米軍の家族と軍務員、そして、アメリカ国籍の政府官僚などが避難の対象者になる。これらの中で、志願者たちは有事の際、米軍の龍山(ヨンサン)基地の「避難統制所」で避難対象者の身分を確認し、輸送機と船舶で日本に移送する作業を支援することになるだろう」と明らかにした。

軍関係者によれば、すでに、米軍は龍山基地などに 18カ所の集合場所と、避難統制所を設置した。緊急状況が発生した場合、全国各地のアメリカ民間人たちはここに集まる。

その後、烏山(ウサン)空軍基地を通じて日本の沖繩の嘉手納基地に移動したり、あるいは、軍が提供する列車を利用して釜山に移動した後、船舶に乗って日本に出発することになる。





(訳者注)ここからもうひとつの記事です。





생물테러 대응 연구개발 계획 수립 착수
朝鮮日報 (韓国) 2012.05.21

生物テロ対応の研究開発計画に着手


韓国疾病管理本部の下にある国立保健研究院は 5月21日、ソウル駅大会議室で初の関連専門家会議を開催し、今後の5年間( 2013年〜2017年)にわたる生物テロに対応した研究開発計画の策定に入った。これは 2008年〜2012年の計画に引き続き2回目となるもので、生物テロ病原体や毒素に対する診断・探知技術と、ワクチンと治療薬の開発が目標となる。

米軍と韓国軍の軍当局によれば、北朝鮮はすでに炭疽菌と赤痢、腸チフスなど 13種の生物テロ菌を確保しているという。

2001年のアメリカ同時多発テロの直後に「炭疽菌テロ」で使われた炭疽菌の場合だと、 10キログラムをソウルの一地点に撒布した場合、 2万人から25万人の死者が発生すると推定される。

また、車両や風を利用して炭疽菌を半径5キロメートルまでまき散らせた場合、死者数は最大で 60万人を越える可能性がある。

韓国疾病管理本部はこのために、緑十字社と共に、炭疽菌ワクチンの開発に拍車をかけてきた。これは昨年、食品医薬品安全庁から臨床試験の承認を受けており、来年までに開発を完了させる予定になっている。

また エリアルヘルスケア社と共同研究を通じ、 9種(炭疽菌、ボツリヌス菌、ペスト、コレラ、ブルセラ、野兎、黄色ブドウ球菌、リシン、天然痘)に至る病原体及び毒素の存在を把握することができる「探知キット」を開発し、これは今年3月にソウルで開かれた核安全保障サミットの現場でも配置された。

韓国疾病管理本部はボツリヌス毒素と天然痘の治療薬、そし、ペストのワクチンの開発にも乗り出す予定だ。





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