今日は下のニュースを目にしたところからいろいろと調べていくうちに一種の迷宮に入り込んでしまい、結局、何の結論もない記事となりましたことを最初に書いておきます。そのキッカケとなったニュースとは、今朝の「京都新聞」です。
抜粋いたします。
宇宙アサガオ、異常早咲き 京産大付属高の3世代目
京都新聞 2012年06月13日
宇宙空間を旅した種子から育った、京都産業大付属高の「宇宙アサガオ」が、通常は夏至以降とされる開花時期より大幅に早く、10日に咲き始めたことが、12日に分かった。帰還2世代目は異常に多くの花をつけたことが確認されており、開花したのは3世代目にあたるアサガオ。同高は、宇宙放射線の影響を裏付ける事象だとみて、さらに研究を進める。
同高生物部は、2010年にスペースシャトルに搭載した種子の3世代目、同じスペースシャトルに載せた、船橋市総合教育センターの種子の3世代目と市販種の3種類を、通常より約3カ月早い3月中旬にまいた。
今月10日から2日間、同高と船橋市の種子から育った計5株に一つずつ花が咲いた。市販種は12日現在、花芽すらついていない。
昨年夏、2世代目は1株当たり300個以上の花をつける突然変異が確認された。生物部顧問の米澤信道教諭は、DNAの塩基配列が変わった可能性があると分析した。
夏至前に開花した直接的な要因として、米澤教諭は、花芽をつくる植物ホルモン「フロリゲン」の異常が疑われるとみている。その上で、「宇宙放射線の影響があったと、より明確にできた」と話している。
この記事を読んで、昨年の読売新聞の「宇宙桜」の記事を思い出した方がいるとしたら、かなりの「宇宙線マニア」だと思います。私も、今回の京都新聞の見出しを見た瞬間に「同じだ!」と思い、それで今回、上の記事をご紹介しました。
昨年の読売新聞の記事はオリジナルはすでにウェブ上にないですが、昨年の In Deep の記事「放射線の中で生き返った植物 (2011年04月22日)」
というものの中でご紹介しことがあります。
この頃は、まだ震災後1ヶ月少しで、「放射線の中で生き返った植物」というような、放射能に対して肯定的なニュアンスを含むタイトルをつけるのもどうかなと思ったのですが、当時、「放射能の悪影響を示した正確なデータ」というものを一度も見たことがないという事実が(今でも)あり、どうして放射能が有害なのかがどうしてもわからない面が今でもあります。
まあ、しかし今は放射能についての論議はどうでもいいです。「宇宙に行った植物の超成長」というものについてを記したいだけです。 放射能に関しては、チェルノブイリ後の調査結果について二つの論文の概要を訳して記事にしたことがありますので、ご興味のある方はどうぞ。
・チェルノブイリの野生動物は事故後の放射能の影響を「受けていなかった」調査結果が英国の王立協会の学会誌で発表される
2012年04月16日
・セシウムは14歳以下の子どもの甲状腺ガンと「関係ない」ことが示される WHO の2006年調査論文
2012年03月06日
2012年04月16日
・セシウムは14歳以下の子どもの甲状腺ガンと「関係ない」ことが示される WHO の2006年調査論文
2012年03月06日
話を戻します。
その時に転載した「読売新聞の記事」を再度掲載しておきます。記事そのものは2011年2月のもので、震災前のものです。
宇宙帰りのサクラ異変…なぜか発芽・急成長
読売新聞 2011年02月21日
地上350キロメートルの国際宇宙ステーション(ISS)で2008年11月から8か月半、保管した桜の種を、地上へ持ち帰って植えたところ、発芽しないはずの種が芽を出すなど、異変が相次いでいることがわかった。
原因は不明だが、無重力で放射線の強い宇宙環境で、遺伝子の突然変異や、細胞が活性化したなどの見方もある。
宇宙を旅した桜の種は、北海道から沖縄まで13地域の子供たちが集めた名木14種類。このうち岐阜市の中将姫(ちゅうじょうひめ)誓願桜(せいがんざくら)は、樹齢1200年と言われるヤマザクラの一種で、米粒ほどの小さな種は、地元の保存会などがまいても発芽せず、接ぎ木でしか増やせなかった。
保存会が種265粒を宇宙に送り、248粒をまいたところ、昨年春に2粒が発芽した。このうち、10センチの苗木に成長した1本は、葉の遺伝子の簡易鑑定で「他の桜の種が混入したのではなく、誓願桜の可能性が高い」と判定された。
岡山県では、通常は1年に50センチ程度しか伸びない真庭市の醍醐桜(だいござくら)10本が、昨年春に発芽して、今は90センチ以上。うち1本は160センチを超えた。高知県佐川町では、1年に約30センチしか伸びないはずの稚木桜(わかきのさくら)が、約1年で最高135センチに成長した。
要するに、今朝の京都新聞のニュースは、
・宇宙空間を旅したアサガオの種が異常に早く咲いた
というもので、
昨年の桜の話は、
・宇宙空間を旅した「発芽しないはずの桜の種」が芽を出した
というものです。
今朝の京都新聞の記事では、京都産業大付属高の米澤教諭は、以下のふたつのことを記事で述べています。・
・DNAの塩基配列が変わった可能性がある
・宇宙放射線の影響があった可能性
さて、この「宇宙線」。 In Deep でも何度も何度も何度も何度も何度も何度も(もうええわ)出てくるものなんですが、多くは、私たち人類などが「地球にいて受ける宇宙線」の話でした。
先日の「地球文明を破壊する威力を持つウイルス「フレーム」が歩き始めた」という記事の余談で、06月04日の日本経済新聞にあった、「775年、地球に大量の宇宙線 屋久杉から解明」という記事をご紹介しました。
> 名古屋大学の増田公明准教授らは、775年に宇宙から大量の宇宙線が地球に降り注いだことを、屋久杉の年輪の 分析から突き止めた。
というものですが、これも「地球で受ける宇宙線」の話でした。
そして、それらのものと今回の冒頭で紹介したようなアサガオや桜のような「宇宙空間で受ける宇宙線」というのは実は「別物」なのです。
かなり面倒な話になりますが、引用して記しておきます。
アサガオや桜が受けたのは「一次宇宙線」。775年の屋久杉や地球の私たち人類が受けるのは「二次宇宙線」
宇宙線というと、宇宙からずーっとやってきて、そのまま地球のあらゆるものを通過して、そのまま通り過ぎていくイメージがありますが、実際には、宇宙からきた宇宙線は、地球の大気に飛び込んだ際に、「核反応」をおこして、変化するようです。
下の説明は、東京大学の東大宇宙線研究所のページから抜粋したものです。
宇宙線は地球に到達して大気中に飛び込み、空気中の酸素や窒素の原子核と核反応を起こします。地球大気に飛び込む前の宇宙線を「一次宇宙線」とよび、大気に飛び込んで変化し新たに生まれた宇宙線を 「二次宇宙線」とよびます。
二次宇宙線は、ミューオン、ニュートリノ、電子、ガンマ線、中性子が主要な成分です。このうち電子やガンマ線は大気中で吸収されて減り、地中まで来るのはミューオンとニュートリノがほとんどです。
とのことで、私たちが地球上で受ける宇宙線、あるいは、775年に屋久杉が大量に受けた宇宙線は、
ミューオン
ニュートリノ
電子
ガンマ線
中性子
などが主なもののようです。
これらは要するに「放射線」で、つまり、私たちは生まれてから死ぬまでずーっと連続して、これらの放射線を浴び続けて生きているわけです。
まあ、ともかく、地球で私たちが受ける宇宙線がこれら「二次宇宙線」といわれるものがメインとなっているようです。「ようです」というのは、まだそれほど宇宙線のことが解明されているわけではないからです。
一方で、今回の冒頭でご紹介したアサガオや、あるいは昨年の「桜」は実際に宇宙空間に行っており、宇宙空間の中で浴びた宇宙線ということで、地球のものとは違う可能性が高いです。
下の図は、京都女子大学の水野ゼミのページにあった図から抜粋したものです。
宇宙からやってくる非常に高エネルギーの陽子などが、地球の大気中の原子などと核反応を起こすことにより、二次宇宙線が発生するようです。そして、地球の生物は常時、被爆しています。
そして、上のアサガオや桜が受けたのは、それとは違う「宇宙の第一次宇宙線が主だった」といえ、この例を見る限り、
・宇宙空間の宇宙線は、生物の DNA に対して、地球で受ける宇宙線の影響とは違う影響を与える可能性があるのかもしれない
ということが言えるのかもしれません。
人類もそうかもしれません。とはいえ、これはなかなか確かめられないことだとは思います。
宇宙空間にはこれまで多くの「人類」も宇宙飛行士として赴いているわけですが、その人たちに何か巨大な変化があったのかどうかというとそれは何とも言えない部分があります。
宇宙飛行士の方々に対して、宇宙に行く前と帰還後の「 DNA の比較」などはおこなっていないでしょうし、それはわからないですが、もしかすると、宇宙に行った人々いうのは、目に見えるものではなくとも、何らかの変化を「少なくともご自分などで」経験している方もいるのかもしれないですね。
ところで、ここからはもう話が上の話とまったくつながらなくて、もうグチャグチャですが、宇宙線ということで調べているうちにちょっと面白いことがわかってきたんです。蛇足的な記事ですが、書かせていただきます。
もしかすると、人類はその精神構造を宇宙線にコントロールされているかもしれないというような話です。オカルトですが、そんなにオカルトでもないことはデータでちょっとわかります。
宇宙線の観測値が高い時に荒れる地球の人々
下の図は、モスクワ宇宙線(中性子)観測モニターの 1957年頃から2005年頃までの宇宙線の観測数値のグラフです。
そして、下の図はそこにこちらで日本語などの注釈などを入れたものです。
この大体50年間くらいで、最も宇宙線の観測数値が高かったのが、グラフでは 1965年ということがわかります。この年は、グラフを見る限りは 1965年の1年間くらいの間、ずっと宇宙線の数値が高かったようです。
そして、最も低かったのが 1992年で、しかも、夏のあたりのほんの短い期間に急速に最低値をつけています。
これを見て、「この頃、地球はどんなんだったんだ?」と思って、年表などを見てみました。
まず、最も宇宙線の観測数値が高かったのが、グラフでは 1965年の1年。
これがすごい。
事件や項目があまりにも多いので、特に大きな事件だと思われるものを抜粋していますが、できれば、下のリンクをご自分で確かめてみられるといいと思います。
1965年に起きた主なこと
Wikipedia より。
・2月7日 - アメリカ軍による北ベトナム爆撃(北爆)開始。
・2月21日 - 米、黒人運動指導者マルコムXが暗殺される。
・3月28日 - チリで大地震発生。
・8月3日 - 長野県松代町で地震、約5年間続く松代群発地震の始まり。
・9月1日 - インドとパキスタン軍がカシミールで衝突(第二次印パ戦争勃発)。
・11月10日 - 中国で文化大革命が始まる。
・11月19日 - 戦後初の「赤字国債」発行が閣議で決定。
Wikipedia より。
・2月7日 - アメリカ軍による北ベトナム爆撃(北爆)開始。
・2月21日 - 米、黒人運動指導者マルコムXが暗殺される。
・3月28日 - チリで大地震発生。
・8月3日 - 長野県松代町で地震、約5年間続く松代群発地震の始まり。
・9月1日 - インドとパキスタン軍がカシミールで衝突(第二次印パ戦争勃発)。
・11月10日 - 中国で文化大革命が始まる。
・11月19日 - 戦後初の「赤字国債」発行が閣議で決定。
北爆開始に第二次印パ戦争に文化大革命・・・。他にもいろいろとあり、1965年という年はまさに「激動の年」だったことがわかります。
さて、それでは、最も宇宙線の観測数値が「低かった」 1992年の夏はどんな感じだったのか。
上の Wikipedia のリンクを実際に見ていただきたいと思いますが、本当に大きな事件が何もない。夏から少し遡ると、
・4月7日 - ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争始まる。
・4月29日 - アメリカのロサンゼルスでロス暴動発生。
というのがありますが、戦争、暴動のたぐいはこれくらい。
北爆や文化大革命と比べるようなものではないということは、少なくとも規模や死者の数からも、おわかりかと思います。
あとまあ、
11月23日 - 風船おじさんがアメリカ大陸を目指して旅立つも、消息不明に。
というのがありますが・・・・・。
以前から、「太陽活動と人間の精神活動」というものがリンクするということは何度も取り上げてきたことがありますが、「宇宙線」という点から考えても、どうやら何かありそうです。
たとえば、下の図は、過去記事「最近のカオスな太陽データから考えるいろいろなこと」というものに載せた、1920年代にロシアで発表された「太陽黒点と戦争や社会暴動の推移の変化の一致」を現したグラフです。
下の太い線のほうが太陽の黒点数で、上の細い線は世界で起きた軍事と政治暴動の数。ほぼ完全な一致を見せています
しかし、どうやら、ここに「宇宙線も関係している」気がします。
私たち人類は宇宙線に何らかを牛耳られているのかもしれないです。
そして、地球での宇宙線の観測値と、太陽活動は「逆相関」でリンクしています。
下の図は即席で作ったものですが、上のモスクワ中性子検出モニタの1960年前後から2005年くらいまでの「太陽黒点数」のグラフです。赤い線が太陽黒点数の増減を現していて、11年周期で黒点は増えたり減ったりします。
上の図でも、この50年くらいで宇宙線が最も高かった 1965年には、
「黒点はほとんどゼロだった」ことと、宇宙線が最も低かった 1992年には
「太陽活動が活発だった」
ということがわかります。
これまでの歴史では、
・太陽活動が「弱い」 → 宇宙線の量が「増える」
・太陽活動が「強い」 →宇宙線の量が「減る」
・太陽活動が「強い」 →宇宙線の量が「減る」
ということになっています。
そして、太陽活動は今、弱くなっていると考えられます。となると、今までの流れで考えると、 宇宙線の量が「増える」ということになっていくと思われます。
そして、上の1965年のデータを見る限り、
・宇宙線の量が増えた時には世界は荒れる
という時代が、少なくとも 1965年に関してはそうでした。
さて、
グチャグチャな展開になりましたが、つまり、これからの世の中は、1965年のように戦争や暴動が吹き荒れ、人心がすさむグチャグチャなことになっていってしまうのか。
それとも、過去のマウンダー極小期のように、「閉鎖的な革命(鎖国、生類憐れみの令など)」が進んでいくのか。
どうなるのでしょうね。
ところで、先日の大阪の通り魔の事件や、渋谷での刺殺事件は大きく報道されましたが、実はこの1ヶ月、「刺殺事件」は報道ベースだけで、10件以上あります。
日本って、こんなに刺殺事件が多い国でしたっけかね。
参考までにリンクしておきます。
「殺人」ではなく、「刺殺事件」だけです。
なので、殺人全体としてはさらに多いはすです。
大阪と渋谷の事件は除いています。
また、すごいと感じたのは、金銭目的や「強盗」は一件くらいしかないことです。
2012年 5月中旬から6月13日までの報道に出た「刺殺」事件
6月13日
・女性店員刺され死亡、刺した男は飛び降り重体 (読売新聞)
・20代男性刺され死亡=アパート隣室の男逮捕−名古屋 (時事通信)
6月9日
・広島市の路上で70歳男性が包丁で胸など刺され死亡 69歳男逮捕 (テレビ新広島)
6月2日
・同居していた男性の腹を刺した女逮捕 男性は重傷 (テレビ朝日)
5月29日
・5歳男児が刺され死亡、母は重体 無理心中の可能性/相模原 (神奈川ニュース)
5月28日
・一人暮らしの70歳男性殺される 食事中、背後から刺される? (時事通信)
・長男刺され死亡 父親を逮捕 東御市 (信濃毎日新聞) ※東御市は長野県
5月27日
・殺人:男性刺され死亡 同居の女を容疑で逮捕 −松山/愛媛 (毎日新聞)
5月23日
・男性従業員刺されけが 水戸の中古車店、男が逃走 (産経ニュース)
5月21日
・客同士のトラブルか、渋谷駅で男性刺され重体 メトロ副都心線 (産経ニュース)
5月17日
・72歳刺され死亡 部屋に物色の跡、複数の刺し傷 (スポニチ)
本当にとりとめのない記事になってしまいましたが、最近の自分の「なんとなくカオスな」心理的な動きや、世の中の感じ。
これらもあるいは宇宙線と関係しているのかもしれないと感じた日でした。