2012年06月29日



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太陽活動が弱くなる中で「異常な高温」 を記録し続けるアメリカ



この1週間だけで全米各地の 1000地点において観測史上の高温記録を塗り替える
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(訳者注) 日本でも地域によって違うと思いますので、日本列島全体としてのことはわからないですが、私の住む関東地域は、最近、一種の「寒さ」を感じる気候が続いています。

特に、早朝の気温は肌寒いというのを通り越していて、寒いです。

7月近くになって寒さで目がさめるというのもアレですが、しかし、世界全体として見ると、「異常に暑い」という地域のほうが多いことに気づきます。


今日ご紹介するのは、今朝、米国でいっせいに報道されていた「米国で 1000観測地点で高温記録更新」というものです。

6月のはじめにアメリカ海洋大気庁( NOAA )が、「今年の春は、米国史上で最も高温だった」ということを発表していますが、具体的には、1895年から計測され続けている歴史を持つ米国全土の観測気温との比較で、

2012年5月の気温は歴史上で2番目だった

ことと、

2012年の春(3月〜5月)の気温は米国の観測記録で1番高温だった

というものでした。

簡単にいうと「今年のアメリカは暑い春だった」ということになるようです。

下の図は NOAA の発表した今年の春の気温比較に、注釈を入れたものです。

us-temp-2012-spring-02.jpg

▲ 赤くなればなるほど「平年より高温」で、青くなればなるほど「平年より低温」となります。青の場所は1地点だけあるようなのですが、この地図からはわかりません。特に中央から東側は真っ赤(異常な高温)です。


そして、今回の「1000地点で高温記録を更新」というニュースを見る限り、アメリカの高温は続いているようです。現在、アメリカでは非常に大きな山火事が発生していますが、無関係でもなさそうです。


us-cnn-06-29.jpg

上の写真は、米国 CNN の「コロラド州の山火事で3万2000人が避難 鎮火の見通し立たず (CNN 2012.06.27)」より。山火事の煙の向こうに赤く染まった太陽が見える写真です。

上の記事では、


同日のコロラドスプリングスの気温は38.3度を記録。

同州ボルダーの気象当局者によると、州内ではこの1週間、山沿いでも湿度が10%未満という非常に乾燥した天気が続いている。雷雲が発生しても風ばかりが強く、雨は少量にとどまっている。



とのこと。
これは自然鎮火の難しさを物語る部分でもあります。


全体としても高温が目につく世界


日本の気象庁のサイトの中に、全球異常気象監視速報というページがあります。

これは、1週間ごとの全世界の気温と天候について、「平年と比べて異常な地域」があれば、その地点を示してくれるものですが、2012年6月の1ヶ月間を見ると全体としては「高温」と「多雨」が目につきます。

下に貼りますが、どうしても表示できるサイズは小さくなりますので、感覚的に見ていただければ幸いです。
見方は下の表に照らし合わせて、色で見るだけです。

zenkyuu.png


06-1.png

赤いところが「異常高温」で、パッと見ただけでも、それが一番目につくということがおわかりかと思います。



まあ、そんなわけで、太陽活動が弱まっているという状況の中で、なぜか世界は高温化の様相を見せている部分もあるわけですが、その代表的な国といえるのがアメリカです。


ちなみに、今回の報道、最初は「季節としての高温記録」だと思ったのですが、読むと、そうではなく、年間としての高温記録が夏前に破られているということのようです。

コロラド州やカンザス州などでは、この数日、ずっと 44度前後の猛暑が続いているような場所も多いようです。これは、8月とかならあり得るらしいですが、まだ6月ですからね。

そして、シアトルという町のあたりだけが「寒かった」のだそうです。

それではここから記事です。
USA トゥディより。




Heat wave: 1,000+ records fall in USA in a week

熱波: この1週間で 1,000カ所の地点において高温記録を破る


heatwave-us-2012.jpg

▲ 水を飲みに湖畔に集うレッドアンガス牛たち。ネブラスカ州レイクサイド。6月27日。


米国にお住まいの方は最近妙に暑いとお感じではないだろうか?

それは気のせいではなく、現在の米国は異常ともいえる熱波に見舞われており、数多くの観測ポイントで高温の記録を塗り替えている。山火事に襲われているロッキー山脈。そして、オクラホマ州では屋外でベーコンが炒められるほどの高温に見舞われている。

この高温は米国の非常に広い地域らまたがっており、先週、全米の 1011カ所の観測地点で高温の記録を塗り替えた。

アメリカ国立気候データセンターのデレク・アーント氏は以下のように述べる。

「普通だと、7月から8月に観測される灼熱の気温が観測されていることは印象的だと思います。特に、6月の後半の熱波は、ほとんどの過去の米国の高温の記録を塗り変えたほどのものだったかもしれません」。


また、米国ビクトリア大学の気候学者アンドリュー・ウィーバー博士は、

「これは現在、私たちが "悪い状態" と定義する熱波より、さらに悪い状態です」

と言う。


大規模な山火事が発生しているコロラド州では、コロラドスプリングで 38度という高温に達しており、モンタナ州東部のマイルズシティでは、44度に達している。




教会で雨乞い

カンザス州では軒並み気温が 37度を越えており、焼けつくような日照りの下で、農業に関しての懸念が出てきている。雨もほとんど降らず、農業に従事する住民たちの多くは雨を渇望している。

カンザス州で農作に従事するブライアン・バールマンさんは、「みんなが、今のこの気候に参っているんだ。とにかく雨が降ることを祈っている」と述べ、日曜の教会での祈りでは「誰もが雨をお降らしください、と祈っているよ」とバールマンさんは言う。

カンザス州では6月26日に高温記録を塗り替えた後に、それからの4日間は、44度前後の気温で推移している。



us-kids.jpg

▲ カンザス州ウィチタ。暑さをしのぐために水遊びをする子どもたちの姿がいたるところで見られる。



太陽の熱波でベーコンが焼ける

オクラホマ州のコウェタでは6月27日に、気温が 40度を越えた。

コウェタに住むアーロン・アンダーソンさんは彼の4歳の息子と一緒に路上でベーコンを焼いた。太陽の下で 10分間、フライパンを熱して、ベーコンを入れるだけで十分に美味しくベーコンが焼けたという。




暑くない地域もあった

この週、米国の北部の一部ではまったく逆の様相を呈していた。

シアトルでは、3月のように冷え込んだ。

6月28日のシアトルは、気温が 15度前後で推移した。
これは、平年より 10度以上低い。

シアトルの住民たちも、まさか6月にセーターが必要になるとは思っていなかったようだ。

30年以上、シアトルに住んでいるパティ・カールソンさんは、「この今のシアトルの光景を見て、6月だと思う人はいないでしょう」と言う。

一方、ニューイングランドでは、32度の高温を記録した。





(訳者注) ちなみに、シアトルいう町は、アメリカ西海岸の北部にあり、下の地図で赤く囲んだところです。

seatl.png

熱波は中国の一部などでも大変なことになっているようですが、今回は米国だけを取り上げました。

夏はこれからですが、世界や、そして日本の気候はどうなりますかね。

過去記事として、今年の5月に「寒冷化の予測と反して上昇し続ける気温」のことを書いたことがありますので、その記事をリンクしておきます。

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地球の気温の今後 (1): 寒冷化の予測と反して異常に上昇し続ける世界各国の気温
2012年05月02日

地球の気温の今後 (2): 暑い5月のはじまりに
2012年05月06日

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[1年前の In Deep ]
2011年07月01日の記事

クラゲの大群がスコットランドの原子力発電所を運行停止に追い込む

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[2年前の In Deep ]
2010年06月26日の記事

水質変化から生まれた微生物の複合体による「新しい生物」が中国の湖で大発生