昨日、一昨日と、ヒッグス粒子のことについて少し書いていました。
昨日の記事は、
・科学者たちの「神」の意味
In Deep 2012年07月05日
というタイトルのものだったんですが、今朝、ロシアの「プラウダ」に、今回のヒッグス粒子の発表に関して「神を演じる科学者たち」というタイトルの記事がありました。
それは、「Congratulations」(おめでとう)で始まったあと、
「科学界の皆さん、神の粒子を発見されたそうで、おめでとう! でも、あなたたちは実際には何も発見していない」
という出だしで始まる過激なもので、その内容をご紹介したいとも思ったのですが、内容が専門的すぎて訳せないのです。粒子を計測するための「ギガ電子ボルト」( GeV / c2 )という数値などの計算や、何だかわからない物質の名前などから構成される内容で、実証的な科学批判のようなののですが、書いてあることがひとつもわかりません。
その記事をリンクしておきますので、科学にお詳しい方等お読みくださればと思います。
プラウダはロシアメディアですが、これは英語の記事です。
・Scientists play God

▲ その記事より。なぜか「焼け野原の写真」が添えられています(笑)。
さて、今回は「病気」の話なんですが、私が「パンデミックや感染症の流行」といったものに興味がある理由などについて少し書いておきたいと思います。
インドに再び降った「赤い雨」
私が感染症などのウイルスなどによる病気に興味がある理由としては、フレッド・ホイル博士などによるパンスペルミア説(生命は宇宙から運ばれている)の存在があります。
パンスペルミア説を支持する科学者たちの間では、1960年代くらいから、
・彗星が病原菌を運んでいる可能性
について、わりと長い間、実証的な研究が進められていたということがあります。
フレッド・ホイル博士に関しての Wikipedia から抜粋します。
ホイルは晩年、生命の起源を自然主義的に説明する化学進化の理論を頑強に批判した。チャンドラ・ウィクラマシンゲと共にホイルは、生命は宇宙で進化し、胚種 ( パンスペルミア / panspermia ) によって宇宙全体に広がったというパンスペルミア仮説を唱えた。
また地球上での生命の進化は彗星によってウイルスが絶えず流入することによって起こると主張した。
というものです。
フレッド・ホイル博士が亡くなった後、その弟子的な立場のチャンドラ・ウィクラマシンゲ博士が研究を続けていると思うのですが、新しいリリースの話をききませんので、どのようになっているのかよくわかりません。
それと関連して、最近、印象的な出来事がありました。
かなり前に In Deep の記事で、
・インドに降った赤い雨の中の細胞が 121度の温度の下で繁殖し、銀河にある光と同じ光線スペクトルを発した
In Deep 2010年09月07日
というものを書いたことがあります。
2001年に、インドのケララ州というところで「2ヵ月間に渡って赤い雨が降り続けた」という奇妙な現象がありました。各国の科学者たちがそれについて調べている中で、
・赤い雨は生命だった
というひとつの結論に達したというものです。

▲ 2001年のインドの雨の顕微鏡写真。これらの生命には「 DNA 」がありませんでした。
その雨には、上の写真のような「生命」が含まれていることはすぐにわかったのですが、奇妙だったのは、「これらの生命が DNA を持たなかった」という点でした。
仮に、地上に降った後に微生物などの生命が混入したのであれば(地球上の微生物ならば)、それは必ず DNA を持つのですが、上のものには「 DNA がなかった」のです。
地球上にある生命や、その素材の中で「 DNAを持たないもの 」というのは限られているようで、その中のひとつが「人間の赤血球」です。
それらは
「ヒトを含め哺乳類の赤血球は、成熟の途中で細胞核とミトコンドリア等の細胞器官を失っているので、正常ではない場合を除くと、DNAを持っていません。 (Yahoo! 知恵袋より)」
ということなのだそうです。
つまり、上の写真の赤いものが「赤血球」であれば問題はなかったのですが、上記 In Deep の記事でご紹介した米国マサチューセッツ工科大学の記事によると、これらは赤血球ではなかったようなのです。
そこには、
「これらの細胞が 121度の温度下で繁殖した」
という驚くべき結果について載せられています。
そして・・・最近またインドで降ったのです。赤い雨が。
これに関しては、Sudden Red Rain Shower Causes Panic In Kannur (インドで突然の赤い雨に人々はパニックに)という記事などありますが、もう少し詳しい状況がわかりましたら、ご紹介したいと思います。
いずれにしても、「いろいろと空から降っている」というような現状はあって、これに関しては、実は 1980年代に NASA は高層大気圏を調査していたのですよ。でも、理由を明らかにしないまま、調査は中止となったことが、フレッド・ホイル博士の著作に載っていました。「あの実験が続けられていれば」とホイル博士は残念がっていました。
しかし、たとえば、 In Deep の過去記事ですが、
・宇宙のバクテリアを用いての強力な発電実験に成功した英国の研究チーム
In Deep 2012年02月29日
というように、現在では実際に高層大気にいる「宇宙の微生物」を使っての発電なども進められていたりと、時代は少し変わってきましたけれど。これに成功したのは、英国の名門、ニューカッスル大学の研究チームです。
前置きが長くなりましたが、「病原菌」というのは上に書いた例と並べられるものだと私は考えていて、それだけに「病気の意味」など考えるところは多いです。
それでは、ここから本文です。
増え続けている子どもだけの「謎」の感染症
先日、日本語の報道で、「カンボジアの病気」のことが報道されていました。
下のは時事通信の記事です。
謎の病気で子供60人死亡=WHOが調査−カンボジア
時事通信 2012.07.03
世界保健機関(WHO)カンボジア事務所は3日、同国で4月以降の3カ月の間、謎の病気により子供60人が死亡したことを明らかにした。WHOは同国保健省と共に原因究明を急いでいる。
同事務所の公衆衛生専門家によると、死亡したのは全員、7歳以下。
発症が報告された61人のうち、一命を取り留めたのは1人だけだった。「高熱と共に胸部に重い症状が出るほか、神経障害の兆候が見られるケースもあった」という。
というものです。
私の知る限りですが、2010年以降、「子どもだけ」が感染する病気で、結局、その病気の何かわからなかったという事例が医療専門機関から発表されていたのは、
・フィジー
・インド
・ベトナム
・ウガンダ
・トルコ
などとなっています。
しかし、他にも、たとえば、アフリカや中東の紛争地域などでこういうことが起きていても、それはわからないままになっている可能性もあります。報道というのは、常に「世界の一部」のことしか取り上げられていないというのもまた事実だと思われます。
ロシアのメディアでいっせいに報道された「子どもだけの謎の病気」
子どもの謎の感染症で最も最近のものが「トルコ」で発生したものです。

▲ ロシアのメディアでの「謎の病気」の報道。7月4日のものです。この子のように、全身に赤い発疹が出た後に発熱が始まる症状のよう。
トルコのベレクという町はロシア人たちの避暑地となっているのだそうですが、そのリゾート地で発生したものです。なので、現在、患者はロシア人だけのようです。
以下、そのトルコの病気、そして、ウガンダ、インドなど手元にあるいくつかの「最近の謎の子どもの病気」の報道を要約します。ベトナムの謎の病気は大人も感染しているようですが、他はすべて症状が「子どもだけ」に出ています。
・トルコ
extrafast 2012.07.04
トルコのリゾート地で謎のウイルスに苦しむロシアの子どもたち
トルコのリゾート地の町ベレクのホテルで、このホテルに泊まっているロシア人宿泊客たちの子供たちの間に正体不明のウイルスが猛威を振るっていることが、現地のロシア人宿泊者からの連絡で判明した。すでに半月もの間、感染は続いているという。
このウイルスには子どもたちだけが感染し、はじめに湿疹が出たあと、3日間ほど熱が上がり、そして扁桃腺炎のようにのどが痛くなる。しかし、これは大人にはうつらないという。
なお、今回の旅行を企画した旅行代理店は、ベレクのホテルで伝染病が発生しているという情報は受け取っていないとしており、現地の実態は不明なままだ。
・ベトナム
ベトナム 正体不明の病気との闘いに国際援助要請
ロシアの声 2012.04.22
ベトナム政府は、世界保健機関(WHO)とアメリカ疾病対策予防センター(CDC)に対し、正体不明の病気と闘うため援助を要請する意向だ。ベトナムではこの病気ですでに 19人が死亡している。
この病気は、今のところ自然界では知られていないもので、ベトナム中部のクアンガイ省で広がり始めた。
BBC放送によれば、すでに 270人の感染者がいる。この病気にかかると、まず高い熱が出、身体に発疹が生じ、その後肝臓などの器官に障害が起こる。初期段階ならば治療し直すこともできるが、症状が進んでしまうと治療が極めて難しいという。
・ウガンダ
MYSTERIOUS DISEASE HAUNTS UGANDA
UT 2012.06.09
謎の病気がウガンダで多くの子どもたちを苦しめる
ウガンダ北部で流行している謎の病気は、現地のヒーラーにも治すことができない。
この病気は、子どもたちが突然、てんかんのような症状に陥り、成長と精神の発育に影響を与えるものだが、原因はわかっていない。当初は、これはウガンダの奇病「うなずき病」(激しく首を振り始め、意識を失い死に至るウガンダに存在する病気)かと思われていたのだが、そうではない可能性が出ている。
現在、アメリカ疾病対策予防センター(CDC)がこの病気の解明のために、ウガンダに専門家チームを派遣している。
・インド
Mysterious disease in India kills 73
RIA 2012.06.09
インドで謎の病気により 73人の子どもの命が奪われている
謎の病気が、この2週間の間に、インド北部のビハール州で 73人の幼い子どもの命を奪った。
州の保健当局や治療にあたった医師によると、子どもたちは脳炎と似た症状を示していたという。しかし、保健当局は、死亡原因はいまだにつかめていないと述べる。
などです。
極めて正直に言えば、これが「大人ばかりが感染して死亡する病気」なら、それほど気にしなかったと思いますが、「子どもばかり」というのが気になります。
未来の世の中を作っていくのは、基本的に子どもであり、大人がいくら消滅しようとも未来は消えませんが、子どもが消滅すると「未来そのもの」が消えてしまう可能性があります。
今後もこれらに関しての報道がありましたら、ご紹介したいと思います。