2012年07月19日



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狂乱の初夏: 2012年6月の全世界の気温は 1880年の観測開始以来もっとも高かったことが判明



201206.png

▲ NOAA のページに掲載されている「2012年6月の各地の特筆すべき天候状況」の地図。縮小したら文字がまったく見えないですので、ひとことで日本語の注釈をつけておきます。入れた文字も小さくてわかりにくいので、書いておきます。こちらに実寸のものがあります。

2012年6月の主要な気候変動イベント(上から時計回りで)

・北極の海氷が最大規模の減少
・フィンランドは2004年以来の寒い6月
・中国は広い範囲で豪雨。農地5万ヘクタールが被害。
・オーストリアは1767年以来の記録的な暖かい6月
・バングラディッシュで記録的な豪雨
・オーストラリアは平年より低い気温
・ニュージーランドは130年ぶりの低い気温
・南極の海氷面積は平均を上回る
・スペインは1960年以来、4番目に暖かい6月
・エルニーニョ/南方振動
・ハリケーン・カルロッタ
・米国で1895年の観測開始以来最高の気温
・英国は1910年以来最大の雨

のようになっています。

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気候と気温の変化が生活に与える影響


(訳者注) ここのところ、気温と天候に関しての記事が多いですが、実際に「異常」な部分が多いわけで、個人的にはやはり「気象」は最も興味があることかもしれません。

今回の記事は NOAA (アメリカ海洋大気庁)が「全世界の 2012年6月の気温(地表の気温)は観測史上最高だった」ことを発表したことに関するものです。観測が始まったのは 1880年とのことですので、130年間くらいの記録を塗り替えたことになります。

今回は NOAA ニュースリリースから抜粋してご紹介しますが、この暑さ、そして、最近の世界中の激しい気象などが私たちの生活にもたらすものは何かということを少し考えてみたいです。



食糧への影響

この「気温」とか「気候」といったものが、人間生活に与える影響としては、まず、

・食糧生産への影響(食糧価格の高騰や、一部食品の枯渇を含む)
・農産地の移動


という「食」の問題があげられると考えられます。

ふたつめに書いた「農産地の移動」というのは、これは気温や天候がそれまでとは違うことになり、「同じ場所で今までと同じ作物を育てることができなくなる」というような感じのことです。これは日本などでもすでに起きています。

日本全体にあてはまるものではないですが、「どうも気候がズレてしまっていてうまくいかない」というようなことは多くの場所であるようです。実家のある北海道も一部では農作に関してひどい状態だと聞きました。

雨が降ってほしい時に降らない。
逆に、気温が上がってほしい時に気温が上がらない。

というような、なんとなく天候の歯車が合わない状況が続いているようです。

しかし、この「国内農産物」ということを考える以上に、実際には日本という国は基本的に「食糧輸入国」であり、実際には野菜や穀類なども他の国のものばかりを食べているわけで、つまり、食べ物の心配は「他の国の状況を見なければならない」ということになってしまっています。

その他の国の気候については何度かふれていますが、ムチャクチャといえます。

先日の記事、

「経験したことがない」と人々が語る東欧と北欧の異常気象
 In Deep 2012年07月12日

で、NOAA (アメリカ海洋大気庁)が発表した「7月までの干ばつ状況」の地図を載せましたが、「9月までの干ばつの見通し」という地図も NOAA から発表されています。

下の図です。多少、日本語を入れていますが、簡単にいうと、この茶色の色の部分

dro-1.png

「極めて激しい干ばつになるだろう」という予測の地図です。


2012-drought-outlook.jpg


ほとんど茶色に見えないでしょうか。

そして、7月17日現在のアメリカでの商品取引価格。
7月8日に、トウモロコシと大豆が、史上最高価格を突破。小麦も、上げ幅を強めています。


food-2012-07.png

シカゴ商品取引穀物・大豆等先物価格の長期推移より。


上のチャートは、株などをやっていたことのある方なら、「天井を示していない」と感じられるのではないでしょうか。つまり、まだまだ上がるように見えます。

市場の価格が小売りに現れるのはすぐではないですが、小麦、大豆、トウモロコシというのは、その影響する製品の範囲がきわめて巨大な市場ですので、たとえば、このような「気候の異変(暑くても寒くてもどちらでも)」が続くようなら、そのうち、私たちが日常的に食べているそれらを使った製品は次第に縁遠いものとなっていく可能性さえなくはないかもしれません。

それらを使った製品は一例として、ラーメン、パスタ、うどん、あらゆる菓子類、あらゆるパン類、納豆、醤油、味噌、豆腐、などといった「ほぼ毎日食べているもの」です。

私は非常に正直に書きますと、いつかこれらが今の何十倍の価格になるか、あるいは「食べられなくなる」という時がきても不思議ではないと思います。


中国などはすでに「輸入を開始」しているようで、米国での大量買い付けをおこなっているようです。これ以上、天候が激しくなると、中国の例のように、食糧生産大国であっても自国の食糧さえ自給できなくなることもないとは言えないと思います。

価格が上がる分にはまだ仕方ないと思いますが、「手に入らない」となるとキツいですね。


前にその話が出た時、「ソバ食えばいいじゃん」と言っていた友人がいましたが、このソバ。いかにも、日本の食べ物といった感じですが、そば粉の自給率は 20パーセントに満たず、 70パーセントは中国から輸入されています。

面白い表があります。
「一杯のかけそばを食べた時の材料の自給率」です。

soba-01.png

蕎麦食料自給率解説ページより。


上の表を見ると、そばそのものは 18パーセントが自給されていることがわかりますが(穀物では多いほう)、笑ったのが「醤油」。この自給率が3パーセント。

もちろん、醤油を作っているのは日本ですが、醤油は原材料が「大豆」です。
その自給率が3パーセントという意味。

そして、その「大豆価格」は上に書いた通り、史上最高価格を突破しています。

醤油がないと日本の料理というか、「日本での食べ物の食べ方」は崩壊しますが、大豆が手に入らない可能性が高くなっている以上、もう手遅れかもしれないですけれど。

これで、コメが大きな不作に陥れば、かなりアウトな感じはしないでもないです。


ところで、「気温」と「天候」の変化というのは、食べ物の問題だけではなく、もっともっと根本的な生活そのものへの影響というものを含んでいます。

たとえば、極端な話として、住んでいる場所の夏の気温が50度とかになったら、ちょっと今と同じ生活スタイルでは暮らせないと思います。

あるいは、冬の気温がマイナス50度とかが続くというようなことでもそうですが、世界では、そういう場所でも人は暮らしていますが、ただ、今までと同じような生活スタイルでは暮らせなくなるわけで、そういうような生活スタイルのシフトも進むのかもしれません。

ここには、「大規模な移住」というのも含まれるかもしれません。


なお、最近は暑さが話題となりますが、一番上に載せた6月の天候状況を見ると、「異常に寒い」という地域もかなりあることがわかります。

・フィンランドは2004年以来の寒い6月
・オーストラリアは平年より低い気温
・ニュージーランドは130年ぶりの低い気温
・南極の海氷面積は平均を上回る
・英国は1910年以来最大の雨


とあるあたりの国や地域は、ふだんより非常に寒い6月を迎えています。
また、南アフリカで凍死者が続出しているニュースなど、今、冬である南半球ですが、例年にはない寒波に見舞われているようです。

では、ここから本文です。

NOAA の国立気候データセンターのもので、気温の他にも降雨量など様々な項目がありますが、基本的には気温の部分を抜粋します。




State of the Climate Global Analysis June 2012
米国海洋大気庁(NOAA) 国立気候データセンター 2012.07.18

世界的な気候の分析 2012年6月分


全世界の気候のハイライト

・全世界の大地の上の温度と海面温度のすべてを合わせた 2012年6月の平均気温は、15.5度だった。これは 20世紀の平均気温より 0.63度高く、1880年に始まった観測以来、6月としては4番目に暖かい気温だった。

・北半球の大地と海面温度を合わせた 2012年6月の平均気温は、6月の気温としては最も高いものだった。

・2012年6月の全世界の大地上の平均気温は、平均より 1.07度高く、これまでで最も高い気温の6月だった。

・全世界の海面温度は 6月として10番目に高かった。



概要

2012年6月の気温偏差は、以下の地図上に表示されている。
これは、気候データセンターが世界の気候変動の監視のためのグローバル・ヒストリカル・クリマトロジー・ネットワーク( GHCN / Global Historical Climatology Network) のデータから 1961年から 1990年までの気温を基準として、変動を示したものだ。

赤い点が基準より高く、点が大きくなればなるほど、基準温度より高かったということになる。


1961年から1990年の基準温度と比較した2012年6月の気温偏差

ano-201206-1.png


次にこちらは、同じデータから 1971年から2000年までの間と比較したものだ。


1971年から2000年の基準温度と比較した2012年6月の気温偏差

ano-201206.png

(共に地図をクリックで拡大)

2012年6月の大地と海面温度のすべての平均は 1880年に気温の記録が開始されて以来、20世紀の全体の記録を0.63度上回った。これは6月としては4番目の高い気温だった。

海水温度を除き、地表だけの気温では 2012年6月は 20世紀全体の平均気温を 1.07度上回り、記録の上では最も高い気温を記録した。

特に、2012年6月は、北半球の記録的な高温が顕著だった。
北アメリカ、ユーラシア、北アフリカの大部分を含む地域は、平均の6月より非常に高い気温を記録した。

北半球で平均より低かった地域は、北部と西部のヨーロッパと、アメリカの北西部で、これらの地域は低温が顕著だった。

下の地域では特筆した気温を示した。

オーストリア ウィーンを含むいくつかの地点で 37.7度という6月としての過去最高気温を記録した。また、オーストリア全体としても、250年前に観測が始まって以来、6月としては最高の平均気温を記録した。

ノルウェー 1900年以来、25番目に寒い6月だった。ノルウェー東部では、6月の平均気温が場所により2度から3度低かった。

イギリス 1991年以来、もっとも寒い6月だった。

オーストラリア 6月の気温は 1961年から1990年の平均より低い平均気温だった。特に、夜間の最低気温が平均よりかなり低く 0.94度低かった。





(訳者注) 上の地図は、簡単にいうと「赤い点が多くて大きなところが平均より特に暑かった」ということになります。なので、全体としては、2012年6月は「高い気温の場所」が多かったということになります。

ちなみに、気温の変化というものに関しては、個人的には、


・太陽活動の変化
・海流の変化
・地球内部のエネルギーの変化


などが関係あるとは思います。

「地球内部のエネルギーの変化」などと書くとオカルトっぽく聞こえますが、そうでもなく、過去記事の、

地球からのニュートリノと地球内部からの膨大な熱の源は何か
 In Deep 2011年08月27日

でご紹介した、東北大学大学院の反ニュートリノ検出器「カムランド」などが検証しようとしている「地球の熱生成モデル」と関係していることです。

地球は自身の内部から電力に換算すると 44兆ワットにものぼる「熱」を発し続けています。これはその半分は「放射性崩壊」という現象によるものであることがわかっていますが、しかし、残る22兆ワット分の熱の理由はわかっていません。

20兆ワットというと、地球に現在あるすべての発電施設(原発を含めて)を合わせても、まったく追いつかないほどの膨大なエネルギーであり、そういう熱の存在が地球の中から放射されているという事実があります。

なので、その「システム」によっては、地球内部から地球表面が焼き尽くされたりする可能性だってあるのだと思いますが、しかし、歴史上で地球が内部から焼き尽くされたことなどありません。


その熱源は何のために存在して、どのように地球の環境に作用しているのか。
これが、今の日本の科学の中でも極めて重要なテーマだと私は思います。


私が日本人だから言うのではないですが、日本人たちが進めている研究のいくつかは「オカルトのすべてを科学としてハッキリとさせる」ことを可能とするような、とんでもなく過激で先鋭的で、そして、本当の意味での未来志向の科学研究が多いです。

これらの研究には派手さがないので報道も薄いですが、私は日本の様々な研究機関、特に国立天文台、東大宇宙線研究所、上の東北大学カムランドの研究には涙さえ出るほど感動することがあります。

彼らの研究を見ていると、エメラルド・タブレットに書かれてある次の一文が鮮やかに目の前に広がるのです(アイザック・ニュートンの訳(1680年)より)。


すべての曖昧は汝より去るであろう。



私はこの世の中が突然バラ色になったり、エイリアンが地球人を迎えに来るような未来を考えたことはないですが、「少しずつ変わっていく世の中」ということは、いつも思います。そして、それは予想外の大きな変化なのかもしれません。

思えば、実際に「たった100年前」と今はとても違うのですから。

昔の日本の関連記事をリンクしておきます。
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[100年以上前の日本人]の関連記事:

日本人自らが撮影した 120年前の日本の光景
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140年前の日本の光景を愛したアメリカ人女性画家の絵に見る日本人の「ふだんの生活」
2012年03月31日



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2012年05月13日

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[1年前の In Deep ]
2011年07月19日の記事

梶井基次郎は「言語と宇宙の関係」に気づいていたのかもしれない



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