2012年07月26日



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メルトダウンの序章? : 「たった4日間でほぼすべて溶けて消えた」グリーンランドの氷床



NASA が「4日間でグリーンランドの氷の97パーセントが消えた」と発表。そして、シベリアでは2ヶ月間続く異常な熱波による非常事態


(訳者注) このニュース、昨日ご紹介しようと思っているうちに、日本語などでも報道されましたので、「まあいいか」とアップせずにいたんですが、しかし、これは私のブログで「残したい記録」の筆頭にあげられる自然現象だと思いましたので、ご紹介します。

なんたって「あっという間にグリーンランドの氷がほとんど溶けてしまった」ということが起きたのですよ。

日本語の報道としては、ウォールストリート・ジャーナル 日本語版などで紹介されています。

今回は、最初にこれを報告した NASA のニュースリリースをご紹介させていただきます。
その NASA が発表した衛星写真のイラストに注釈を入れて先に載せておきます。

下の写真の左側が2012年7月8日。右側が2012年7月12日。つまり、4日後のものです。白い部分が氷の部分。つまり、「4日で白い部分が消えた」ことがおわかりでしょうか。

Greenland-meltdown.jpg


もう、この地図だけで、特に文章の説明は必要ない感じもします。

NASAの科学者の人によると、「暖かい空気がグリーンランドの氷床の上を通り、それを解かした」と説明されていますが全体の97パーセントがたった4日で?


私は北海道生まれですし、あるいは北国の方ならおわかりかと思いますが、雪ならともかく、「氷」はなかなか解けません。

大雪の冬の後には、春の前から積もった雪が氷の状態となりますが、1度、氷となってしまうと、暖かい日が続いてもそう簡単には解けないです。まして、グリーンランドの氷は「氷床」にまで発達したもので、毎年解けるものではないはずです。

なので、「暖かい風」というだけではどうも釈然としないですし、 実際に NASA の科学者たちも、「どうしてこういうことが起きたのかは、今後何年もかけて解明されることになるだろう」と言っています。

現時点では何が起きているのかよくわからないみたいです。


ただ、グリーンランドではとにかく暖かい日が続いていることは確かなようです。

この、本来は寒い、あるいは涼しい土地が「暑い」という現象は、現在、シベリアでも顕著に起きていて、ほとんど非常事態となっています。
このシベリアの記事もご紹介しておきます。




シベリアで続く猛暑で過去最大の森林火災


現在のロシアの報道では決してマイナーなニュースではなく、各メディアで報じられています。ロシアの NTV というニュースサイトからです。


シベリアの熱波
Novosti 2012.07.24

シベリアの異常な熱波が森林火災を引き起こし、未曾有の干ばつが進んでいる

sibir.jpg

5月から続いているシベリアの熱波は7月に入り拡大している。

この熱波により森林火災が拡がり、川が干上がり、作物はほぼ枯れた。
熱波に襲われているシベリアのクラスノヤルスク地方では、川の水位も過去最大に下がっており、エニセイ川では 1967年以来の出来事となっていることをイタルタス通信が伝えている。

このため、干ばつが広がっており、農地での収穫はほぼ全滅した。

現在も気温は最高で 34度を越える日が続いており、シベリアの気象局によると、現在の 26度から 34度程度の熱波は9月まで続くと予測されている。

また、降水も9月まではほとんど期待できないという。

山火事も1930年以来、最悪のペースで発生している。すでに 20万ヘクタールの森が火災で焼失した。



ということです。

日本も今暑いですけど、同じ35度でも場所により意味はまったく違います。


では、 NASA のニュースリリースより。




Satellites See Unprecedented Greenland Ice Sheet Surface Melt
NASA ニュースリリース 2012.07.24

NASA の衛星が捕らえた予測もしなかったグリーンランドの氷床の急速な融解


NASA の3機の観測衛星からの観測によって、グリーンランドの氷床が 7月8日から 7月12日までの間に推定 97パーセントが融解していたことがわかった。


グリーンランドの氷床の衛星観測は過去 30年続けられているが、その30年間での衛星による観測で、最も広範囲で、また「突然」の氷床の融解が起きていた。

7月のたった数日間のうちに、グリーンランドの氷床全体の 97パーセントが溶けてしまったことを衛星データは示す。

NASA の研究者たちはこのデータを受け、この大規模な融解のイベントがこの夏に(他の地域も含む)世界の氷の消失に影響を与えるかどうかについての検討に入るが、しかし、このことが海面上昇に影響するかどうかということを含めて、まだ、その結論は出ていない。

NASAの「氷雪観測プログラム」の責任者であトム・ワグナー博士は、「このような出来事は、他の広範囲は気候イベントと関係する場合があると理解しています」と述べた。

この件に関して、 NASA の主任科学者は、

「今回の出来事の意味するところは今後何年もかけて解明するということになるでしょう」

と述べている。





(訳者注) 記事の中に「海面上昇に影響するかどうか」という表現が出ていますが、確かに、こんなに「突然」大規模な氷の融解の発生が相次げば、「海面の突然の上昇」というキーワードも、何となく思い出したりいたします。

この夏は何が起きるのでしょうねえ。

正直いって、この2週間くらいでこの In Deep でご紹介している内容だけでも、私は、事件、地球、宇宙、どれに関しても「ビックリ (@_@) 状態」なんですが、でも慣れていくのかもしれないですね。

そういえば、6月に「氷が溶けた北極海」の話をご紹介したことがあります。その関係の記事をリンクしておきます。

でも、その北極海の氷にしても、「何ヶ月か」ですからね。
今回の「4日で全部消滅」なんて、それこそミステリーの世界。

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▲ 米国沿岸警備隊による 2011年7月の北極海の調査の様子。北極で氷が溶けて「池」となっている。この「池」が植物プランクトンの繁殖に絶好な場所となっている。

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