2012年08月27日



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2012年にスペインで生まれた「新しいキリスト像」の価値観が瞬く間に世界を席巻



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(訳者注) 数日前に、「世界最悪の修復」というようなタイトルでいろいろなところで報道されたスペインでのニュースはご存じの方が多いと思います。

下のようなものです。


【善意が生んだ悲劇】80代の女性が勝手にキリスト壁画の修復を試みる → 絵が下手すぎて顔が別人に
Livedoor News 2012.08.23

スペインのSanctuary of Mercy Churchという教会には、画家Elias Garcia Martinezが約100年以上前に描いた「Ecce Homo(この人物を見よ)」というイエス・キリストのフレスコ壁画があった。

しかしその壁画は湿気のせいで、18カ月前からぼろぼろ崩れ始め、徐々に元の姿を失いつつあった。地元に住む80代の一人の女性は、それを見て、あることを決心したそうだ。
 
壁画の劣化を、ただじっと見ているだけなんてできない。修復しよう!
 
すると彼女は、塗料と筆を手に、自らキリスト壁画修復作業を開始。教会の運営者の許可もないまま、彼女だけによる修復は着々と進められていった。そして彼女の修復がついに完了した時、それを見た人々は凍りついたという。

なぜなら彼女の絵が、恐ろしく下手だったから! 修復後の壁画には、元のイエス・キリストの姿はどこにもなく、そこにはまるで猿のような生き物が描かれていたとその壁画を見た人は言う。この修復を行った本人も、さすがに「これはダメだ!」と気づいたようで、文化事業を担当している市会議員に連絡をとった。


その「ビフォーアフター」が下です。

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▲ 報道より、キリストの宗教画の修復前(左)と修復後。


これに対して「史上最悪の修復」とまで書いているメディアも多数ありました。

上のニュースを私は女性の友人に教えられたのですが、私は即座に、

これ、修復後のほうがいいじゃん。いい顔の人になってる

と思い、そして、「修復前の含みのある左脳顔から毒気が落ちて、まさに無垢そのもののキリスト像!」と私は絶賛しました。

しかし、私がどう思おうと、「このおばあさん、この地で死ぬまで白い目で見られるのかなあ」と思うと、暗澹とした気分になったものでした。

しかし!

事態は報道の翌日から意外な方向に発展していきます。

そして、最終的に、たった2日間で、世界に「下の写真のような世界」がいたるところに出現し始めたのです。


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今回はその話です。

暗い話題が多い中、「新しいマリア様と新しいキリストがこの世に生まれた」ともいえる話題です。新しいマリア様は 80代ということで、ややヨボヨボなマリア様ですが、キリストをこの世に生んだという意味では、かつてのマリア様と遜色ないです。

今回の経過を報道から順を追って書きます。

上の写真の様々な「修正後」の写真は、今朝の英国のデイリーメールに数多く掲載されていましたので、それも翻訳してご紹介します。

まず、最初の報道の直後に何が起きたか?からです。




新しい神様を歓迎した世界


まず、下の現象が起きました。
AFP の報道から抜粋します。


「世界最悪」の修復キリスト画が大人気、訪問者が急増
AFP 2012年08月26日

「世界最悪の修復」でサルさながらに変貌してしまった102年前のキリストの肖像画を見ようと、スペイン北東部ボルハを訪れる人々が数百人規模に急増している。

この肖像画はスペイン人画家エリアス・ガルシア・マルティネスが1910年に描いたもので、ボルハ市内の教会の柱に直接描かれている。傷みが目立ち始めたため、年齢が 80代とされるセシリア・ヒメネスさんが善意で修復を試みたところ、オリジナルと似ても似つかないとして地元住民から苦情が殺到。静かな町だったボルハに、世界中のメディアの注目が一気に集まった。一部メディアはこれを史上最悪の修復と伝えた。

(中略)

8月25日には教会の外に、興味津々の訪問者の行列ができた。公共テレビ放送のインタビューに応じたある女性は、「以前の絵も大変素晴らしかったけれど、わたしは本当にこれ(修復後の肖像画)が気に入っています」と語った。

ボルハ市に原画を復元する計画を思いとどまるよう求めるオンライン嘆願書には、既に1万8000人もの署名が集まっている。




ということになりました。
要するに、すぐに、

・人々がこの絵を見るために教会に殺到し
・この絵を直さないでほしいという嘆願書が多数集まっている


とという流れとなりました。


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▲ ボルハ市のその教会。奥にある絵がその現物です。写っている人はさっそく見に来た観光客。このように人々がこの教会に殺到し始め、あっという間に、「世界でも有数のキリスト教関係人気スポット」へと変貌しました。フランスのメディアより。


そして、それと同時にインターネットの世界では、様々な芸術作品に対しての「修復」が始まりました。

キリスト様の顔も修復されたのだから、古典芸術だってキリスト様を見習わなきゃ!とばかりに次々と、世界中の「修復家たち」、つまり第2第3のセシリア・ヒメネスさんが続々と今日も修復を続けています。

このことと、修復作品を英国のデイリーメールの記事からご紹介します。





After fresco is destroyed by old lady's restoration attempt, masterpieces of the art world are given an internet makeover
Daily Mail (英国) 2012.08.26


スペインのキリスト画が老婦人の修復によってダメにされた後、インターネットで次々と芸術上の傑作が変えられる


スペインの教会にある19世紀のフラスコ画が老婦人の修復によって、まったく「別の絵」と変わってしまったこと(下の写真)が報道された後、インターネット上ではジョーカーたちにより、次々と手を加えられた歴史的に有名な芸術作品がアップされている。

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80歳のセシリア・ヒメネスさんによる上の「修復画」がインターネットの報道で取り上げられたその晩から、世界中で、様々な芸術作品を「修復」した作品が出現し始めた。


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▲ 「修復」されたモナリザ像。


そして、今や、モナリザからアンディ・ウォホールのマリリン・モンロー、そして、ムンクの「叫び」に至るまで、「修復」された作品がインターネット上に並べられている。


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▲ 「修復」されたムンクの「叫び」。


ついには、レオナルド・ダ・ヴィンチの傑作である「最後の晩餐」もご覧の通りに。

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さらには、1490年から1491年にレオナルド・ダ・ヴィンチによって描かれた「聖母マリアの最も古い型」としての絵画といわれる「リッタの聖母」までも。

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▲ 「修復」されたリッタの聖母。


古典だけではなく、モダンアートの傑作とされるアンディ・ウォホールの有名なポップアート作品「マリリン・モンロー」は以下のように修復された。

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普通なら、今回のスペインで起きたような「修復事件」は、町の外では何の注目も集めないはずの出来事のはずだが、しかし、現実にはインターネットでこの出来事が取り上げられるや否や、この教会のドアの前には毎日たくさんの人が並び、絵を見る順番を待っている。

そして、ツィッター上に「フレスコのイエス」( Fresco Jesus )のアカウント名で始められた投稿者にはすでに 4000人のフォロワーがいる。





(訳者注) 上の中でも「最後の晩餐」は本当に楽しそうな最後の晩餐ですねえ(笑)。


この「フレスコ・イエス」の顔を見ていて、ふと、過去記事の、

夢で見た「3つめの太陽」と「笑う黒点」
 In Deep 2012年06月18日

に載せた今年6月17日の太陽の黒点群の写真を思い出しました。




いずれにしても、「誰が描いても八頭身でイケメンで長髪の白人のキリスト像」という、ほとんど信憑性のない中で伝わり続ける偶像のほうだけを重視するより、「楽しいほうが楽しい」とは思います。

ちなみに、「[地球の内なる太陽] Vol.1 - その意味」という過去記事に載せた、中世神秘学の象徴のひとつであるエメラルド・タブレットにあるラテン語の意味は上から、


1 言葉
2 思案
3 運動
4 視力
5 聴力
6 行動
7 性交
8 嗅覚
9 睡眠
10 怒り
11 味覚
12 笑い


となるとのことで、「言葉で始まり笑いで終わるのがこの世の真実」というのが、少なくとも、中世神秘学の価値観のひとつだったようです。




映画『薔薇の名前』のように、14世紀のカトリック修道院で「笑いを禁じていた」というような物語も何となくわかる気がします。

宇宙は「笑い」を人間の実態に必要なものとしていたからこそ、キリスト教はそれを排除しようとしたと。



消えていく「従来のキリスト」

最近、カナダのメディアで、「2005年以降、世界中で急速な勢いで減り続ける宗教信仰者(英語)」という記事がありました。

記事そのものは、タイトル通りで、カナダをはじめとして、世界中で宗教信仰者の数が減り続けているというものでした。宗教の種類は関係なく、ほぼすべての地域と宗教に於いて減っているというものです。

それ自体はまあ、そんなもんだろうなあと思うのですが、面白かったはのこの記事にあったコメントで、ほとんど全員が肯定的なコメントだったこことです。コメント欄は多分、英語圏のキリスト教などの人が多い感じなのですが、代表的なコメントを2つ挙げてみます。


「ゆっくりとだけど、私たちはいい方向に向かっているという気がする。そして、これによって(神と宗教の消失によって)この地球の多くの問題は消えると思う」。


「そのうち「キリストって誰よ?」って時代になるんじゃないの」


これらのコメントの意見が正しいとか正しくないではなく、既成の宗教が消えていくということに関して、(みんなではないでしょうけれど)多くの人々はごく普通にその流れの中にあるのかもと思ったりした次第でした。

まあ、少なくとも、今回のフレスコ・イエスには「変な権威」がない分、かなりの数の人々から純粋に愛されていることは事実だと思います。

宗教を越えて愛されるキリストが生まれた瞬間かも。

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[キリストの死と再生]に関連した過去記事:

キリストの象徴でもある「ペリカン」の大量死がペルーに続き、米国でも発生している
2012年05月10日



Wikipedia によると「ペリカンは、胸に穴を開けてその血を与えて子を育てるという伝説があり、あらゆる動物のなかで最も子孫への強い愛をもっているとされる。この伝説を基礎として、ペリカンは、全ての人間への愛によって十字架に身を捧げたキリストの象徴であるとされる。」とのことです。


世界中に出現する「血を流す聖母マリア」:インドでは血の涙。米国ではこめかみから流血
2012年07月23日





[資料3点]聖書外典「ヨハネ行伝」・マタイによる福音書24章・ガンマ線バーストの解説
2011年01月23日



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