2012年09月02日



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発見された「 130億年前のブラックホール」が放つ矛盾





▲ 過去記事「 宗教的科学信念の崩壊に向けて: 「宇宙最初」の「最初」の起点とは」より 130億年前の銀河団 CLG J02182-05102。いわゆるビッグバンの直後時期の銀河は現在までに多数見つかっていますが、今回見つかったのはブラックホールで「銀河と同時に成長を続けるブラックホールの存在」の発見の話です。






 



この夏は、宇宙でいろいろなものが観測されました。

その中で格別の感があるのが「 130億年前のブラックホール」です。

ところで、そもそもブラックホール(と呼ばれているもの)とは何なのか

報道(新聞やテレビでさえも)などでも「ブラックホール」という言葉は完全に定着していて、あたかも「確定した現象であり存在」として報道されたりしています。

今回の記事に興味を持ったのは、そこに私と同じような疑問のコメントがあったからです。その130億光年の場所のブラックホールの報道記事のコメントに下のようなものがありました。


「今の宇宙モデルでは、ブラックホールは、惑星や銀河より先に形成されるのですか? 誰か教えて下さい」


確かに、ビッグバンとされる130数億年前の「直後」にブラックホールがあるということは、このブラックホールは「他の惑星や銀河より先にできた」ということが考えられます。

(@_@) ?


さて、そもそもブラックホールとは何なのか。
私も実際には知りません。


私たちがブラックホールと呼んでいるものの正体は何なのか


Wikipedia から抜粋してみますが、気になる部分を赤字にしてあります。


ブラックホール - Wikipedia より。(赤字は私によるものです)

ブラックホール

ブラックホールとは、きわめて高密度で大質量で、きわめて強い重力のために物質だけでなく光さえも脱出できない天体のこと。きわめて強い重力のために光さえも抜け出せなくなった時空の領域、とされている

21世紀初頭現在、ブラック・ホールは仮説的存在であり、ブラックホール自体を直接観測することにはまだ成功していない。だが、宇宙の特定のエリアにおいて、ブラックホールが存在すると想定すれば、理論的に予想される物質の運動に相当する宇宙ジェットや、降着円盤やブラックホールに吸い込まれていく物質が出すと理論的に予想されるX線は観測されていることから、ブラックホールが実際に存在することはほぼ確実だろうと多くの科学者から見なされている。



全編を通して、「仮定の表現」が使われていることを知ります。
この状況というのは、下の過去記事で取り上げた報道の表現と似ていることに気づきます。

科学者たちの「神」の意味
 In Deep 2012年07月05日

上の記事に、科学者たちがどうして現在の宇宙論にこれだけ固執するのかの推察を書いていますが、その理由は「科学者たちにとっての新しい神様」と関係することなのだと思います。その新しい神様は「計算」です。

そして、その計算ができるものだけが神の死者になることができる。
すなわち、「科学者こそ神の使いである」と。

有名な車椅子の博士もそのようなことを言っています。

神なんか出てこなくても計算だけで宇宙なんか描ける

と。


では、簡単な計算から今回の発見について考えてみようと思います。


まず、ブラックホール(と呼ばれているもの)は現在の理論では、どのように生まれるのか。

これも実際には、そもそもブラックホールの定義そのものがまだ確立していないですので、いろいろな意見があるようですが、Wikipedia からお借りしますと、次のようになります。


想定される誕生ブラックホール - Wikipedia より)

質量が太陽の約 30倍以上ある星の場合には、自己重力が中性子の核の縮退圧を凌駕するため、超新星爆発の後も核が重力崩壊を続ける。この段階ではもはや星の収縮を押しとどめるものは何も無いため、重力崩壊はどこまでも進む。こうしてシュバルツシルト面より小さく収縮した天体がブラックホールである。



つまり、「大きな星がその歴史を終えた最後のほうになる状態」がブラックホールということのようです。ちなみに、上に「質量が太陽の約 30倍以上ある星の場合」とありますが、私たちの太陽程度の大きさでは、上のような崩壊はないようですので、もっともっと大きな星でないとブラックホールにはなれません。

そして、その小さな星である私たちの太陽の歴史は少なくとも40億年以上とされていいます。

ところで、私たちの太陽は「どのようにしてできたと考えられているのか」というと、下のようなことになるようです。ここにも赤字を入れました。


太陽 - Wikipedia の「太陽の歴史と未来」より

太陽は過去の超新星の残骸である星間物質から作られた種族の星であり、太陽は超新星爆発で散らばった星間物質がふたたび集まって形成されたと考えられている。

その後、太陽は白色矮星となり、何十億年にもわたってゆっくりと冷えていき、123億年後には収縮も止まる。このシナリオは質量の小さな恒星の典型的な一生であり、恒星としての太陽は非常にありふれた星であると言える。



ということで、太陽は小さいので、超新星→ブラックホールとはならないものの、太陽でも、「その寿命を終えるには123億年かかる」とされているようです。ちなみに、宇宙の年齢は 137億年とされています。


では、超新星とは何か。
あるいは、「どんなものだとされている」のか。


超新星 - Wikipedia より。

超新星は、大質量の恒星が、その一生を終えるときに起こす大規模な爆発現象である。



太陽が作られるための超新星というのは、前提として「大質量の恒星」というものが存在しなければならないことがわかりました。「大質量の恒星」というのは太陽などよりも大きな星のことだと思いますが、ではその「大きな星」はどのくらいの年齢とされているのか。

「星の寿命とされる時間を終えないと、ブラックホールはできない」と思われるからです。

また、赤字は私によります。


恒星の進化過程 - 恒星の寿命 より。

太陽では約100億年、太陽質量の半分の星では約2000億年、太陽質量の0.08倍の星ではなんと数兆年もの寿命があり、逆に太陽質量の2倍の星では20億年、10倍の星では3000〜4000万年、そして現在発見されている太陽質量の200倍の星では100万年程度となり、星の質量が重ければ重い程寿命が短く、つまり中心核が質量が重ければ重い程その重圧に対抗する為にエネルギーを使い果たしてしまうのです。



ということで、現在の宇宙モデルでは「大きな星ほど寿命が短い」ということになるようです。


では、「どうして星は大きくなるのか」。


宇宙の年表 - 宇宙の大規模構造の形成 - Wikipedia より。

ビッグバン理論における構造形成は階層的に、つまり小さい構造が作られてから大きい構造が作られる、というように進んでいる。



となり、「小さなものから大きなものになる」のがビッグバン理論のようです。
しかし一方で、「大きな星ほど寿命が短い」という。

このあたりで、何が何だかよくわかりませんが、しかしわからないまま進めます。

さて、ここまでをまとめますと、


・ブラックホールに至るまでには太陽より大きな星の存在が必要

・そのような星が作られてから崩壊するまでには「(数十〜数千)億年」が必要

・宇宙の年齢は137億歳とされている中で、「巨大なブラックホール」は、その宇宙の誕生のたった7億年後に見つかっている


という一連の流れは、物理を知らない私にとってはやはり矛盾に見えます。


何となくおかしいとは思うけれど、もし「本当におかしい」と、科学者たちの神様が消えてしまう。だから、「おかしい部分はあってはいけない」というところが今回ご紹介する記事の内容でもあります。



「この世は有限なのだから、無限の夢などあきらめなさい」と教わる人の一生はまだまだ続く


ちなみに、宇宙の年齢が 137億年と「決定」されたのは意外と最近で、2003年のことです。10年ほど前。NASA によるマイクロ波というものの観測によって確定したものです。

当時のニュースは、国立天文台・天文ニュースの文献が、アストロアーツに残っています。

» 宇宙年齢:「137億歳」とNASA研究グループが発表
国立天文台・天文ニュース 2003年2月28日

上の記事にはこのようにあります。


観測結果を理論計算をもとに解釈すると、宇宙は「普通」の物質が4パーセント、23パーセントが正体不明のダークマター(暗黒物質)、残り73パーセントがダークエナジー(暗黒エネルギー)によって構成されていることがわかりました。



ここにある「この世の 96パーセントは正体不明のものでできている」というのが現在の宇宙論で、その正体不明のものの正体は、実際には「計算という名の神様」です。





ビッグバン理論というのは細かいことを別にすれば「この世は限りがある」という理論。
つまり、「この世は無限ではない」というお話ではあります。

宇宙は有限である、と。

「はじまりと終わりがある」となっていて、そして、人の一生も有限、つまり「人は一度死ねばそれで終わり(繰り返したりはしない)」という「現行の価値観」に結びつきます。


「この世には無限のものなどないんだよ」と大人に教わりながら子どもたちは成長していき、子どもは早いうちからこの世の永遠の希望に見切りをつけて、永遠の失望の中に生きていく。

さらに、「持つ夢も有限じゃないといけません」という意味のことを常に言われます。

有限の夢とは、目的がハッキリしている夢という意味です。
曖昧ではなく、お金とか、地位とか、職業とか、そういうものです。

逆に「目的がハッキリしていない夢」というのは、今の世の中では嫌われがちです。「目的がハッキリしていない夢」というのは、たとえば、昨日のプッシーライオットの記事の途中などに書きましたような、「宇宙みたいに生きたい」とか、そのたぐい。

あるいは「無限の夢」というのもこの世にとっては邪魔なもの。

「無限の夢とは何か」というのは難しいですが、たとえば、「生きていること(あるいは存在していること)そのものに意味を見いだす」ことなどは無限の夢の根幹とはいえます。

しかし、ご承知のように今の世の中、「自分が存在していることだけに意味を見いだす」という考え方はあまり評価されません。


先生 「A君は何に興味がありますか?」
A君 「ぼくが存在していること」
先生 「では、A君の夢はなんですか」
A君 「存在し続けること」


これでは、あまり大人に好かれません。
(実際、かわいくない。笑)

無限の夢を持つ者は生きる価値なしという世の中。
少なくとも、私の生きてきた四十数年はそういう世の中でした。
そして、それはまだ続きそうです。



ちなみに、どうして科学者は「無限を嫌う」のか?

それは、無限は計算できないから、です。

無限には「0」という概念も「1」という概念も存在しないので、計算できません。




長くなりましたが、ブラックホールの記事はここからです。
デイリーギャラクシーの記事です。






 



Origins of Supermassive Black Holes --Formed 13 Billion Years Ago
Daily Galaxy 2012.09.01


130億年前に作られた超巨大ブラックホール


130billion-black-hole.jpg


この宇宙で最初の超巨大なブラックホールは「ビックバン」のすぐ後に形成されたようだ。

これは、2011年にチューリッヒ大学のルーチョ・マイヤー教授によっておこなわれた国際的な研究チームによる発表によれば、この超巨大なブラックホールは、130億年前に銀河の衝突の中で形成された。

今回の新しい調査結果は、重力と宇宙の起源の構造に関しての理論を理解するために重要なものとなるだろう。

チューリッヒ大学で理論物理学を教えるルーチョ・マイヤー教授と彼の研究チームは、130億年のものと見られる超巨大なブラックホールを発見した。

この130億年前という時期は宇宙開始のごく初期の段階だ。

科学専門誌『ネイチャー』に記述された記事で、研究チームは「ビッグバン」後の最初の10億年で、どのように銀河とブラックホールの形成がなされたのかをコンピュータ・シミュレーションによって説明している。

現在での宇宙理論では、宇宙の年齢は約 140億年とされている。

そして、この研究チームは、「銀河の形成」が当初から思われていたよりもずっと早くにできるということを発見した。

そして、それらの初期の段階の銀河がお互いに衝突して結合した時に、この宇宙で一番最初のブラックホールが生まれたことを研究チームのコンピュータ・シミュレーションは示した。

これまで 20年間以上にわたり、科学の世界では、銀河は段階的に成長すると仮定していた。すなわち、まず最初に重力によって引き合わうことにより小さな構造が形成され、その後、より大きな構造が作られていくという理論だ。

しかし、チューリッヒ大学の研究チームは、その理論を180度回転させたのだ。

「私たちの観測は、銀河や巨大なブラックホールのような巨大な構造が、宇宙の歴史の初期段階においても作られていたことを示します」と、マイヤー教授は言う。

さらに教授は、

「一見すると、この結果は、標準の宇宙モデルの『冷たい暗黒物質(cold dark mater)が銀河を形成する』という理論を否定するようにも見えます」。

と述べる。

しかし、教授によれば、この一見すると矛盾に思われるパラドックスは説明できるものだという。

「宇宙の材料が密集した地域の目に見える部分で、巨大な銀河が形成されるよりも、さらに速いスピードで重力崩壊が起こり、通常より早くブラックホールが作られたのだと考えられます。これで、銀河の形成過程から考えると段階的にはみえないブラックホールの形成を可能とします」。


巨大な銀河と巨大なブラックホールは早く形成される。そして、最も小さな銀河は、よりゆっくりと形成される。たとえば、マイヤー教授が発見した130億年前の銀河は、私たちの天の川銀河の 100倍の大きさがある。

NASA のハッブル宇宙望遠鏡での観測データでは、宇宙の年齢が 8億歳〜9億5000万年歳の時に、その時代に 200個のブラックホールがあることを確認した。


ハワイ大学の天文学の専門家であるエゼケル・トライスター博士はこう言う。

「これまで、初期の宇宙(130億年前など)の銀河にあるブラックホールがどのようなものか、まったくわからなかったのです。それどころか、そのようなものが存在しているのかどうかもわかりませんでした。しかし今、私たち科学者は、その時代にブラックホールが存在しているということを知ったのです」。


銀河とブラックホールが並行的に成長していくことは最近の観測でわかっているが、この関係が、初期の宇宙ですでに始まっていたことを示す。

ブラックホールを研究している物理学者たちは、最初の超巨大なブラックホールがどのように作られたのかをさらに探ろうとしている。





(訳者注) 訳していた初めて知ったのですが、現在の宇宙理論では「小さな銀河より大きな銀河のほうが早くできる」ことは説明できるのですね(苦笑)。

それなら、理論的に何の問題もなさそうです。
(銀河が)多い日も安心。

ところで、このオリジナル記事は上の倍くらい理論的な話と計算の説明が入るのですが、私には訳せない専門知識と計算方法ですので、興味のある方で専門知識のある方は原文の方をお読み下さることをおすすめいたします。