2012年09月19日



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金正恩第1書記は元気なのか?



(訳者注) 最近、世界中で火山の噴火が次々と起きていて、昨日それをまとめていたりしました。
途中経過は、データの羅列ですが、

世界の火山の噴火状況 2012年9月 

にあります。

volcano-2012-09.jpg

▲ 赤い三角が現在噴火している火山。Volcano Discoveryより。


9月17日現在噴火しているすべての火山は下のようになります。




2012年9月17日現在噴火している火山

ヨーロッパ
・ストロンボリ火山(Stromboli / イタリア)

アフリカ
・オルドイニョ・レンガイ(Ol Doinyo Lengai / タンザニア)
・エルタ・アレ火山(Erta Ale / エチオピア)
・ニーラゴンゴ山(Nyiragongo/ コンゴ民主共和国)


インドネシア
・カランゲタン山(Karangetang / インドネシア)
・ドゥコノ山(Dukono / インドネシア)
・ロコンエンパン山(Lokon-Empung / インドネシア)
・ソプタン山(Soputan / インドネシア)
・スメル山 (Semeru / インドネシア)
・バトゥ・タラ火山(Batu Tara / インドネシア)


中南米
・サンタマリア火山 (Santa María / グアテマラ)
・フエゴ火山 (Fuego / グアテマラ)
・ビジャリカ山 (Villarrica / チリ、アルゼンチン、南アフリカ)
・レベンタドール火山 (Reventador / エクアドル)


太平洋
・キラウエア火山(Kilauea /ハワイ)
・ウラワン火山(Ulawun /パプアニューギニア)
・ヤスール火山(Yasur /バヌアツ)
・アンブリム火山(Ambrym /バヌアツ)


カムチャッカ〜フィリピンまで
・シベラハ山(Shiveluch / カムチャッカ)
・クリュチェフスカヤ山( Kliuchevskoi / カムチャッカ)
・ベシミアニ山(Bezymianny / カムチャッカ)
・キジメン山(Kizimen / カムチャッカ)
・カリムスキー山(Karymsky / カムチャッカ)
・桜島(Sakurajima / 日本)


その他の地域
・エレバス山(Erebus / 南極)




と、現在、世界で 25の火山が噴火しています。

この他に、噴火の活動の徴候が見られるか、あるいは何らかの警報が出されている火山が21あります。その中には、

阿蘇山(九州/日本)
霧島山(九州/日本)
諏訪之瀬島(トカラ列島/日本)
硫黄島(小笠原諸島/日本)

と、日本の4つの火山も含まれます。

また、この「警報が出されている」中に、現在の地球上で最強クラスの火山であるインドネシアのクラカタウ火山も含まれています。

この「50近くの火山が同時に噴火しているか、あるいは活動の徴候が見られる」という状況が、通常と比べて多いのか少ないのかということがわからないですが、結構噴火しているものだなあと、自分で調べて改めて知った次第です。

この火山のことについては、

「ニセの化石」に占拠されつつある中国の博物館と古生物学会
 In Deep 2012年09月08日

という記事の前振りで少しふれました『西暦535年の大噴火』という本の冒頭を読んでいるうちに、むしろいろいろと疑問が湧いてきており、読書は止まり、「パンスペルミア説とペストの大流行」ということについて調べ直しています。

このことはいろいろな方に考えてみてほしいことですので、『西暦535年の大噴火』の内容の本文の抜粋も含めて、明日以降に書くつもりです。


今回は、その火山とはまったく関係のない内容です。



北朝鮮の専門家も理由がわからない「異変」


最近、私がちょっと「違和感」を感じていたことがあったのですが、それが最近の自由アジア放送(ラジオフリーアジア)というメディアの報道内容となんとなく一致しました。

それは、自由アジア放送の韓国語版の、

「北朝鮮の公式ウェブサイトに指導者が載っていない」

というタイトルの記事でした。

北朝鮮のウェブサイトは 50近く存在していると言われていて、かなりインターネットを活用している国のひとつなのですが、まあ、それでも一応代表的といわれるサイトはあります。

ひとつは、テレビの朝鮮中央放送の内容を文字で知らせる「ネナラ(我が国)」。

そして、もうひとつが英語版の公式サイトといわれる「Official webpage of the DPR of Korea (北朝鮮公式サイト)」で、下がそのサイトの現在のトップページです。


dpr-00.jpg

▲ 最近、デザインと内容が一新された英語の北朝鮮公式サイト。フラッシュによる動的ページを多用しているよりには表示の軽い完成度の高いサイトのイメージを受けます。


自由アジア放送での報道の内容は、「この公式サイトに現在の指導者である金正恩第1書記に関しての内容がまったく記されていないのはなぜ?」というものでした。

確かに、見てみると、少なくとも写真では1枚も出てこない。
記事によると、文字でも一言も出てこないそうです。

そして、ウェブサイトを眺めると、まるで「現在の指導者の存在が無視されている感じ」となっていて、たとえば、「北朝鮮の指導者の歴史」というページを開くと下のようになっています。


dpr-001.jpg

左に金日成(キム・イルソン)元主席、右に昨年亡くなった金正日(キム・ジョンイル)元国防委員長の両最高指導者の肖像が置かれています。そして、その隣は・・・北朝鮮国旗のデザインとなっていて、現在の指導者についての写真も記述もありません。

また、「北朝鮮の歴史」の文章のほうにも「金日成主席と金正日将軍の賢明な指導の下に」というような記述はいたるところに見られるのですが、その後についてはまったく書かれていない。

これらのページは昔から放置されているのではなく、最近更新されてこうなったのです。


ネナラにも見られる違和感

上に「違和感を感じていた」と書きましたが、今回の記事を知る前から、「どうもアレだなあ」とは感じていたのです。

それは、北朝鮮から発信されている北朝鮮公式サイトであるネナラの内容です。これは日本語を含めて各国語版がありますが、当然ながら、ハングル版がもっとも内容が豊富です。その「違和感」ですが、最近の金正恩第1書記の動向の報告についてのことです。

ネナラには以前から、指導者の動向は日々掲載されます。

たとえば、下のは自動翻訳した画面をそのままスクリーンショットにしているので日本語が変ですが、文字の内容はともかく、毎日のように動向が示されていることがおわかりかと思います。リンク先には詳細の記事が記されます。

kim-03.jpg


朝鮮人民軍の視察など物々しい動向が描かれます。最近は奥さん同行の写真も多くなりました。

ところが、「直近の動向」は、下のように9月10日から9月17日まで開いただけではなく、1週間ぶりに登場したその9月17日の動静も「公演アリランを閲覧」という、まあどちらかというと、わりとどうでもいいようなものでした。ちなみに、「金正恩仇様」とありますが、自動翻訳上の誤訳で、正しくは「金正恩元帥様」というハングルです。

kim-02.jpg


しかも、これまで「金正恩同志」という文字が出る記事で写真が載せられる場合には、金正恩第1書記の姿がほぼ必ず出ていたものですが、上のアリラン公演の写真は、アリラン公演の写真だけ(まあ、公演の記事ですので、それでいいのかもしれないですが)。


ariran.jpg

▲ ネナラの記事「敬愛する金正恩元帥様が芸術公演《アリラン》を観覧された」に掲載されていた写真。元帥様がどこにいるのかわかりません。


普通ですと、下のように指導者が主人公として写真に登場します。

kim-01.jpg


あるいは、ちょっと遅い夏休みということなのかもしれないですが、わりと「出たがり」の印象の強い金正恩第1書記だっただけに、最近の「姿を消した感じ」に違和感を感じたということはあったのかもしれません。

いずれにしても、英語版公式サイトに現在の指導者のことがまったくふれられていないことに関しては、「北朝鮮の専門家も理由がわからない」と自由アジア放送の記事に書かれています。

その自由アジア放送の記事をご紹介します。




지도자 없는 북한의 공식 웹사이트
自由アジア放送 韓国 2012.09.17


北朝鮮の公式ウェブサイトに指導者が掲載されていないのは?


北朝鮮の公式サイトに、金正恩(キム・ジョンウン)労働党第1書記に関する内容が全く記されていないことについての背景に関心が集まっている。

インターネット上で北朝鮮を知らせるウェブサイトは 50サイトあまりあり、これらは、北朝鮮が体制の宣伝と投資の誘致などのために作ったものと、あとは日本の朝鮮総連傘下の機関および、その関係団体が作ったサイトが大部分だ。

こうした中、北朝鮮公式ウェブサイトを標榜する英文サイト( www.korea-dpr.com) は、最近その内容とデザインをリニューアルした。すっきりとした構成と書体、そしてフラッシュなどを多用した動的なページを多く含む洗練された技法を使ったウェブサイトとなっている。。

このウェブサイトは、北朝鮮関連団体 ( Korea Friendship Association ) を組織し、北朝鮮当局の許可と支援を受けたスペイン出身の男性が運営しているところと知られている。

このサイト、冷静に見てみると、おもしろいことに気づく。

それは、今年のはじめに実質的に北朝鮮の指導者の地位にのぼりつめた金正恩労働党第1書記に関しての内容がまったく存在しないのだ。写真1枚すらない。

このような英語サイトは、外国人に向けて北朝鮮の体制を宣伝するために作られているが、そのようなウェブサイトに現在の指導者に関する内容が「まったくない」ということに関して疑問を持つのは当然ともいえる。

北朝鮮に関連するニュースを紹介するコーナーは、今現在も更新が続けられているので、ウェブサイトの運営そのものは正常になされていると見られる。

公式ウェブサイトに現在の指導者が出ていない理由に関しては北朝鮮の専門家たちにもその理由が分からないという。





[金正恩体制下の北朝鮮]に関連した過去記事:

金正恩第一書記 初演説の全内容
2012年04月18日


北朝鮮が攻撃開始3分で目的地を焦土化させるという「特別行動」の正体
2012年04月23日


朝鮮半島有事の際の米軍による在韓米国人の「日本への退避計画」が明らかに
2012年05月21日

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[1年前の In Deep ]
2011年09月20日の記事

最近のカオスな太陽データから考えるいろいろなこと



▲ これは1年前の黒点数の予測ですが、実際には 2012年8月の黒点数はこの予測の半分にも達しませんでした。現在の黒点数はNICT でわかります。


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[2年前の In Deep ]
2010年09月19日の記事

ゴミにまみれたレイサン島:今のままではハワイはゴミに埋もれるという調査結果



▲ ハワイのレイサン島の東海岸。1990年撮影。