2012年09月27日



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「宇宙からやってきたブッダ」の胸に刻まれるマークで思い出すスヴァスティカの歴史



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▲ 1898年に米国のイェール大学の研究により明らかになった、古代遺跡にスヴァスティカ(まんじ)の痕跡が確認されている場所。日本語はこちらで入れています。欧州が圧倒的に多いのは、当時(1800年代)の発掘状況にもよると思います。 Swastikas Found On Ruins Across Ancient Europe より。
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(訳者注) 仏教の伝来に関しての記述を含む最近の記事などを書いた後、どうも記事に「仏教」に対してのマイナス面の感情が漂っているような感じがして気になっていました(私はあらゆる宗教に対しての悪感情もプラス感情もどちらもないです)。

そんな中、昨日、いきなり、私の目の前に「宇宙からきたブッダ」というフレーズが飛び込んできたのでした。

これはSF小説や映画のタイトルではなく、惑星科学の学術誌として世界的な権威のあるもののひとつ『メテオリィティクス・アンド・プラネタリー・サイエンス ( Meteoritics & Planetary Science )』に昨日発表された論文のタイトルなのでした。

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▲ 学術誌『メテオリィティクス・アンド・プラネタリー・サイエンス』の概要が掲載されているページ。正式な論文のタイトルは「宇宙からのブッダ - チンガー隕石で作られた古代の工芸品」のような感じです。英語ですが、こちらで読むことができます。


これは、隕石から作られた 1000年前のものと推測される仏像についての研究発表なのですが、その「仏様の写真」を見た瞬間に「これは!」と思って、昨日ご紹介しようと思っていたのですが、昨日書きましたように、いろいろありまして今日になったのですが、今朝このことが時事通信の報道記事になっていました。

まず、その記事を抜粋してご紹介しておきます。


ナチス発見の仏像、隕石だった=大戦前夜、チベット探検
時事通信 2012.09.27

第2次世界大戦勃発前夜の1938年、秘境だったチベットに足を踏み入れたナチス・ドイツの探検隊が発見した約1000年前の仏像は、宇宙から飛来した隕石(いんせき)を彫刻して制作された極めて異色の作品だったことが分かった。ドイツの調査チームが鑑定結果を26日、学術誌に発表した。

この探検隊は、ナチス親衛隊(SS)長官ハインリヒ・ヒムラーの支援の下で派遣されたもので、「アーリア人の優越」というナチスの人種イデオロギーの裏付けを探るためにチベットに送られた。ヒムラーはアーリア人の起源はチベットにあり、その優越性の証拠が同地で見つかると信じていたとされる。

探検隊が持ち帰った仏像は毘沙門天の座像で、高さ24センチ、重さ10.6キロ「鉄の男」と呼ばれていた。

化学的に分析したところ、約1万5000年前にシベリアとモンゴルの境界付近に落下したチンガー隕石の一部を加工研磨して作られたと断定された。ナチスのシンボルであるかぎ十字とは逆向きの「まんじ」が胸に描かれ、探検隊が興味を持ったと言われている。 



その「隕石で作られた仏像の写真」が下のものです。

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上の時事通信の記事にもありますが、まず胸元に目が行くのではないでしょうか。

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これはスヴァスティカ。すなわち、「まんじ」です。

なぜ、私がこの1000年前の仏像のスヴァスティカに興味を持ったかというと、「スヴァスティカの由来」というものに昨年以来、興味を持っていたということがあります。

ちなみに、私はよく知らないのですが、スヴァスティカ、つまり「まんじ」は仏教での幸福のシンボルとされているもののようで、スヴァスティカが胸に刻まれた仏像はネットで調べるだけでも数多くあるようです。

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▲ スヴァスティカが描かれた世界中の様々な仏像。Google より。


私が In Deep で最初にこの「スヴァスティカ」にふれたのは今年になってからのことです。
それまでは気にしたこともなかったですし、「十字曲がりの右と左」さえもわからなかったです。

それは下の記事です。

米国海軍少将バード提督のすばらしき北極旅行日誌
 In Deep 2012年06月02日

ここでご紹介した、米国の探検家として有名だった海軍少将リチャード・バード提督が 1947年におこなった北極探検を綴ったとされる『北極探検日誌』を読んだ時でした。



▲ リチャード・バード海軍少将(1888年 – 1957年)。米国の歴史的な英雄のひとりです。


その日記は、北極の中心部付近で、バード少将とチームが、「緑色の森や動物」などを目撃して、最終的には、「北極の地下に住む人たちと出会う」までが描かれたちょっとしたSF小説っぽいものなのですが、一応は「小説ではなく事実」として現在まで伝えられているもののようです。

そこに下のようなくだりがあるのです。


バード少将の北極ベースキャンプの飛行日誌 / 1947年2月19日 より

10時30分 私たちはこの緑の丘の上をさらに旋回している。なんと、飛行機の外の気温は 23度を示している! ナビやコンパスは通常に戻った。しかし、困ったことに無線がきかない。従って、ベースキャンプに連絡を取ることができない。

11時30分 眼下は水平な土地のようだが、私たちはそこに「都市」のようなものを見つけた!

そんな馬鹿な!

飛行機のようなものがある。
この都市のような場所での、その飛行機のようなものは、私たちのものと比べて、妙に軽くて浮力があるように見える。

ベースキャンプに報告をしたいが、無線が反応を拒否する。

なんてことだ!

なんて奇妙な飛行機なんだろう。翼は奇妙な形をしていて、そして、ディスクのようなシェイプをして、ボディは輝いている。

その飛行機がものすごいスピードで近づいてきた!

ボディに模様がある。

あれは・・・一種のスワスティカだ。



と、北極の中心部で、1947年時点でのアメリカでは見たことのない形状の飛行機が近づいてきて、その機体に描かれているのが「スヴァスティカ」のようなマークだったということのようです。

上の記事を書いたあと、スヴァスティカについて調べていたところ、米国のジャーナリストであり、歴史作家でもあるリチャード・カッサーロ( Richard Cassaro )という人がご自分の書いた本の内容などについて記しているページを見つけました。

The Ancient Secret of the Swastika & The Hidden History of the White Race
スヴァスティカの古代の秘密と、白人種の隠された歴史

というページです。

大変に長いページで、私もあまり読んでいないのですが、そこに数多くの「過去から現代までのスヴァスティカの刻印のある写真」があります。

これが見ているだけでも大変に興味深いものですので、今回はその写真と簡単にキャプションをつけておきたいと思います。

現実には、「スヴァスティカ」というような背景の大きなシンボルについて、その真実がそう簡単にわかるわけもないと思いますが、その「歴史の真実」というようなことよりも、仮に、バード少将が北極で体験したことが「夢」ではなかったとした場合、そこで見た「地下の人類たち」と古代などの地上では、スヴァスティカを共有しているということになり、そういう部分が興味深かったです。

ちなみに、このスヴァスティカ。

ご存じのように、ナチスを連想させるために、現在では苦しい立場にあり、 ハーケンクロイツ - Wikipedia では下のように記載されています。


欧米では左右の違いにかかわらず「卍」も「卐」も公共の場での掲示、使用を法律で禁止している国が多い。



ということです。


では、ここから「スヴァスティカの古代の秘密と白人種の隠された歴史」にある写真をいくつかご紹介いたします。




歴史の中のスヴァスティカ

ヨーロッパ

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▲ 紀元前8世紀のものとされる古代ギリシャの金盤。



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▲ クレタ島ミノア文明(紀元前3500年 - 紀元前1100年頃)の陶器。



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▲ アテネ国立考古学博物館所蔵のクレタ島の陶器。



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▲ スヴァスティカが描かれた紀元前 700年の工芸品。



インド

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▲ インドの古代楽器に刻まれたスヴァスティカの紋様。



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▲インドのヒンズー寺院。



アジア

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▲ スヴァスティカが描かれた台座に座るダライ・ラマ14世。



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▲ スヴァスティカが描かれた日本の寺院。



アメリカでのスヴァスティカの復活

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▲ カナダのエドモントン・アイスホッケーチームのユニフォーム。1916年。



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▲ サンフランシスコのバスケットボール・チームのユニフォーム。1908年。



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▲ スヴァスティカ模様のファッションに身を包んだアメリカの女優、クララ・ボウ。



12-ame.jpg

▲ 第一次大戦中のアメリカ陸軍第45師団の発刊物。





(訳者注) ここまでです。この関連記事などはおりにふれてご紹介したいと思っています。

ヨーロッパの歴史も、スヴァスティカを中心にして考えてみれば、「スヴァスティカが出現してから禁止される現代までの数千年」の歴史ということも言えそうです。

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[地球の内部]に関連した過去記事:

[地球の内なる太陽] Vol.0 - 過去の知識から学ぶべき本質的なこととは何か?
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17世紀の科学書「地下世界」に描かれる地球の内部
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▲ 17世紀の科学者、アタナシウス・キルヒャーの著作『地下世界』のイラストより。


米国海軍少将バード提督のすばらしき北極旅行日誌
2012年06月02日

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▲ NASAのスピッツァー宇宙望遠鏡が発見した土星の周囲にある地球 10 億個分に相当する超巨大なリング。