2012年11月07日



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来ているのは「宇宙人」じゃない: 世界各地から届く「考えられないほどの悪天候」の報道を見て



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▲ 11月5日のオーストラリアの落雷の様子。この日、オーストラリア南部では一昼夜で 17万3,000回の落雷が記録されました。オーストラリアのヘラルド・サンより。
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(訳者注) 以前、下の記事で映画監督のスティーブン・スピルバーグ監督がディスクレシアという文字の読み書きに困難を伴う学習障害であることを公表したということについてふれたことがありました。

「 DNA は永遠不滅ではなかった」: 研究により DNA の分子は 680万年程度で消滅することが判明
 2012年10月13日


今回のメインの話は最近の自然災害の話ですが、彼の映画の光景を思い出して、少し関連して思ったことがありましたので、記します。



スピルバーグ監督の「右脳」の中のカイロス時間

上の「スピルバーグ監督とアキヤマくんのそれぞれの人生」というところで、朝日新聞の記事にふれています。

その中に、


スピルバーグ氏が公表したのは、読み書きが困難になる「ディスレクシア」と呼ばれる障害。5年前に初めて診断され、「自分についての大きな謎が解けた」という。

小学生の時は読み書きのレベルが同級生より2年遅れ、「3年生のころは、クラスの前で読むことを求められるのがいやで、とにかく学校へ行きたくなかった」「先生も心配してくれたが、学習障害についての知識もない時代で、十分に勉強していないと思われた」と打ち明けた。今でも、本や脚本を読むのに、多くの人の倍近く時間がかかるという。



というのを読んで、子どもの頃から見ていたスピルバーグ監督の作品に対しての「大きな疑問」が解けた感じがしました。

映画「ジョーズ」を見たのは小学6年生の時でしたが、その後、「ET」くらいまでそれなりに見ていました。そして、こういう書き方は世界的な監督に対して失礼なのですが、スピルバーグ監督の映画を見るたびに「こんなに迫力のある映像を作ることができるのに、どうして脚本は・・・?」と感じていました。

人間の感情をあらわす「言葉の表現」がどうも幼いのです。
特に「プライベート・ライアン」あたりでそれは決定的に思えました。

しかし、その脚本上のそれらの問題は「文字」ではなく、映像で十分に表現できた。それによって、私を含めた世界中の人々に「映画と映像のすばらしさ」を教えてくれたのもスピルバーグ監督でした。

これはやはり、監督がディスレクシアだったからだと思います。

そして、その「文字表現の理解がしにくい」ことが「マイナス」の方向に進んだのではなく、「右脳の驚異的な開花」という方向に結びついたのだと感じます。

頭の中の映像を文字に頼らず、「光景を光景」として作り出す真実の作業。


そしてスピルバーグ監督の中で芽生えたイメージが「右脳」がメインのものであるのならば、俗説としてですが、「右脳は常に人類の共通の潜在意識と強く繋がっている」、あるいは、「宇宙の共通意識と繋がっている」とさえ考えられていますので、スピルバーグ監督の映像にはストーリーとは別に、その「光景そのもの」に「世界の過去や未来の姿」がよく現れているような気がします。


ところで、下の写真は先日の記事「地球の環境の変動の現実に「気づき」始める世界中のひとびと」に載せた、米国のハリケーン・サンディの通過後のニューヨーク近郊の街の様子です。





そして、下の写真はその中で悲嘆する人々です。


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・・・と書いても疑われないような連続性を感じますが、実は下のほうの写真はスピルバーグ監督の 2005年の映画『宇宙戦争』の中のワンシーンなんです。

上のほうの写真は本当のサンディ通過後の写真です。




大阪ショックは永遠に

思えば、私が3年前にスピルバーグ監督の「宇宙戦争」を見て「大阪ショック」というものを受けたのもそこに広がる「映像イメージ」の問題とも関係していたのかもしれません。

大阪ショックと書いても何のことだかおわかりにならないでしょうが、以前のブログの「大阪人はいかにして最強の宇宙兵器を倒したのか」という記事に書かれています。

ちなみに、この映画を見た翌日から、私は1年半、「肉を噛むことができなく」なりました。そのくらいの間、肉を食べられなかったことになります。

理由はわかりません。

今は大丈夫ですが。


さて、今回はタイトルの通り、今現在、世界中で荒れ狂う天候について、いくつかの報道をまとめてご紹介します。記事の一番上の写真は一昨日から昨日までのオーストラリアを襲った落雷ですが、その落雷の数は、なんと「一日で 170,000回以上」。

以前、「人々が「神の怒り」と口にしたほどのオーストラリアの悪天候」という、やはりオーストラリアの落雷の記事をご紹介したことがあります。

今年1月の出来事で、下の写真はその時のものです。





その際に、停電などの被害を受けた世帯は2万世帯だったんですが、今回は8万世帯以上が被害を受けたようで、その時を上回ったようです。


そして、下の写真は急激な天候の変化を怖れて空を見つめるオーストラリアの住人たち。

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・・・と書いても疑われないような連続性を感じますが、この写真もスピルバーグ監督の『宇宙戦争』の中の冒頭に近いシーンです(もうやめろって)。



スピルバーグ版『宇宙戦争』では、世界中が急激な強風と落雷に各地で見舞われる場面から始まります。

映画ではその落雷に乗って「火星からの侵略者がやってくる」のでした。

しかし、今起きている「現実」では宇宙人は落雷に乗っていません
誰も乗っていません。

そこにあるのは「自然現象」です。

宇宙人はもはや来ない。
私たちが対峙しているのは「宇宙の中の地球の自然現象」そのものです。


でも、その「結果としての様相」だけはディスクレシアのスピルバーグ監督が存分に映像の中で見せてくれている気がしたのです。現代の社会システムの「未来の姿」が「宇宙戦争」に現されている気がしました。



というわけで、オーストラリアの落雷の記事を含めて、各地の「激しい天候」についていくつかご紹介します。

ここからです。





次第に暴力性を増す自然


まず、「秋の大雪」の報道からです。

先日の米国のハリケーン・サンディでは雪が降った場所も多かったのですが、その米国は他の多くの地域で大雪が降り、また、日本人観光客が万里の長城ツアーで亡くなった中国でも、北京を中心にいまだに記録的な大雪が続いています。

そして、フランス、イギリス、ポーランド、スイス、ドイツ、チェコなどヨーロッパ各地で大雪が降り、スロヴェニアでは現在、国のほぼ全域が洪水に見舞われています。

大雪に関しては、何が問題かというと、もうこれは「時期的に早すぎる」ということに尽きるのですが、米国にしても中国にしても、しばらく大雪が続く地方があるとされています。

主な報道の概略を記します。


中国(大雪)

中国・北京市周辺で61年ぶりの大雪、警報レベルを引き上げ
ウォールストリート・ジャーナル 2012.11.06

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中国・北京市周辺は先週末、61年ぶりとなる記録的な大雪に見舞われた。中国北部を中心に暴風雪があと数日続くとみられることから、大雪警報は2番目に高いレベルへ引き上げられた。市内などでは人々が雪かきに追われたほか、トンネルに避難する人々もいた。

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イギリス(寒波と大雪)

イングランド南部で大雪による洪水警報が発令される
Daily Mail 2012.11.04

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▲真っ白く雪に染まったドーセット州のシェボーン修道院。


カレンダーを見ると「11月」と書かれてある。なのに、この大雪。

11月3日、英国の東北から西部は大雪に見舞われた。一部では、積雪が18センチに達した。この予想外の大雪による道路の凍結で自動車が立ち往生する光景が各地で見られた。バスや電車は一部で運行が停止された。

いっぽうでは、「こんなに早く美しい雪が見られるなんて」と喜ぶ人たちもいたが、英国の環境省は、ふたつの地区に洪水警報を発令し、28の地区に洪水注意報を発令した。

なお、気温も大変に下がっていて、ノーサンバーランドでは氷点下 4.3度まで下がり、アバディーンでは氷点下 5.6度まで急激に気温が下がった。ちなみに、平年の11月5日の気温は、日中は 13度だ。

2010年の11月5日には 18.4度を記録し、非常に暖かい秋だったが、今年はそれより20度低い11月の始まりとなった。

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米国(大雪)

今週の天候は、強風と豪雨。そして・・・雪?
WPRI (米国) 2012.11.06

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▲11月10日までの週の積雪に関しての天気予報。緑の地域で大体、十数センチの積雪。


サンディの後遺症が残る中で心苦しいが、はっきりと天気予測を言わなければならない。今週、サンディの被災地域を含めた広い地域で悪天候に見舞われる可能性がある。そして、雪に見舞われると予測されている。10月7日に最初の積雪が予測されている。

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フランス(大雪)

フランスで「10月の猛吹雪」の中、二名が行方不明に
テレグラフ(英国) 2012.10.28

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▲ 除雪をするイゼールの住民。


イゼールの東部地域の人々は、その日、大雪と停電で目が覚めた。

フランスの地元メディアは、フランス南部で 50,000世帯が大雪のために停電となっていると報じた。そして、この地域では最高時速120キロの強風が吹いた。

これは過去10年で最悪のストームだという。この悪天候の中、12歳のイギリス人の少年を含む二名が行方不明となっている。

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ここまでは大雪の報道で、あとはスロヴェニアの洪水とオーストラリアの落雷のニュースです。


スロヴェニア(洪水)

スロヴェニア 洪水の結果 数百棟が浸水
VOR(ロシア) 2012.11.07

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11月4日から数日間続いている豪雨の結果、スロヴェニアのほとんどの地域で洪水が発生している。スロヴェニア環境省の報道官が明らかにした。

全国で、すでに数百棟が浸水し、大型河川のすべては危険な状態となっている。

犠牲者についての情報は今のところ入っていない。

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オーストラリア(落雷)

オーストラリア南部での嵐は 17万3,000回の落雷を放ち、80,000世帯が停電となった
ヘラルド・サン (オーストラリア) 2012.11.07

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昨日の午後10時までの 24時間の間に、オーストラリア南部では 173,000回の落雷に見舞われ、80,000世帯が停電した。今朝の段階で 6,000世帯の電力が回復していない。

また、電力網全体に大規模な被害が及んでいるという。

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と、このあたりで次第に疲れてきましたので、今回はここまでとしておきますが、どれも比較的、「暴力的な自然現象」という感じを受けるのではないでしょうか。


実際、10月の終わりらから11月でこれでは、今年の冬はどうなっちゃうのかなあと思います。たとえば、私の実家は北海道の岩見沢という町ですが、昨年の時点でも「過去最高の大雪」によって、家が次々と倒れていきました。

今年の1月の記事、

岩見沢の大雪。そして、サハラ砂漠の雪
 2012年01月20日

に書いたのですが、実家の周囲も何軒か屋根が崩れ落ち、大変だったようです。


そういえば、北海道といえば、昨日、下のようなニュースが。




前見えない…“アブラムシ”大発生 北海道
北海道読売テレビ 2012.11.06

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北海道・小樽市で、アブラムシの一種とみられる小さな虫が大発生し、住民を困らせている。

「前が見えない。雨が降る前に飛んでいるのでは」「戸を開けられないくらい。みんな驚いている」−虫が大量に発生しているのは小樽市忍路の周辺で、羽がついた小さな虫が空中に舞い、町を覆っている。小樽市によると、先週から市内各所で虫が大発生し、市民からの通報が相次いでいる。

大発生しているのはアブラムシの一種とみられていて、これほどの大発生は例がないという。大発生の原因はわかっていないが、小樽市は約1週間で収まるのではないかとみている。




上の男性が鼻と口を押さえているのは、虫が口から大量に入ってくるからのようです。
これはこれでかなりの修羅場のように見えます。

ちなみに、北海道でアブラムシと呼ばれるのは、一般的に「雪虫」という羽虫のことで、本州などでのアブラムシとは意味が違います。こちらのページにある、


雪虫は、アブラムシの一種であるトドノネオオワタムシやケヤキフシアブラムシの通称。代表的なトドノネオオワタムシは、夏はトドマツの根に生息。気温が下がる10月に羽を持つ世代が生まれ、子どもを産むため空中を飛んでヤチダモに移動する。雪虫の名の由来は、羽の付け根が白く、多数が飛ぶと雪が舞うように見えるため。



のことで、写真では下のような真っ白なわりと「きれいな」虫です。

yukimusi.jpg

▲ 北海道で冬の到来を告げる雪虫。


北海道では、この雪虫は確かに雪が降る少し前に大量に飛びます。
それを見ると、子どもだった私たちも「ああ、冬なんだなあ」と思ったものです。
東京に来てからは見ないので、あるいは北国固有のものかもしれません。

しかし、今回の上の映像報道に映された虫は、これではなく下のものでした。

kuro-mushi.jpg


こんな虫は知らないぞ!
見たこともないです。
これじゃ、雪虫じゃなくて、「黒虫」だ。

白から黒へ・・・。
北海道で何が起きてる?

そして、この冬はどんな冬になるのですかね。