▲ 2011年に NASA のフェルミ線望遠鏡の観測により明らかとなった天の川銀河の中心の構造。中心から巨大なエネルギー(X線とガンマ線など)の泡が周辺宇宙に広がっています。記事「私たちの銀河系の中心から噴出する「強大なエネルギー」の存在を NASA が発表」より。
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(訳者注) マヤ文明などが話題になっていた時に、「フナブ・クー」という単語を知ったことがあります。
概念は曖昧なものですが、 Wikipedia には下のようにあります。
フナブ・クー
マヤ神話において至高の創造神。
その名は「唯一なる神」を意味する。
自然の力、または運命や偶然といったもの全てを表し、そのため無形とされている。
というのが一般的に伝えられる概念ですが、いっぽうで、古代マヤ族は、「天の川銀河の中心をフナブクーと呼んでいた」という説も存在します。最近あまり名前を見かけなくなれましたが、マヤ暦を研究しているスウェーデンの カール・コールマン博士は、下のような説を持っていました。
ヤスの備忘録「マヤカレンダー(8)」より。
古代マヤでは、銀河中心はフナブ・クー(Hunab Ku)とよばれていた。フナブ・クーは、数あるマヤの神々の中の最高神である。それは地球や太陽を含むさまざまな惑星を形成したいわば「母の子宮」としての宇宙神であるのみならず、意識進化のパルスを送っている大本にあるものだとも考えた。
(中心)
これをマヤ人は、フナブ・クー(銀河中心)から発せられる光やパルスとしてとらえていたのではないかという。マヤ人は銀河中心が存在することを明らかに知っていた。フナブ・クーとしての銀河中心から発せられる光やパルスは地上の世界樹によって受信される。それがマヤカレンダーを回転させるケツァルコアトルの真の姿だ、ということだ。
上は「宇宙樹という概念について書かれてあるものですが、宇宙樹というのが何かというのは私にはうまく説明できませんので、ちょっと抜粋としてわかりにくいかと思われるのですが、要するに「古代マヤ人は、銀河中心から発せられる光や信号を「最高神(フナブクー)」だと考えていたのではないかと」というようなことだと思います。
In Deep の過去記事の中に、
・私たちの銀河系の中心から噴出する「強大なエネルギー」の存在を NASA が発表
2011年10月12日
というものがあります。
これは、
NASA の天文学者たちは、銀河の中心を軸として南北に 25,000光年の広さで広がる2つのガンマ線放出の巨大な丸い構造を認めた。
というもので、「銀河の中心」からの非常に大きなエネルギーが、銀河中心から周辺宇宙に発せられていることは事実のようです。
上の記事では放射線の一種であるX線やガンマ線というものが放出されているという記事だったのですが、今回ご紹介するのは、「フレア」です。フレアというのは、太陽フレアが「太陽の表面での爆発現象」という意味から、同じような「爆発的な光の現象」だと言えると思います。
ただし、その光の正体が何なのかはわかりません。
今回、観測されたエネルギーの大きさは、「太陽からのエネルギーの 400万倍」ということで、まあ、ちょっと規模がよくわからないですが、いずれにしても、銀河の中心付近からは相当なエネルギーが噴出して周辺宇宙へと影響を与えているようで、もしかすると、今回の「銀河中心のフレア」などは特に規模の大きなものだったかしもれません。
ちなみに、仮に銀河中心の光が地球に何らかの影響を及ぼすのならという前提ですが、「その光が地球で観測されている」ということは、基本的には、すでに地球は銀河中心のそのフレアの影響下にあるのだと思います。
まあ、太陽フレアでさえ、地球に対しての影響の完全な部分はほとんどわかっていないわけですので、どれだけ巨大なエネルギーであっても、その影響というものが、「本当にあるのか、それともないのか」ということまで含めて、何もかもわからないままというのが現状だと思います。
では、ここから記事です。
実際の記事は途中から、このフレアの発生原因の科学的「推測」が延々と続きますので、そのあたりは割愛しています。
Huge Flare From Giant Black Hole In Milky Way Center
Ideas, Inventions And Innovations 2012.11.07
天の川銀河の中央にあるブラックホールから巨大フレアがやってくる
研究者たちは、これまでに最も明るいフレア(爆発的な光)が私たちの銀河系のブラックホールで観測されたことを発表した。
このブラックホールから放たれたことが観測されたフレアのエネルギーの規模・・・。
これは、私たちの太陽からのエネルギーと比較してみると、わかりやすいかもしれない。
それは、ざっと太陽のエネルギーの「400万倍」だ。
NASAのX線宇宙望遠鏡「チャンドラ」によって確認されることは、このブラックホールの位置は私たちの天の川銀河の中心近くに位置しているということだ。
撮影されたそのフレアは下の写真の中央付近の明るい点のように見えるものだ。
しかし、専門家たちによると、この銀河の中央付近のブラックホールからは、毎日のように小さな爆発現象などの動きがあるという。このようなフレアがどうして発生するのかはわかっていない。
科学者たちはこの周期的な爆発について、ブラックホールがどのような進化していくかということの理解のために研究を続けている。