2012年11月28日



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2012年の「赤」の意味: DNA を持たずに増殖する「赤い雨から採取された細胞」とつながる人間の赤血球



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▲ 11月26日、真っ赤に染まったオーストラリアのビーチリゾート「ボンダイビーチ」。原因は「藻」と考えられています。Daily Mail より。
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地球が赤く染まる時

赤いシリーズ」というのは、私が中学生頃だった 1970年代に、山口百恵さんなどが主演だったドラマシリーズの総称ですが(見たことはないんですが)、私のこのブログにも「赤いシリーズ」というテーマが連綿として続いています。下のような記事です。




などは「様々なものが赤く変色した現象」を取り上げた記事です。


自然現象の中での「赤に変色する」というシーンは、多くの神話や伝説、そして聖書などの聖典に描かれています。そこには、神秘的な意味合いもあるのでしょうが、それ以上に、「赤色への変色は人に強い記憶と印象を植え付ける」ということはあると思います。だから、様々な伝説としても残りやすい。

どうして人間が「赤色に反応」するのかというと、それは赤は血の色だからという理由がひとつあると思います。

上のリンクにもあります「赤の意味: 再び現れた赤い海と赤い雨」という記事を書いている中で、私は、この「血が赤いということ」について興味を持ちました。

その興味の方向性は2点で、

・血の赤は「鉄」であるということ

・そして、血を赤くする赤血球は人体で「 DNA を持たない部位」であること


ということでした。

多分、赤い血を持たなければ(赤血球がなければ)、私たち人間は生きられないと思います。その人間を支えている根幹には「 DNA がない」という事実に、何となく興味を覚えたのです。

とはいえ、今回はこのことが本題ではないですので、上のそれぞれについては、そのことを説明している部分などから簡単に抜粋しておきます。




血の赤は「鉄」であるということ リンクより)

人間の血液が赤いのは、呼吸色素のヘモグロビンが赤いからです。
ヘモグロビンは鉄イオンと錯体を形成しています。

赤いのはこの鉄の色です。

動脈血は鉄イオンが酸素と結合しているため鮮赤色(鮮やかな赤色)をしていて、静脈血は酸素と結合していないので暗赤色(暗い赤色)をしています。

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赤血球は DNA を持たない リンクより)

真核生物の DNA は、細胞核とミトコンドリアと葉緑体に含まれています。

ヒトを含め哺乳類の赤血球は、成熟の途中で細胞核とミトコンドリア等の細胞器官を失っているので、正常ではない場合を除くと、 DNA を持っていません。







そして、「赤は血の色だから」という理由以外にも、人間が「赤」に引き付けられる理由のようなものとして、「赤色が人間の目に見える光の限界だから」ということもあるかもしれません。

「赤外線」という言葉がある通り、可視光線(目に見える光線)で最も波長の長いのが「赤」であり、赤の波長を越えると人間にその光は見えません(光の信号として伝達されない)。人間は「赤」までしか目には見えません

下の図などはわかりやすいかと思います。

ir-red.png

光の届き方と信号の色より。


赤の「外」だから赤外線。赤の反対は「紫色」ですが、紫の「外」だから紫外線。

赤外線も紫外線もどちらも人間の目に見えませんが、この「赤」と「紫」が両極の目に見える限界というか、最大値だということになります。

そして、上の図をみると、実際には人間はそれほど多彩に光を見ているわけではないこともわかります。この世には様々な色がありますが、上のどこかに収まる色が少しずつズレている中で、多彩な、あるいは無数な自然の色なども生み出されます。

しかし、それでも「赤」まで。
赤が、見える中で「最大の色」(変な表現ですが)と言えます。

それが私たち自身の血の色でもあるということで、このあたりのつながりに興味を持つことに、それほど違和感がないということをご理解いただければ嬉しいです。

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2012年に多発する「赤色現象」の原因

前振りが長くなりましたが、今回の記事の一番上に載せたのは、数日前にオーストラリアのビーチの水が真っ赤になったという報道の写真です。

海岸はこのような感じです。

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そして、今年はこのような「赤くなる現象」というものがとても多く、10月から11月には「赤い雨」が各地で降りました。 10月には英国、デンマーク、スウェーデンなどで、 11月にはスリランカでも赤い雨が降りました。


sweden-red-rain.jpg

▲ スウェーデンの報道。タイトルは「アフリカの血の雨がスウェーデンに向かっている」。紀元前8世紀のホメロスの時代にも降った「血の雨」がスウェーデンにやってきたより。


スウェーデンでの赤い雨の原因は、「サハラ砂漠の砂が運ばれて雨と混じったのではないか」という推定となっています。ただ、実際にはやはり「よくわからない」ようです。




古代からある赤い雨と、様々に降るもの

上のスウェーデンでの赤い雨について、10月21日の「ロシアの声」には以下の記載があります。スウェーデンでは、紀元前から「赤い雨についての記述があるということに関してのものです。


スウェーデンに「血の雨」が迫る( VOR 2012.10.21 )」より抜粋。

スウェーデンでは以前、5年に1度の間隔で「血の雨」が降っていた。最初にこの現象について触れているのは、最古期の古代ギリシア詩作品でもあるホメロス(紀元前8世紀)の「イーリアス」だ。

スウェーデンの人々は 17世紀にいたるまで、実際に雨と一緒に空から血が降り注いでいると考えており、この現象は災いの前兆だと考えていた。



ここに「17世紀まで、実際に雨と一緒に空から血が降り注いでいると考えていた」とあります。

紀元前からヨーロッパで長く続いた「赤い雨」の原因がすべて一様に同じかどうかはわからないですが、他の地域でも、「実際の血のようなものが降った」という現象の報告は多く、近代では記録としても残っています。

いわゆる、ファフロツキーズ(空からの落下物)という、空からいろいろなものが降る現象として取り上げられることが多いです。

ファフロツキーズの身近な話としては、2009年 6月に、日本の各地で「オタマジャクシが空から降ってきた」という報道があったのはご記憶にあるのではないでしょうか。

これは下のように当時、海外の新聞にまで興味本位で報道されたものです。

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▲ 2009年6月の米国のサンフランシスコ・クロニクル紙。Mightiest weapon in History! Tokyo Admits Heany Damage! より。「日本がオタマジャクシに見舞われる。日本の歴史上で最強の攻撃! 東京でも被害が確認される」と、やや大げさな見出し(笑)が出ています。


このオタマジャクシ騒動、私は1カ所での話かと思っていたのですが、調べ直してみると、2009年6月に10カ所以上で報じられていたようです。下は、「オタマジャクシ騒動 - 報道状況」の図ですが、各々の記事は、リンク先の Wikipedia からご確認下さい。

otama-1.png


昔からある「異物が降る」ことに関して、もっとも不思議なことは「1種類が降る」ということでした。

たとえば、嵐や竜巻が原因なら、「同じ質量と大きさのものは、無差別に同時に降る」はずで、たとえば、上のオタマジャクシ騒動なら、「オタマジャクシと同じような質量を持つ、木や石や他の動物も同時に降らなければならない」のですが、オタマジャクシだけが降る。

そのような中、オタマジャクシと同様の現象の中に「血の雨」も記録としては残っています。






記録の中の「血の雨」

下は、米国のアバウト・ドットコムというサイトの「奇妙な雨」というページの中の「血と肉の雨」の部分を訳したものです。



Weird, Weird Rainより

記録に残る肉と血の雨

history-of-red-rain.jpg

1841年8月
米テネシー州のタバコ農園で、血液、そして肉と脂肪が空から降ってきたことが確認された。血の雨の直撃を受けた農園労働者たちによると、最初、大きな音が聞こえたかと思うと、突然、血の固まりが空から落下するのを目撃したという。「上空にあった赤い雲から落ちてきたように見えた」と語っている。


1869年
米カリフォルニア州ロス・ニエトス郡にある農場で、約3分間にわたり、猛烈な血液と肉、そして、髪の毛の雨が降り注いだ。それらは数エーカーに渡って土地を覆い尽くした。髪の毛の中の一部には6センチの長さのものもあった。なお、その日はよく晴れており、雲もなかったという。


1890年
イタリア・カラブリア地方で真っ赤な血の雨が降った。血は、強風によって体を引き裂かれた鳥のものではないかと推測されたが、当時、そうした風は発生していなかった。また、血以外に鳥の体の部分などが降る事もなく、血だけが降った。


1968年8月27日
ブラジル・カカパヴァ地区の1キロメートルにわたるエリアで、約5分間に渡って、空から血と生肉が降り注いだ。






さて、今回はいろいろと書きましたが、ここからようやく本題に近づきます。





チャンドラ・ウィクラマシンゲ博士のこと

少し前の記事の、

「狂った太陽」: かつて見たことのない巨大な太陽面の爆発が発生
 2012年11月18日

の最後のほうに、11月の中旬に「スリランカで降った赤い雨」についてふれました。

最近、そのことについて、英国の「バッキンガム大学 宇宙生物学研究センター」の責任者であるチャンドラ・ウィクラマシンゲ博士にインタビューをしていた記事をスリランカの報道で見つけたのです。

それをご紹介したいと思います。

実は、私が「バンスペルミア(宇宙が生命を拡散させている)」という学説を知ったのも、あるいは、何度も出てくるフレッド・ホイル博士のことを知ったのも、このウィクラマシンゲ博士という人の存在のお陰なのです。お陰というか、3年くらい前に、このウィクラマシンゲ博士の記事を読んだのがキッカケでした。

Chandra-Wickramasinghe.jpg

▲ 最近のチャンドラ・ウィクラマシンゲ博士( Chandra Wickramasinghe )。


ウィクラマシンゲ博士は、かつて英国カーディフ大学で、まさに「フレッド・ホイル博士の片腕」として、天体観測を続けた人で、特に、ウィクラマシンゲ博士のハレー彗星の観測記録がなければ、バンスペルミア説の発展もなかったと思います。

下のグラフは、ウィクラマシンゲ博士が 1986年にアングロ・オーストラリアン望遠鏡で観測したハレー彗星の赤外線吸収スペクトルというものの図です。



▲ 過去記事「2013年の巨大彗星アイソンのこと。そして宇宙から地球に降り続ける生命のこと」より。


上の観測により、「ハレー彗星と地球の大腸菌の成分が一致した」のでした。

もう一度書きますが、ハレー彗星と成分が一致したのは「大腸菌」です。
特別なものではありません。地球のそのあたりにいくらでもいるものです。

それから、25年以上が経過しましたが、この分析結果を含めて、フレッド・ホイル博士とチャンドラ・ウィクラマシンゲ博士の「生命の起源への執念」は少しずつ科学の世界でメインストリームともなりつつあります。

それを後押ししたのは、ホイル博士の死後、進んだ宇宙観測技術によるところも大きいです。


スリランカの「赤い雨」のニュースはスリランカのメディアのものですが、ウィクラマシンゲ博士がコメントを求められたのは、ウィクラマシンゲ博士がスリランカ出身であることも関係あると思います。


なお、非常に注目すべきことは、下の記事にある、「赤い雨」から採取された細胞には「 DNA がなかった」という点です。上のほうに書きました人間の赤血球の下りを思い起こしていただけると幸いです。

それでは、ここからです。




Sri Lanka Red Rain is having a cosmic connection..
Sinhalaya News(スリランカ) 2012.11.18

スリランカの赤い雨が「宇宙」と関係している?


Chandra-Wickspurpleshirt.jpg

▲ バッキンガム大学宇宙生物学研究センターのチャンドラ・ウィクラマシンゲ博士。パンスペルミア説という学説の提唱者のひとりだ。
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2012年11月にスリランカに降った赤い雨に関して、英国バッキンガム大学の宇宙生物学研究センターのディレクターであるチャンドラ・ウィクラマシンゲ博士は、「間違いなく宇宙との接点を持つ」と述べた。

チャンドラ・ウィクラマシンゲ博士とは、メールでのインタビューを行った。

それによると、今回の2001年と2009年にインドのケララ州で今回のスリランカのものと同様の赤い雨が降ったことがあるが、今回のものは 2009年の雨と似ているという。

チャンドラ博士は、ケララ州での雨をチームで5年以上研究している。

赤い雨の原因については諸説述べられてきており、藻や、あるいは砂やチリなどによるものという意見も多い。しかし、チャンドラ博士の研究はそれらが原因ではないことを示唆する。インド当局による調査でも、ケララの雨が藻や植物であることを否定する調査結果が出ている。





▲ 2001年にケララ州に降った雨から採取された細胞の電子顕微鏡での写真。


また、チャンドラ博士の研究チームは、ケララ州で赤い雨から採取した細胞が 121度の温度下でも繁殖することを明らかにしたことでも注目を集めた。

そして、ケララ州の赤い雨から採取された細胞からは DNA を検出することができなかったと、研究チームは言う。そして、 DNA を持たないこの生命は、121度という非常に高い温度下で繁殖することが確認されたのだ。

ウィクラマシンゲ博士は次のように言う。

「ここには、いまだに知られていない未知の微生物の存在があると思われます。ケララ州での赤い雨の際には、その直前に大きな爆発音が聞こえていることから、彗星の破片が大気中で爆発し、そこから放たれた赤い細胞が雨に組み込まれ地上に降ったと考えています。そして、この細胞は他の宇宙の生命です」。

チャンドラ・ウィクラマシンゲ博士は「パンスペルミア説」という、彗星によって宇宙全体に生命が拡散されているという説の提唱者のひとりでもある。






(訳者注) インドのケララ州での 2001年の赤い雨についての研究は過去記事にありますので、リンクしておきます。

フレッド・ホイルさんの霊に捧げる:インドに降った赤い雨の中の細胞が 121度の温度の下で繁殖し、銀河にある光と同じ光線スペクトルを発した
 2010年09月07日

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