2012年12月03日



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NASA のゴタゴタの中で 1972年にアポロ 16号が持ち帰った「頭蓋骨みたいな月のガラス球」を思い出す



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▲ 1972年にアポロ16号のクルーにより月の土壌の中からドリル採掘により採取された石。材質はほぼガラス。NASA の月の採取物に関しての公文書より。
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キュリオシティの2度目の火星の土壌分析の中で、何が見つかり、何が見つからなかったのか


先日の記事「インド軍が対峙するものは何か?: 印中国境の UFO 目撃地帯は「北緯 33度線上」だった」の冒頭で、 NASA が無人火星探査機キュリオシティの火星での発見についての「噂」を否定したということをご紹介しました。

その時には報道ベースの事実関係だけを記したのですが、実際に火星で働いているのはキュリオシティで、そのキュリオシティの「ミッションの進行」と照らし合わせると、単なる推測ですが、「 NASA の内部で何らかの意見の食い違いが起きている」ということも考えられます。

意見の食い違いというか、かつての無人探査機バイキングの時と同じような「ひとつの結論が導き出せない」というような意味です。

NASA は、 11月24日頃に「歴史的な発見」というニュアンスを漂わせた後、11月29日に「そんなのは誤解ですよ」と意見を翻したのですが、 11月くらいに行われていたキュリオシティの検査プロジェクトでは、リリースされた写真を見る限り、火星の土壌の調査、あるいは「再調査」がおこなわれていた頃だったようです。

mars-11-11.jpg

NASA の検査状況報告ページより。


この「火星の土壌調査」なんですが、実はキュリオシティが火星に到着して以来、その写真で土壌についてはいろいろと考えさせられるところは多かった部分もあるものでした。

火星での土壌調査には大ざっぱに、

・地表を写真撮影して、そののデータを送信する

・SAM と呼ばれる火星サンプル分析装置(Sample Analysis at Mars )による分析


にわかれるようです。

SAM は、採取した土を、キュリオシティに搭載されている皿みたいなものに載せてそこで分析するもののようです。仕組みはよく知らないですが、キュリオシティの写真にはこの「 SAM の皿」がよく映り込んでいます。

sam-sara-001.jpg

▲ キュリオシティの火星サンプル分析装置「 SAM 」による土壌分析。


そして、キュリオシティが火星の砂を掘ったりするたびに、驚くべき・・・というほどのことではないかもしれないですが、想像外の光景に出くわします。

下はそれぞれキュリオシティが送信してきた火星の土壌の写真です。

写真につけた番号は NASA がすべての火星の無人探査写真につけている管理ナンバーで、これで実物を検索することができますので、すべてにつけておきます。



キュリオシティが調査した火星の土の写真


写真番号 0073MH0086001000C0_DXXX

orange.jpg




写真番号 CR0_405467824EDR_F0050104CCAM01089M

but.jpg




写真番号 0074ML0501000000E1_DXXX

(注)キュリオシティが砂を掘ったあと表面の下は青くなっていることがわかります。少なくともこの部分は、砂の表面とそのすぐ下の土壌の組成が違うということのよう。

blue-001.jpg




写真番号 0069MH0080001000E1_DXXX

red.jpg




写真番号 0065MH0039003000E1_DXXX


white-001.jpg




など、NASA の言う「有機物の何もない火星」というには、赤から青からオレンジまで実に様々な「色」が土壌としてそこにあることがわかります。

地球の場合、「自然の中の色」というものの多くがどのようにして生じるものかというと、一概には言えないものの、最も大きな理由は、有機物や微生物など生命によるものが多いと思われます。無機物だけでも多彩な色が作られるものなのかもしれないですけれど、「無機物だけの世界」でどのくらいの色というものが存在し得るのかは、私にはその知識はないですのでわからないのです。


いずれにしても、この「土壌の検査」をキュリオシティは繰り返しおこなっていて、その見解についての何らかのゴタゴタは NASA に存在していると思います。

それは、過去記事の、


NASA の火星無人探査計画が無駄な理由: 1976年にバイキングがおこなった火星地表の質量分析から 36年経って進化しない観念
 2012年08月12日


に、「1976年の NASA の無人火星探査機バイキングの実験」についてのことを書きましたが、詳細は上をご参照いただくとして、当時、


・LR実験という実験では有機物があることを示した

・GC・MS実験という実験では有機物が存在しないことを示した


ということになり、当時の NASA では統一した結果は出なかったようです。


その後、10年間研究は続けられて、バイキング計画の研究員だったG・V・レヴィン博士と、P・A・ストラート博士は、 1986年になって、

「バイキングの実験は、火星に生物がいることを示している」

という結論に達したのですが、この意見はほとんど報じられないまま、そして、今もキュリオシティに同じような轍を踏ませようとしている感じがします。


しかし、いずれにしても、 2010年の地球の新しい生物騒動も、今回のフライングにしても、そろそろ、こういうやり方だけではみんな振り向かなくなるような気もしないでもありません。

そんなことを考えている時に、「月のガラス球」のことを思い出しましたので、簡単にご紹介しておきます。





結局、あれは何だったのか


火星ではなく「月」の話です。

NASA はアポロ計画で撮影された写真や、月から持ち帰った資料を現在では、その多くをウェブサイトで公開しています。それらを全部探すのは大変ですが、たとえば、

The Lunar Sample Compendium

などにあります。

このサイトは下のような表紙で、 Apollo 11… などのように並んだタブからアポロの号機を選び、下から資料番号を選ぶと、それぞれの写真や資料が表示されます。

lunar-2012.jpg


その中で、1972年に月面に着陸したアポロ16号が採取した「ガラスの石」に関しての資料があります。資料番号 60095 とされたそのファイルは下の表紙ではじまります。


60095-glass.jpg

60095 Glass Sphere


そこの表紙の「球の裏側」が今回の記事の一番上に載せた様子となっているようです。

まあ、私などはオカルト話にもよくでる「クリスタルスカル」(水晶ドクロ)などをも思い出したわけですが、しかし、問題なのはオカルトのほうの話ではなく、「なぜ月にこんなガラスが地表の比較的すぐ下から発見されたのか」ということがむしろ謎な感じがします。

この球の組成は資料によると、

・ほとんど均一なガラス
・2種類の遊離鉄が含まれている
・その後、宇宙線起源の同位元素と照射された年代を確定


となっています。


さて、私は以前ならこんなこと不思議だとは思わなかったのですが、どうして今は不思議だと思うのか? それは今年2012年7月22日にナショナル・ジオグラフィックで報道された次の記事を読んだことにあります。


月の砂の謎、ナノ粒子モデルで解明?
 ナショナル・ジオグラフィック日本語版 2012.07.22


長い記事ですので、詳細はその記事をご参照下されば幸いですが、上の記事のうちで、下の部分を読んで、「あ、そうか!」と、ものすごい大きなことを私は見逃していたことに気づいたのです。


(上記「ナショナル・ジオグラフィック」記事より)

微小隕石が月面に衝突すると、月の表面にガラス質の微細な泡が生じる。月には大気がないため、月面に衝突する天体が減速することはない。そのため、どれほど小さなものであっても大きなダメージがある



なるほど、月には大気がないのです。

すると、月にぶつかるどんなものでも「月にダイレクトにぶつかる」。

その速度は、たとえば私たちが夜空にみるような流星群でも、「地球から流星を見ると秒速 70kmで突入してくる」流星現象のメカニズムより)というような想像を絶する速度です。

秒速70キロメートルの速さで突っ込んでくると、どのようなことになるかといいますと、基本的には「分子レベルで破壊される」ということになるはずです。

そして、月が過去も今と同じ大気のない状態で、その上で数十億年経っているとした場合、その歴史を考えますと、「石など存在し得ないのではないか」という気がしたのです。

こう思った理由は、以下の通りです。

・月面に巨大な石や岩を形成する巨大隕石などの巨大な天体の衝突の数は多くない

・しかし、微細な隕石などの流星体の衝突は日常的に起きている(地球のように大気と磁場の保護がある惑星は小さな天体から保護されるので地表にはぶつからない)

・小さな天体が大気のない中で高速で地表に衝突すると、ほぼすべて微細な粒子となる。

・それが何億年も続けば、たまに起きる巨大天体の衝突があっても、それさえも微細な粒子(砂に見えるようなもの)で覆われていくのでは

・つまり、普通に考えれば「月の表面は全体的に砂だけの地表となるはず」なのでは


という感じです。

少なくとも、大気や磁場での保護のない星が、「石でゴロゴロしている」という状態にはならないのではないかと思うのです。アポロなどは短時間で何十キロもの「月の石」を採取していますが、そういうことが可能なのかというようなことにもつながります。

そうなる可能性(月に採取できるような石がたくさんあるということ)があるとすれば、


・月の年齢が実際には極端に若い
・大気も磁場もある



のどちらかのような気がします。

まあ、しかし、実際に月から石は地球に持って帰ってきているわけだし、確かに石はある。

上のようなガラスの石みたいなものもある。


「しかし、どうして?」


と、月にも疑問がわく昨今でありました。

もっとも、「月と地球の歴史」に関しては、炭素解析による部分も大きく、この「年代解析」につきましても、先日書きました記事、

「太陽からの未知のエネルギー」が地球の科学的測定での年齢(放射性崩壊の減衰率)を変化させている
2012年11月27日


にあるように、最近多少その信頼性は不安定になっているようです。


それにしても、上のガラス玉は今も NASA にあるんでしょうね。

これを見ていて、「岩かと思って調べてみたら、人間の頭蓋骨だった」というニュースが2011年の CNN で見たことを思いしました。

skull-cnn-10.jpg

▲ 米国 CNN 「A study on a Carboniferous human skull cap」 より。


案外、どこにでも「人間の痕跡」というものは転がっているものなのかもしれないですね。





  
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