2012年12月09日



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世界終末狂想曲: チリの災害前に出現する巨大 UFO 報道から中国のろうそく買い占め騒動まで



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▲ ロシアのブライダル企業が発売した「世界の終わりのためのキット」。Podarok2012 より。入っているものは、

・水と食糧の缶詰
・ろうそく、マッチ
・地図
・ノートと鉛筆
・ひまをつぶすためのメモ
・医薬品セットと石鹸
・ロープ

あくまでジョーク商品として発売しているとの説明です。日本円で 2500円ほど。







2012年12月21日の「概念」の前で、中国では多くの人々が大騒ぎ、チリとノルウェーでは巨大UFO に関しての公式テレビ報道、


先日の記事の、

オーストラリア首相が「世界滅亡の日が近づいています。マヤ暦が正しいことが証明されるのです」と国民に宣言・・・という謎のニュース


でのオーストラリアの首相の「世界の終わり」発言は、本人によるジョークというか、他のメディアと組んでのものだったようです。それにしても、最近、「なんだか異常な感じ」のニュースが多くて、その中でも「2012年12月21日の世界の終わり」に関してのものが多いです。

何回かにわけてご紹介します。



南米の「飛行体騒動」と「終末への準備」騒動

南米チリのニュースでは、ここのところ、連日のように「地震などの災害の前に現れる巨大な飛行物体」のことが報じられていたようです。「ニュース」で、です。

下のはそのメディアから抜粋したものです。




雲のようにも見えるものですが、目撃した多くの人々の証言によると、出現が急速だったり、動きが奇妙だったりというようなこともあるようです。

他のニュースでは他の何種類かの飛行体の映像が出ています。それらが UFO であろうと雲であろうと、その「正体そのもの」はどうでもいいのですが、それよりも、周辺の話が次第に「この世の終わりに近いから現れているのではないか」というようなニュアンスのことを語る人々の方向へと移行していくことが気になります。

なんだかんだと上のような話も「終末話」へと進んでいく最近の雰囲気。

なんかというか、思っている以上に、世界中で「終末騒動曲」が起きている感じがします。もっとも、一番上に載せた「終末のためのグッズ」のように、ビジネスとして利用している人たちもいます。同じような「終末のためのグッズ」は、数日前にメキシコでもオリジナルの商品がリリースされました。

そのニュースを短くご紹介します。


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Mockba 2012.12.08

メキシコで「世界の終わりセット」が発売

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古代マヤ人は 2012年 12月 21日、太陽系と一緒に我々の地球が「銀河系のゼロ付近」を通ると考えていた。そして、古代マヤ人はこの日に、紀元前 3114年 8月に始まった現在の「第五の太陽時代」のサイクルが閉じるとした。

その話に便乗してビジネスを展開している会社がメキシコにある。そのキットには、水や缶詰、マッチなどの通常の品物の他に「ゾンビと戦うのに適してたナイフ」などが収められているという。

ラテンアメリカでは 2012年 12月 21日の「世界の終わり」を信じている人の数はことの他多く、たとえば、チリでは、人口の4分の1の人たちが「 12月 21日には仕事に行くつもりはない」と答えている。



以前の記事で、米国の調査会社イプソスが「世界の終わりに関しての人々の考え方」について、全 21カ国の計1万6000人以上を対象にしておこなったという大調査を慣行したことをご紹介したことがあります。

災害の噂だらけの世界で: 「この世の終わり」に関して米国の調査会社が21カ国で行った国際調査のデータ
 2012年05月03日

下の表はその記事の中のものです。


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確かに、メキシコやアルゼンチンなどの南米も上位にありますが、しかし、実はこの調査のおこなわれた今年(2012年)の前半の時点では、2012年12月21日に世界の終末が訪れると信じていた人の比率が最も多いのは「中国」なのです

オーストラリアやロシアや南米で2012年の騒動が起きているのなら、中国では、もっと大変なのでは? と思うところですが・・・どうやら、そのようであります。もちろん地域や人々などにもよるでしょうが、「大変な騒ぎになっている」ということを報道していた記事をご紹介します。

英国のテレグラフ紙の記事です。




China fears end of the world is nigh
Telegraph (英国) 2012.12.07


世界の終わりが近づくことを恐れる中国の人々


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▲ 新疆に住むルー・ツェンガイは 2010年から 1000万円以上の費用をかけて 20メートル級の巨大な船を建造し続けている。


中国の四川省では、多くの地域でろうそくが売り切れ状態となりつつある。その理由は、多くの中国人たちが、2012年12月21日のために準備を始めているからだ。「2012年12月21日に世界が終わる」ということを真剣にとらえている中国人は多い。


中国には古来から独自の有名な予言書がある。それは7世紀に、李淳風と袁天罡によって書かれた「推背图」( Tui Bei Tu )という著作で、そこには未来の中国の姿が描かれている。しかし、その書には世界の終わりへの直接的な言及はない。


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▲ 中国の預言の書「推背图」。


すなわち、中国そのものの伝来には世界の終わりという概念は存在しないのだが、最近、中国の四川省では「12月21日に世界が終わるというマヤの予言は真実だ」という話が広まり、2つの地区で、住民たちによるパニック的なろうそく購入という事態へと発展した。

多くの店でろうそくは品切れだという。

人々の話を総合すると、このパニックの直接的なキッカケとなった噂は、「黙示録の間、3日間、世界は真っ暗闇になる」という中国のミニブログへの投稿だったと考えられている。



12月に入ってから様相が変化した

それまで冷静だった普通の人々も、12月に入って以来、「世界の終わりが近い」と考えるようになったようにも見える。これは、ミニブログへの投稿でもわかる。

「マヤ暦が正しいのなら、私はクレジットの請求代金を払わない」というミニブログへの投稿を支持する人たちが多くいる。

上海では、警察自らがこの「最期の日」の噂について否定しなければならないという事態となっている。

「12月21日に世界の終わりが来るというのは単なる噂です」

という文字を上海警察のウェブサイト上に掲載した。

また、「終末」を利用した詐欺も横行している。

信じやすい年金受給者の老人たちに目をつけた詐欺師たちは、「世界が終わる前にひとつ良いことをされてはいかがですか」と呼びかけ、多くの金額を搾取し続けている。南京に住む 54歳の大学教授も詐欺被害に遭った。

新疆地区に住むルー・ツェンガイは「世界の終わりの日のため」に船を建造し続けており、何度かニュースで取り上げられている。

ルーは記者の「もしこの世の終わりが来なかったらどうするのですか?」という質問に、

「この世の終わりがこなかったら? 観光ツアー用の観光船にでもするよ」

と語った。

成都にあるハイテク企業では、「最後の日の前の2日間を家族と過ごすために」ということで、12月19日と20日を会社を休みとした。「もちろん、半分ジョークだよ」と彼らは言う。しかし、「それでも、その2日間、私たちは祈るつもりだ。世界の終わりが来ないように」とも述べた。

本来、中国には「世界の終わり」という概念はなかったが、2009年のハリウッド映画『2012』によって、その概念が「輸入された」と考えられる。

そして、この中国でのパニック的な終末現象について、北京大学のルー・ジーファ教授は以下のように述べる。

「これは中国の社会的不安を反映しているものだ。現在の中国の中で、自分の生命も社会の安定も不確実であるということに起因している」。






(訳者注) 今回の記事で、「推背图」という7世紀の中国の予言書の存在を初めて知りました。読めないですので、Tui Bei Tu のカタカナ読みで「ツイベイトウ」としておきます。

探してみましたら、中国語で全文掲載されているページがあったのですが、このツイベイトウの最初「第一象」はこんな文でした。


推背图 第一象

唐王朝の予言者はこのように言われた。

私はこの広大な世界の終わりを知らない。
太陽と月のサイクルは永遠続いていくのだ。

盤古(宇宙を作ったとされる神様)以来、
物事は龍のように繋がっている。
唐の中でこのサイクルの真の意味が議論されるだろう。





どうやら、この中国の預言書では世界には「終わりがない」という予言から始まっているようです。この世界はサイクルであり、永遠であると。

この「物事は龍のように繋がっている」というのは、過去記事の、「ヘビとウロボロスとケツァルコアトルと月と太陽をめぐる創世記への疑問のようなもの」などにでてくるウロボロスという神話上のヘビの姿を思い起こさせます。

ウロボロスとは、下のようなものです。



上記記事には引用として、

> 「死と再生」「不老不死」などの象徴とされる。そのヘビがみずからの尾を食べることで、始まりも終わりも無い完全なものとしての象徴的意味とされた。


とあります。


あと、上に「盤古」という名前が出ています。

この神様の名前も個人的に思い出深いもので・・・。

この「盤古」というのは中国語では「パングー」というような発音で、中国の古代神話で「宇宙を作った神様(男)」なんです。日本語では「ばんこ」と読みます。

それに対して、中国の古代神話で「人間を最初に作った」のが、女性の神様の女媧(にょか / 中国語読みで「ヌーワ」)なのです。

盤古さまのルックスは、上のツイベイトウに出てくる図では下みたいな感じです。

pangu.jpg


まあ、盤古さまはともかく、「ヌーワ」に関しては、私の 2011年という年全体を貫いて関わりを持った概念的存在でありました。

このふたりの神様については、以前、翻訳した記事がありますのでリンクしておきます。



それにしても、上のツイベイトウに出てくる文言、


私はこの広大な世界の終わりを知らない。
太陽と月のサイクルは永遠続いていくのだ。


こんないい言葉が存在した歴史を持ちながら、ハリウッド映画ごときに翻弄される今の中国の人たち・・・。


しかし、それはともかく、上の予言書「推背图」の「太陽と月の永遠のサイクル」という言葉に、とても興味を持ちましたので、機会がありましたら、全文訳してみたいと思います。



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