▲ 12月12日に地球から600万キロメートルの場所を通過した直径2.7〜4.8キロメートルの小惑星「4179 Toutails」 のその際の想像図。3-mile wide asteroid set to zip past Earth December 12, 2012より。
なんとなく今までと違ってきた「地球の周囲の流星体」
最近は、ふたご座流星群が話題になることがあります。
そして、今年のふたご座流星群は NASA などによりますと「かつてないほど活発な動き」を見せているそう。
下の写真は 12月13日に米国アーカンソー州で撮影されたふたご座流星群による「火球」です。
▲ Space Weather より。
ここまでの大きさとなると、流星群というより「天体からの爆撃」に近いものがありますが、今年のふたご座流星群の観測では、近年では見られないような「見事な」(NASA による表現)流星群が多く観測されているそうです。
そして、下はそのふたご座流星群の今年の「軌道」です。
流星群の軌道は相変わらず無軌道な感じに見えて、素人の私の目からは「どのような軌道を描いているのか全然わからない」のですが、言えるとことは「どこからやってこようと、すべてが地球の上空を目指してやってきている」ということです。
他の惑星などには目もくれていません。
ちなみに、このふたご座流星群は、流星群の中で「母体」が判明しているもののひとつで、母体の天体は「ファエトン」(バエトン)という名前です神話上の人物の名前ですが、神話では、ファエトンは太陽神ヘリオスの子どもとされ、以下のような神話を持ちます。
パエトーン
パエトーンは、ギリシア神話の登場人物。(中略)地上に大災害をもたらした原因として語られることがある。『神話集』はパエトーンが墜落したため、地上に大火事が起き、これを消し止めるためにゼウスが川の水を氾濫させたことによってデウカリオーンの大洪水が起きたとする。また、『ティマイオス』はパエトーンの墜落は、過去に起きた大火災の記録であるとする。
これらの説は20世紀の疑似科学で大いにもてはやされ、イマヌエル・ヴェリコフスキーをはじまりとする「古代隕石衝突説」の根拠として使われている。
ということのようですが、一方で、紀元前の賢者たちはもっと現実的な話をしていたようです。
紀元前の哲学者であるプラトンは『プラトンの対話』 という記録の中で、クリアチスという人との対話でこのように述べています。
これはプラトンが「アテネで火と水による大きな災害が起き、それは太陽神ヘリオスの息子バエトンが父の馬車を馬につないだが、地球に落ちて燃え尽きてしまった」ということを語った後に、プラトンがクリアチスという人にこのように語ったという下りです。
『プラトンの対話/ Timaeus』より
「これは神話の形をしている。しかし、地球を回っていた天体が地球に落下したという現象を示しており、地球上の大火事というのは長い間隔をあけて繰り返されたのである。このとき、海岸や川辺よりも山の上の方が被害がひどかった。一方、神が大洪水で地球を清めるとき、羊飼いや町に住む人々を海に押し流すのだ」。
なお、このふたご座流星群の「親天体」である小惑星ファエトンは、どうやら最近、「肥大している」ようです。Wikipedia に以下のようにあります。
2009年7月、STEREO衛星の観測により一時、17等級から10等級に急激に増光したことが判明した。
ファエトンは2093年12月14日に地球から0.0194天文単位(291万 km)まで接近すると予測されている。また、潜在的に危険な小惑星 の中では最大級の大きさである。
上から見ると、少なくとも、 2093年頃というのは、過去記事の、
・「良い時代と悪い時代」(1): 500年ほど続いた「穏やかだけれど傲慢な時代」は終わろうとしているのかも
2012年10月06日
でいう「悪い時代」というものに近い状態となるものだと思われます。
もっとも、私自身は「悪い時代」へと転換するのは、そんなに先だと思ってはいません。彗星の移動状況を見ていますと、早ければ、来年頃だと思っています。
それと、最近、地球の近くを通過した「巨大小惑星」のことを記しておきます。
地球上空で7つの天体が衝突爆発してから1年後に地球の近くを通過していった直径約4キロメートルの小惑星
ところで、小惑星ファエトン(バエトン)に関しては、昨年の今頃も記事にしたことがあります。
・太陽神ヘリオスの息子「ファエトン」がばらまく地球上空の35個の火球
2011年12月15日
という記事ですが、これを書いた頃、「地球の上空で7つの天体が衝突して爆発する」という出来事が起きていたのです。下の図がそれで、番号はこちらでふったものです。
その頃から「地球の上空は少しずつ変わっていった」のかもしれないと今は思います。
そういえば、数日前、地球から比較的近い場所を「直径3キロメール以上の小惑星が通過」していきました。
これはもともと通過はわかっていたものですが、米国のロサンゼルスタイムスなどでも記事として取り上げられていました。
下の表はスペースウェザーで毎日、掲載されている「地球付近を通過する天体」の一覧ですが、赤く囲んだものが、12月12日(日本時間13日)に地球から 600万キロ程度の場所を通過していった小惑星「 4179 Toutails 」です。
ロサンゼルスタイムスの記事を要約してご紹介しておきます。
この記事では大きさは3マイル(4.8キロメートル)となっていて、NASA では、2.7キロメートルとなっていますが、写真をご覧になるとおわかりかと思いますが、「長細い形」をしているので、そのために計測値にバラつきが出るのではないかと思います。
いずれにしても、「超デカイ小惑星」です。
Three-mile long Toutatis asteroid to zip past Earth this week
LA Times 2012.12.11
4.8キロメートルの小惑星が地球の近辺に戻ってくる
12月12日の夜に、長さ3マイル(4.8キロメートル)もある小惑星が地球の近くを通過する。
しかし、心配する必要はない。
地球からの距離は月との距離の18倍(約 600万キロメートル)もある。
この小惑星「4179 Toutails 」は不安定な軌道をとるが、科学者たちは「少なくとも、あと何百年の間は地球と衝突する可能性はない」と言う。しかし、同時に、「ただし、数万年などの先のことまでは予測はできない」とも述べた。
ということです。
ちなみに、このくらいの3キロメートルから4キロメートルほどの大きさの小惑星が地球に衝突した場合にどのような事態となるかというのは、フレッド・ホイル博士の著作に「彗星」としてのものですが、資料として掲載されています。
下の赤で囲んだ部分が今回の小惑星と大体同じ規模の大きさのものです。
広島型原爆の 500万倍(5,000,000倍)ということで、そこそこに影響があることがおわかりかと思います。
さらに大きな「直径7キロ級」の彗星や小惑星が地球に直撃した場合だと、どうやら絶滅レベルらしいですが、しかし、以前も書きましたが、そういうことは地球の歴史で(多分)何度も起きていて、起きたら起きたで仕方な」とも思います。
どれだけ地球が壊滅的な災害に見舞われても、神話にあるように「この世は永遠」であるわけで、また生命が芽生えて、動物も人類もまた地球に息吹くようになっていくのだと思います。
先日の記事に出てきた中国の7世紀の預言書「推背图」(ツイベイトウ)の冒頭の、
私はこの広大な世界の終わりを知らない。
太陽と月の輪廻は永遠続いていく。
すべての物事は龍(ウロボロス)のように繋がっている。
太陽と月の輪廻は永遠続いていく。
すべての物事は龍(ウロボロス)のように繋がっている。
を思い出します。
ちなみに、上に「ウロボロス」と書きましたが、「推背图」にウロボロスとでているわけではないですが、感じとしてこのほうがわかりやすいかと思いまして、そのように記しました。
▲ 古代から「死と再生」や「不老不死」であるウロボロス。ヘビとウロボロスとケツァルコアトルと月と太陽をめぐる旧約聖書『創世記』への疑問のようなものより。
そういえば、最近は、
・オーストラリアのジュリア・ギラード首相の世界終末演説
・ロシアのメドベージェフ首相の宇宙塵への言及
などでご紹介している、テレビ報道での「不思議な発言」等が多いですが、スリランカのテレビでは、国を挙げて「不思議な光」の報道がなされています。
次回までに字幕をつけて、ご紹介できるようにしたいと思います。