2013年01月06日



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死んでいない太陽。そして、「地獄の猛暑」に困惑する南半球



インドでは寒波で100名以上が凍死し、アルゼンチンでは「熱波」でシロクマが死亡


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▲ オーストラリアのタスマニアで熱波のために火災が多発しており、すでに 80棟以上の家屋が焼失してるようです。タスマニアでは場所により気温が 48度を越えています。もちろん、これは記録。
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2012年の大晦日に表面の大爆発を起こしていた太陽


今日の本題は「気温」ですが、太陽活動を見ていて、ちょっと気になったことがありましたので、先に書いておきます。

昨年、「太陽活動が弱くなってきている(かもしれない)」ことに関しての記事はずいぶんと書きました。


「太陽の休止」の現実化: 2013年に最大を迎えると予測されていた太陽活動のピークがすでに終わった可能性を NOAA が示唆
 2012年11月06日


NASA などをはじめとする宇宙関係機関の予測では、今年 2013年の夏が太陽活動のピークと推測していたのですが、上の記事では、下のようなグラフから「予測されていた太陽活動の最大期間はすでに過ぎたのではないか」というようなことが米国の科学関係の各機関から意見として出されていた話でした。




しかし、一方で、上の記事の直後の2012年11月17日には、


「狂った太陽」: かつて見たことのない巨大な太陽面の爆発が発生
 2012年11月18日


というタイトルの記事で、とんでもなく巨大な太陽面爆発が観測されたことを記事にしました。

この時の太陽コロナやフィラメント(爆発の磁場)が拡大した距離は約 70万キロメートルというあまり聞いたことのないものでした。地球の直径は約1万2千キロ程度なので、その 50倍以上にも爆発の様相が広がる光景が見えたということになります。

そして最近も、大きな太陽フレアが発生していないにも関わらず、太陽の表面は妙に賑やかだという感じです。

下は最近( 1月5 日)の太陽黒点群の様子ですが、これほど多くの黒点群が太陽面全体に出るのは久しぶりかもしれません。

hmi-2013-01-05.gif

▲ 1月5日の太陽の黒点群。数字の部分がそれぞれ黒点が集まっている黒点群。


そして、昨年の大晦日(日本では新年)には、太陽は「表面の大爆発」を起こしています。 NASA は、新年明けにその「大爆発」の様子の動画を公開しました。下の動画です。

地球との比較や日本語などを入れました。


2012年大晦日の巨大な太陽面爆発




今年も、太陽活動は、相変わらず不安定に見えます。

予測通りに今年の夏に「太陽活動最大期」が来るのかどうかも含めて、どうなっていくのかは起こることを見ているしかなさそうです。

ただ、これは科学的なこととは関係ないですけれど、周囲の人たちから、「太陽の肌などへの熱の感じ方が変」というような言葉は聞きます。

私はそれほど敏感ではないので、よくわかりません。


というわけで、ここからは、そんな太陽の下での地球の天候と気温の話です。




寒波も猛暑も記録を塗り替え続ける各地


昨日(1月5日)、北海道で「マイナス30度を記録」と報道されていました。

北海道東部で氷点下30度 全国的にこの冬一番の冷え込み
 msn 産経ニュース 2013.01.05

このマイナス30度を記録した陸別町というのは、北海道でも寒いことでは有名な場所ですが、それでもまだ「小寒」の時期に北極並みの気温というのは大変そう。

また、上の記事によると、


群馬県嬬恋村で氷点下16・5度、福井県勝山市で氷点下9・1度、鳥取県日南町で氷点下17・4度を観測し、それぞれ1月として観測史上最低を更新。



というようなことが記載されています、この「観測史上最低」という単語は、世界の他の国でも、よく目にするもので、昨年のクリスマスの頃に書きました、


「暗黒の3日間」を実際に NASA の太陽観測衛星で見た日: そして、12月21日から突如として「凶暴化し始めた地球」

 2012年12月24日


という記事で、欧州からロシアなどの異常な寒波のことを書きましたが、最近は、インドから連日、記録的な寒波のニュースが報道されています。

短いニュースをひとつ抜粋します。
昨日のものです。


North India continues to shiver, death toll rises to 129
IBN (米国) 2013.01.05

激しい寒波の続く北インドの死者数は 129名に達する


Intense_cold_india.jpg


今年の冬は北インドで非常に厳しい寒さとなっており、凍死者の数は、この 24時間でさらに 22人増え、寒さによる死者は 129名にのぼっている。

インド首都デリーの寒さも続いているが、数日前に記録した最低気温の 2.7度からは多少気温が上がり、 1月 4日の最低気温は、4度になった。それでも、この気温はこの地としてはかなり厳しい。デリーのすべての学校は寒さのため、1月 12日まで休校となっている。

最も厳しいのは、スリナガルで、マイナス 4.3度まで気温が下がり、また、ラジャスターン州のチュル地区でもマイナス 1.6度まで気温が下がった。この寒さのため、列車の運行が相次いで止まっている。



デリーはインドの首都ですが、2.7度あたりの気温だと、日によりますが、東京の最低気温などよりも低いわけで、そして、上の写真をご覧になってもおわかりだと思いますが、(統計はないながらも)暖房が完備されている家に住む人のほうが少ないと思われ、この気温が続くと厳しいと思われます。

デリーの1月から3月の本来の気温は下のような感じのようです。

delhi-01-03.png

Wikipedia より。


というわけで、日本を含めて、厳しい寒波が続いている国や地域は多いわけですが、今回の本題は、「寒さとは逆」の話なんです。


南半球は今は夏なんですが、夏とはいっても「限度がある」というほどの猛暑に苛まれていて、非常事態ぎりぎりの国も多いです。それらの報道の中から、世界中で大きく報道されているオーストラリアとアルゼンチンの記録的な熱波の記事をご紹介します。

ここからです。




火炎地獄という言葉も出て


なお、昨年暮れの報道で、内容も見出し通りですので、詳しい内容は書きませんが、アルゼンチンの動物園では、あまりの暑さのために動物園のシロクマが死亡したことが英国のデイリーメールで報じられていました。

Polar bear killed by HEATWAVE: Argentine animal dies after becoming 'nervous and irritated' amid scorching heat and noise from Christmas Eve fireworks
北極シロクマが熱波で死亡。他にもアルゼンチンの動物園の動物たちが暑さとイヴの騒音により次々と死亡
 Daily Mail (英国) 2012.12.27

bear-heat.jpg

▲ 元気だった頃のそのシロクマ。

上の記事では暑さだけではなく、クリスマスイブの騒音も原因ではないかと書かれています。



では、暑さのニュースをふたつ。

各地で記録を塗り替えるオーストラリアとアルゼンチンの高温

まずはオーストラリアです。

記事の一番上にオーストラリアのタスマニア州の火災の写真を載せましたが、このタスマニア州というのは、オーストラリアの下の位置にあり、もっとも南部にある場所のひとつです。

australia_location_tasmania.png

▲ オーストラリア・タスマニアの位置。1月5日には、気温が48度まで上昇。


オーストラリアの気温についての報道を AFP 通信より。


オーストラリアの第二の都市ホバートで猛暑の記録が破られる

Australia's Hobart experiences hottest day
AFP 通信 2013.01.04

オーストラリア南部最大の都市ホバートでは、新年1月3日に 41.8度という文字通りうだるような猛暑となり、1880年に気温の観測が始まって以来の記録を破った。

ホバートで 40度以上の気温を観測するのは「まったくないことではないが、非常に希なこと」だと地元の気象予報士は言う。また、タスマニアのエアー半島では各地で 47度を越えており、タスマニア州内陸のウーディナ( Wudinna )では、48.2度を記録した。

オーストラリアの首都シドニーでは、猛暑から逃れるために多くの人々がビーチに向かった。しかし、シドニーの気温は29度と、穏やだ。



次は、アルゼンチンです。



熱波と停電に見舞われるブエノスアイレス

argentine-2013.jpeg

Latin America Herald Tribune 2013.01.03


アルゼンチン最大の都市で、全国の人口の4分の1が住むブエノスアイレスが猛烈な熱波に見舞われており、しかも、停電と燃料不足が加わるという、地獄のような事態に陥っている。

1月2日には、気温が36度に達すると予測された気温はさらに急上昇した。

もともと、ブエノスアイレスの夏は暑く、毎年、暑さで一日平均で90名が死亡している(ブエノスアイレスの人口は280万人)。2001年には毎日、平均で250人が死亡した。

そのこともあり、アルゼンチン気象サービス局は、ブエノスアイレスとその周辺に対しての緊急警戒態勢を敷いている。

また、今回は同時に電気消費量が「歴史的な記録」を作り、猛暑から数日後には、電気使用量オーバーによる停電が発生した。このため、電灯や市街の信号も消えてしまっている。さらに悪いことに、年始年末の受容によるガソリン不足によって、交通事情が脅かされている。

地元のラジオ局には「ガソリンがどこにもありません」と嘆くリスナーからの電話が寄せられた。



アルゼンチンの 36度は気温としては大したこともなさそうなのですが、もともとが「毎年一日90人が亡くなっている」というのは、やはり他のいろいろな問題が存在しているようです。

そういえば、先日、

地球のジェット気流の動きがムチャクチャな状態になっている可能性から考える「超異常気象」
 地球の記録 2012年12月28日

という記事で、「ジェット気流が不安定になっているかもしれない」ということを知ったのですが、気候や気温が不安定なことと、大気や高層環境も関係ある可能性もあるのかもしれません。

もちろん、太陽活動などの宇宙環境もですけれど。

jet_stream-2013.jpg

▲ 蛇行しているのがジェット気流で、色の差は温度の差(赤になるほど高い)だと思いますが、この蛇行の動きが例年とは違う状態になっているようです。



というわけで、暑さも寒さもどちらも記録が破られ続けていますが、ふと気になるのが、この「記録破り」ってって、一昨年あたりから続いているんですよね。

昨年も最高も最低も「気温の記録を破る」という報道をずいぶんと紹介したような気がします。

いつまでもいつまでも破り続けて、「もうこれ以上は記録は破れない」という「気温と天候の飽和状態になったあたりまで続くのでしょうかね。

台風とか地震もそういえるのかもしれないですけれど。


次回は「南極の気温が局部的に異常に上がっていることがわかった」ことなどを含めて、やはり天候関係になるかもしれません。