私たちの銀河系から隣人であるアンドロメダ銀河までの距離の1600倍の大きさの宇宙構造体の存在が天文学会を揺さぶる

▲ 今回発見された天体(クエーサー)の全体の想像図。横の幅は 40億光年。アイン主体以来の現在の宇宙物理学のモデルでは、宇宙構造の大きさの上限は12億光年を超えることはないと考えられています。
先日の銀河の崩壊は「うお座」から「みずがめ座」への移行の象徴?
少し前に、
・私たちの銀河系の近隣銀河の中心が突然の爆発的崩壊! この事態に困惑する天文学者たち
2013年01月09日
という記事をご紹介しました。
その翻訳記事の出だしは、
近隣の銀河で不意に起きた巨大な爆発の発見が天文学者たちに驚きをもたらしている。おそらくは銀河の中心付近にあるブラックホールから強力に吐き出された噴出によるものではないかと考えられているが、その驚きと困惑は大きい。
というものでした。

▲ 中心部が爆発崩壊した「うお座極環状銀河 NGC 660 」。
この記事を書いた後に、知り合いの人から、
「崩壊した銀河ってうお座にありますね」
と言われました。
考えれば、「うお座極環状銀河」と自分で書きながら、そのことに気づいていなかったのですが、なるほど、「うお座での崩壊」というのは今の時代を確かに象徴しているのかもしれないなあとも思いました。
最近はこのことを書いていないので、何のことだかわからない感じに思える方もいらっしゃると思いますが、「うお座からみずがめ座への時代への移行」というのは、このブログ以前からのひとつの主要な概念のひとつでした。
最近の記事では、昨年の10月の、
・2013年の巨大彗星アイソンのこと。そして宇宙から地球に降り続ける生命のこと
2012年10月11日
という記事の中で少しふれていますので、その部分を抜粋します。
超巨大彗星アイソンが告げるのはどのよう時代の幕開けなのか
ところで、「黄道帯」という言葉は馴染みがない場合もあるかもしれませんが、辞書的に書けば、「惑星から見て、天球上を恒星が1年かかって1周する大きな円の経路」となりますが、文字での説明より、占いなどで説明される「黄道十二宮」というような図を見たほうがわかりやすいかと思います。
「何々座の時代」とかの 2000年くらいずつ移動していく「新しい時代」の概念もこの黄道の概念と結びついているようです。
現在はこの概念では、上の図では下の右よりにある「うお座」の時代で、これはちょうどイエス・キリストが生まれた頃からはじまったようです。現在はその隣の「みずがめ座」へと移行してます。なので、あと何百年か経てば、「みずがめ座の時代に生きる地球の人々」というようなことになっているのだと思います。
そして、約2万6000年かかって、また元の位置に戻ってくる。すなわち、今から2万6000年後には今と同じようなうお座の時代となっている。
うお座の時代はキリストの誕生という「象徴」から始まった男性性の時代(権利、所有、戦争、物質、金銭、技術などの時代)でしたが、みずがめ座の概念は「女性性」であって、具体的にはこの「女性性の時代」がどういうものかはわかりづらいですが、まあ・・・多分少なくとも 500年後くらいにはそういう時代が完成しているのではないかと思う部分もあります。
ということで、つまり、占星術的なものの見方では、現在の私たちは「 2000年単位での歴史での大きな転換点の途中にいる」ということになると思います。
そういうこともあり、今までの 2000年のうお座の時代の象徴ともいえる銀河の中心が先日の記事のように崩壊したという事象は、やはり印象的だと思える出来事なのでした。
というわけで、今回も宇宙関係の記事です。
それは、「観測史上で最大の天体が発見された」というニュースです。
こちらの過去記事で、次に書くとしながら、なかなかご紹介できないでいました。
何もかも巨大な「クエーサー」という天体
まず、今回見つかった観測史上最大の天体は、天体の分類では「クエーサー」とされているもので、私は相変わらず、「天体の分類」というものがほとんど理解できないのですが、Wikipedia から抜粋しておきます。
クエーサー
▲ クエーサーのイメージ。
クエーサーとは、非常に離れた距離において極めて明るく輝いているために、光学望遠鏡では内部構造が見えず、恒星のような点光源に見える天体のこと。
とのことですが・・・まあ、このクエーサーというものが他の天体とどのように違うものなのかは、私にはわからないのですが、しかし、そこに記述されている「単位」が「ことごとくデカい」という特徴があります。
たとえば、上の Wikipedia の記述の中には、最初のほうに、
クエーサーは宇宙に存在する天体の中で最も明るいと考えられている。一般的にクエーサーの明るさは(略)銀河系の明るさの1000倍、太陽の10兆倍である。
いきなり「太陽の明るさの 10兆倍」とかいう単位。
また、下のような記述もあります。
コロラド大学やカリフォルニア工科大学らにより、クエーサーAPM 08279+5255に地球上の海水の100兆倍の水が存在することが発見された。
こっちは 100兆倍というような単位・・・。
こういう大ざっぱな単位が行き交うものだということでお考えいただくと、今回発見された天体の大きさの「桁外れの単位」も、納得できる部分もあるのかもしれません。
そして、今回発見された、その天体の大きさは・・・ 40億光年。
もう一度書きますけど、40億光年。
40センチじゃないですよ(逆に、そんな小さい天体があるかよ)。
つまり、もう、よくわかんない大きさなんですよ。
たとえば、私たちの銀河系(天の川銀河)の大きさはどのくらいかというと、下のようになっています。 Wikipedia より。

直径が大体、10万光年くらいということの模様。
ここから考えてみても、「40億光年」というのは、何だか「わからない」としか言えない部分があります。
私などは「大きいことはいいことだ」などと思いますが、しかし、「天文学」としての問題では「大きいことはいいことだ」というわけにはいかないようです。この「途方もない大きさの存在そのものが現代の物理学に問題を投げかけている」ようなのです。
「40億光年の大きさのものが宇宙にある」ということ自体が、現在の「宇宙理論」や「宇宙の歴史」と適合できる話なのかどうか、ということのようです。
ちなみに、Wikipedia の宇宙の年表は、下のような記述で始まっています。
観測によれば、宇宙はおよそ137億年前に誕生した。
それ以来宇宙は3つの段階を経過してきている。
未だに解明の進んでいない最初期宇宙は今日地上にある加速器で生じさせられるよりも高エネルギーの素粒子からなる高温の状態であり、またほんの一瞬であったとされている。そのためこの段階の基礎的特徴はインフレーション理論などにおいて分析されているが、大部分は推測からなりたっている。
今回は私感はともかく、多くの科学サイトで、今回の発見を「アインシュタインの理論以来の宇宙論への挑戦となるかもしれない」というような書き方がなされています。
要するに上の「推測」は正しくないかもしれなかったということです。
今回の記事によると、現在の宇宙モデルの理論では、
> 宇宙構造の大きさの上限は 12億光年を超えることはないと考えられている
のだそうです。
しかし、今回発見された宇宙構造は 40億光年ある。
私自身には物理的な矛盾を察知することは無理ですので、物理にお詳しい方は今回発見されたクエーサーについて、ご考察されることを期待したいです。
では、ここから翻訳です。
The Largest Structure in Universe Discovered --Quasar Group 4 Billion Light-Years Wide Challenges Current Cosmology
Daily Galaxy 2013.01.12
40億光年の広さを持つ、これまでで最大の宇宙の構造体の発見が現在の宇宙論に疑問を投げかける

これまで観測された中で最大の宇宙の天体が天文学者たちの国際チームによって発見された。この巨大なクエーサー群は、構造体のすべてを横切るために光速で40億年かかる。
クエーサーは、膨大な遠い距離を越えて見える極端に明るい輝度を持ち、そして、初期宇宙からの銀河の核であると考えられている天体だ。
1982年以降、クエーサーがグループとして驚くほどの巨大なサイズの構造体を持つことが知られるようになり、多くの巨大クエーサー群( LQG )が知られるようになった。
しかし、今回見つかった直径40億光年という巨大クエーサー群の存在は、現在の宇宙モデルに疑問を投げかけることになった。
今までアインシュタインの宇宙モデル理論は「仮に合理的に理論に疑いを持ったとしても」実測として示されたことはなかった。
たとえば、私たちの天の川銀河の最も近い隣人の銀河であるアンドロメダ銀河からの距離は地球から約 250万光年で、メガパーセク単位では、 0.75Mpc だ。
(訳者注) 単位の Mpc (メガパーセク)というのは、宇宙の距離の単位のひとつで、1MPC で、326万(3,260,000)光年ということのようです。
この単位でいえば、私たちの銀河系全体を横切るのに、 2から 3Mpcとすることができるが、巨大クエーサー群では 200Mpc (約 6億光年)を越えるような構造体の存在が複数知られる。
しかし、現在の宇宙物理学の理論モデルは、アルバート・アインシュタインの理論に基づくもので、その理論からは、宇宙構造の大きさの上限は 370Mpc (約 12億光年)だ。それが私たちが宇宙で見られる最大の宇宙構造であり、理論では、それを超えることはないと考えられている。
しかし、今回発見された宇宙構造は、500Mpc に相当するものであり、これは私たちの銀河系からアンドロメダ銀河までの距離の 1,600倍に相当する。
英国のセントラル・ランカシャー大学にあるエレミア・ホロックス研究所( Jeremiah Horrocks Institute )の天文学者ロジャー・クロウズ博士は、以下のように述べた。
「今回発見された巨大クエーサー群は驚きであり、理解が難しいが、これが今まで観測された中での宇宙最大の構造体であるということは確かだ。そして、今回の発見は非常に刺激的でもある。今回の発見は、私たちの認識に疑問を突きつけるもので、宇宙の謎が解決されるどころか、新たな謎が生まれたと言ってもいいのだ。私たちは非常に難しい問題の前にいる」。
ここまでです。
専門用語が多く、翻訳に時間がかかったわりには、どうしてデカいとダメなのかが理解できず、物理の基本がわからない私・・・。
まあしかし、私は何年も前の記事の頃から・・・、たとえば、
・ビッグバン理論では説明できない古い巨大な銀河が多数発見される
2010年11月26日
のような、いくつかの記事で、「137億年前より古い銀河の発見」で、宇宙理論は崩壊していくものと思っていましたが、今回のように、違う方向もあるのだなあと思いした。
理論はよくわかんないんですけどね。
冒頭に書きました「うお座の銀河の崩壊」と共に、新しい時代に入るためには、どうしても「現在の宇宙理論」は崩壊する必要はあるとは思っていますので(その理由は、「仮に理論は合っていても、理念として間違っているからです」)、もっともっといろいろと見つかるといいですね。