2013年01月22日



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四重螺旋(らせん)構造の DNA が人間の体の中から見つかった



top-dna.jpg

▲ グアニン四重鎖といわれる DNA の四重螺旋構造を視覚化したもの。
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先日、最近の極端な気象のことについての下の記事で、ヨーロッパなどでは異常な寒波に見舞われていることについて書きました。

カオス化した地球の気候: 北半球と南半球での極端な気候の原因は磁場の異変と関係がある?
 2013年01月20日

現在も欧州の多くの国で寒波と大雪が続いているようですが、昨日の英国テレグラフ紙の記事で、英国の大ロンドン市長のポリス・ジョンソン( Boris Johnson )という人が、

「本当に小氷河期が始まったことを実感します」

と述べたことが大きな記事になっていました。

telegraph-2013-01-20.jpg

▲ そのテレグラフの記事。

本題とは関係ないですが、少しまた気候のことについて書かせていただきます。

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地球の環境は常に変化し続けてきた


まあ、そういうようなこと(小氷河期)が始まったかどうかはともかく、一昨年にご紹介した NASA の科学者のインタビューを何回かにわけて書いた下の過去記事、


あらかじめ予測されていた小氷河期の到来(全5回)


では、その NASA の科学者は「太陽活動と地球の寒冷化の過去の歴史の関係」の観点からの意見を述べていました。特に、過去の「マウンダー極小期」という黒点のなかった数十年間との比較です。


しかし、地球の気温は「太陽だけではない様々な(原因のわからないもの含めての)理由」で変化してきました。


スパンの長いところでは下の過去 42万年の気温の推移(南極)の表というものがあります。



▲ 南極の氷床コアから測定した過去42万年の何挙の気温の推移。CDIACより。


しかし、上の表は南極の気温の推移なので、わりと穏やかに私には見えます。

ヨーロッパと北米などの北半球に関しては、過去1万4千年くらいだけで、下のように「上下で十数度」の大きな平均気温の変化があったことがわかっています。当然、日本でも当時、同じような気候変動があったはずです。



▲ 過去記事「「良い時代と悪い時代」(1): 500年ほど続いた「穏やかだけれど傲慢な時代」は終わろうとしているのかも」より。


上の気温変化の理由について、フレッド・ホイル博士は、以下のように著作の中で述べています。



氷河期が終わった紀元前八〇〇〇年(一万年前)頃からの地球の気温の変遷を調べてみると、約一〇〇〇年周期の変動があることがわかる。図(上の気温変化の図)に示すように気温は三〜六度Fの間で変動している。

地球だけ考えていてこのパターンを説明するのは難しいが、彗星の衝突を考えるときれいに説明できる。地球上空もしくは地球の近くでバラバラになった彗星は成層圏に塵をまき散らし、太陽光線を錯乱するようになる。その結果、太陽光線の届く量が減少し地表温度が下がる。

計算によると温度を五〇度F(※ 摂氏約10度)下げるために必要な塵の量は現在の一〇〇〇倍も必要ではなく、これは今まで述べてきた彗星の衝突を考えれば可能である。


(『生命はどこから来たか』 エピローグより。大島泰郎(東京工業大学名誉教授)訳)




何が言いたいかというと、今現在でも気候や気温は混沌としてきているのですが、今後の地球上での出来事次第では、これがさらに大きくなる可能性は十分にあるということだと思います。


フレッド・ホイル博士は「その時代が近づいている」ということを生前の著作で書いていました。そのこともあり、昨年、「良い時代と悪い時代」というようなタイトルでの連続した記事を書いたこともありました。


悪い時代というのは、要するに地球が水星や隕石や小惑星の爆撃にさらされやすい時代のことで、もう地球は数百年以上、その時代から遠ざかっています。

そういえば、一昨日だったか、関東の各地で「隕石らしき火球の目撃が相次いだ」ことが朝日新聞に出ていましたが、今年は彗星アイソンなど、大きな「天空からのイベント」がたくさん待機していますので、空の出来事を目撃する機会は増えることになりそうです。

その朝日新聞のニュースもメモとして抜粋しておきます。


関東上空に隕石? 大きな音と光、目撃情報相次ぐ
朝日新聞デジタル 2013.01.21

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関東地方の広い範囲で 1月20日未明、大きな音とともに明るい流れ星(火球)を見たという目撃情報や画像、動画がネットに投稿されている。隕石である可能性がある。

アマチュア天文家らで作る「日本火球ネットワーク」にも15件以上の目撃情報が寄せられた。メンバーによると、軌道計算の結果、隕石らしきものは高度30キロ付近で消えたという。下田さんは「燃え尽きたかもしれないが、海に落ちた可能性もある」と話す。



かつての地球では、このような火球や、あるいは彗星など「天体からの物体の地上への衝突が日常的だった時代」が存在したことは事実で、その際には、数多くの文明が消滅していったと考えられています。フレッド・ホイル博士は、著作で下のようにも書いています。



衝突によって死ぬ範囲を五〇〇〇平方キロメートルとすれば、地球の全表面積は一億平方キロメートルなので、一回の爆発で死ぬ確率は二万分の一となる。一年に一または二回の割合で衝突があるとすれば、現在の交通事故と同じほどの確率となる。しかし彗星の群と遭遇する頃の、一年間に一〇〇回もの衝突があるとすれば、三〇年間に当たる確率は一五パーセントとかなり高くなる。

 もっとも古代では、他の理由で死ぬ確率も同じくらいあったであろう。さらに重要な結果は、三つの人口中心地帯のうち一つは完全に破壊されるであろということである。生き残った人は一〇〇キロメートル以上遠くから、空から火の雨が降るのを見ただろう。そう考えると、下の図のような中世の描写もよく理解できよう。




▲ 十六世紀の「最後の審判」の図。ギリシャ・アトス山にあるディオニシオン修道院のフレスコ画。




何か一回だけ大きな災害が起きるということではなく、そういう時代に入ると、数百年から数千年の長きにわたって続くわけで、それはいつわかるのかというと、

「そういう時代に突入して何年も経ってからはじめてわかる」

もののようです。

ひとつひとつの事前の予測については、例外を除けば、現在でも予測はできません。なぜなら、現在の科学でも、宇宙の彗星の軌道や、小惑星の軌道で「完全に」把握されているのは、ほんの一部だということもあるし、それ以上に、現在、地球、あるいは太陽系がどこへ進もうとしているのかよくわからないということもあります。

宇宙には小惑星や彗星の群がたくさん集まっているような場所や、状態のあまりよくわからない宇宙の場所が確かに存在します。


しかし、仮に、何かの事象で地球上がダメージを受けても、また地球の表面はいつかは再生するわけで、とりあえず私たちは地球は「宇宙の中にある」というキーワードを忘れずに生きていれば、それだけでいいのではないかと思います。

そんなに崇高なことなど考えたり実行したりしなくとも。


というわけで、妙に話が逸れてしまいましたが、タイトルにした「四重螺旋 のDNA 」の記事を書きます。





DNA の二重らせん構造が発見されてから60年目に


一般的に、DNA というのは「二重らせん」の構造となっているわけですが、この語義は「2本の線が平行したらせん状になっている構造」のことで、下のような状態のことを言います。

dna-atcg.jpg

「A」、「T」、「C」、「G」、とあるのは、DNA を構成する4つで、アデニン(A)、チミン(T)、シトシン(C)、グアニン(G)、をこのように表記する慣習があります。


DNA はすべてこのような構造となっている・・・と思っていたのですが、このたび、英国のケンブリッジ大学の科学者たちが、「四重らせん構造」がヒトゲノム(人間の生殖細胞に含まれる染色体もしくは遺伝子)の中に存在することを証明した論文を発表したという記事です。

これは新しい発見というわけではないようで、その存在は「四重鎖」として長く示唆されていたようですが、今回証明されたということのようです。


ちなみに、 DNA の二重らせん構造が発見されたのは 1953年のことだそうですから、今年はちょうど60年目。そして、その1953年に DNA の二重らせんを発見して論文を書いたうちのひとり、フランシス・クリック博士は、今回と同じケンブリッジ大学で研究を続けていた科学者だったそう。


では、ここから記事です。




Astounding! 'Quadruple Helix' DNA Discovered In Human Cells
IIAI 2013.01.21

驚き!: 四重らせん(Quadruple Helix)構造の DNA がヒトの細胞で発見された

4-DNA.jpg

▲ 四重構造を可視化したヒトの細胞核と染色体。


ジェームス・ワトソンと、フランシス・クリックが「DNA の二重らせん」について記述した論文を発表したのは 1953年のことだった。

その記念碑的発見から 60年目の今、ケンブリッジ大学の研究者たちが、いわゆる「グアニン四重鎖」(G-quadruplexes )、あるいは G4-DNA 、として知られているヒトゲノム内に存在する「四重らせん構造の DNA 」の存在を証明する論文を発表した。

これらは DNA を構成する4つのうちで通常「G」と記されるグアニンのビルディングブロックに富んでいる DNA 領域に形成されていた。

今回の発表の結果を導くまでには 10年の歳月がかかっている。

当初は計算上での合成からはじまり、研究室での実験とモデリング、そして、ついにはヒトの癌細胞での特定の作業を通じて、論文発表に辿り着いた。

論文は、本日(2013年1月22日)発表される「ネイチャー・ケミストリー」に掲載される。

そして、四重らせん構造は、細胞分裂とその生産と極めて密接で重要な関連があることがわかった。
この研究は癌治療の新世代への道を開きそうだ。

四重鎖は、複製された DNA 構造に「罠」をしかけるように細胞分裂を阻止しており、このことにより、癌細胞の爆発的な増殖を止めることができると科学者たちは確信している。

研究者のケンブリッジ大学のシャンカー・バラスブラマニアン( Shankar Balasubramanian )博士は、以下のように述べた。

「現在の多くのガン治療が DNA を対象としていますが、しかしその基本的な働きがどのようなものはわかっていないのです。私たちは、いまだにゲノムのどこで反応しているのかさえわからないのです。なので、(DNA をターゲットにした現在のガン治療は)散弾銃を撃つようなアプローチであったのです(正確に狙った治療ではないということ)」。

「今回の四重らせん構造の DNA の研究は、ガン細胞の激増を選択的に防ぐことができる新しい方法のキーになるかもしれません。そして、それがヒトの細胞自身の中に存在したということはとても印象的です」。





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