2013年01月25日



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「私たちはひとりではない」と語り続けるチャンドラ博士が隕石から見つけたエイリアンの化石



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▲ 若き日のフレッド・ホイル博士(右の白髪の人)と、英国カーディフ大学時代のチャンドラ・ウィクラマシンゲ博士(左)が一緒に写っている非常に貴重な写真。ふたりとも「地球の生命は宇宙からやって来た」ことの追求に人生を捧げた科学者たちです。Wickramasinghe: Death from Aboveより。






 


エラソーなことを言っている間に風邪のようなものをひき

実は、昨日の記事を書いた後に、子どもがぐったりとして帰ってきまして、高熱が出ていました。本人曰く「急に熱くなった」とのこと。その前日までは風邪の気配もありませんでしたし、時事としても、下のようなニュースが出ている真っ直中。


インフル患者140万人、前週の倍近く増加−小児にも拡大・感染研
医療介護CBニュース 2013.01.25

インフルエンザの患者がさらに急増している。国立感染症研究所感染症情報センターによると、14-20日の週に全国約5000か所の定点医療機関を受診した患者数は1施設当たり22.58人で、前週の12.07人の2倍近くに増えた。この値を基に推計した全医療機関の受診者数は約140万人で、今シーズン初めて100万人を超えた。



うちの子も吐いたりしてキツそうだったんですが、数時間後に熱は下がり、夜中には微熱がありつつも元気になり、今回のはインフルエンザではないようです。

とはいえ、上のように流行している現状ですし、風邪などで弱っている時には気をつけたいところであります。

そんなわけで、昨日の記事で「ためしてガッテン」で放映していた「風邪の感染に関しての驚くべき米国での実験結果」について書いたとしていたんですが、私も風邪がうつってしまいまして、なんとなくテンションも下がり(苦笑)、結果だけを書いておきますね。

番組自体は、NHK のこちらの番組案内にある「マスクの予防効果のアップ術」というものですが、そのテーマとはあまり関係のないことです。

番組のラストのほうで、米国の医療機関が、風邪(かインフルエンザ)の感染に関して以下の3つの実験をおこなったことについてふれていました。

写真はイメージです。


[1] 風邪を引いていてマスクを着用した患者と同じテーブルを囲んで短時間過ごす

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[2] 風邪を引いた患者が使った容器(コップなど)をさわる

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[3] 風邪を引いた患者と網などでを隔てた同じ空間の部屋で三日間過ごす

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[3]の意味は、「患者と部屋の空気は共有しているが、体の直接的な接触はない」というためのものだと思います。つまり、それぞれの実験の意味は、

[1] 患者の飛沫が飛ぶ範囲での感染率
[2] 体液からの感染率
[3] 空気からの感染率

だと思います。

私たちが日常、あるいは今まで普通に言われてきていたことでは、なんとなく「風邪のウイルスが大気中を漂っていて、他の人たちに感染していく」というようなイメージがあります。

そういう意味から見ると、3日間という長い時間を患者と空気を共有する[3]の感染率が高い感じがします。

そして、その実験結果。


[1] 8パーセント

[2] 50パーセント

[3] 0パーセント



でした。

細かい点は違うかもしれませんが、大まかではこんな感じです。
というか、[3]の感染率が「ゼロ」だということに驚いたのです。


つまり、ごく簡単にいうと、(実験結果に若干の誤差があっても)「風邪は空気感染しない」と、ほぼ言える数値かと思います。というより、表現に語弊があるかもしれないですが、風邪に空気感染は存在せず、体液からのみ感染することを知りました。


ここから考えると、「効果的な風邪の予防法」がかなり見えてくるのです。特に、「学校や職場の集団感染を決定的に食い止める方法」は上の結果で実はわかると私は思いました。

しかし、上に書きましたように、そんなエラソーなことを書く人間が風邪を引いてしまった状態(苦笑)で、テンションが消えてしまいましたので、いずれまとめて書いてみたいと思います。


しかし、風邪ウイルスが大気を介しての水平感染はしないとした場合、大気中では何してるんですかねえ・・・。ウイルスの存在が消えるわけではないでしょうし。

パンスペルミア説では、風邪もインフルエンザウイルスも大気圏を突破した彗星の破片から大気中に拡散するというようなことをフレッド・ホイル博士なんかは言っていましたけれど、それだけ(大気中を漂うだけ)では、少なくとも風邪のウイルスは人には感染しないと言えそう・・・。

というわけで、今回はそのパンスペルミアと関係した話題です。






アリストテレスの時代に終わった「私たちはひとりではない」という人類と宇宙の関係が蘇った「20世紀」という時代


今回は過去記事に何度も登場しているチャンドラ・ウィクラマシンゲ博士の記事のご紹介です。

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▲ チャンドラ・ウィクラマシンゲ博士。本来の専門は数学です。


ところで、このチャンドラ・ウィクラマシンゲ( Chandra Wickramasinghe )博士の日本語表記に関しては、 Wikipedia などを含めて日本語では公的なページがないので、適当な日本語表現としたままですが、インターネット上では「ウィックラマシンジ」というものも多いです。私は記事全体を流動的に書かせていただいていますので、表記が統一されていない場所があると思いますが、ご容赦下さい。

ところで、チャンドラ博士はフレッド・ホイル博士亡き後の、博士の研究を正当に受け継ぐひとりなわけですが、日本語紹介ページがほぼありませんので、簡単にその経歴を書いておきます。

英語ページには膨大な量のチャンドラ博士についての記述があります。
今回は英語の Wikipedia からの翻訳抜粋です。


Chandra Wickramasinghe

チャンドラ・ウィックラマシンジは(1939年1月20日生まれ)は、スリランカ出身のイギリスの数学者である。現在は「宇宙生物学 カーディフセンター」 の代表。

スリランカのセイロン大学を1960年に主席で卒業した後、英国ケンブリッジ大学で博士号を取得。1973年から英国カーディフ大学で数学の教授を務め、1999年から現職。

ウィックラマシンジはカーディフ大学時代にパンスペルミア仮説を展開していたフレッド・ホイルと共同で研究を続け、「星間粒子赤外線スペクトルの観測」などにより、宇宙塵や彗星の物質が部分的に有機物であることを突きとめ、パンスペルミア仮説に発展的な貢献を与えた。

バンスペルミア仮説とは、「生命は宇宙に広く存在しており、地球の生命の起源は地球ではなく、他の天体で発生した微生物の芽胞が地球に到達したものである」という説で、ウィックラマシンジは、ホイルの死後も、彗星と星間物質のスペクトル分析による識別を一層進めている。

ホイルと同様、ウィックラマシンジの発表する理論は現代の科学界からはまったく支持されていない。しかし、彼の観測結果と発表とパンスペルミア説は、世界中のメディアや宇宙ファンたちを魅了し続けている。



というような感じです。

「世界中のメディアを魅了」という部分は、悪く言うと「大衆受けする」というよう意味でもあるのですが、実際、英国の大衆メディアであるデイリーメールなどでは、チャンドラ博士が何か発表するたびに記事として取り上げられたりしています。

これは、多分、博士は数年前から、意識的にかもしれないですけれど、口にする、

「私たちはひとりではない」( We are not alone )

というキーワードとも関係しそうです。

この「 We are not alone 」というフレーズは、もともとは、スティーブン・スピルバーグ監督の1977年の映画『未知との遭遇』のオリジナルポスターに記されたキャッチフレーズだったんです。

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▲ 未知との遭遇のポスター。日本語版でも上部の「We are not alone」は英語のまま掲載されました。


We are not alone のあとには「この宇宙の中で」という文言が続くような意味で、「宇宙の中で私たち人類はひとりではない」ということを文章でキャッチコピーとして明記した初めての映画だった・・・と思います。違うかもしれないですけれど。

SF映画は当時まで星の数ほどありましたけれど、それまでのパターンは、

・地球に宇宙人が攻めてくる(あるいは友好のために来る)

・地球の人間が他の惑星へ行く


のどちらかが主流で、「地球は宇宙の中のひとつの惑星だ」という考え方を押し出すものはあまりなかったように思います。

このあたり、それこそ上のチャンドラ博士の師匠のような存在だったフレッド・ホイル博士の言葉を借りると「アリストテレス以来、人間の考えは変わってしまった」のだそうです。過去記事の、


天上の神々の地位
 2012年10月07日


に、フレッド・ホイル博士の『生命はどこから来たか』のエピローグを抜粋していますが、そこに下のような記述があります。


『生命はどこから来たか』 エピローグ より

彗星や火球の衝突の話は、プラトンの時代には全く普通の話であった。しかし過去の大災害の記憶は忘れられ、哲学者アリストテレスからは地球が彗星には関係なく安全だと考えられるようになった。

アリストテレスは彗星や隕石を天体とはせず、大気現象だとした。
西洋思想では地球は宇宙から切り離されてしまったのである。

この変化はソクラテス後二〇〇年で起きたのだが、それは隕石の落下や空の " 流れ " の明るさが急に減少したためである。



要するに、哲学者アリストテレスの時代は現在の地球と同様、「空から隕石や彗星などがあまり降ってこない時代」だったようです。「天体のショー」としてそれを眺めていられる時代だった。これは今の時代と同じです。

今も「何々流星群の天体ショーを見よう」とか、日食や月食の観測について「ショー」として取り上げられますが、時代によっては「そのショーそのものが地球に突っ込んできた」ことはよくあったのです。


いずれにしても、確かに地球は宇宙の中にある。

これは、生命についても同じ考え方でいいと思います。

いわゆる「宇宙人」という単語には、地球の人類も含まれていると。


このことを「文字」として私たちにまた再認識させてくれたのが、スティーブン・スピルバーグ監督(が考えたコピーかどうか知らないですが)が提示してくれた、

「私たちはひとりではない」

という文言であり、現在まで続く、SF、オカルト、スピリチュアルなどの多くの思想もここに続くもののように思います。


そして、その「私たちはひとりではない」という言葉を現代のメディアの上に復活させたのがチャンドラ博士だと私は思います。

なので、多くの私たちの(特に中年世代)がチャンドラ博士にひき付けられる理由はそのあたりにもあるように思います。


というわけで、日本のメディアでは完全に無視されているチャンドラ博士とその発表ですが、博士の最新の発表に関しての記事も、英国を中心におびただしい数の報道が出ていました。


ところで、上の Wikipedia の紹介記事の中にある「粒子の赤外線スペクトルの観測」というのは難しい言葉ですが、これに関して、3年くらい前の「クレアなひととき」の「宇宙はすべて生き物からできている」という記事に、グラフつきで書いたことがありますので、記事の下に抜粋しておきます。 

とりあえず、そのチャンドラ博士の最新の研究発表の報道記事を、米国の著名科学サイト「デイリー・ギャラクシー」からご紹介します。





From the X Files: "A Meteroite That Crashed to Earth this December Contains Proof that We are All Aliens"
Daily Galaxy 2013.01.23

2012年12月にスリランカに落下した隕石が「私たち人類はすべてエイリアンである」ことの証明を示唆する


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スリランカ生まれの英国の数学者、チャンドラ・ウィックラマシンジ博士は、2012年12月にスリランカに落下した幅約6センチの隕石から、地球の海藻とよく似た化石を発見した。

ウィックラマシンジ博士は現在、英国の「宇宙生物学 カーディフセンター」の代表を務めているが、生前のフレッド・ホイル氏との共同研究者として知られている。

彼らの提示した理論は「パンスペルミア仮説」というもので、それは、星間粒子の赤外線スペクトル分析から宇宙塵は部分的に有機的であることを見いだし、そこから「地球の生命は宇宙からもたらされた」という理論を導き出した学説だ。

ウィックラマシンジ博士は、常に「私たちはひとりではないことを証明したい」と考えている科学者として知られている。今回の隕石の化石の発見に関しても、「人類の生命が地球外からもたらされた証拠を含んでいる」と述べる。

この岩は、スリランカの中央地域のポロンナールワという町で目撃された火球を辿った際に発見された隕石で、英国の研究室に搬送され、最新型の走査型電子顕微鏡で詳細に調査がなされた。

その結果、この岩から見つかった化石は 5500万年前の地球、つまり恐竜時代の地層から見つかる化石と似たものだった。

懐疑論者たちは、地球に落下した後に付着したものだという意見を提出したが、ウィックラマシンジ博士は、「隕石から見つかった中の藻類の化石に関しては、地球で見つかる化石と似ていますが、この隕石には、私たちが認識したことのない生物の痕跡を含んでいます」と言う。



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ウィックラマシンジ博士は、「私たちはすべてエイリアンです(We are all aliens)。これは、人類のすべては、宇宙の異星の祖先を共有しているという意味です。宇宙は生命の種を惑星系に拡大させ続けています」と語る。

最近の多くの発見と観測、そして計算は、この「地球の生命は宇宙から来た」という説を支持する多くの証拠を示唆するようになっていると博士は述べた。






(訳者注) 本記事はここまでですが、2010年に書きました、「クレアなひととき」の記事から、チャンドラ博士のハレー彗星の観測に関して記した部分を抜粋しておきます。


地球の成り立ち(0):宇宙はすべて生き物からできているクレアなひととき 2010年05月09日)より。



ハレー彗星の成分と一致した地球の「あるもの」

1986年に英国のカーディフ大学でチャンドラ・ウィクラマシンゲ教授たちのチームが、シドニーのアングロ・オーストラリアン天文台にあるアングロ・オーストラリアン望遠鏡で観測した、「ハレー彗星の赤外線吸収スペクトル」というものを示した貴重な観測結果のいくつかのグラフがあります。「スペクトル」というのは「分布図」くらいに思っていただければいいと思います。

銀河からは地球に向かって常に赤外線が放射し続けているそうで、このことによって、「様々な宇宙の物質の赤外線の吸収スペクトル」というものを観測できることができます。これはつまり、「赤外線がその物体を通過する際のいろいろ」を調べることで、その物質がどんな性質を持っているかを調べられるということです。

そして、宇宙の物質の赤外吸収率を観測した後に、地球上の実験施設で、同じような強度の赤外線を様々な物質に照らして、その吸収スペクトルを調べることで、その宇宙の物質が「地球でいえばどんな物質と似ているか」ということがわかるということになるようです。

そして、チャンドラ博士は1986年のハレー彗星の観測で、「地球上のある物質のスペクトルがハレー彗星のスペクトルと一致する」ことを発見したのです。下の表がそれです。

モノクロですのでわかりにくいですが、点の部分が、ハレー彗星のスペクトル。曲線で描かれている部分が「地球上のある物質」のスペクトルです。

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このハレー彗星と同じ曲線を示した地球上の物質が何かというと、これが何と「大腸菌」なんです。これは簡単にいうと、「ハレー彗星は細菌(微生物)の固まりかもしれない」という可能性を示したグラフということになります。

英国カーディフ大学において、この後、「大腸菌の宇宙環境シミュレーション下での適応実験」が執拗に繰り返されるのは、この時のハレー彗星と大腸菌とのスペクトルの一致によります。こういう懸念というか疑念というか希望というか、そういう空気がカーディフ大学の天文学チームや宇宙生物学チームの間に広がったのは、1986年のチャンドラ・ウィクラマシンゲ教授の上記のハレー彗星の観測によるところが大きいです。