2013年02月17日



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最後の法王と呼ばれ続けたベネディクト16世(2): 予言では存在しない 112代法王と蜘蛛の接点の国ブラジル(未来世紀)



前記事:最後の法王と呼ばれ続けたベネディクト16世(1): 聖マラキの予言とコナン・ドイルの未来感の時間軸
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marachy-top.jpg

▲ 米国ミシガン州スターリングハイツにある聖マラキ( 1094年頃 - 1148年 )の彫像。彼が書いたとされる予言では、ローマ教皇は 111人目(ベネディクト16世)で「終わり」と書かれてあります。






 


「存在しない存在」を賭けての根比べ


根比べ(こんくらべ)という日本語があります。

意味はコトバンクによりますと、

根気や忍耐力の強さをきそい合うこと。


だそうですが、一方、ローマ教皇の選挙会のことを、イタリア語で「 conclave (密室での会議の意味)」というそうで、日本語表記では、「コンクラーベ」となります。下は読売新聞の記事からです。


ローマ法王、退位を表明…3月中にコンクラーベ
読売新聞 2013.02.12

ローマ法王ベネディクト16世(85)は11日、枢機卿会議の席上、2月28日午後8時(日本時間3月1日午前4時)を期して退位すると表明した。法王は「高齢のため、私の(心と体の)力は職務に適さない」と理由を説明した。ここ数か月の間に自身の意思で決断したという。

後継法王は3月中に80歳未満の枢機卿約120人で開く法王選出会議(コンクラーベ)で決まる見通しで、それまでの間、空席となる。

ローマ法王は、宗教上の使命感や法王と前法王の対立を避ける配慮から事実上の終身制が定着。自ら退位するのは1415年のグレゴリオ12世以来、ほぼ600年ぶりで、極めて異例だ。



この法王選出会議について、ロシア・プラウダのポルトガル語版に非常に早い段階で、詳しい情報が掲載されました。プラウダのポルトガル語版(同じ内容の英語版)はポルトガル向けというより、事実上ブラジル向けです。

「なんでブラジルでの報道が最初?」

と、思って調べてみますと、今や、「キリスト教」という宗教の分布というものは、私たちが考えているものと違うものとなっているようです。私などの一般ピープルは「キリスト教ってなーんか白人っぽいしぃ」と一昔前のギャルっぽい語調で口ずさんだりしますが、実際はそうではないようです。

ボイス・オブ・アメリカの報道 によりますと、


ブラジルは世界最大のカトリック国で、信者数は 1億 2500万人以上にのぼる。



ということなのだそう。

ブラジルのキリスト教徒だけで日本の人口くらいの数がいる。

ブラジルもそうなんですが、「南米」というのは、今や「キリスト教を維持するための救世主」的な国家群だということが言えそうです。

そして、以前、

「西側の大衆文化は悪魔に牛耳られており、米国はキリスト教を滅ぼそうとしている」: ロシアメディア
 2012年09月06日

という記事に書きましたが、ロシアというのもそうです。

今のロシアはキリスト教が国教であるかのようなイメージがあります。


そんなわけで、次の法王に関しては、「カトリック教会史上初めてヨーロッパの出身ではない法王が誕生する可能性がある」ということになっており、その中でも有力視されているのが、「ブラジルの大司教」ということで、上のようにポルトガル語で大きな報道となっているということのようです。

その法王選出会議(コンクラーベ)で有力候補として上げられているのは、下のお三方です。

pope-next-112.jpg


ブラジルの大司教が、上の写真の真ん中の人で、オヂロ・ペドロ・スケレール枢機卿(Odilo Pedro Scherer)という方です。

左の赤い人は、アンジェロ・スコラ枢機卿という方で、右のタルチジオ・ベルトーネ枢機卿と共にイタリア出身のカトリック司祭です。そして、真ん中のオヂロ・ペドロ・スケレールというブラジルの方が、現在、もっとも次の法王として有力視されているということのようです。


どうでもいいですが、アンジェロ・スコラ枢機卿の赤い服などを見ていますと、40年以上前の英国モンティ・バイソンの名作コント「まさかの時にスペイン宗教裁判 ( Nobody expects the Spanish Inquisition )」を思い出します。

sapnish.jpeg

▲ モンティ・パイソン「まさかの時にスペイン宗教裁判」より。現代の様々な場所に突然、スペイン宗教裁判の異端審問官たちが現れる。



まあ、モンティ・パイソンはともかく、今回、次の法王と目されている上の3人たちの間にもいろいろな駆け引きや「戦い」といったようなものがあるのだろうなあと思うと、「コンクラーベ」という言葉の意味も、日本語として考えてもわかりやすく思いました。



話が逸れないうちに戻ります。

そんな中(どんな中だよ)、ベネディクト16世は、第 111代のローマ法王として退位されていくわけですが、前記事の「最後の法王と呼ばれ続けたベネディクト16世(1)」に、「聖マラキの預言」というものを抜粋しました。


malachyprophecy.jpg

▲ 「聖マラキの預言」の複写。


ちなみに、この「聖マラキの預言」は、専門家の間では偽書としてほぼ断定されているものですので、ニセモノであるということを念頭に置かれて下さい。

さて、その偽書とされる「聖マラキの預言」の最後は下のように終わります。
この 111番目の法王は退位されるベネディクト16世です。


「全ての教皇に関する大司教聖マラキの預言」より 111番目の教皇

111.オリーブの栄光 - ベネディクト16世(2005-)

ローマ聖教会への極限の迫害の中で着座するだろう。
ローマ人ペトロ 、彼は様々な苦難の中で羊たちを司牧するだろう。そして、7つの丘の町は崩壊し、恐るべき審判が人々に下る。
終わり。



上では、

>7つの丘の町は崩壊し、恐るべき審判が人々に下る。終わり。


というように、「終わり」となっています。

つまり、ここで「法王の歴史は終わり」と書かれているのです。

ベネディクト16世が「最後の法王」と呼ばれている理由のひとつともなっているのはこのあたりにもあるようです。

ちなみに、「7つの丘の町」というのを知らなかったのですが、こちらによりますと、ローマの市街中心部からテヴェレ川東に位置する古代ローマ時代の七つの丘のことだそうで、

・アヴェンティーノ( Aventino )
・カンピドリオ( Campidoglio )
・チェーリオ( Celio )
・エスクイリーノ( Esquilino )
・パラティーノ( Palatino )
・クイリナーレ( Quirinale )
・ヴィミナーレ( Viminale )


なのだそう。

下は Wikipedia からの地図です。

Seven_Hills_of_Rome.png


このあたりが崩壊したというような話は(経済を別にすれば)聞かないですけれど、そういえば、2010年のウェブボットに下のような記述があります。


来るべき未来の姿 2010年8月15日配信 より
Web Bot

・主要メディアでは、北半球の秋と冬の極端な寒さが報道されるようになる。ローマの7つの丘が雪に包まれ、ドイツ、スイス、フランス、オーストリア、チェコなどの中央ヨーロッパでは、巨大な雪崩などの雪や氷に関係する災害で大変な被害が出る。



確かこの冬は上の各国は大変な寒さに見舞われています。
ただ、ローマの7つの丘が雪に包まれたかどうかは、確認しようがないです。

しかも、まだ寒いみたいですし。
隕石らしきものが爆発したロシアも寒さが大変のようです。






「消滅していくとされるもの」と「存在されないとされているもの」の出会い


ところで、偽書とはいえ、「 112番目の法王が存在しない」という予言があるせいで、キリスト教徒の人たちの中には動揺もあるようです。

この「存在しない」というフレーズ。そして、112代法王として最も有力なのがブラジルの司教だということを知って、先日の、


蜘蛛が空から無数に舞い降り、TVからはゾンビ襲来の警告が響き渡る 2013年
 2013年02月14日


の「ブラジルのクモ」のことを思い出しました。



▲ 上の記事より。動画は YouTube のこちらです。


こちらも単なる中世の神秘学でのオカルトだとはいえ、前記事から抜粋しますと、


中世の神秘学には「第8領域」という世界が存在するようで、クモやハエといったものがそれに該当して、それらは「次の宇宙からは消えてしまう」ものなのだそうです。



という概念があるようで、「クモは将来存在しないもの」として神秘学では考えられている。

その「未来にはいないかもしれない」クモたちが大挙として「予言では存在しない未来の法王」が生まれるかもしれないブラジルに押し寄せたというのは、何となく印象深いものがあります。

「象徴的」というような言葉も思い出します。


象徴的という意味ではいろいろなことも確かに起きています。

こちらの記事に載せましたように、法王が退位を表明した日にバチカンのサンピエトロ聖堂に稲妻が落ちました。

holly-2013.jpg

▲ 法王が退位を表明したその夜に何度も稲妻が落ちたバチカンのサンピエトロ聖堂。動画はこちらにあります。



そして、先日のロシアの「隕石かもしれないもの」も、前回の記事の最初に載せた、大気圏を突破して飛んでいる姿は、まるで「稲妻」か、あるいは「ミサイル」のように見える形でした。



▲ 2月15日にロシア上空で爆発した隕石が大気圏から地球に侵入した直後の写真。速度のせいもあるのかもしれないですが、先端も尖っているように見えます。



あるいは、これは違う話となりそうですが、先日、太陽画像に下のようなものが写りました。

20130208_1918_c3_1024.jpg


これは私自身も奇妙に思ったので、NASA の太陽観測衛星 SOHO の当日24時間の写真を連続で見てみたのですが、やはり奇妙です。データ送信上のエラーの場合でこのように大規模な不具合は見ないので、考えられることとしては、

・機器かデータの大きなデータの損傷
・本当に何か写っている


のどちらかとなりますけれど、写っているとすると、太陽の直径と比較できるような大きさのものとなってしまいますので、想像しがたい部分もあります。自分でその日(2月8日)のすべての太陽活動の写真を動画をこちらにアップもしてもいます。36秒くらいのところで写ります。





未来は「今」


さて、この「終末的な感じ」ということと関連して、前回は、「シャーロック・ホームズ」シリーズのコナン・ドイルの晩年の予言を書きました。今回は、アメリカの初代の大統領ジョージ・ワシントンの「夢のビジョンの記録」を書こうと思っていたのですが、結構長いものですので、この法王シリーズは、もう一回と思っていまして、その時に書かせていただこうと思います。

ジョージ・ワシントンの「夢のビジョンの記録」は、アメリカ議会図書館に保存されています。


そういえば、今回のタイトルの「ブラジル」の後に(未来世紀)と入れたのは、「未来世紀ブラジル」という邦題の映画のタイトルの意味です。公開されたのは 1985年ですので、そろそろ作られてから 30年近くになるのですね。

これは現世の映画史の「宝物」だと思います。今でも。
観られたことのない方は、死ぬまでに1度は観ていただきたいと思います。

この映画のラストのクレジットのシーンを貼っておきます。

恋する女性を追っているうちに、「テロリスト」とされてしまった主人公が洗脳手術をされ人生が終わった場面で映画は終わります。

「未来世紀ブラジル」ラストシーン




そういえば、この映画の監督は、モンティ・パイソンのテリー・ギリアムという人で、ふと気づいたんですが、上のほうに何となく載せた「スペイン宗教裁判」のコントに出演しています。

下の人です(笑)。

gil.jpeg


テリー・ギリアムは基本的には、モンティパイソンの番組でのコラージュ・アニメ担当ですが、たまにコントに出ていました。

イギリス人集団のモンティパイソンで唯一のアメリカ人だったテリー・ギリアムですが(最近、アメリカ国籍を放棄したらしいですけど)、アメリカで映画監督を始めてからは、むしろ、他のメンバーよりもモンティ・バイソンの「血脈」というようなものを絶やさずに残してくれていると思います。作品などは、Wikipediaにあります。


いずれにしても、私などにとっては、ブラジルとは未来世紀であり、20世紀にその映画を観た私の「未来は今」であり、そしてその未来世紀の現在のブラジルから次の「未来には存在しない 112代法王」が選出されるかもしれなくて、さらにそのブラジルには「消えていく存在の蜘蛛」が大量に空から現れた・・・ということを、簡単に書きたかったのに、この長さとなってしまいました。

すみません。