2013年02月27日



2015年10月7日に In Deep は http://indeep.jp に移転しました。よろしくお願いいたします。




火星が消える日: 広島型原爆の1兆倍の衝突エネルギーを持つ彗星 C/2013 A1 が火星に近づく 2014年 10月



そして、この数年で飛躍的に増えている太陽系での天体の衝突




▲ 2011年に、天王星で観測された異変。「白い点」がすべて異変で、何らかの爆発か気象現象だと考えられています。28億キロも遠くにある惑星なので、具体的なことはわからないですが、太陽系の縁に近いこの惑星は天体の爆撃を受けている可能性があります。過去記事「太陽系が荒れている」より。
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2014年10月に火星に衝突する可能性のある「直径50キロメートル」の彗星


昨日、ロシアのいろいろなメディアで「2014年に火星で惑星レベルでの危機」というような見出しの記事が出ており、これは2014年10月に火星に「直径50キロメートル」の彗星が衝突する可能性があるというものでした。

ロシアメディアの情報元は、ロシアの天文台 ISON-NM のようです。

ison-site.jpg

▲ ロシアの ISON-NM 天文台のサイトより。


火星のこととはいえ、「 50キロメートルの小惑星の衝突」というのは、もうものすごい話で、ちょっと想像の外にある話であったので、思わず読んでしまいました。

たとえば、先日のロシアの隕石騒動の隕石の大きさは十数メートル。
比較になるようなものではないです。


また、あくまで仮説のひとつとはいえ、6500万年前に「恐竜が絶滅した原因」という考えられる地球へ衝突した彗星か小惑星は 隕石衝突 - Wikipedia から抜粋しますと以下のように考えられているようです。本文では K-T境界と書かれてありますが、これ約 6550万年前の中生代と新生代の境目を表す地質年代区分の専門用語ですので、約 6500万年前としました。


約 6500万年前の大量絶滅の仮説のひとつである隕石衝突説では、直径約 10kmの隕石がメキシコのユカタン半島に衝突し、その衝撃により恐竜やアンモナイトは絶滅したとされる。



これでも「 10キロメートル」。

フレッド・ホイル博士の著作『生命はどこから来たか』の下の表を過去記事で何度か掲載したことがあります。


 「良い時代と悪い時代」(1)より。


上の表でも「7キロメートル 大絶滅」という項目までで終わっていまして、数十キロの大きさの天体の衝突というのは「想定外」に近いものがあります。

タイトルに「火星が消える日」なんていう大げさな文字を入れましたけれど、しかし、実際の消滅ではなくとも、いろいろな意味で「事実上の消滅に近いような状態の衝撃」を与えるものかもしれないとは思います。

今回は、上のロシア ISON-NM 天文台のサイトの内容をご紹介しますが、彗星自体はすでに正体はわかっていて、「サイディング・スプリング彗星 (C/2013 A1)」というものです。Wikipedia から説明を抜粋いたします。


サイディング・スプリング彗星 (C/2013 A1)


サイディング・スプリング彗星とは、非周期彗星の1つである。2014年10月19日に火星に衝突する可能性がある彗星である。(中略)

近日点通過前の2014年10月19日に、サイディング・スプリング彗星は火星に最も接近する。この接近の際、火星に衝突する可能性がわずかながらある。

134回の観測結果によれば、サイディング・スプリング彗星はもっと遠い場合で火星から約119万km (0.00794AU) のところを通過すると考えられている。しかし、もっと接近する可能性もあり、最小距離は0である。



上の、「可能性の最小距離は0」というのは、衝突するということです。

まあ・・・この彗星の大きさが 50キロメートルという途方もない大きさであると同時に、火星は地球より小さいですからね。

mars-earth.jpg

▲ 地球と火星の大きさの比較。





太陽系のすぐそこまで近づいているかもしれない「新たな重爆撃期」


火星についてはこれまでも、キュリオシティのことを含めて、よく取り上げていました。

火星の生命・・・それは微生物や、あるいはアミノ酸のレベルでもいいのですけれど、とりあえず何らかの生命に準じるものが火星に存在していることは間違いないと思いますが、それはともかく、直径が何キロもある天体が惑星に衝突した場合、衝突を受けた地帯の物質は「分子レベル」でバラバラに破壊されるということがあり、その場合は、どんな生命も有機物も残ることは不可能なはずです。

数十億年前の地球の地層から細菌や微生物を含めて、まったく古代の生命の化石や痕跡が見つからないのは、その頃の地球が「激しい天体の爆撃の時代」(後期重爆撃期と呼ばれたりします)だったことを示唆していると思われます。

35億年前の地層あたりから、やっと地球での「生命の痕跡」が見つかります。



▲ 35億年前の岩石から見つかった古代生物の化石。記事「生命の種子: 分析により隕石の原子の地球起源が否定される」より。



その時代は、それはもう地球上のあらゆるものが分子レベルで破壊される「無茶苦茶な時代」だったとは思います。簡単にいうと「地上に何もなくなる」

深海にすむわずかな種類の生命や、地中深くに生きられる生命以外は地上から「分子レベル」で消えていく。




「見よ、わたしはすべてのものを新たにする」

たとえば・・・まあ、これは急にオカルトっぽい話にもなりますが・・・たとえばの話として、その 35億年より前に地球に「文明」みたいなものがあったとしても、度重なる天体の爆撃で「なんにも残らない更地」となっていくはずです。

それは化石や遺跡どころか後に何も残さないと思います。
だから、もう存在したことがわからない。



しかし一方で、それらの隕石や彗星(特に彗星)は「生命」を同時にその惑星にもたらすと考える科学者は多いです。このブログでよく紹介させていただくフレッド・ホイル博士もそうでした。


上の35億年前の岩石から見つかった古代生物の化石の写真を載せた記事には、2011年3月1日の英国テレグラフの記事をご紹介していますが、アリゾナ州立大学による研究についての下のような文言で始まります。


隕石が地球に「生活の種子」をまいたという更なる証拠より。


40億年前、地球に衝突した隕石は、存在していた生命を一掃したのではなく、むしろ地球で生命の存在が開始されたきっかけを作ったということが研究で示された。

今、科学者たちは、その時代に地球に衝突した南極の隕石の破片の調査から、その時の状態が地球の生命の初動の状況を作り出したと考えている。

原始の状況の下でのその破片のアンモニアが生命の基本的な素材であるアミノ酸を発したということはわかっており、研究者たちは、そのアンモニアの中での窒素原子を分析し、原子の同位元素が現在地球で見つかるものとマッチしないことを断定した。




というようなもので、この中の「原子の同位元素が現在地球で見つかるものとマッチしない」というのは、「地球のものではなく、宇宙由来の可能性がある」という意味です。

これまでも、「良い時代と悪い時代」などのシリーズで、たびたび書いていましたが、天体の衝突の時代は、終わりではなく、始まりの時代だということを、上の記事で再認識します。


私は最近、聖書の「ヨハネの黙示録」の21章 5節にある、

「見よ、わたしはすべてのものを新たにする」

という状態は、こういう 38億年前などの重爆撃時代程度の出来事がないと実現できないようにも思います。

中途半端に、生命やDNA が残っていると、「すべてのものを新たに」というようなことにはならないと思うからです。



それはともかくとしても、すでに太陽系では、天体の衝突かもしれないと思われる異変が、さまざまな惑星に起きているということは、以前から何度かご紹介してきました。


かなり昔の記事などもあり、近いうちに改めて、「最近の太陽系の異変」というものを振り返ってみたいと思っています。今や無傷なのは地球くらいになっています。

そして、太陽系の外でも活発な「爆撃活動」が起きていることについて、


数十億年前の「太陽系への彗星の爆撃状態」と同様の現象を NASA のスピッツァー宇宙望遠鏡が観測
 2012年11月11日


という記事で取り上げたこともあります。



▲ 太陽系外にある「イータ・コルヴィ」と呼ばれる領域の太陽系で壮絶な天体の重爆撃期が起きていることを NASA のスピッツァー宇宙望遠鏡が発見したことをご紹介した「数十億年前の「太陽系への彗星の爆撃状態」と同様の現象を NASA のスピッツァー宇宙望遠鏡が観測」より。イラストは NASA が発表した想像図。



地球レベルというよりは、太陽系、あるいはさらに広い範囲での「変化」というものがこの数年の間に急速に進んでいる可能性を感じます。



それでは、ここからロシアの ISON-NM 天文台のサイトの記事をご紹介します。

火星に衝突するかどうかということが問題というよりも、私は今回のことで、「数十キロメートルという大きさの小惑星が太陽系の中を通過することが普通にある」という事実に驚いた次第です。

なお、この文中では衝突の威力を「200億メガトン」としていますが、比較としてよくわかりませんので、Wikipedia のサイディング・スプリング彗星の下の説明を記しておきます。


仮に衝突すれば、衝突エネルギーは、リトルボーイ(広島型原爆)の1兆倍、ツァーリ・ボンバ(ソビエト連邦が開発した人類史上最大の水素爆弾)の4億倍のエネルギーが放たれ、直径500キロメートル、深さ2キロメートルのクレーターが生ずると考えれている。



とのことです。
かなりのもののようです。




c2013-a1-russia.png
Space Obs (ロシア) 2013.02.25

彗星 C/2013 A1 (サイディング・スプリング彗星)が火星と衝突する可能性がある


mars.jpeg


2013年の初めにオーストラリアのサイディング=スプリング天文台で発見された彗星 C/2013 A1(サイディング・スプリング彗星)は、 2014年10月19日のグリニッジ標準時 4時20分に、火星の中心から約 0.00073天文 AU( AUは天文単位のことで、1天文単位は約 1億 5000万キロ)のところを通過する。

これは、約10万5000キロメートルに相当し、計算の範囲の中では火星に衝突する可能性がある。

彗星 C/2013 A1は逆行軌道で動いているので(惑星の進行方向の逆から向かってくることので)、惑星と衝突した場合は、そのエネルギーが非常に高いと考えられている上に、直径が約 56キロメートルある。

なので、彗星が火星に衝突した場合の爆発エネルギーは TNT 火薬の換算で 200億メガトンにも達する。落下地点には直径 500キロメートルのクレーターができる。

これらの計算は現在の測定値に基づいて出されているものであり、当然のことながら、新しい観測データによって、今後変更される。軌道要素の計算は、米国 NASA のジェット推進研究所のデータから取得したものだ。

今後、天文学者たちのこの彗星への監視が 2014年の当日まで続けられる。






(訳者注) ちなみに、こういう巨大な天体と地球との今後の関係も含めて「新しい重爆撃時代の到来」について、そのうち記事にしようと思っています。

個人的にはそういう時代が近いうち(この数十年うち)に来るような気もしますけれど、それはやはりわからないことでもあります。


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