2013年03月04日



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2013年 3月4日に月と地球の間を通過する「小惑星 2013 EC 」が初めて発見されたのは地球最接近の2日前



2013-sim.jpeg

▲ 小惑星2013EC が3月4日(日本時間 3月5日)地球と月の間を通過していく際の想像図。
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次々と「ふい」に登場して地球近辺を通過していく小惑星たち


今回の話は地球に危険があるという話ではなく、「いかに私たちは地球の周辺の天体を把握していないか」という話かと思います。

3月4日(日本時間では3月5日)に地球と月の軌道内を通過していく「小惑星 2013 EC 」についての発表が NASA などの宇宙機関からありました。

この小惑星が最も地球に接近する時の地球からの距離は約 38万キロで、天体の世界で使われる「 LD 」(「月との距離 lunar distance 」の意味)という単位で表記すると「 1LD 」となります。宇宙レベルで考えると、大変近いところを通っていくのですが、驚くべきは、3月4日に地球に最接近するこの小惑星が初めて発見されたのは、一昨日の3月2日のことだったということです。

2013-ec-02.jpg

▲ 昨日(3月3日)からスペースウェザーの「地球近くを通過する天体」の表に掲載された 2013EC 。赤で囲んだものです。


軌道は NASA ジェット推進研究所の こちらの 2013 EC ページ にあります。

この小惑星の大きさは、先日のロシアで爆発したものと同様、十数メートルという小さなもののようですが、突然発見されたということで、これまでの軌道に興味を持ちまして NASA がシミュレーションしたこの小惑星からの昨年からの動きを動画にしてみました。

下のものです。

小惑星 2013 EC の軌跡





そして、こういうような天体の軌道が「無数」に地球の周りには存在しています。

たとえば、それは過去記事の、

太陽系内の「彗星と小惑星の数と配置の状況」に心底驚いた今日は小惑星 DA14 が最接近する日
 2013年02月15日

に載せました下の彗星と小惑星の太陽系内の分布図でもおわかりかとも思います。



上の図では、黄色い点がすべて小惑星で、矢印はすべて彗星です。



ということになっています。





現在、把握している天体の数は全体の15パーセント程度に過ぎない


そういえば、先日のロシアの隕石爆発があった後には、 NASA などの科学者たちも様々な国でインタビューを受けたようですが、 NASA の惑星科学部門の科学者であるジム・グリーン博士は、インターネット上の写真を見ると、どうやら、日本のメディアのインタビューを受けたようで下のような写真がありました。

nasa-green.jpg


博士は、「地球に飛来する可能性のある小惑星のうち 15パーセント程度しか観測できていない」と述べていたようです。もちろん、この「15パーセント」という数自体も「推定」なわけで、「一体どれくらいあるのかは実は誰にもわからない」はずです。

というのも、彗星にしても、小惑星にしても、どこから来るのか正確なところはわかってはいないものの、一般的には、「太陽系の端や外からくる」ものですので、それが時期によったり、あるいは太陽系のある場所によって、数は変化しているはずで、「実は、どのくらいの浮遊天体が太陽系内にあるのかさえ、まったくわかっていない」というのが実情だと思います。

最近の説では、オールトの雲と呼ばれる太陽系の「ふち」のあたりに存在しているかもしれないとされる巨大な天体が太陽系の中の彗星と関係しているのではいかという論があります。

そのあたりは、ずいぶん以前の記事ですが、

彗星の正体: 太陽系の縁に潜む「彗星を地球に投げつける」巨大な物体ネメシスの存在の可能性
 2010年12月10日

という記事でふれたことがあります。

カイパーベルトなどと呼ばれるものもあるそのあたりに、「木星の4倍の大きさの天体が存在し、それがオールトの雲からやってくる彗星の軌道を変更させているのではないか」という学説をご紹介したものでした。

下の図の「巨大な黒い星」と書かれているものです。




いずれにしても、今回の 2013ECは地球に危害はないですが、今回の 2013EC の例でわかるように「突然発見される」ということは今後もあると思います。


そういえば、地球から今年見られる彗星のうちでも明るいもののひとつであるパンスター彗星( C/2011 L4 )が、早くもオーストラリアで観測されています。

c2011-l4.jpg

Spaceweather より。オーストラリアのメルボルンで3月2日に撮影。



パンスター彗星や、秋に来るアイソン彗星はこれよりもっともっと明るく見える可能性があるわけで、天文ファンたちや空に興味のある子どもたちを喜ばせてくれると思います。



地球に衝突しない限りは。



そんなわけで、今回は 3月 2日に発見された小惑星 2013EC についていち早く報道していた米国の「ユニヴァース・トゥディ」の短い記事をご紹介しておきます。

ここからです。





Newly Found Asteroid to Pass Within Moon’s Orbit on March 4, 2013
Universe Today (米国) 2013.03.04


2013年3月4日に月の地球の軌道の間を通過する小惑星が新たに発見される


2013EC_3mar2013b.jpg

▲ 新しく発見された小惑星 2013EC を撮影した画像。Virtual Telescope Project より。


新しく発見された小惑星は、2013年 3月 4日午前 7時 35分(世界時)に、地球に最接近する。距離として、ちょうど月の軌道の内側を通過していく。

この小惑星は、2013 EC と名付けられた。大きさは、2週間前にロシアで爆発した隕石と同程度で、 10メートルから 17メートル程度だと思われる。ロシア隕石は地球の大気に入ったときには約 15メートルだったと推定されている。

この小惑星を発見したのは米国アリゾナ州にあるレモン山天文台(Mount Lemmon Infrared Observatory)だ。

なお、この小惑星が地球に衝突する可能性はない。

最も近づく時で、地球から 39万6000キロの距離にまで来ると予測されるが、誤差の範囲でも、最大に近づいても地球から 36万3104キロだと計算されている。

天文台のメンバーは、

「このことは、最近、小惑星が以前より多く地球の周辺に来ていることを意味しているのではありません。私たちの観測技術が向上してきたことで、より多くの天体を発見することができているというとなのです」

と述べた。






(訳者注) 彗星や小惑星の動向に関しては、スピリチュア系の話なども含めて、いろいろと目に入ってくる最近ですが、いずれいくつかご紹介できればと思います。