2013年03月07日



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「生命の DNA の素材」が銀河の星間雲で形成されている可能性を米国カリフォルニア大学が発表



「宇宙全体に DNA ブロックが散らばっている可能性」を示唆する論文からふたたび議論が活発化するパンスペルミア説

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▲ 銀河中心の星間雲でも生命の素材の有機物が作られている可能性が大きい。






 



宇宙に疎外された宇宙人みたいな気分の春の日

米国の科学記事で「パンスペルミア説」という文字を久しぶりに見たので、今回はその記事を翻訳してご紹介します。

ちなみに最近、私の「双極」のアップダウンがさらに激しくなっていて、ウツが本格化する日などには、本当に生きているのがイヤで(自分がこの世に存在していることに穢らわしさを感じる)、昨日なんかも1日ほとんど動けずに寝てまして、 In Deep の記事は更新できませんでした。

若い時にもウツは多かったですけど、昔と違うのは「ひたすら自己否定に向かう」というところで、他人や周囲への攻撃的な面はほとんどなくなっています。

カート・コバーン予備軍のような感じはあります。

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▲ 90年代の米国で最も人気のあったバンドのひとつニルヴァーナのカート・コバーンの自筆の遺書の最後の部分。「 I LOVE you . I LOVE you (愛してる 愛してる)」で終わっています。






「生命の生まれた場所」に対しての最終的な可能性の提示


人の遺書を参考にしている場合でもないのですが、まあ最近の私はそんな感じで、今日もまだ本調子ではないですので、あまり前振りなしで翻訳に入ろうと思います。

本題はタイトルの通りですが、2月に「天の川銀河の中心付近の星間雲の状態のシミュレーション実験」に関しての科学論文の発表がありました。その中で DNA ブロックは宇宙空間でも作られているということが示されたということについての記事です。

もちろん、DNA そのものが見つかったということではなく、DNA を構成する要素となり得るもの(星間分子と呼ばれるもの)の話なのですが、それは下のような感じのもののようです。

星間雲で形成され得る物質

dnablock2.gif

Daily Galaxyより。


図に入れた日本語は読みにくいかもしれないですので、下にも記しておきます。

Methyltriacetylene メチルトリアセチレン
Acetamide アセトアミド
Cyanoallene シアノアレン
Propenal プロペナール
Propanal プロパナール
Cyclopropenone シクロプロペノン
Methylcyanodiacetylene メチルシアノジアセチレン
Ketenimine ケテンイミン
Cyanomethanimine シアノメタンイミン


となります。

さすがに個別にこれがどんなものかは私にはわからず、日本語にするので精一杯でしたが、そのうち、調べたいと思っています。

(追記) 上のリスト以外にも、星間の分子については、星間分子の一覧という「天体望遠鏡の電磁波観測により発見され、同定された星間分子」の一覧が載せられているページがあることを教えていただきました。



こういう「宇宙に DNA の素材が散らばっているかもしれない」という可能性の中で、再びパンスペルミア説も大きく議論されています。

パンスペルミア説はこの In Deep を始める動機となった最大のテーマとなる学説ですけれど、先述しましたように、今の私にはそれを熱く語ることのできる情熱が欠如しておりますので、「星間雲」と「パンスペルミア説」をそれぞれ Wikipedia から抜粋しておきます。


パンスペルミア仮説

パンスペルミア仮説とは、「宇宙空間には生命の種が広がっている」「地球上の最初の生命は宇宙からやってきた」とする仮説である。

この説のアイディア自体は元々は 1787年ラザロ・スパランツァーニによって唱えられたものである。この後、1906年にスヴァンテ・アレニウスによって「panspermia」という名前が与えられた。

この説の現代の有名な支持者としてはDNA二重螺旋で有名なフランシス・クリックほか、物理学者・SF作家のフレッド・ホイルがいる。

アレニウスは以下のように述べた。

「生命の起源は地球本来のものではなく、他の天体で発生した微生物の芽胞が宇宙空間を飛来して地球に到達したものである」。





星間雲

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星間雲(せいかんうん)は、われわれの銀河系内や銀河系外の星雲(小宇宙、外宇宙ともいう)にみられるガス・プラズマ・ダスト(塵)のあつまりを総称したものである。



私の地球の生命の起源に関しての考え方は、上のパンスペルミアの説明にあるとおりですが、「アレニウス」という人については震災の後の頃に、

宇宙塵自身が生命であることに言及した 100年前のノーベル賞学者の実験
 2011年05月07日

という記事に書かせていただいたことがあります。

arrhenius.jpg

▲ 実験中のアレニウス。1900年代の初頭。


アレニウスは、

> 「生命の種子は、太陽風を受けて、秒速 100Kmの速度で宇宙を旅してきた」


と記述していました。

もっとも、アレニウスがノーベル賞を受賞したのは、パンスペルミア説とは関係なく、「電気解離の理論」というものによってした。その貢献で 1903年にノーベル化学賞を受賞しています。

その後、100年以上、パンスペルミア説は無視されたままです。

はっきり言わせていただきますと、パンスペルミア説は、まるでオカルトか、スピリチュアルの世界の話のような扱い方をされてきたような部分がありますが、この何世紀もの間に、多くの科学者たちが情熱と人生を傾けた「現代科学の世界の最大のテーマ」の1つです。

しかし、この 200年くらいの間にそれは見事に「握りつぶされた」という感じがあります。いろいろな理由はあるでしょうけれど、その背後に、進化論と現代宇宙論(ビッグバン理論)があることは確かだと思われます。

もうそろそろ進化論だとかビッグバン理論だとかいう科学論から人類は脱却すべきではないかと本気で思います。もうそんなに時間がないと思うのですよ、地球とかの意味も含めていろいろな意味で。

ちなみに、In Deep パンスペルミアのカテゴリーはこちらです。


では、ここからカリフォルニア大学の最近の論文を紹介した記事の翻訳です。





Panspermia: New Evidence Comets Seeded Life On Earth
IIAI 2013.03.05


パンスペルミア説 : 彗星が地球に生命をもたらしたことに関しての新しい証拠


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▲ 彗星が地球に生命をもたらしている可能性を米国カリフォルニア大学の化学研究チームは述べた。


遠い宇宙での状況をシミュレーションした最新の実験によると、生命の複雑なビルディング・ブロック(生命の分子などの構造)は、星間での氷の塵の中で形成された後、地球へともたらされたかもしれないことを明らかにした。

カリフォルニア大学バークレー校の化学研究者たちの最新の研究では、すべての生命が共有するアミノ酸と関連する生命のビルディング・ブロックに必要な酵素や糖、タンパク質といった複雑な分子が、宇宙空間で形成されることが可能であることが提示された。この見解は、それらの生命の構成要素が、彗星や隕石によって地球にもたらされるという可能性をも示唆するものだ。

ハレー彗星のような彗星は、ジペプチドなどの複雑な分子の温床となりうる。そして、彗星は地球に衝突した際に、これらの分子、あるいは「生命の種(胞子)」を地球にばらまいている可能性がある。

これまで、地球の科学では、生命は地球での原始の海にその起源があると想定した中で生命起源の研究が続けられてきたが、地球の生命の起源についての新たな提示となり得る可能性がある。

今回のカリフォルニア大学バークレー校の実験では、二酸化炭素、アンモニア、メタン、エタン、プロパンなどの様々な炭化水素を含む空間でのシミュレートや、超低温の高度な真空状態内で宇宙線の状態を高エネルギーの電子でシミュレートした中で、複雑な有機化合物が形成、反応することが確認された。





ここまでです。

記事はわかりにくいですが、簡単に書くと「宇宙空間と同じ条件で有機物が形成され、化学的な反応が起きることが示された」ということのようです。

つまり、宇宙のどこでも生命、あるいは生命の素材が誕生し続けているという意味だと思います。