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▲ つい先日の 2013年2月13日に NASA が公開した水星探査機メッセンジャーが撮影した最新の水星の画像。青くて美しい星。神秘学では「最大の意味」を持つ惑星です(太陽よりも存在が大きい)。Space.com より。
上の写真は特に本題とは関係ないですけれど、やっぱり水星ってキレイな惑星だったと思いましたもので。水星に関しては結構前になりますけれど、過去記事の、
・水星の真実: 探査機メッセンジャーの撮影で水星の「何か」がわかるかもしれない
2012年03月24日
に、中世の薔薇十字団が記した『薔薇十字の秘密のシンボル』(1785年)という200年以上前の印刷物では、「水星が大変重要」だということが繰り返し出てきていまして、そのページで『薔薇十字の秘密のシンボル』の中の下のようなイラストを載せました。
mercury-005-02013.jpg
「妊娠と出産(ひとつの人間が形成されるということ)の構造」のようですが、母体のような頭上の一番上にあるのが「水星のマーク」なんです。その下に太陽とか、いろいろと連なっています。
ちなみに、水星のシンボルの下にある下のマークは、神秘学や占星術では太陽のシンボルです。
そして、一方でこれは、日本の古文字のホツマ文字(ホツマツタエ、ヲシデ文字)というものの「ア」と同じなのだそうです(参考記事: 地球は太陽そのもので、その太陽は4であり、かつ日本語の始まりを示すものかもしれない)。
まあ、神秘学はともかく、人間は誰でも子どもとして生まれてきます。それは、前回の記事で書きましたフレッド・ホイル博士の著作『生命はどこから来たか』の第1章の冒頭の文章である、
> われわれは皆、許しを請うことなくこの未知の世界に生まれてくる。
というように、この地球の上に「現れ」ます。
その『生命はどこから来たか』の第1章を部分的に抜粋する前に、前回は疲れてしまって終わりましたが、今回はその抜粋をいたします。
ところで、「子ども」と関係することといえば、やや嬉しいニュースもありました。
悪い話ではないと思いますので、ちょっと書いておきます。
震災後2年目で「放射能による異常がまったくなかった」ことが判明した福島の子どもたち
私の奥さんの姉夫婦は福島に住んでいて、震災の被害も受けたのですが、昨日その関連でお姉さんの話になった時に、私はふと一昨日のニュースを思い出しました。
わたし 「そういえば、福島、よかったじゃん」
奥さん 「何が?」
わたし 「前に言った通りだったよ」
奥さん 「何?」
わたし 「福島の子どもたち、甲状腺の検査で全国平均よりむしろ異常が少なかったって」
奥さん 「そうなの?」
わたし 「昨日の朝日新聞に出てたよ。テレビのニュースでやってない?」
奥さん 「知らない」
わたし 「チェルノブイリもそうだったけど、子どもは大丈夫」
そのニュースは、3月8日の朝日新聞のものです。
下に抜粋しておきます。
全文はリンク先をお読み下さい。
子どもの甲状腺「福島、他県と同様」 環境省が検査結果
朝日新聞 2013.03.08
環境省は8日、長崎や山梨、青森の子ども約4300人を対象に行った甲状腺検査で、6割に袋状の嚢胞(のうほう)やしこりが見つかったと発表した。東京電力福島第一原発事故の被曝の影響を探るために、福島県が進める子どもの甲状腺検査結果と比較するのを目的に調べていた。福島では4割に嚢胞などが見つかっている。
福島県は事故当時18歳以下の子ども約36万人を対象に、甲状腺の超音波検査を行っている。1月までに約13万3千人が検査を受け、41・2%に2センチ以下の嚢胞や5ミリ以下のしこり(結節)が見つかった。
子どもの甲状腺をこれほど高性能の超音波機器で網羅的に調べた前例がなく、4割という割合が大きいのか、被曝の影響があるのか判断が難しい。このため、環境省は福島県外の長崎市と甲府市、青森県弘前市の3〜18歳の子ども4365人を対象に、同じ性能の超音波機械を使い、同じ判定基準で検査をした。
この結果、2センチ以下の嚢胞や5ミリ以下の結節のあった子どもが56・6%、それ以上の大きさの嚢胞などがあった子は1%(福島は0・6%)いた。環境省の桐生康生放射線健康管理担当参事官は「福島も他県もほぼ同様の結果と考えている」と話す。
長瀧重信・長崎大名誉教授は「超音波検査の性能が上がり、嚢胞などが見つかりやすくなった。福島が異常な状態ではないとわかった。ただし今回の調査では、福島の被曝の影響の有無は判断できず、長期間の追跡調査が必要だ。地域性もあるため、福島県で事故後に生まれた子への検査との比較が必要だ」と話す。
何だかわかりにくいと思いますが、上のニュースのポイントを簡単に書きますと、
・全国の子どもたちを対象に前例のない大規模な甲状腺の検査をおこなった。
・全国平均では子どもたちの6割に甲状腺の嚢胞やしこりが見つかった。
・それに対し、福島の子どもは4割だけに見つかり全国平均より甲状腺の異常が少なかった。
・全国平均では子どもたちの6割に甲状腺の嚢胞やしこりが見つかった。
・それに対し、福島の子どもは4割だけに見つかり全国平均より甲状腺の異常が少なかった。
というニュースです。
上の記事の長崎大の名誉教授の方が言う、「福島が異常な状態ではないとわかった」に集約されている話です。
ちなみに、上の私と奥さんの会話にある、私の会話の、
> 「前に言った通りだったよ」
とあるのは、わかりにくいかと思いますが、過去に、チェルノブイリの長期間の子どもたちの追跡調査に関しての WHO の資料をご紹介したことがありまして、そのことと関係しています。
WHO の大規模な調査結果として、「チェルノブイリでは子どもたちへの放射能の甲状腺への悪影響はまったくなかった」という結論に達したという資料です。
20年近くかけて大規模な調査を継続して実施したもので、内容的に完全に信用できる資料です。
チェルノブイリの資料で、私が「大事なこと」だと思ったのは、
「悪い影響が少なかった」
のではなく
「悪い影響はまったくなかった」
ということだと思って、ちょうど1年くらい前ですが、下の記事にその資料を訳しています。興味のある方はお読みください。
・セシウムは14歳以下の子どもの甲状腺ガンと「関係ない」ことが示される WHO の2006年調査論文
2012年03月06日
詳しいところは上の記事を読んでいただければわかると思いますが、下のチェルノブイリの追跡調査のグラフでもわかると思います。
▲ 上のうちの「青くて太い線」が1986年から2002年までの「14歳までの子ども」の甲状腺ガンの推移のグラフです。子供に関しては、むしろ甲状腺が平均より減っています。
なので、そのデータの資料を全文読んで、私は上の記事に下のように書きました。
・事故の頃に生まれた赤ちゃんは甲状腺ガンについて安心して下さい。
・14歳までの子どもは甲状腺ガンについて安心して下さい。
・14歳までの子どもは甲状腺ガンについて安心して下さい。
と書きましたが、少なくとも現在はそのようになっています。
だから、これからも安心していいと思います。
しつこいようですが、14歳までの子供に関しては、「放射能による被害はまったくありません」と断言できると思います。今後もです。
というより、チェルノブイリのグラフを見る限り、震災の原発事故当時の子どもたちは「甲状腺に関してはますます健康になっていく」と思います。今回の福島の子供たちの検査にしても、「全国の子供たちの平均よりはるかに異常が少なかった」というデータが出ています。
ただし、上のグラフでわかる通り、子どもだけです。
大人はセシウムの影響を受けていることが見てとれます。
いずれにしても、子供は大丈夫です。
なので、震災の時に現場周辺で生まれた赤ちゃんをお持ちの方は、ますます安心してほしいと思います。それどころか、データ上では、多分、その子はこれから他の地域の子どもたちより健康に育つと思います。
いや・・・・・・・もしかしたら、本当の意味での「新しい健康な人間」というものの登場の始まりかもしれません。
どうして、こんなことを言うかというと、もうすぐ桜のシーズンですけれど、以前、「宇宙で放射能を浴びた植物が驚異的な発育をしている」という新聞のニュースをご紹介したことがあります。
だいぶん前のことですので、また載せておきます。
過去記事の、
・私たち人類も他のあらゆる生命たちも「宇宙線にコントロールされている可能性」を感じて
2012年06月13日
に載せたものです。
桜とアサガオの別の記事ですが、それぞれ長いですので、冒頭部分だけを抜粋いたします。上の過去記事に全文掲載しておりますので、興味のある方はお読みいただけると幸いです。
宇宙アサガオ、異常早咲き 京産大付属高の3世代目
京都新聞 2012年06月13日
宇宙空間を旅した種子から育った、京都産業大付属高の「宇宙アサガオ」が、通常は夏至以降とされる開花時期より大幅に早く、10日に咲き始めたことが、12日に分かった。
帰還2世代目は異常に多くの花をつけたことが確認されており、開花したのは3世代目にあたるアサガオ。今月10日から2日間、同高と船橋市の種子から育った計5株に一つずつ花が咲いた。
市販種は12日現在、花芽すらついていない。
宇宙帰りのサクラ異変…なぜか発芽・急成長
読売新聞 2011年02月21日
地上350キロメートルの国際宇宙ステーションで2008年11月から8か月半、保管した桜の種を地上へ持ち帰って植えたところ、発芽しないはずの種が芽を出すなど、異変が相次いでいることがわかった。
宇宙を旅した桜の種のうち岐阜市の誓願桜(せいがんざくら)は、樹齢1200年と言われるヤマザクラの一種で、地元の保存会などがまいても種は発芽しなかった。保存会が種265粒を宇宙に送り、248粒をまいたところ、昨年春に2粒が発芽した。
岡山県では、通常は1年に50センチ程度しか伸びない真庭市の醍醐桜10本が、昨年春に発芽して、今は90センチ以上。うち1本は160センチを超えた。
これは、宇宙で大量の放射線を浴びた植物たちが「ものすごく活性化した」というニュースで、桜の種などは「地球上ではすでに死んでいた」ようなものが宇宙から帰ってきた後に「発芽した」というものです。
特に、アサガオの記事で注目したいのは「開花したのは3世代目にあたる」という部分です。
「3世代目」ということは、遺伝子が変化して、それが次世代に続いているということになり、その時だけの話ではなく、「遺伝子が変化した」ということだと思います。
強いアサガオが生まれた。
強い桜が生まれた。
それはもう以前とは違う生命で、その後もその優良な遺伝子が続くというような。
大げさにいえば、映画『2001年宇宙の旅』のスターチャイルドのような「新しい生命」が誕生したというニュースだと思います。
もちろん、植物と人間を同列にするつもりはないですが、「放射能に関しては、具体的な悪いニュースを見たことがない」ということは事実です。
繰り返し思う「新しい日本の聖地」の子どもたち
私は震災後、何度か「新しい時代の新しい人間は、東北から生まれるのかもしれない」と書いたことがありまして、その時は感傷的な意味で書いていたのですが、現実にもあり得るかもしれないと今は思います。
すなわち新しい日本人。
新しい子どもたち。
ほんのわずかな「破局」を回避できる可能性を持つ存在である「新しい子ども」たち。
上の「聖地」という表現は大げさかもしれないですが、震災後、過去何度かそのタイトルで雑文を書いていますが、そのうちの下の記事をリンクしておきます。感傷的な文章ですが、今でもこの時の思いが私の中で続いています。
・わたしの神話はずっと続いている
2011年10月24日
また前振りが大きくなりましたが、しかし、「子どもについての話」という意味では、今回ご紹介するフレッド・ホイル博士の文章は、意味は同じです。
地球を破局から救うとすると、「その主人公は子ども」なのですが、その子どもたちの前にはだかっているのが私たち「邪魔な大人」・・・というか、その「大人の作ったシステム」です。
というわけで、ここからホイル博士の『生命はどこから来たか』の第一章から文章を抜粋します。
省略した部分には注釈を入れてあります。
改行を適時入れていますが、実際の改行部分は文頭に一文字開いている部分です。
また、書籍では数字は漢数字が使われますが、横書きに馴染まないということもあり、英数字にしています。たとえば、「十九世紀」というのを「19世紀」というように書いています。
ここからです。
『生命はどこから来たか』(1995年)
フレッド・ホイル、チャンドラ・ウィクラマシンゲ共著。
訳: 大島泰郎 東京工業大学名誉教授
第一章 人間社会は真実から遠ざかる傾向をもつ
われわれは皆、許しを請うことなくこの未知の世界に生まれてくる。生まれて数ヶ月もすると、目も見え、自らの足で立つこともでき、やがて話し始め、ついには言語の壁をも突破する。初めは何の手がかりもないのに他人の話していることを理解し、自分自身でも話すようになるのである。
われわれは、これらすべてのことを自然のうちに学ぶのである。しかし、唯一残念なことは、この時期において子供たちは、周りの大人たちに世の中の状況の偽りのない真実を、流暢に語る手段を身につけていないことである。そのため、大人たちは適切な双方向の会話ができればやがて誤解に気づくだろうという幻想を抱いたまま生き続けることになる。
不幸にも、偏見のない見解を伝達することができるようになる頃には、教育という過程により偏見のなさを失ってしまうのである。
言うまでもなく教育はもちろん良い一面を持っていて、多くの正しい知識を与えてくれる。それは数学という抽象的な学問から、ギリシャ・ローマ文明で使われていた、馬を窒息させずに馬から労働力を得るための首輪を作る正しい方法にまで及ぶ。教育のおかげで、教えられる知識が正しいものでありさえすれば、知識は後退することもない。
しかしわれわれが知識と思っていることが、実は幻想にすぎなくなったときに問題が生じる。そうなると教育は、世代から世代へと幻想を伝えるということになってしまう。いつのまにか悪化の一途をたどることになる。幻想であるという自覚は世代を追うごとにより軽くなり、次第に幻想に対する信念は増大していくのである。
数学者が言うように、教育制度が間違った信念の拡がりに対してチェック機能を持たないとしたら、間違った信念はだんだん深く確立していき、破局は動かしがたい教義のようになるだろう。
すべての民族、すべての文化が遅かれ早かれ衰退の道をたどるのはこういうところに原因がある。教義の重みは、社会構造を崩壊に至らしめるまでどんどん増していくのである。
この点においては、過去のどの時期よりも現在は悪化している。なぜなら、高い教育レベルの過程は現在約 25年間も続くのである。 25歳といえば、優秀な生徒なら博士の学位を取得する年齢である。子供時代の内面的な独創性を回復するには遅すぎ、またあまりにも永く子供たちは精神的な監獄に閉じ込められてきたため、そこから逃れるには遅すぎる年齢である。
19世紀には、男子は14歳かそれよりも若くして学校を出て、世界中でかなり有名になることも比較的容易であった。
(編者注: このあと、18世紀の英国で、まったく学歴のないジョージ・ステファンスという人物が英国に長距離鉄道を通した話が続きますが、そこは略します)
西暦 700年頃の馬の首輪の発明は、ギリシャ・ローマの大文明以来の大進歩であったが、それはジョージ・ステファンスのように、全然学校に通わなかったある若者によって発明されたことは疑いない。
これらをすべて今日とは関係のない古い歴史の一つの挿話にすぎない、と言いたくなるかもしれない。昔は大きな幻想に取り憑かれていて、現代はその幻想から逃れることができたのだと一般には思われているが、しかし、どうも本当のところはその逆であるようである。ずっと永い間あやまった状況にあり続けると人間は思い違いをするようである。
幻想に深く根ざしているような問題や状況とは何かを指摘するのは難しくない。およそ起源に関する議論において、注意深さや謙虚さは当然のことであるが、いま問題なのは知的な傲慢の洪水である。今日では、毎週のように宇宙はビッグバンによりできたという記事を目にする。ビッグバンによってできたかもしれないではなくて、ビッグバンでできたのだと疑いなく信じている。詳細に描かれた絵に、どのようにして、あらゆる宇宙の事物が、過去のある決定的瞬間に起こった爆発のなかで圧縮されていたか描かれている。
しかし真実は、われわれはそのことを知らないということである。
われわれが言えることはある種のビッグバンが起こったとすれば、いわゆる軽い元素が現在の宇宙には多量に存在しているという観測結果と、たまたま一致するということがあるかもしれないが、別の説明も可能である。そのほか二つのことがビッグバンを支持する事実とされている。しかしそのうちのひとつは、ビッグバンによらなくても簡単に説明され得る。
もう一方の事実(宇宙の背景マイクロ波)は、最近ビッグバンの考え方と矛盾するような性質を持つことがわかってきた。
これは説が発展しようとしている時なら、大問題ではないが、この説は真実であり、反駁することはできないことは間違いないと読者に太鼓判を押す、生半可な解説者が氾濫しているところまで達した学説にとっては大問題である。
(編者注: ここからビッグバンと膨張宇宙論から始まる科学の複雑な話が展開しますが、今回、抜粋しようと思うのは、「子供と学問と真実」についての理想ですので、ビッグバンと膨張宇宙論に関しての話は割愛します)
先に述べたように、ある分野の科学的知識は確かなものである。確かな知識からまだ未解決課題へと進むと、事情は違ってくる。教条的な意見や教義が顔を出す。科学者は真の科学者であることをやめ、事実より教義を取り上げ、こうして創造主義者と同じ思考をとるようになる。
われわれの考えは、地球上の生命の起源と進化に関する進化論者の見解は、創造論者と同じくらい全く間違っている。創造論者の誤りは明白だが。進化論者の誤りはわかりにくく、特に学校で学ぶ子供たちの目から真実を隠していると思う。科学の進歩の方法は確実な知識を外へ押し広げていくことである。注意深い研究により、最前線が次第に広げられていくならこの方法はうまくいく。
しかし、突然大飛躍して科学が発展することもある。ニュートンの力学の飛躍的な進歩が、天体力学の発展、 19世紀の光と放射線の理論、そして現代の量子力学を導いてきた。
これらの進展に貢献した科学者各人の称賛に値する業績は偉大であり、その名は永く刻まれるようになっている。科学者たちが大進展の主役になりたいと野心を持つのは当然である。ある者はその才能により成功し、ある者は幸運に恵まれ、さらにある者はけしからんことに作り話で成功を収めた。そのやり方は、何もないのに大進展があったかのように振る舞うのである。
このようなニセの効果がうまくいくには、一人の孤立した科学者ではなく、科学者の陰謀団のほうがよい。声を揃えることで、陰謀団は各々の科学者の口を封じ、科学雑誌に発表される論文の内容に圧力を加え、ついには反対意見を一掃してしまうことができる。
こんなことは全くの作り話ではうまくいかない。初めには、ゲームでいうところの「ツキ」があったに違いない。すなわち初めには、事実は陰謀団の言う理屈に合っているかのように見える必要がある。
陰謀はのちにその理論に合わない事実がわかってきたときに現れ、科学雑誌を自由に操ることを通して慎重にこの事実を葬り去ってしまう。さらに陰謀団の理論が、教育課程に侵入し、常に難しい試験の連続に追い立てられ、自らを失っている数多くの生徒たちに教え込まれると教義は確立してくる。
学会は誤った知識の領域を持つことになり、その損失はもとより、その周辺領域すべての進歩を阻害してしまう。このことが同時に、多方面に影響し、人間社会の衰退、そして最終的には破滅へと導くのである。
引用はここまでです。
私は科学の真偽自体は何ともわからないですが、漠然と持つ、「破局」の意味は大体、このホイル博士の言うことと同じようなことだと感じています。
科学だけではなく、「価値観」という言葉も、上の文章の最後のほうに当てはめるとわかりやすいのではないでしょうか。