2013年03月12日



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薄い大気から水を抽出する方法 : (歴史的干ばつの世界的な拡大を見て)



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▲ 中国雲南省では大干ばつが発生しており、500万人が被災しているようです。上の写真は雲南省のメディア雲南網 より。下のほうに文字の記事も載せています。
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水が気軽に手に入る時代は終わろうとしているかもしれません


今回は久しぶりに「ハウツー記事」です。

前回のハウツー記事はそれぞれずいぶんと以前ですが、



などについて記したことがあります。

今回は水を大気から獲得する方法です。

これは先日、

ペルーの首都で「大気から飲料水を作る装置」が市民に提供される
 2013年03月02日

というペルーの大学で、「大気から飲料水を作り出す装置」がペルーの首都リマに設営された記事をご紹介したのですが、それ以来、大気から水を作る方法というものに興味を持っていました。

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▲ 上記事よりペルーの首都リマ市に出現した「大気中の水分から飲料水を作る」という看板。リマ国立工科大学( UTEC )が出したもの。


上の記事で私は下のように書いています。


日本は水が豊富だとはいえ、今でも水は河川、つまり「雨頼り」であるわけで、毎年のように各地で断水や取水制限が起きます。

そして、今後は環境の変動も大きくなる可能性はあるわけで、大雨が続くというような可能性がある一方で、大変な干ばつという可能性はどこの国でも起きる可能性はあると思います。たとえ僅かな量でも(飲料水だけでも)、大気から水を得られる装置には興味があります。




ペルーの国立工科大学で作られた装置は大規模なもので、私たちにどうのこうのできるようなものではないですが、いわゆるサバイバルなどでの飲料水の集め方が書かれてるあるページを最近、偶然見まして、それをご紹介しようと思いました。

まあ、自然界の水滴などから水を集めるというようなごく普通の方法ですが、実際には私などもやったことがないわけで、方法を知っておくのもいいかなと思いまして。


どうして今そんなことをご紹介しようかと思ったかというと、今、干ばつがひどいのです

特に、インド、中国、アメリカではひどい状態の場所が報告されています。
少し紹介しておきます。





かつて経験したことのないような干ばつに突入している各国


まず、最もひどいのがインドのマハラシュトラ州というところで、その中のアウランガーバード地域では、全世界で報道されるほどのひどい干ばつとなっています。私が見た限り、いわゆる主要国でこのインドの干ばつを報道していないの日本(日本語)だけのような気がします。

aurangabad_map.gif

▲ マハラシュトラ州アウランガーバード( Aurangabad )の場所。


下は CNN の記事の概要です。


Drought worsens in Maharashtra; 7,075 villages hit across the state
CNN IBN 2013.03.12

マハラシュトラ州の干ばつが悪化し、州全体で 7075の村が被災

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マハラシュトラ州の干ばつによる影響が拡大しており、生きるために遠方から水を運ばなければならない村の数は、先週の 2280から 2408の村に増加している。州全体では 11801の村が影響を受けており、過去 40年間で最もひどい干ばつとなっている。

2年連続してモンスーンによる降雨が少なかったことが原因と思われるが、水不足がここまで極端に悪化したことに対して「憂慮すべき事態だ」と州当局は対策を検討している。



地元のメディアには、下のように、果てしなく乾燥した大地を水を運び続ける子どもたちの姿などの写真が数多く見られます。

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▲ インドのメディア Samay より。



そして、中国。

中国の雲南省では、現在、約 500万人が干ばつで被災しており、拡大が予想されています。

下は日本語版の大紀元からです。


雲南省で大干ばつ、497万人被災
大紀元日本 2013.03.12

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中国南西部の雲南省が大規模な干ばつに見舞われている。

干ばつの被災者は約497万人で、そのうちの約143万人の人々と、79万頭の家畜に十分な飲用水を供給することができない。

農作物の被災面積は約53万ヘクタールで、そのうち、約25万ヘクタールの農地は深刻な干ばつに見舞われ、収穫不可能な農地面積は約5万ヘクタールに達した。

また、省内の134の河川が枯渇し、138箇所の小型ダムの水がほぼ無くなった。経済損失は約393億円に上る見込みだという。

同省気象庁はこれまでの4年間、高温少雨の天候が続いたことが原因だとみている。さらに、今年1月1日〜2月28日までの各地の平均降水量は前年よりさらに64%減少したことが干ばつに拍車をかけた。




あとアメリカなんですが、アメリカは毎年干ばつがひどいのですけれど、昨年の夏の記事、

2012年6月の全世界の気温は 1880年の観測開始以来もっとも高かったことが判明
 2012年07月19日

に下の表を載せました。




これは2012年の米国の干ばつの予測ですが、今年はさらにひどくなる可能性が指摘されています。リアルタイムの米国の干ばつ状況は U.S. Drought Monitor にあります。

現時点で、フロリダとテキサスはかなりひどい干ばつのようです。
下は「干ばつがテキサスとフロリダに拡大」という内容の記事です。

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▲ A Dry Spring: Drought Expands In Texas And Florida, Pounding State Economies より。



そんなわけで、これから春になり夏になっていくわけですけれど、穏やかな気候が続くというようなイメージはあまりしないのもまた正直な感想なわけで、水が豊富といわれていた日本も先はわかりません。

そして、仮に、経済などが同時に崩壊すれば、水の購入も難しくなったり、あるいは崩壊まで行かなくとも、このまま円安が「仮に制御を失った場合」、海外の水などそのうち買えなくなるという時が来る可能性もあります。

過去の歴史を見ると、通貨安はコワイですよー。
特に制御が利かなくなった時は。


というわけで、ここから飲料水の作り方です。

なお、イラストの中に Transpiration bag とあるのは直訳は「蒸散袋」という感じですが、この「蒸散」というのは、Wikipedia によれば、


蒸散とは、植物の地上部から大気中へ水蒸気が放出される現象である。



ということです。




How To Extract Water From Thin Air
Beforeitsnews 2013.03.08

薄い大気から水を抽出する方法


たとえば、電力が全国規模で停止したとする。
実はそれだけでもう、水は供給されない。

そのようなことを想定して、大気から水を集める方法を考えてみるのも悪くはないと思うのだ。大気から水を集めるいくつかのヒントを載せる。



樹木の蒸散を利用する方法

朝、霞と湿度がある中でなら、緑豊かな緑の中で茂みや低木を利用して、下の図のように水を集めることができる。袋を止めるのにはゴムバンドなどを使う。


get-water-1.gif

重しを入れたビール袋の下には小さな穴を開け、容器に貯める。

この方法で収集した水は基本的には無害で、飲料として使うことができる。ただし、水の味は、植物の味がするのと、採取できる水分の量も決して多くはないが、ないよりはマシだ。


太陽蒸留器( Solar Still )で水を作る方法

水を集める太陽蒸留器を作るには、

・薄いビニール袋(シート)
・土に穴を掘る道具
・水を貯める容器
・器から水を飲むためのチューブ
・重しとして使うきれいな石

が必要となる。

次のような図となる。


get-water-3.gif


説明すると、


1. 穴を掘る場所は草があり、しっとりと柔らかい土のところが良い。幅約1メートル、深さ約 60センチ程度の穴を掘り、上の図のように下に容器を置く。

2. 穴の上に薄いビニールシートを張る。

3. ビニールシートの中央に重しとしての石を乗せる。ビニールシートごと落ちないように、ビニールシートの周囲をしっかりと固定する。


地面からの湿気が、太陽の熱に反応し、ビニールの内側に結露を作り出す。容器に水が貯まったら、容器ごと取り出す、あるいはチューブで飲むが、普通のチューブではダメで、濾過機能のついた特別なものが必要だ。

さすがにこのままでは飲用には適さないので、濾過と消毒が必要となる。

簡単な濾過用のフィルターは以下のように作る。



水の濾過器


get-water-5.gif


1. 持ち手のついているビニール袋かプラスチックの袋を用意する。

2. 袋の下から順番に、木炭、砂、小石、その上にまた砂、石と重ねる。

3. ビニール袋を吊し、水を注ぐ。

4. バッグの底に小さな穴を開ける。

5. 下に濾過された水を受ける容器を置く。


ただし、これでも完全に水が衛生的に浄化されるわけではない。
飲料にするには、沸騰させたり、ヨウ素などの錠剤を使用する必要がある。






(訳者注) 以上ですが、実は、上の下ふたつの方法では、「飲用に適さない」とありますが、過去記事で、アメリカ赤十字社による「緊急時の水の浄化」の方法として、漂白剤を使う方法をご紹介したことがあります。


非常時に漂白剤で水を浄化する方法
  2010年10月26日

あくまで、緊急時用ですが、どこのご家庭にもあるキッチンハイターとかああいうやつですが、実はあれを使う方法が災害や戦争時などでは救助マニュアルとして書かれてあります。

また、一番上のほうにもリンクしましたが、「太陽放射の紫外線Aで川や湖の水のバクテリアを滅菌する」という方法でも、ほとんどの有害な細菌やバクテリアを死滅させることができます。

太陽光線というのはすごいのです。

なので、その水が化学物質にさえ汚染されていなければ、とりあえず飲む水(まずいけれども害はないという意味)を自然の中から獲得することはそれほど難しいことではないかもしれないと思います。


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