シリーズ:良い時代と悪い時代
(1) 500年ほど続いた「穏やかだけれど傲慢な時代」は終わろうとしているのかも
(2) 天上の神々の地位
(3) 2013年の巨大彗星アイソンのこと。そして宇宙から地球に降り続ける生命のこと
(4) 2013年 2月15日に世界各地で同時に太陽の光のように爆発した複数の隕石
(2) 天上の神々の地位
(3) 2013年の巨大彗星アイソンのこと。そして宇宙から地球に降り続ける生命のこと
(4) 2013年 2月15日に世界各地で同時に太陽の光のように爆発した複数の隕石
▲ 3月19日に米国コロラドで撮影されたパンスターズ彗星。 Spaceweather より。
地球の周囲は変化してきている
先日、物騒といえば物騒な、
・4月に巨大な小惑星が直撃する? : NASA 長官が米国議会で語った「祈りましょう」の発言の真意は何か
2013年03月21日
という NASA の長官が「数週間後に地球へ向かうコースを直進している数百メートル級の小惑星がある」ようなニュアンスを漂わせているというような以下のニュースをご紹介しました。
米国 NASA のチャールズ・ボールデン(Charles Bolden)長官は、アメリカのニューヨークに向かっているかもしれない巨大な小惑星を処理する方法について具体的な方法に言及した。
その具体的な方法は「祈って下さい」であった。
NASA の長官の発言の意図はわからないですが、本当にそういうことが現在起きていたとしても、単なるたとえ話であっても、「数百メートル級の天体」というのは、仮に地球の大気圏に突入すると大変な被害を及ぼすものではあります。
何度か掲載したことのあるフレッド・ホイル博士の『生命はどこから来たか』にある下の表を見ても、700メートルの彗星の衝突のエネルギーが広島型原爆の5万倍に相当するとあります。
▲ 「良い時代と悪い時代(1)」より。
単純な計算でも、都市部など人の多い場所や「海」に直撃すれば大変な被害が出る規模です。
ところで、このことはちゃんと書いておいたほうがいいと思うのですが、こういう記事を書くときには「そういうことが起きないことを願います」というようなことを書くのが常套句のようですが、私が昨年から書いている「良い時代と悪い時代」というシリーズでは、私は、これから地球はそういう時代(天体の爆撃が多くなる時代)になると書いているので、「そういうことが起きないことを願っています」とは書けないのです。
どの時代に、どの程度の規模と頻度で起きるかということは考えますが、「起きない」なんて考えることはできないです。
思ってもいない「そういうことが起きないことを願っています」というようなウソを書くこともあまり好きではありません。本心からそういう時代が来ると私は思っているからこそ、この「良い時代と悪い時代」の記事はいつもとても労力をかけて書くようにしています。
また、もうひとつ書きたいことは、こういう宇宙や自然の災害は、神の怒りでも宇宙の怒りでも何でもなく、これまで地球が何度も経験してきた時間的なサイクルの話です。そういう時代にちょうどさしかかるという単純な理由で、スピリチュアルな理由でもなければ、何か壮大な神話のような物語でもありません。
たとえば、全然関係ないグラフですが、下は地球の過去 40万年間くらいの間の「地球の気温の変化」を表したグラフです。
南極など極地の氷床や氷柱の年代測定によって、過去の地球の大体の気温の変化の目安がわかるようになってきています。今後は極地以外でも年代ごとの気温や気候の変化の詳細な測定もできるようになるとも思います。
上の表を見ると、数万年とか 10万年とかの周期で「突然、地球の気温が変化している」ということに気づかれると思います。
徐々に、ではない。
その時期にそれぞれどのようなことがあったのかは正確に知ることはできないですが、いずれにしても、地球は上のような極端な変化を繰り返してきました。
もちろん気温だけではなかったと思います。
そして、今の地球は天体の衝突の最後の時期から 500年以上を経過していて、時期的にはまた「天体の爆撃の時代」が始まる時期なのではないかという、本当に単純な時間的経過としてのサイクルの話です。
もちろん個人的には、地球の人類の「精神的な破局」がもう限界に達しているとは思っていて、そのことをたまに書くことがありますが、それと今回のことを関係させて書こうとは思いません。
ただ、先日の記事の
・春になると私に訪れる「狂気の空気」を少し救ってくれたロシア発のパンスペミア説
2013年03月18日
や、あるいは、「ロシア宇宙主義の記事」でご紹介しました 20世紀はじめのロシアの科学者のチジェフスキーという人がいて、この人が、『ロシアの宇宙精神』という著作の「宇宙への進出」というセクションにチジェフスキー博士は以下のように書いていたそうです。
チジェフスキーは 1920年代のはじめに、地球上の生命現象が宇宙の物理的な現象とつながっていることを明らかにした。
敏感な神経節と同じように、ひとつひとつの生きた細胞は「宇宙の情報」に感応するのであり、「大宇宙」はこの情報を細胞のひとつひとつに浸透させているのである。
eonet より。
という理論には大変に感銘を受けます。
しかし、この話と小惑星の話を混同すると、科学の部分が曖昧になりますので、それはいずれ書きたいと思っています。
小惑星衝突情報のシンクロニシティ
さて、ところで、上の「4月にアメリカに巨大な小惑星が直撃する?」を書いた日に、外出から戻るとメールが届いていました。
時間的には、記事をアップしたより先に届いていたようです。
メールをくれた方は以前のお知り合いですが、お会いしたこともなく、メールそのものも1年に一度いただくかどうかというような感じで、要するにふだんコンタクトしているような方ではありません。というか、今は私は、基本的にメールも含めて、インターネット上での人との付き合いはほとんどありません。
それはともかく、いただいたメールの内容は、簡単に書きますと、
「幅約800mの小惑星が、現在、地球に向かって進んでいる」という海外のサイトを翻訳されている方のブログがあったのですが、どう思われますか?
という感じのものでした。
ちょうど、その日の朝に小惑星の記事を書いていたので、ふだんそんなことを話したことのない人からそのようなメールが来て、ちょっと興味が湧きました。
メールにリンクが記載されていた日本語記事は「再び小惑星が地球に接近、世界を変える可能性が? 」というブログ記事でした。
そのリンクにある英語の記事から、さらに最初のソース記事まで探してみました。すると、確かにそういう内容のことが書かれてありましたので、ご紹介してみたいと思います。
記事は作者の人が書いているのではなく、送ってこられたメールの内容を掲載しているようです。
なお、検証というか、現時点でわかっている小惑星のデータ等に関しては記事の後に記しますが、私自身はいくつかの点から、この内容にそれほど信憑性を感じるわけではありません。
Man Warns Of Incoming Asteroid That Could Change The World As We Know It
Global Intel 2013.03.19
世界を変えてしまうかもしれない小惑星について警告する人物からのメール
私たちのサイトのスタッフが、レイモンド氏と名乗る科学者から以下のメールを受け取った。検討した結果、その内容がある程度信じられるという結論となり、掲載することにした。
小惑星帯は、毎年のように太陽系内で地球の軌道と交差し、無数の小惑星が地球の近辺を通っている。その数は 2000とも、あるいは1万ともいわれる。また、今回このメールを掲載したのは、読者の方々からの意見やフォローによって、様々な知識や見解を知りたいという意図もある。
以下がそのメールである。
レイモンド氏からのメール
私は世界中の様々な天文施設で研究をしている科学者です。ここではレイモンドと名乗らせていただきます。私が働いている天文施設には民間も公共施設も含まれます。
なお、私はいわゆる陰謀論者ではありません。
例えば「人類は月には行っていない」とか、「 2012年にはニビルが地球を破壊する」といったような根拠のない話をするような人々と同じにされるのは困ります。
私が見ていることは事実です。
数週間前にロシアの上空で 18メートル程の大きさの隕石が爆発した事件はご記憶かと思います。隕石は空中で爆発しましたが、もし、あの天体が空中で爆発せずに直接地上に激突していたとすると、どのくらいの被害となったか想像できますか? その場合は多くの人々の命が犠牲になったと思われます。
あの大きさの隕石でも衝撃波が数千キロ離れた場所でも記録されました。
そして、ここから書くことは私たちが観測で見た事実です。
私たちが見たものは、小惑星帯の大きな断片から分裂して移動している巨大な小惑星かあるいはそれと類した天体でした。
その天体はそれまで私たちが発見していなかったもので、正確な予想進路を決定することができませんでした。この小惑星の存在を知らせて、人々を不安にさせたくもありませんでした。
そして、発見からちょうど2時間後に、私たちの米国の天文所にその小惑星の軌道が判明したことが書かれた FAX が届きました。それは、次の7日間のうちにカナダかメキシコの地域を直撃する軌道のコースが描かれていました。
正確な時間についてはまだ計算されていません。
わかり次第、メールを送信します。
仮に地球に直撃するコースをとった場合、この巨大な小惑星の衝突は絶滅レベルの出来事といえます。何百万人もの命が奪われる可能性があり、それ以外の被害の面積の範囲も想像を絶するものとなるでしょう。
現在、コースに関しての再計算を求めています。
今のところ、小惑星のコースは残念ながら上に書いた計算となっています。
周囲の方々に愛と祈りを伝えていただければ本望です。
失礼いたします。
ここまでです。
大きな小惑星から分断したという、その大元の小惑星帯の天体の位置などについての具体的な記載がないあたりに、信憑性のなさを感じさせ、このメールの内容だけでは、レイモンドさんの言うこと自体を信用できる根拠はないです。
しかし、最近何度か載せていますが、レイモンドさんが言わなくても、太陽系の中の地球の周囲には現在、下の図のように彗星と小惑星が無数に存在しています。
2013年1月1日の彗星と小惑星の軌道図
そして、上の図を「横から見る」と下のようになります。
▲ Inner Solar System Orbit Diagrams より。
また、彗星活動も活発で、今回の記事の最初に載せた写真は 3月 19日に米国のコロラドで撮影されたパンスターズ彗星の写真です。
この「パンスターズ彗星の軌道」は、国立天文台がウェブサイトに掲載していますが、円形の軌道を持たない(かもしれない)彗星や小惑星がどのように太陽系の中を進んでいくかかかわかります。それらは「直進する」のではなく「太陽系の中を放物線を描いて進む」ようなのです。
▲ 国立天文台 バンスターズ彗星 より。
上のように彗星が放物線の軌道を描くのは、重力の作用によるもののようです。
天体は小惑星なども含めて、太陽系内の惑星の重力の影響により様々な放物線を描いて、地球の近くなどを通っていきます。そして、当然、地球の大気圏内にも日々小さなものは突入しています。そのうち、最近どれだけ隕石や火球が目撃されているかの報道を記事としてまとめてみたいと思いますが、本当に多いです。
小さな隕石はほとんどが空中で爆発しますが、150メートルを超えるくらいの大きさになると、地上に激突する可能性が高いようです。
NASA の長官やレイモンドさんの言う日付けに近い日に地球に近づく小惑星
なお、一応参考までに、NASA の長官やレイモンドさんの言う日付けに近い日に、地球の周辺に近づく小惑星を NASA のジェット推進研究所からピックアップしておきます。
条件としては「最近発見されたもの」です。
つまり、2013年になってから発見されたものに限ると、NASA が発表したものでは下のふたつがそれに該当します。
上のふたつの小惑星が最接近する時の軌道です。
どちらも NASA ジェット推進研究所のシミュレーションからです。
小惑星 2013 EL89 の軌道
・2013年03月29日に地球に最接近
・その際の地球との距離は約 177万キロ
小惑星 2013 EL89 の軌道
・2013年03月30日に地球に最接近
・その際の地球との距離は約 160万キロ
のようになっています。
この距離ですと、万が一にも衝突する可能性はないです。
ただし、過去にもくどいほど書いていますし、前回の記事でも NASA の長官が語っていますが、
都市ひとつを壊滅させられる規模の天体約1万個のうちの 10パーセントしか私たちは知らない。
ということがあり、つまり、「それまで知られていなかった小惑星が突然、地球の大気圏に突入してくる」という可能性のほうがはるかに高いということだと思います。
しかも、小惑星の激突に関しては「対策」も「逃げるべき場所」も存在しませんので、心配したり対策を立てようがないというところがあります。
それが宇宙から来るものの特徴です。
予防できないと。
たまに、陰謀論などで「地中深くに住居を作り、支配層はそこへ逃げようとしている」という話を聞くことがありますが、その方法では巨大な小惑星には太刀打ちできません。現在の地球の掘削技術で掘ることのできる地中の範囲と、数百メートル級の小惑星の「衝撃の範囲」に差がありすぎるからです。
だから、地表も海の中も地下も全部逃げ場はありません。
そういう意味ではとても「平等」だと思います。
お金があっても、名誉があっても、天体の攻撃を避けることはできません。
エジプトのピラミッドの残骸を見ると、そのことをよく思います。
ですから、正式に落下ポイントなどが発表されたのならともかく、それ以外に関しては、あまり気に留めないほうがいいと思います。どのみち、地球はじきに「悪い時代」に入るとことは周期的なサイクルから見ても、仕方のないことだと思っています。
私なども「いつこの世から消えてもいいようにいい人生を送ろう」とは思いますけれど、そもそも「いい人生ってなんだ?」とか思ったり。
[追記] 2013.03.23 アメリカの東海岸に流星群ではない単体の流星が出現したことがニュースになっています。ロシアの声の日本語記事を貼っておきます。写真のほうは、米国流星協会の本物の写真です。
米東海岸に流星出現、NASAが確認
VOR 2013.030.23
米国航空宇宙局(NASA)のビル・クック報道官は、22日夜に米国東海岸で観測された燃える流星は流星群ではなくひとつだけ流れた流星だったことを明らかにした。23日、AP通信が伝えた。
23日にかけての深夜、多くのソーシャルネットのユーザーからとても長い尾をひき緑色の炎に包まれた流星が南または南東の方角に流れているという書き込みが行なわれた。米国流星協会(American Meteor Society)のサイトだけでも350近くの確認報告がなされている。ニューヨークでは数秒間にわたって流星が流れる様子が観測された。
クック報道官は、流星は燃える球体に似ており、南東の方角に移動していたと語り、明るさから満月を想起させるものだったと述べている。
米国流星協会のサイトにはモスクワ時間午前3時55分から4時03分の間に流星を確認したという報告が入ってきている。