2013年03月27日



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苦痛の「ない」アルマゲドンへ: ヒッグス粒子の確定と共に確定した宇宙のカタストロフ



しかし、実は私たちが「宇宙の消滅」を怖がる必要はない理由

core-2013-03.jpg

Is Time Disappearing from the Universe? より。


今から1ヶ月くらい前の「ロシアの声」日本語版に下のような記事が出ていたことがあります。


「神の粒子」は宇宙を殺す
ロシアの声 2013.02.20

higgs-event.jpg

欧州原子核研究機構(CERN)が正式にその発見を公表したことで大きな注目を集めた「神の粒子」とも呼ばれるヒッグス粒子は、宇宙にカタストロフィー的な「破滅」を運命付けた。宇宙は石鹸の泡のようにはじけて壊れるというのだ。

米国の物理理論学者、ジョゼフ・リッケン氏はこうしたシナリオを発表した。これは今日最も普及している宇宙の無限拡大理論を否定するものでもある。宇宙が滅びる原因は最近ヒッグス粒子の重さが変化したことにある。ヒッグス粒子は原子核の成分であるプロトンの126倍の重さ。これはつまり、宇宙は安定しておらず、「はじける」恐れがあるということを意味する。

ただし宇宙がはじけるとしても、物理学者らの計算では、それは100億年後より前になることはなく、光の速さで起きるため「誰も何も感じない」という。



記事に出てくるジョゼフ・リッケン( Joseph Lykken )博士という人は、記事に出ていませんが、実はフェルミ国立大型加速器研究所の理論物理学者で、さらには、大型ハドロン衝突型加速器( LHC )の研究者の一員なんですよ。

どちらかというと、ヒッグス粒子探査の中枢的な人物のひとりなんです。

実は当時、このリッケン博士のインタビューのような記事を翻訳してご紹介しようとしていたんですが、途中に出てくる科学の理論が全然わからなくてあきらめたのでした。

ただ、リッケン博士は言った言葉は上のような感じのものではなく、下のような言葉でした。Daily Galaxyの 2013年02月19日の記事からのものです。


「私たちが生きているこの宇宙は本質的に不安定なものかもしれないのです。そして、この宇宙はこれから何十億年後のどこかのある地点で消滅してしまうのかもしれません。

今回の計算では今から何十億年後とはいえ、この宇宙にカタストロフが確実に訪れることを示しています」。






そもそも何の話なのかを復習してみました

これまで何度かヒッグス粒子のことについて書いたことがありましたが、どうして、科学の世界ではこの発見に対して心血を注いでいるのかということを感情面では書いたことがありますが、実際の話としては書いたことがありませんでした。


簡単に書くと、その理由は、「質量を持つはずのない素粒子が実際には質量を持っている」という矛盾を解決してくれる(その可能性を与える)存在だからなのだそうです。

素粒子というのは Wikipedia から抜粋いたしますと、



素粒子とは、物質を構成する最小の単位のことである。



というものでさらに、



最小の単位であるということは、それより小さな存在がないということであり、したがって内部構造を持たず空間的な大きさを持たない。




「内部構造を持たず空間的な大きさを持たない」とは、重さも大きさもあってはいけない・・・というか、「素粒子とは重さも大きさもないはずのものだ」と。


しかし、素粒子は実際には質量を持っているのです。このあまりにも大きな科学の矛盾が現在の科学界には存在しているのです。しかも、あまりにも根本的な矛盾が(物理のすべてに関係する矛盾)。

proton-1.png

▲ 素粒子の質量の表。キッズ・サイエンティスト [ヒッグス粒子と質量]より。


上の表は、「キッズ・サイエンティスト」という少年少女のための科学サイトですが、それでも全然理解できない私も情けないですが、このページは「キッズ・サイエンティスト [ヒッグス粒子と質量]」から「素粒子」というものを少し抜粋してみます。


現在の素粒子像「標準模型」

物質はクォークとレプトンからできています。

クォークもレプトンも6種類みつかっており、それ以上はなさそうです

proton-2.png


それらの物質粒子の間に働く力には

・強い力
・電磁力
・弱い力
・重力

の4種類があります。

これらの力を伝える媒介粒子として、8種のグルーオン(強い力)、光子(電磁力)、3種のウィークボゾン(弱い相互作用)があります。


proton-3.png


(中略)


素粒子の質量

ところが、標準模型が原理として用いているゲージ場理論が成り立つには、すべての素粒子の質量が厳密にゼロでなくてはなりません。

ところが表(上の「素粒子の質量の表」)に示すように、クォークやレプトンは質量をもつことが実験からわかっています。

この矛盾は、現在の宇宙が「ヒッグズ場」の中に浸っていると仮定すると解くことができます。標準理論では、ビッグバン直後には、全ての素粒子が、何の抵抗を受けることもなく真空中を自由に運動できていたと考えます。つまり、全ての素粒子に質量がなかった時代です。しかし、ビッグバンから、10-13秒過ぎたころに、真空の相転移が起こり、真空がヒッグス粒子の場で満たされてしまったと考えられます。



これが科学者たちが「ヒッグス粒子を探し求めてきた理由」です。

つまり、ヒッグス粒子がみつからない限り、「素粒子が質量を持つ」という現代の物理学の最大の矛盾が永遠に矛盾のままとなってしまうのです。

もちろん、ビッグバン理論も崩壊します。



まあ、そういう中で、先日、下のようなニュースが世界中を駆けめぐりました。


ヒッグス粒子発見、ほぼ確実に

ナショナルジオグラフィック ニュース 2013.03.18


欧州原子核研究機構(CERN)が、2012年に発見した「ヒッグスらしき」粒子は、本当に長らく見つかっていなかったヒッグス粒子であるとの確信をこれまで以上に深めたと発表した。

長らく見つかっていなかった粒子の発見が間違いだった確率は「今や天文学的に低くなりつつある」と、スタンフォード大学の実験物理学者でアトラス実験に参加するティム・バークロウ氏は述べる。




以前までの私は感情的に書いていた部分もあるヒッグス粒子ですが、素粒子のことをほんの少しだけ知ってから、そういう感情の問題ではないことに気づきました。これは「この世の終わりと関係したニュースなのだ」ということがわかってきたのです。


最近たまに「終末」のことを書きますが、上のニュースなどを見ながら、なんとなく「その終末時計がまたひとつ進んだなあ」とぼんやりと思います。


もう私にとっては、科学者たちの喜びなどはどうでもよくなっています。

あるいは、そもそも「存在しない宇宙の中でノーベル賞をもらっても仕方ない」でしょうし、科学者もそんなに嬉しくないかもしれません。

でも、「矛盾は解ける」。





宇宙を物理的に崩壊させる可能性を示すヒッグス粒子

「チクタク・・・チクタク・・・時計が進んでいくなあ・・・」などと思っていましたら、数日前のビジネスラインというメディアに下のような記事が出ていました。これはインドの PTI という新聞メディアからの記事を引用したもののようで、今日は同じ記事が米国のヤフーニュースにも出ていました。

doon-higgs-01.jpg

‘God particle’ could spell doom for the Universe より。

最初は、この記事をご紹介しようと思ったんですが、でも実際、私のような科学音痴が読んでもよくわかんないんですよ。


ただ、わかったことは、ヒッグス粒子の発見が示すものは、



宇宙は非常に不安定な構造である



ということのようです。

それと、あとは上のリッケン博士が言っていたように、時期はわからないながらも、「宇宙はいつかは崩壊する」ということがその記事にも書かれてあります。

あっという間に消えてしまうような。



「ビッグバンのあった世界」に行けば、終末は怖くない(私は行かないけれど)


「宇宙の消滅」だとか「宇宙のカタストロフ」などというと、恐ろしい感じがすると思いますが、「恐ろしくないことを示すため」に最初に、ロシアの声の記事を載せたのです。

そこにはこう書かれてあります。



光の速さで起きるため「誰も何も感じない」という。



そう。

宇宙の崩壊が光の速さで起きるのならば、「終わった」ことすらわからないわけです。

doom-2015.png


上のような感じですかね。
適当な図ですが。



光速での崩壊というのは、「何も感じない」どころか、何か起きたことを認識することさえできないもののはずです。


なので、別にヒッグス粒子の確定によって、宇宙の崩壊が確定したからといって、とりたてて騒ぐようなことでもないと思います。

そういう意味では私たち人類はいい科学者に恵まれたのだと思います。「苦痛のまったくない宇宙の終わり」を見つけてくれたのですから。




ただですね(笑)。

相変わらずですけど、私はヒッグス粒子なんて信じているわけないじゃん・・・ということはちゃんと書いておきますね。



ビッグバンとか、成長する宇宙とか、ブラックホールとか、暗黒物質とか、暗黒エネルギーとか馬鹿馬鹿しい。


それらの馬鹿馬鹿しさが、大人になって、ほんの少しわかってきたことだけでも、私は人生に次第に悔いがなくなってきています。



先日の、

私たちに残されたかすかな「破局の回避」の可能性のために(1): 「人類のひとりと宇宙は同一のもの」
 2013年03月24日

の中に書きました「質量保存の法則」という科学の鉄則から考えれば、



「宇宙はいまだかつて一度も誕生したことがない」




ということはこれからも何度も何度も何度も書くつもりでもあります。


ただし、今までとやや形成が逆転しそうな部分としては、

ビッグバンで始まった宇宙の終わりには苦痛が「ない」

ですが、

ビッグバンのない宇宙には「苦痛が存在する」

ということだと思います。

つまり、私の信じる宇宙には「苦痛が存在する」という意味です。


それでも私は苦痛は苦痛として受け止めながら、これからも「ビッグバンのない宇宙」のほうで生きていきたいと思っています。苦しいほうの宇宙で。


しかし一方で、ヒッグス粒子の発見とビッグバン理論の完成によって、この宇宙に「苦痛のない終わり」をもたらしてくれた科学者の方々には感謝します。

私はそちらの世界にはいきませんが、そちらの世界は安寧があります。



おめでとうございます。



ところで、次回なんですけど、ちょっと具体的な話として、今、世界中で起きている「地割れ」とかそのあたりの地殻変動の話を書きたいと思います。

私の生きている世界には苦痛が多いです。



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